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話が膨らんでくるところ――『うちのメイドは不定形 2』

今回取り上げるライトノベルは、実に3年ぶりの新刊となる『うちのメイドは不定形』の第2巻です。

うちのメイドは不定形 2 (スマッシュ文庫)うちのメイドは不定形 2 (スマッシュ文庫)
(2013/05/09)
森瀬 繚、静川 龍宗 他

商品詳細を見る

 (第1巻に触れた記事

さて、1巻ではテケリさんという魅力的なキャラクターを見せたものの、ストーリーはと言うと、主人公・新井沢トオルのクラスメイトであり実は魔術師のあさひ・ピーバディが(ショゴスであるテケリさんの存在から)トオルを追っ手と勘違いして…という間の抜けた喜劇で、物語の収束もあっさりしたものでした。
しかし、この2巻、特に後半はなかなか熱い展開が見られました。山場は、連れ去られたテケリさんを追って、あさひとトオルが空飛ぶバイクにタンデムして太平洋上を駆ける展開です。力を合わせての冒険で二人の仲もだいぶ接近した感があり、また1巻では間の抜けた役回りだったあさひも次々と魔術師としての驚くべきスキルを見せ、さらにトオルにも新スキルが。しかもトオル、かなりカッコいいところを見せる主人公になっています。
まあ、物語の収束部分はやはり、あっさりしていた感はありますが。

ただ事件解決後も、実はトオルが元々普通でなかったらしい事情を仄めかし、さらに次の敵(?)の存在も示しておくなど、続きが気になる形で締めています。ちなみに著者によれば、この2巻で「全5部」の内「第1部の真ん中」(p.346)だとか。
色々と「意外な面がある」ことの強調されていたトオルのクラスメイト達に関しては、それ以前の印象がそもそも薄い(もしくは皆無で、この巻になって紹介される)だったせいか、そこまで存在感を感じなかったのですが、今回彼らの存在はかなりの部分、トオルが“家族のことを語らない”こと(これが伏線になる)を浮き上がらせるために使われていたようですし、今後の活躍も予定されているのでしょうか。

テケリさんの一人称は「私たち」と複数形で、分裂するとそれぞれに人格が違っており、合体時にはそれらの人格が融合しているらしいといった、SF的にも興味深い設定もたくさんあります。

いずれにせよ、内容的には素晴らしいものです。


なお、『這いよれ!ニャル子さん』で本作のネタを出していた人物であるクー音がゲスト出演しています。ちょうどアニメ『這いよれ!ニャル子さんW』でも最近登場したところだったので、(図らずも)タイムリーです。
その他にも、バイアキー(バイアクヘー、あるいはビヤーキー)がバイクだったりする辺りも『ニャル子さん』ネタでしょうか。そうしたネタのリンクが割と目立ちました。


さて、当初の発売予定が延期され、2年近く遅れたことについては森瀬氏の一身上の都合であること、あとがきに語られています。同時に共著となっている執筆形態についても解説があり、エラリー・クイーン等のやってきたポピュラーな手法であると述べられています。
ただ、これはもしかすると、刊行ペースが求められるライトノベルでは弱点にもなり得るのかも知れない、とも思いました。いえ、一身上の都合で、というのは作者が一人でもあり得ることで、今回はその類でしょうが、1巻の出た時期からすると当初の予定からして早いものではありませんでしたし、人数が増えるとリスクが大きくなるという面もないではないわけで(実際、イラストレーターの都合で発売延期という事例もままあります)。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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