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勉強しなければいけないことは何?

私の両親は大学の医学部の先生で(父は退職しましたが)、大学や学生に関する話も色々耳に入ります。
特に担当してる基礎分野について、「それ国試(=医師国家試験)に出ますか?」「それ患者を治す役に立ちますか?」「臨床の先生もいらないと言いました」と言われる、という話は再三聞きますね。
父の方はそれに対して、あまり知られていない症例を挙げて「こんな勉強はいらないと何でわかる? こういうのを見落としても自分は名医だと思ってられる。馬鹿は馬鹿にはわからんのだ」と言いますが。まあ確かに、癌を見落としたら医療訴訟になりかねませんけど、誰も知らないような症例なら、患者も医療過誤があったこと自体分からないでしょうし。
これにはもちろん、臨床の先生からは「今の医療教育はそういうことばっかり言って、肝心の臨床教育――実際の患者に接すること――を疎かにしている」という反論が考えられるでしょう(先生というものは自分の分野について、皆そう言います)。どちらに分があるか判断できる程、私が医学教育に詳しい訳でもないし、問題にしたいのはそのこと自体ではありません。

さてそもそも、「要る・要らない」で考えた場合、「これだけは勉強しておかなければならないこと」がどれだけあるか。
もちろん医学部の場合、ほとんど全て必修で、単位を取って卒業しなければ、医師国家試験を受けて医師免許を取得できませんが、その中に実際に患者を診るに当たっては「要らない」ものもあるのではないか、ということです。
これも父の言を引けば、1つも要らないでしょうね。
現に医学部の教育なんか受けたことがなくても、30年間ニセ医者をやってバレなかった例がある訳ですから。何とかなる時にはなってしまうものです。

患者を殺しても自分は名医だと思っていられて、患者もあの医者のせいとは気付かない、それならお互い幸せだしまあいいか――そう思うならそれも人生です。

これは言うまでもなく、医学部だけの話ではありません。むしろ医者以外の仕事では、何が必要か明確でないことはいっそう多いでしょう。
下を見るなら「これだけは学ばなければいけないこと」はなく、上を見るなら「これだけ学べば十分と言えること」もありません。

あとは各自の考え方次第です。
                           (芸術学2年 T.Y.)
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テーマ : 芸大・美大・その他美術系学校 - ジャンル : 学校・教育

プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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