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完了相

先日、談話室にて留学生に日本語を教えているチューターと居合わせ、思わず口を出してしまったりしましたが……(会話は日本語で行われていました)

こういう場面ではしばしば、日本人であればこそニュアンスは分かっているものの説明するのは難しいことに遭遇するものです。
ここで一つ疑問のタネになったのは、英語の完了時制の訳語として導入される「~してしまった」でした。
よく考えてみるとそもそも、こんな日本語を使うだろうか、と。

「本を読む」 … 読むという行為一般、あるいは「毎日読む」といった習慣的行為
「本を読んでいる」 … 現在進行形
「本を読んだ」 … 過去の行為
「本を読んでしまった」 … ?

西洋語文法で言う完了の相(アスペクト)の意味に従うなら、たとえば「この一冊の本」を読むことをひとまとまりの動作と考えて、「読み終わった」といった意味になるでしょう。でもその場合「読み終えた」と言えばいいのです。
「本を読んでしまった」と言うと何だか、「そんなことをしている場合ではないのについ娯楽小説を読んで(時間を潰して)しまった」とか、「これは読んだら死ぬ呪いの本だから読んではいけない、と言われていたのに読んでしまった」といった感情的なニュアンスを感じます。

というわけで、言語学的には今更感のある話でしょうが、日本語に完了/未完了というアスペクトの概念はない、と(ついでに言うと、英語の完了時制に当たるものはヨーロッパ各言語でそれぞれ結構意味合いと使い方が違うので、多少の注意が必要です)。
そしてもう一つ、翻訳で妙な言い回しを持ち込むことにはご用心、と。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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