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いよいよ敵幹部と対面――『問題児たちが異世界から来るそうですよ? ウロボロスの連盟旗 』

はい、今回取り上げるライトノベルは、アニメ放送予定も決定した『問題児シリーズ』第6巻です。

問題児たちが異世界から来るそうですよ?    ウロボロスの連盟旗 (角川スニーカー文庫)問題児たちが異世界から来るそうですよ? ウロボロスの連盟旗 (角川スニーカー文庫)
(2012/11/30)
竜ノ湖 太郎

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(過去のレビュー:1~3巻 4巻 5巻

この作品、ストーリーは壮大で設定もなかなかに複雑ですが、それを詳細に説明し、ストーリー面での謎解きや伏線を論じたりするのはここでの趣旨ではない――少なくとも、今のところあまりそういうことをしたいとは思いません。
他方でテーマ的に論ずるような作品でもなく……結果としてストーリーを紹介するのみといった感じになりがちですが、ひとまずレビューいきます。

今巻の表紙は2巻で主人公達と戦った敵であり、その後「ノーネーム」のリーダー・ジンに使役されるようになった元「魔王」・ペスト(正真正銘、黒死病で死んだ人々の霊が神霊と化した存在)です。
今回は彼女の人間時代のエピソードから始まる、彼女の物語がメインストーリーの一つとなった巻でしたね。敵だった時に接触しているので「魔王連盟」のことを知っているものの、今はジンに服従せねばならない立場であるがゆえの悩み、自分自身の目標、そしてジンとの交流……

――ところで、当初の予定では5巻の表紙は一周して黒ウサギに戻るはずだったのが、イラストレーターの天ノ有氏からの要望により白夜叉になったとのこと(あとがきを信じる限りでは)。まあ、このようにキャラクター一人をメインにした表紙でかつキャラが交代する仕様の場合、キャラクターが他にもたくさんいるのに同じキャラクターを繰り返すよりは、これで正解だったかと思いますが。
もっともこの6巻のあとがきを見ると、「こんな表紙が上がってきた以上はペストメインで一冊書くしかないとなった次第です」(p.261)と、内容より表紙イラストが先にあるかのような話をしているのですが、そんなことが果たしてあるかという疑問はあり、どこまで信じて良いものやら…

それはそうと、ジンも前巻では交渉で活躍を見せたりと、着実にコミュニティのリーダーとして成長を見せています。奔放で滅法強い「問題児」三人と比べるとやはり影が薄く感じられますが、メンバーが成長しコミュニティが力を付けていく過程はやはり王道で楽しみなものですね。

他方で、全体でのストーリーはと言うと、ラスボスと思われる「魔王連盟」の主力であるリン「殿下」がジン達と接触、ジン達は相手の招待を知らない(はずの)まま一緒になって逃亡劇を繰り広げるという回です。しかし当然というべきか、終盤で「殿下」達は正体を現し、そして交戦、最後には「魔王連盟」の幹部が揃って姿を見せます。
「ノーネーム」の黒ウサギと飛鳥、耀は4巻で彼らと交戦しており、特に耀などは明らかに対応する能力の相手がいてライバルとしてのフラグが立っていますが、今回はいよいよ最強の主人公・十六夜が「殿下」と交戦。殴り飛ばした相手が第三宇宙速度で吹っ飛ぶとかいった無茶な描写を初めとして、明らかに「殿下」が十六夜と対をなす能力の持ち主であることも示唆されており、いわゆる敵との本格的な顔合わせの巻となりました。

ちなみに、サブタイトルの「ウロボロスの連盟旗」も魔王連盟の旗です。

とは言え、魔王連盟幹部との本格的な対決はまだ先のようで、ひとまず敵は退却。
さしあたって対決することになりそうな相手は、「煌焔の都」を騒がせている「神隠し」こと、『西遊記』において最初に斉天大聖・孫悟空に退治された相手である混世魔王です。
混世魔王自身はそれほど格の高くない魔王のようですが、魔王連盟は彼の力で、子供達を攫う「神隠し」どころか街にある全てを奪うことを画策しており、また大規模なギフトゲームによる襲撃がありそうな気配です(もしかしたら他の強大な魔王の助力も…)。
しかしこの巻では混世魔王は逃げ延びたまま襲撃はなく、負傷した黒ウサギの身に異変という謎の引きとなりました。

それから、本作の主人公・逆廻十六夜は『このライトノベルがすごい!』2013年版では男性キャラクター部門11位でした。
強くて頭も良くカッコ良い完璧な主人公ながら、クールさと熱さと悪戯心を適度に併せ持って嫌味がないと、まさに申し分のないキャラクターでしたからね。アニメ未放映作品のキャラクターでは3位ということを考えれば、まだまだ順位を伸ばす余地は十分でしょう。
今回も各メンバーがあちこちで動き回る群像劇的構成の末に、殿下が圧倒的な力を見せたところで十六夜が姿が合流する展開は山場に相応しい熱さでした。

それから、本作の特徴の一つに「箱庭」の風景があります。
ファンタジー世界ならではの現実には存在しないイメージは多くの作家が工夫しているものですが、本作の場合、500mの大樹の中に築かれた街とか、川の上流に出現する海とか、恒星並の広さだという「箱庭」という世界と物語のスケールに相応しい壮大なイメージが印象的です。
特に主人公の十六夜など、初期には黒ウサギの胸を揉んでいたりとエロス面でも並以上の強さを見せていたものの、結局は人よりも風景や物品を楽しんでいるのが目立ちます。まあ、キャラクターの人格はもこちらの世界の人間とそうは変わりませんからね…
「感動に弱い」のが一番の弱点と言われる主人公、そして恋愛要素はほとんど無し。これも、人間ドラマより壮大な世界のイメージに特化した作品の特徴としてはよく納得できるものです。アニメもぜひ風景描写は大切にしていただきたい。

今巻の舞台となる「煌焔の都」は、直径50mもある「巨大ペンダントランプ」により街全体が極寒の気候から守られているというところ。

 地上から吹き上げる精鉄場の熱い風を受け、都市の中心に吊られた巨大ペンダントランプが激しく揺れる。
 (竜ノ湖太郎『問題児たちが異世界から来るそうですよ? ウロボロスの連盟旗』、角川書店、2012、p.23)


不法にランプの上に上がり込んで弁当を食べたくなる問題児3人の気持ちも分かりますね。


ところで、何回数えてもこの度の新刊は6巻ですが、気が付けばもう8巻の特装版がAMAZONに登場していますね。付録付きの特装版は受付開始が早いものの、まさか7巻を飛ばすほどとは……

問題児たちが異世界から来るそうですよ?(8)巻オリジナルアニメ ブルーレイ同梱版 (角川スニーカー文庫)問題児たちが異世界から来るそうですよ?(8)巻オリジナルアニメ ブルーレイ同梱版 (角川スニーカー文庫)
(2013/07/20)
竜ノ湖 太郎

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Author:T.Y.
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