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おかしいのは個人か、それとも……

エマニュエル・トッド『デモクラシー以後』は「いかにしてもニコラ・サルコジは共和国大統領となり得たか?」という一文から始まり、序章でサルコジの悪口を並べ立てます。
原書の発行が2008年ですから、2007年のサルコジ当選を受けて書かれた書物であるのは明らかです。

デモクラシー以後 〔協調的「保護主義」の提唱〕デモクラシー以後 〔協調的「保護主義」の提唱〕
(2009/06/25)
エマニュエル トッド

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「熱狂的で、攻撃的で、ナルシスティックで、ブッシュのアメリカの富の賞賛者」、より具体的には「その主張でヨーロッパの隣人たち、特にドイツ人たちを苛立たせた」とかアメリカに追従して「ペルシア湾とアフガニスタンにフランス兵を送った」というのは、日本の政治家にも当てはまりそうに聞こえる話です。
右翼側の票を集める一方で左翼側の人間を登用したりで、従来の政治の枠組みが通用しなくなっている指摘も実感を感じさせるものです。

ただ、気を付けておきたいのは、日本の基準ならばサルコジは「駄目な政治家」の内に入らないだろう、ということです。
どちらが深刻なのか、指導者が酷くても暴動が起こらない日本が凄いと考えるべきか……

 ジャン=フランソワ・カーンのようなニコラ・サルコジの人格に対する何人かの批判者は、狂気に言及するところまで行った。この視点は私のものではない。私の見るところ、大統領は自らの行為に責任の取れる人間であり、せいぜいその行為が拙く無能なだけである。(……)しかし、狂気という問題系を考慮したとしても、そのことはわれわれの問題系を変えるものではない。歴史的および社会学的な厳密さはただ、狂気の概念をフランス社会全体に拡張することだろう。狂った社会だけが狂った大統領を長い期間にわたり正常として扱うことができる。もっとも過激なものでさえ、いかなるサルコジ批判も、われわれ自身に対してわれわれの目を閉ざさせてはならない。この大統領はフランスが病んでいることの証拠である。
 (Emmanuel Todd, Après la démocratie, Paris, Gallimard, 2008, pp.18-19)


鳩山由紀夫がコルサコフ症候群だという指摘のことを思い出します。
政治家がおかしいのはやはり、大きな異変の証なのではないでしょうか。それもおそらく世界規模の……

つまり、「有権者がみんなバカである」といったレベルの事柄ではなく、社会のあり方の激変がここに現れているのではないか、ということです。

「どうおかしいのか」に関するトッドの議論するのはまたの機会……があるかどうか。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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