オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
常識に挑め
執筆ペースが下がり、半ば諦め忘れかけていたのですが、4年ぶりに新刊が出ました。
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いやもう、質は相変わらずでした。
淡々とした日常の中で、小学生らしい奇行のようでもあり、小学生にしてはレベルが高すぎるようでもあるギャグが展開されます。もっとも、その九割五分は松岡美羽一人に依存していますが…


(ばらスィー『苺ましまろ 7』、アスキー・メディアワークス、2013、pp.27-28)
漫画的表現としては「あり得る」がゆえに作中では現実の光景なのかと思わせておいて、実は「実際にはできないから作中人物が絵に描いただけ」というこの展開、ある種漫画表現の文法に挑んでいます。
これは、現実にシュールなことが起こり、人物の顔も姿もどんどんデフォルメする『日常』(あらゐけいいち)とは好対照をなしています。
ただ惜しむらくは、この7巻では(作中画ではない)実際の場面についてもデフォルメが若干目立つ箇所があって、その分この落差が弱まっていることでしょうか。
ただ、それでも十分に可笑しい。
スケッチブックに続いてこんな凝ったネタも。


(同書、pp.28-29)
相変わらず学校教科のルールにも挑みます。

(同書、p.83)
算数のルール、それはこういう現実的なことを忘れるということ。
もう一つ。

(同書、p.84)
絵を描けばやたら上手いのにこういうネタになる辺り、並大抵のこだわりではありません。
しかもまるでクトゥルーのような凝った修辞と漢字も小学生にしてはやたらとレベルが高いですし。
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