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どこまで暴走できるか

(少しだけ『魔法少女育成計画』について追加)
「鶴の恩返し」しかり「浦島太郎」しかり、何らかの禁忌と最終的にそれを破ってしまう人間の話はお伽噺の定番です。魔法の契約というものもまた、その一環と考えられるでしょう。
ペナルティがあるとは限らないものの、魔法少女が「正体を隠さなければいけない」というのもそうした禁忌の一種とも考えられます。

しかし、これが単独の話ならともかく、「しかじかの契約を結ぶことになっている」という設定が体系化してくると、お伽噺の契約に本来存在していた不条理さがいっそう浮き彫りになってきます。
具体的な問題発生の可能性を考えるなら、他にも取り締まるべきことがあるのではないか、と。

これを現代的に解釈して魔法の国のお役所体質という設定にし、そこから魔法少女の変質が生じるとしたのが『育成計画』ではないかと考えると、これまた注目に値するでしょう。
(もちろん、官僚機構よりもお伽噺の契約の方が遙かに古いのであって、だから「現代的な解釈」なのです)

 ~~~

さて、最近『這いよれ!ニャル子さん』のコミックアンソロジーも発売されました。

這いよれ! ニャル子さん コミックアンソロジー (メテオCOMICS)這いよれ! ニャル子さん コミックアンソロジー (メテオCOMICS)
(2012/11/12)
逢空万太

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しかし原作が無茶を許容することそのものをネタにしているギャグ作品だけに、原作とネタのタイプが近い作品が結構多いような…(一番の定番はやはりニャル子があの手この手で真尋に迫る→フォーク)
つまり、アンソロジーならではの羽目外しがなかなか難しいということかも知れません。その分漫画家ごとのネタの質と表現力の差も出やすいですしね(もちろん、良いものもありますが)。

この手の原作と同系統のネタによる二次作品としては『這いよれ!スーパーニャル子ちゃんタイム』という成功例もすでにありますからね。ちなみに、『スーパーニャル子ちゃんタイム』の作者・星野蒼一朗氏はこのアンソロジー執筆陣にも加わっております。そしていつも通りのクオリティ。

そんな中、ある種一番異彩を放っていたのは今井哲也氏の作品でしょうか。
「ぼくはとてもぼうとくてきなゆめをみました」で始まるハス太の夢を描いたこの一本、完全に『ねじ式』のパロディです(しかもちゃんとクトゥルーネタ満載)。

放浪ハスター1
 (今井哲也「放浪ハスターはどこまでも」『這いよれ! ニャル子さん コミックアンソロジー』、ほるぷ出版、2012、p.66)

しかも、未だ原作挿絵にも描かれずアニメにも未登場のハス太・黄衣の王形態らしきものまで登場。

放浪ハスター2
 (同書、p.73)

触角部分は通常時の髪型を引き継いでいますが、ニャル子のフルフォースフォームを考えればもっと徹底して変化してもいい気も……と思いつつ、こういう形で出てくるとなるとある程度分かりやすい方がいいですからね。
イメージが合っているかどうかの判断は最終的には各自に任せます。

とにかく、豪華執筆陣というのは本当で、なかなか面白いものも含まれていたかと思います。


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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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