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長い死の準備――『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 3』

パソコンの変換ミスよりも、手書きで漢字を間違えると非常に不安になります(自分の頭が)。
いや、そろそろ修士論文の題目を事務に提出せねばならないのですが、その書類を書いて先生に検印を貰いに行ったところ、誤字の指摘を受けてしまいました。
先日の研究発表で、この内容なら表題や導入は……という指摘を受け、直前まで考えていたりしたせいもありますが。
信用にも影響するので、できればこういうことは避けましょう。

ちなみに、この論文題目の提出というのが、きわめて重要な手続きでありながら、年度の初めに配られた学生便覧に載っているだけで、Web での告知もないという有り様。何のためのポータルサイトなのやら…。システムを Web 化しても、あんまり活用できていませんよねぇ。

 ~~~

さて今回は、つい先日紹介したライトノベル『明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。』の3巻(これにて完結)を取り上げさせていただきます。

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1日交替で表に出ていた二人の人格ですが、夢前光の時間が少しずつ短くなり……そして前巻の最後で「お前の残り寿命全部で、彼女をたすけてやろうか」という言葉が秋月のもとに届きました。
すなわち、いずれが生き残るかの選択を迫られているです。

ここで主人公達、同じ境遇の人間を探すためにインターネットを活用、見事に隼人&千秋というく、同じく二心同体になっている二人と出会います。
かつて『僕の地球を守って』という少女漫画の主人公たちは、前世の記憶を持つ仲間を探すために誌面広告で呼びかけたものですが(ちなみに、この手の「前世系」の声はこの漫画の少し前からあったとか)……そんなことを思い出させつつ、インターネットというのが時代を感じさせもします。

この二人組にも翻弄される秋月。ここでも、いずれのペアも一日交替なので、秋月視点では一方にしか会えないという状況になり、それが相手側の事情を小出しにするギミックとして働いています。前巻に引き続き、この設定が実に上手く使われていますね。

しかも、この隼人&千秋のペアは宿主の身体障碍という事情があり、精神的にも苦しんでいる上、「こんな身体に相手を閉じ込めてしまった」ことを悔やんでもいます。
けれども相手は、そんな宿主のことが気がかりで、何とか幸せにさせて去りたいと、そう思っているのです。

そう、この隼人&千秋の登場でいっそう際立つのは、死者の「心残り」とその「清算」です。

二心同体の状態が長くは続かず、近い将来に消えねばならないということは、――どちらが消えるにせよ、消える方にとって――ある種の余命宣告です。
そもそも、一度死んだ人間が他人の体に宿って命を得たのですから、これはいわば死までのロスタイムです(「」ロスタイム)の語は作中にも登場します。

もちろん、人は予想もしていない時に死に得ます。心残りがあろうがあるまいが、死は訪れます。
むしろ、近い内に必ず死ぬなどという現実を突きつけられるのは、辛く恐ろしいことです。

けれども、死ぬ前にきちんと残ったことを「清算」して、準備ができるのであれば、それはきっと幸福なことです。
もちろん、その「清算」とは外的な事柄だけでなく、自分自身に死を受け入れる心構えをも含むものであり、当然、容易なことではありませんが。

そうして訪れる二人の共同生活の終わり。
どうもこの巻、前半の隼人&千秋のエピソードに重点が置かれていて、最後はあっさりしている感もありますし、保健医の日雲すてら先生が二心同体のことを知っていそうな雰囲気がありながらあまり使われなかったといった要素もあり、また最後にほんの少しだけ新たな希望を提示しているので、今後のことが気になってしまう部分もありますが、確かに感動的で見事な締めでした。


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