スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

怪獣出現の中でライバルの死は――『ハカイジュウ』

今回はこの漫画でも取り上げてみましょうか。
近所の書店でレジ前に積まれるなど、大きく取り上げられていたので最近になって読んだのですが、実に短時間で読めること。

ハカイジュウ (1) (少年チャンピオン・コミックス)ハカイジュウ (1) (少年チャンピオン・コミックス)
(2010/08/06)
本田 真吾

商品詳細を見る

本作はいかにもB級映画風の怪獣パニックホラーです。
突然に怪獣が出現、街が破壊され人が殺され、しかも街ごと外界から隔絶されて通信も通じず助けも来ない状態で、主人公たちが逃げ惑います。
この怪獣も大小色々。

ハカイジュウ1
 (本田真吾『ハカイジュウ 1』、秋田書店、2010、pp.70-71)

ハカイジュウ2
 (同書、pp.98-99)

序盤は非力な主人公たちが逃げ回る話が中心ですが、後半からは自衛隊も登場、ただし同時にやはりB級臭溢れる架空の兵器も登場して、派手な戦いが繰り広げられます。
定番と言うべきか、極限状態で追い詰められた人間の暴走やそれによる人間同士の戦いもあり、しかも「ヤバい奴」と「頼りになる奴」が紙一重であったりするのが面白いところです。

これまで単行本8巻を重ねていますが、怪獣の正体について未だ説明はありません。ただ、結構以前から地中に埋まっていたらしいとか、政府がその存在を把握して対策を練っていたらしいこと等が触れられてはいますが、基本的に正体の解明などより、「怪獣が出現してから」のパニックを丁寧に描いている印象ですね。

ただ気になるのは、第1章の主人公・鷹代陽(たかしろ あきら)の設定です。彼は高校で幼馴染の久遠瑛士(くどう えいじ)とともにバスケ部に所属していますが、レギュラーの瑛士に対して陽は補欠。それでも今度の大会で陽もスタメン入りしたところで、瑛士は二人の共通の幼馴染である少女・未来(みく)への告白を賭けて勝負を主張してきます。
しかし、その勝負――大会で得点を決めた数――を行う前に学校が怪獣に襲われ、おそらく瑛士は死にました。

相手を超える機会を逸したまま、相手が死んでしまった……というのはいわゆる「兄の死」に相当するパターンで、主人公はこの後何らかの形で死んだ相手の影に取り付かれて生きることになるのが定番ですが、なにぶんモンスターパニックの中で、それどころではないように見えます。
5巻から始まる第2章では未来の側に視点が移り、陽はリタイアしていますし……。

いや、わざわざ危険な中に出て行ってでも未来を探そうとする陽の行動こそ、実は「瑛士の死」を引き摺ったものなのかも知れません。ちゃんと勝負できないまま、「次点」で未来を譲り受けてしまったからこそ、瑛士の分まで未来のことを引き受けなければならないと必死になっているのではないか――
そして、そんな陽の必死さは、おそらく一緒に逃亡することになった生徒会長・白崎直央(しらさき なお)に引き継がれているように思われます。第2章で再登場した彼女はやたらとカッコ良く、本人も思いがけないほどの力を発揮するようになっていますが、それは陽の分、いやそれどころまで瑛士の分まで「3人分」を背負っているからではないか、と。


現在最新刊である8巻で第2章も完、そして次からは最終章となる第3章のようです。

ハカイジュウ 8 (少年チャンピオン・コミックス)ハカイジュウ 8 (少年チャンピオン・コミックス)
(2012/11/08)
本田 真吾

商品詳細を見る

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へ
にほんブログ村 人気ブログランキングへ

テーマ : 大学生活 - ジャンル : 学校・教育

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

ヤバイ奴が活躍してこそ――『ハカイジュウ 10』

つい一週間ほど前に写真を掲載したツバメの巣ですが、今日見るともう雛鳥達の羽が生え揃い、巣の縁に立っていました。早いものですね。  ~~~ ここのところ、夜が遅くても朝
プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
参考文献
私が展開している思考の拠り所など(一部)。
スポンサー広告
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。