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ゾンビ的思考ふたたび

昨日、TVで昆虫の変態の話をやっていました。
「変態」とはイモムシがチョウになるように成長過程で姿を変えることですが、ここではこれをかなり広く捉えて、バッタの相変異も扱っていました。
トノサマバッタ等、ある種のバッタは密度が上がると姿や行動様式が変わり、獰猛で長距離を飛んで移動するようになります。農業にも大きな被害を与えるバッタの大発生ですね。

が、この番組に登場していた研究者の言う「相変異の条件」は、下記の著作で前野ウルド浩太郎氏が述べていたのとはずいぶんと違いました。

孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生 (フィールドの生物学)孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生 (フィールドの生物学)
(2012/11)
前野 ウルド浩太郎

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TVの研究者はバッタの後ろ肢をくすぐると行動が変化すると言うのですが、前野氏によれば必要なのは触角への刺激だとか。
原因は前野氏自身も述べている通り、「群生相の条件」も体型、体色、行動様式など色々あって、どの形質に注目するかで事情が変わってきてしまうからでしょう。
どちらが正しいかは、論文原典を読み比べないと何とも言えないかも知れませんが、いずれにせよ前野氏の著作はバッタについての実験を細かく記述していて、優れた1冊です。

 ~~~

血液型による性格判断に客観的根拠はない、それはそうなのです(しかも、この血液型判断が好きなのは日本人固有の事柄だと言います)。
しかし、「科学的根拠はない」ということをあまり強調すると、今度は科学が全てという考え方を認めることになります。
科学的には人間の死体と他の動物の死体に違いはないからと言って、死体を生ゴミに捨てることを主張するのか、ということです。
そこで、少し別の角度から話をしてみることにしました。

結構昔のことですが、TVで血液型のことを扱った番組をやっていて、その中で遊園地で迷子になった子供の血液型をカウントしていました。
その結果B型が多く、「これはB型の性格類型に当てはまる」とはいった話をしていた記憶があります。

もちろん、こうした結果の読み方には慎重にならねばなりません。
まったくの偶然という可能性はどのくらいあるのか? 偶然の効果を消すためにはどのくらいサンプル数が揃えば十分なのか?

そこでそのカウントをよく見ていて気付いたのか、AB型の子供が少なくないことです。
人口に占める比率に比べて、明らかにAB型の子供の率は「高い」ように思われました。

このことに気付いたら掌を返したように「AB型の性格類型こそ迷子になりやすい」と修正するのだろうか? と考えてみると、この話題の実態が見えてくるかも知れません。

 ~~~

最後の話題は引用から、

藻谷〔浩介〕 今年五月、安倍首相は、アベノミクスの成長戦略第二弾として、「農業の構造改革」を打ち出しました。
 そこで提示されたのは、次のような目標です。「農産物・食品の輸出額を倍増させる」、「農業の生産だけでなく加工、流通までを担うといういわゆる六次産業化を推し進めて、現在一兆円の市場を今後十年間で十兆円規模に拡大する」、「農業、農村全体の所得を今後十年間で倍増させる」、「農地の大規模化に向けて、分散した農地を集めて管理する『農地昼間管理機構(仮称、農地集積バンク)』を都道府県ごとに設置し、まとまった広さの農地にしたうえで、農業法人などに貸し出す仕組みを創設する」……。
『日本農業への正しい絶望法』をお書きになった神門先生からすれば、いずれもピントがずれた話なのでしょうか。
神門〔善久〕 皮肉な言い方をすれば、ピントがずれた方向で大成功すると思いますね。政府は補助金をガンガン投入するでしょうから、見かけ上はちゃんと営農規模も拡大し、農村所得も増えるでしょう。ただし、潤沢な補助金によって生きながらえているゾンビのような農業や第六次産業化に人々が群がるだけです。
藻谷 逆に言えば、補助金がなくなると死ぬ農業になっていく。
 (神門善久×藻谷浩介「日本は「ハリボテ農業」から脱却できるか」『新潮45』2013年8月号、pp.92-93)


ちなみに神門氏は、決して「補助金なしでやっていけるかどうか」といった金銭収支のことだけを問題にしているわけではないことも断っておきますが、それはそうと……

農地の大規模化に向けて、分散した農地を集めて管理する『農地昼間管理機構(仮称、農地集積バンク)』を都道府県ごとに設置


これはつまるところ、旧ソ連のコルホーズ(集団農場)とソフホーズ(国営農場)のように見えるのは気のせいでしょうか。

私は以前、「経済成長」が続く中でたとえば卵が「物価の優等生」として価格を変えずにいたら、その内に卵など作っていられなくなる、その結果は農業を国営にするしかない、と書きました(「伸び続けたらどうなってしまうのか」参照)。
さて、資本経済が発展し、生産力が増大を続けることの結果として共産主義に至るというのが、公式の「マルクス主義」の主張です。

つまるところ、現行の資本主義的な経済成長を続ける限りにおいて、いずれ農業は国営・公営化するしかない、という点について、スターリン(マルクス=レーニン主義)と現安倍政権と私は意見を同じくします。
ただ私は、「現行の資本主義的な経済成長を続ける」という前提がそもそもおかしいのだと考えます。前二者はそう考えてはいないようです。

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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