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日常を補う――『俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 9』

そろそろ『このライトノベルがすごい!』の投票受付が始まる季節になりました。

ライトノベルBESTランキングウェブアンケート


規定の中にさりげなく今年から以下の一文が追加されているのを発見しました。

なお、作品部門で3年連続1位となった作品は「殿堂入り」となります。


明らかに前回で2連覇を果たした『ソードアート・オンライン』(略称『SAO』)の3連覇の可能性を見越しての規定ですが……
近年はTOP10が去年と同じばかりという不満もあったので、それを踏まえての処置でしょうか。つまり、殿堂入りすると以降はランキング対象から外れる、と(現時点だと実は、殿堂入りするとどうなるのかは書いてありませんが)。
上位を入れ替える要素が増えるのは良いことだ…と思うと、今度は是非とも『SAO』の3連覇を期待したくなりますね。

それから、こちらの規定はこれまでと変わらないのですが……

ただし、原則としてマンガ・アニメ・ゲームのノベライズ、成人向け、ボーイズラブ、洋書、翻訳作品は除外してください。


さて、実は昨年の『このライトノベルがすごい!』にはこうありました。

(……)またKCG文庫では、楽曲のノベライズという、本ランキングでは対象外になる作品『カゲロウデイズ』がベストセラーになるなど注目を集めている。(……)
 (『このライトノベルがすごい! 2013』、宝島社、p.52)


でも、規定に「楽曲の」ノベライズを除外するとは書いていないのですね。
それどころか、参考作品リストには『カゲロウデイズ』の名前がありました。
作品リストには誤植等もしばしば見られるものの……宝島社に問い合わせようか少し真剣に考えています。

 ~~~

今回取り上げるライトノベルはこちら。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 9 (HJ文庫)俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 9 (HJ文庫)
(2013/08/30)
なめこ印

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 (前巻の記事

次々とヒロインを助けて恋愛フラグを立てるものの、恋愛に関してはとことん鈍感で朴念仁で一人のヒロインを選べない主人公――という設定を最初に明示したメタ作品たる本作ですが、毎巻ヒロインが増えてくると扱いが大変です。
毎回過去のヒロインが全部ついてくるというわけにも行かず、ある程度はメンバーの絞り込みを(なかなか巧みに)行っていますが、怒涛のストーリー中では描き切れないことを補完するべく、日常を描いたエピソードも必要……というわけで、今回は6巻に続き2度目の日常エピソードで、短編集的な形になります。
内容として夏休みらしくプール、合宿、スポーツ、夏祭り等。

今回の趣向として、未来人のアールが限定付きながら読心装置を入手、章間に挿入されるアール視点のパートでヒロイン達の心情を読み取ります。
今まであまり心情の見えなかったヒロインのことも描かれ、良い補完エピソードでした。

しかも、今回は20人に及ぶヒロインが全員登場、その上に新ヒロインも登場します。

もっとも、アールがなぜそんな調査をする必要があるのか、というと……

 第一、「烈火さんを『ヒロイン』の誰かとくっつけて未来を救う」という本官の任務は、結局のところ烈火さん当人が誰を選ぶか、という点が重要なのです。
 つまり、「『ヒロイン』の誰々が烈火さんをどのくらい好きか?」を調べるくらいなら、「烈火さんは『ヒロイン』の誰々をどれくらい好きか?」を調べる方がよほど有意義ということです。
 (なめこ印『俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 9』、ホビージャパン、2013、pp.171-172)


そこには未来側の動きが関わっていることが最後に明らかになりますが……この件は未解決、と言うべきでしょうか。「未来を救う」のは物語のトリになるまずですしね。

そもそも、このアールの発言はもっともですが、しかし「どのヒロインをどれくらい好きか?」という肝心の点においてはっきりしないのが恋愛に関して奥手で朴念仁な主人公の所以でもあります。
こと本作の場合、忙しく戦ってばかりの主人公ですし、「そんなことを考えている余裕はなかった」と言われても無理からぬところ。
そして、それで通してきた主人公が終盤になって「実は誰が好きだ」と言い出して、どこまで説得力を持ち得るのか、という問題もあります。

そうした事柄を踏まえて私は、『僕は友達が少ない』の内に、「誰を選ぶか?」から「そもそもいかにして“選ぶこと”は可能か?」へと問いを立てる地平の移行する気配を見て取ったのでした(9巻の記事参照)。
まあ、その読みが妥当か否かは今後の展開と皆さんの判断にお任せしますが。

ただ、この『リトル黙示録』においても、アールの「烈火をヒロインの誰かをくっつけて未来を救う物語」における、その成果を証するためのヒロインが登場しているということは、「誰かを選ぶことによる物語の締め」を可能にするに当たってもメタ的な仕様が用意されていることを感じさせ、注目しておきたい部分ではあります。


コミカライズも4巻まで発売中です(内容はまだ原作2巻の途中まで)。

俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 4 (ダンガンコミック)俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 4 (ダンガンコミック)
(2013/08/27)
長谷川 光司、なめこ印 他

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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