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対抗心も諸刃の剣――『好敵手オンリーワン 3』

今回は至道流星氏の『好敵手オンリーワン』第3巻を取り上げます。
一時期最終巻との情報も見かけましたが、まだ次巻に続いています。

好敵手オンリーワン3 (講談社ラノベ文庫)好敵手オンリーワン3 (講談社ラノベ文庫)
(2012/11/02)
至道 流星

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1巻レビュー 2巻レビュー

とは言え、本作は氏の他作品のようなサクセスストーリーではなく、若く経験浅い主人公達が社会を前に苦労する部分が大きなウェイトを占めます。
ラブコメ部分は普通で、作者ならではの持ち味が出ていないという評もすでに多々見る通り。特徴としては、修羅場の危うさが段違いであるくらいことでしょうか。
何しろ、ヒロイン2人が主人公の孝一郎を賭けた勝負で何千万円単位の事業を展開するのですから、こと主人公としては胃の痛くなること甚だしい状況です。世界が滅びるとかいった想像の及びにくい話の比ではありません。

特に今巻では前巻からの引きとなっていた水貴の専門学校買収(1億円)に始まり、2人とも一気にリスクの大きな大事業に乗り出します。

(1)
「それはリスクが大きいんじゃないか」
「具体的にどんな危険があると?」
「そう言われると思いつかないが……」
「ほら。大丈夫、成功する当てはあるんだから」

(2)
「厳しくても、やるしかない」

こういう発言が極めて危険な兆候であることもたっぷりと思い知らせてくれますが、しかしよく考えてみるとこの手のことを言う人は世に溢れているような……?

まあ、予想外のことがあるのは世の常(経験の浅い者にとってはなおさら)ですが、作中でも(主に孝一郎が)「それはリスクが大きいんじゃないか」と指摘してはいてもヒロイン2人が忠告を聞かずに突っ走るので、危なっかしいやら辛いやら……

その原因はもちろん、孝一郎がかかっていることもあって「絶対に負けられない」という思いなわけですが、他方でこの巻では、弥生と水貴は互いに競い合ってきたからこそ優秀なのだ、ということも強調されます。
対抗心・負けん気というものも、自らを向上させる原動力にもなるものの、暴走して危険を冒す原因にもなります。
(大規模な暴走ができるのもなまじ優秀なるがゆえというところがありますが、能力のない人間が他人への対抗心ばかり持っていてもコンプレックスに苛まれる惧(おそ)れがあるかも知れません)


孝一郎もこの修羅場を前に悩みますが、さしあたって「どちらかを選ぶ」ことはできなくても「両方とも振る」ことはできるのであって、無茶な争いをやめないと2人とも切って他の女子と付き合うぞ、と言うのがこの場合一番ではないかと思ったり。
2巻で登場した楓ちゃんはそのための対抗馬かとも思ったんですが…

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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