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思い出と因縁の絡み合いはどこへ向かうか…――『閃烈の神なる御手』

今回紹介するライトノベルはこちら。

閃烈の神なる御手 (一迅社文庫)閃烈の神なる御手 (一迅社文庫)
(2013/06/20)
早矢塚 かつや

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いきなりですが、同じ「閃」の字を関した新作を出すということは、同作者の前作『閃弾の天魔穹』の続きは出ないということでしょうか……
一迅社文庫で続刊が出る率はっきり言って低いのですが、厳しいというより基準がよく分からない印象が強いですね。内容を見ても、公表される限りの数字を見ても。

で、前作の完全異世界ファンタジー路線を諦めたがゆえかどうか知りませんが、今作の舞台はふたたび現代日本です。
ただし、高校生の主人公・宮本タケル異世界の王の後継者争いに巻き込まれ、この世界と異世界の狭間の世界・タルタロスに行って戦うことになります。
このタルタロスに行けるのは3日に一度、公式に戦いが開催される時だけであるとか、タルタロスは現代日本を模していることもあれば、向こうの世界を模していることもあるといった設定は色々ありますが……まあその詳細はいいでしょう。

タケルに後継者候補の印が発現したことに気付き、戦いへと引き込むのは彼の先輩で生徒会長である巨乳美少女・永礼淡雪(ながれ あわゆき)ですが、戦いに参加して間もなくタケルは、小学校時代の幼馴染の少女・扇燐火(おうぎ りんか)が戦いに参加していることを知ります。
中学に上がる頃にニューヨークに引っ越したはずだった彼女ですが、実は異世界ジオゴニアの貴族家の娘として向こうの世界に引っ越していたようで……


全体としては、いささか平凡な印象はあります。個人的には世界観も『閃弾』の方が魅力的だったかと思いますし…ただ、現代日本と異世界(魔法の世界)が交錯するという設定は、科学文明と魔法文明の交じり合った「パッチワーク・グラウンド」という『閃弾』の舞台から引き継いでいるものがあるのかも知れませんが…
妙なところで気になるのは、主人公のおっぱい連呼とかいった部分でやけに同時発売の『銀閃の戦乙女と封門の姫』との被りを感じることでしょうか。いや、キャラクターや作品の雰囲気は似ているというほどでもないのですが、個人が異世界に召喚されるだけでなく、異世界と組織的な関係があるという世界観にも通じるものがないではなく、まして王の後継者争いという政治的な主題が前面に出てくると、いっそう被りが目立つような…?


話を『閃烈の神なる御手』の内容に戻しましょう。
バトルに関しては、主人公の能力は最初はです。守りのみの能力というのは単独で戦うには微妙ですし、さらに手の盾で受け止めなければいけない(それ以外のところに攻撃を受ければ防げない)となると本人の格闘能力に依存するところが大きくなりますが、その辺のスペックは特別高いわけではない、となるとかなり微妙です。
しかし、彼の能力はそれだけには留まらないのが追い追い明らかになり……ヒロインと手を繋いで戦ったり、そのための特訓をしたりもします。主人公とヒロインが力を合わせて本領発揮というのも定番の一つですが、手を繋ぎっぱなしというのもまた不便ですし、これも最終的に魅せる点ではありません。最後にもう一段階、隠された本領を発揮する展開があります。
読んでいて混乱するほどややこしくはありませんが、これらの性能が共存する一つの能力のが(能力の名称から説明されてはいますが)いささかまとまりを欠いている印象もあり、さらに今後どこを中心に魅せていくのか、と考えるとメインが分かりにくい能力です。

ラブコメ面に関して言うと、まず上述の通り、幼馴染の燐火とは手を繋いで戦ったり生活したりと1巻のうちからかなりの接近を見せます。
他方で、タケルには幼い頃に結婚の約束をした少女がいました。
これが現在のヒロインなのではないか……というのはラブコメの王道として、誰もが考えることですが、そこは作中人物もすぐに気付きます。

「……燐火、お前じゃないよな?」
「はぁ?」
 不意に出た言葉に、思いっきり顔をしかめられた。
「あたしは知らないわよ? 大体、四歳の頃なら、あたしとあんた、まだ出会ってないじゃない」
 (早矢塚かつや『閃烈の神なる御手』、一迅社、2013、p.126)


と、はっきり否定されるのですが…
しかし、やはり無関係ということもなく、タケルの思い出の少女と燐火には(燐火自身も知らない?)一筋縄では行かない因縁があるようで……この辺は今後の見所でしょうか。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
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