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出版社の初動勝負について

ポプラ社『KAGEROU』の商法、と言ったら結構な人が分かるのではないか、と思うくらい、あれは今では不名誉な名として定着してしまいました。
俳優の水嶋ヒロが本名で書いた小説がポプラ社の対象を受賞して話題になった(話題を作った)件ですね。
(この件については『大日本サムライガール』3巻におけるコメントが的確でしたので、そちらを参照)

『KAGEROU』ほどに大手マスコミを動員して大々的に広告する例は少数であるものの、発売前にレーベルのHPのトップに来ていたりPV動画を作ったりといった広報活動を行う例はしばしば見られます。

発売前に話題作りをすれば、初動で売れる可能性は十分あります。
しかし、実際の内容が「期待外れ」であれば、作者やレーベル、出版社にまで長期的にはマイナスの影響を及ぼしかねません。
(シリーズ化することの多いライトノベルでは、続刊の売上があからさまな下降線を描くと表に出ているデータだけでもある程度分かりますが、レーベルへの影響までの追跡調査をするとどうでしょう…? さすがにそんな研究は寡聞にして知りません)

しかし、そうしたリスクがありながら「発売前売り出し」を行うのはなぜでしょうか。
後のことなど考えていないのかも知れませんし、出版関係者は広報のやり方には疎いことが多いのかも知れません。
が、もしかすると「今期売り上げねば、後がない」という可能性もあります。

出版社は自転車操業のところが珍しくありません。
話によれば、流通のシステム上、後で買い戻すことになってもとりあえず出版した時点で出版社には金が入る、それゆえに売れなくても本を出し続けることで生き延びている出版社がたくさんあって、出版不況と言われつつも本が大量に出続けているのはそのためだとか。
ここ数年で出版不況を巡る状況はさらに激変しているようですが……

あるいは――
「内容は良くても宣伝されず、注目されず、売れなかった本」はありますが、内容の悪い本を発売後に「徐々に注目される」よう演出するという広報は、おそらく困難です。内容に関する話がすぐに出回ってしまいますから。
しかし、本当に「内容が良い」ものが出てくることは滅多にないし、それを厳選して売り出しに成功することはさらに少ない。だから内容よりも初動で勝負で使い捨て……と、そういう話だったら寂しいことです。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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