オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
ポケモン存在論

(石ノ森章太郎『仮面ライダーBLACK』文庫版3巻、1998、小学館、p.362)
本来敵組織の一員として改造された仮面ライダー、それはつまり、仮面ライダー自身がふたたび悪に転じる可能性をも孕むことになる……といった要素は、TV番組『仮面ライダー』では長い間表に出なかったけれども、原作漫画においては元祖の時から取り組まれることになったテーマでした。
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ついでに少し『DQVII』に戻ると、このゲームではエンディング後の特別イベントとして「神」とも戦うことができるのですが、この神というのが太った温和そうな老人の姿で……回想シーンでオルゴ・デミーラと戦っていた時にはもっと威厳があったのに、実物は全然違うという。
おまけに技として「いっぱつギャグ」とかを使うのです――「おい、やくそうをつかうのか、はやくそうしてくれ!」(ギャグの内容は色々あり)
……こんなのが神だというのか……
そろそろ絶望して世界を滅ぼすことを決意してもいい場面ではないでしょうか。
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そろそろ話を変えてみましょう。
ただし、またゲームネタで、今度はポケットモンスターです。
これも以前、研究室での雑談で出た話ですが、ポケモンはデータとして転送できるんですね。
いや、現実の話ではなく、作中世界においてデータとして預け入れ、別のところで引き出すことができるのです。
体重のデータもある物質的な存在であるはずのポケモンをデータ化できるとは……(それともこれは、「この世界はゲームの世界である」というメタ的な意味なのか……)
「だからこの世界そのものが仮象なんだよ」――哲学系の部署で話をしているとすぐにこうなります。
まあしかし、『特命戦隊ゴーバスターズ』でも、物をデータ化して転送する技術が題材になっていましたし(普通の人間は転送に耐えられないという設定でしたが)、現代の感性にとって、全てがデータ化されるというのはむしろ自然なことなのかも知れません。
ただし、現実にはデータを取る仕事をしている人がたくさんいます。
「データを取る」とは、要するにデータでないものからデータを作り出すことです。
ここにおいて何がデータになり、何がデータには回収されないのか、ということにはやはり注意深くあるべきであって、そこを飛ばして全ては情報である、といった態度を取るのは、やはり素朴に過ぎる、とは思います。
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コメント
No title
Re: No title
No title
古いタイプのSFファンだからそう考えてしまうのでしょうか。すみません素朴で。(汗)
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