オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
これが成果だ
ということは、レギュラー入りするかどうかは微妙でしょうか。
ちなみに前回は変身前の素顔も見せていません。
そして彼は、キョウリュウジャーの不甲斐なさを叱咤する役回りであり、ゴールド・空蝉丸をのぞく5人に試練を与えます。
が……一番ハードな試練を真っ先にクリアしたはずのキョウリュウレッド・ダイゴがその後の戦いでは今ひとつ力を発揮できず。
鉄砕の曰く、実は彼の試練は、長所を存分に発見できない状況で自分の弱さを受け入れ、それでも強さに懸ける姿勢を問うもの。だから彼は、強さと弱さ、光と闇を併せ持った灰色の戦士なのです。
ダイゴには「弱さ」がない、だからそれ以上強くはなれん、と宣言、賢人トリンにダイゴの追放を要求します。
分かったような分からないような理屈ですが、当初(戦隊のスタンダードを外れて)チームワークよりも個人の「強さ」を見せたキョウリュウジャー、特にダイゴが、「弱さ」を得ることこそがパワーアップのための試練となるというのは、一捻りあって面白いところです。
~~~
『仮面ライダーウィザード』は、サバトで生き残った晴人を助け、ウィザードライバーを渡した「白い魔法使い」の変身前の姿が登場(正確には、前回登場していたのが白い魔法使いだったと判明した、というべきですが)。
さらに、敵幹部であるメデューサファントムの人間だった時(稲盛美紗)の妹・真由も絶望を乗り越えて阿呆使いとなる資格を得たため、白い魔法使いが連れ去っていました。
予告ではついに彼女が再登場……というわけで、メデューサファントムと因縁の対決となりそうです。実に楽しみですね。
~~~
特撮ドラマの話はここまで。
石渡嶺司氏の著作は『最高学府はバカだらけ』とか『アホ大学のバカ学生』とか、「バカ」を掲げたセンセーショナルなタイトルが目立ち、(売るための出版社の戦略があろうとは言え)「今時の若者/大学生はいかにバカか」を煽り立てる本ならもういいよ、と言いたくなります。
ただ、氏の著作は学生よりも教職員への取材が目立ち、「なぜこうなってしまっているのか」という構造的・制度的な問題を問い質している、その意味でそれなりに有意義なものではあります。
そして、今回の新著の題材は高校、特にその進路指導です。
![]() | バカ学生に誰がした? - 進路指導教員のぶっちゃけ話 (中公新書ラクレ) (2013/05/09) 新井 立夫、石渡 嶺司 他 商品詳細を見る |
大学生がバカだと言われるが、それは高校が出来の悪い生徒を送り込んでくるからだ、という思いは、大学関係者ならばあるでしょう。
ただ本書の内容はどちらかと言うと、「誰が悪いのか?」という犯人捜し論よりは、あくまで大学入試や進路指導教員の仕事の実態を扱っています。
進学実績を稼ぐことを教育委員会等から要求される高校、進学実績の数字に潜むカラクリ、はたまた就職や資格取得の実績を良く見せようとする大学、当てにならない大学の営業や親の圧力を相手にしなければならない進路指導教諭の仕事etc...
そして本書の最終章は、高校科目の「未履修」問題に充てられています。
決して、学校側に責任があって生徒は「善意の第三者」であるといった単純な話ではなく、生徒側も受験指導優先を要求していたのであり、誰もに責任があるということ、そして何より――
筆者は、あえて誰かを責めるのであれば、丸亀高校の生徒のコメント通り、「学習指導要領」、つまり文部科学省であると考える。
いや、文部科学省の指導力不足云々ではない。学習指導要領を金科玉条としてしまう頑なな姿勢が問題だ。
(新井立夫、石渡嶺司『バカ学生に誰がした? 進路指導教員のぶっちゃけ話』、中央公論新社、2013、pp.202-203)
抜本的な改革がないまま、「国公立大に合格させろ」「きちんと就職させろ」と言いつつ「表向きは学習指導要領に従え」と脅しをかけても、結局、両立させられるわけがない。
(同書、p.205)
一つ言っておくと、生徒が受験に必要ない科目を履修させられる(未履修が発覚した場合補修を受けさせられる)のを「ペナルティ」のように扱うのはおかしいと思います。
本来、教育において教えられるべき内容を教えられなかったことこそ「損失」であるはずだからです。
ただその上で、そうした教育を受ける意義が見失われ、受験に必要ない科目が重荷のように扱われるようになったことは、進学実績を求めてきた教育行政の出した「成果」であることは認めるべきでしょう。
<<実際、電子書籍には手を出していません | ホーム | 2ヶ月の先のことは分からない……>>
テーマ : 大学生活 - ジャンル : 学校・教育<<実際、電子書籍には手を出していません | ホーム | 2ヶ月の先のことは分からない……>>
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL
| ホーム |