オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
ヒーローはどう生きるものか…
全ての獣電竜の要であり、1億年前の戦いでは禁断の必殺技ギガント砲でデーボスの心を凍りつかせて封印したものの、デーボスの生み出した魔神ガドマの最後の抵抗により自らも地中に封じられていた獣電竜。
しかも、キョウリュウジャーの基地であるスピリットベースも、実はブラギガスの体内にありました(ブラギガスが地中に沈んだ時に切り離されていたため、今までスピリットベースにいながらブラギガスが行方不明だったようですが)。
しかし、今回は敵の方もカオスが魔神ガドマを復活させ、ブラギガスも1億年前の戦いで受けた呪いに苦しむことに。
この呪いはキョウリュウジャーの全ての力を蝕みますが、アミィの執事やノブハルの家族、今まで関わってきた人達の応援によって助けられて力を取り戻し、ガドマを撃破します。王道の山場でしたね。
さて、このブラギガス、最大の特徴はまず「大きさ」です。スピリットベースはそう広くはありませんが、体内に基地があるというのも巨大さを印象付けます。
それでいて、人型ロボ・ギガントブラギオーにも変形できます。
基地がロボに変形するのも先例は結構ありますし、それが一号ロボだった例(『電磁伝体メガレンジャー』)すらあります。
ただ、ロボに変形してみるとそこまで大きくないような……
巨大ロボあるいはそれに変形するマシンを収容する基地、輸送機がそれ自身人型ロボに変形するケースもままあって、その場合は大きさも桁違いになります。
敵が巨大化したのに、こちらはさらにその2倍くらいの大きさのロボをぶつけ、映像表現上も取っ組み合い等はしようがないので、ほとんど一方的に撃ちまくって終わり……というのは「反則だろう」と言いたくもなりました。
その点、ギガントブラギオーはせいぜい敵の1.3倍くらいしかないように見えます。
今回、さらに他の獣電竜5体と合体してギガントキョウリュウジンになりましたが、やはり大きさはそこまで変わっていないようなに思えます。
揚げ足取りみたいなことはこの辺にして、キョウリュウジャーはそれぞれ十大獣電竜のパートナーです。
7人は生きた現役の戦士であり(バイオレットは2代目、ゴールドは400年前の人間ですが封印されていたため生存)、シアンとグレーは数百年前に生きた人間で、今はスピリット(霊)になっています。
しかし、ブラギガスは1億年前からずっと地中に沈んでいた獣電竜です。いや、劇場版を観るとこの世界では1億年前にも「人間」が存在したようですが、今回のカオスの台詞からするとブラギガスのパートナーはトリンだった模様。
しかも、少し前に判明したことですが、トリンの正体は元デーボス軍の一員でカオスの弟でした。それゆえにブラギガスは全力を発揮できず、ギガント砲使用の代償を受けることになった……という話のようです。
つまり、ブラギガスのパートナーたるキョウリュウジャーは過去にも現在にもまだ存在しません。
それがついに、次回予告でキョウリュウシルバー登場、とのこと。
しかし、今回はトリンそっくりの敵が出現、キョウリュウシアンとグレーをすでに倒していた、というころで引きでした。つまり、続くエピソードはまたトリンに関するものになりそうな雰囲気……とするとトリンが変身するのか、それともフェイクで新キャラなのか…?
ちなみに、今更のようですが、オープニングで一人一人アップで映って役名とキャストが表示されているのは、キョウリュウゴールド・空蝉丸までの6人です。キョウリュウバイオレット・弥生ウルシェードはあくまで別枠であり、ストーリー上もサポートが中心で皆と一緒に出動することは少なく、変身して名乗らない回も多いのです。
つまり、この戦隊のレギュラーメンバーは6人と言うべきなのかも知れません。さて、シルバーはレギュラー入りするのか、どうか。
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『仮面ライダー鎧武』――前回でインベスの住む異世界に迷い込んでしまった鎧武(紘汰)とバロン(戒斗)。
ただ、もう一度バイクで走り続ければ、帰ることはできるようです。
ロックシードはこの世界の木に普通に生っている……ということで、戒斗はA級ロックシードをいくつか手に入れて帰還、それで「チームレッドワイルド」と「チームインヴィット」を傘下に付けます。
しかしそもそも、この世界に来られるバイクを二人に渡したのは錠前ディーラーのシドでした。ロックシードが採り放題になる道具を人に与えて、彼は商売あがったりにならないのでしょうか。シドが何を考えているのかは、今のところよく分かりません。
他方で、紘汰はインベスの世界で新登場の仮面ライダー斬月――正体は巨大企業ユグドラシルコーポレーションの御曹司であり要職に就いている呉島貴虎(くれしま たかとら)――に襲われます。
「なんで戦わなければいけないんだ」という紘汰に対し、「理由のない悪意などいくらでもある。戦う覚悟のない奴はアーマードライダーには相応しくない」と言い放ち、容赦しない斬月。
ついにこの辺でライダー同士の命懸けの戦いになったのは予想の範囲内でしたが、戦う理由すら主張しないとは……
もっとも、説明できるかどうかはともかく、何事にも理由はあります。ユグドラシルコーポレーションはロックシードやインベスの秘密、戦極ドライバーの開発に関わっていると思われますし(ひょっとすると、最終的な黒幕ではないかも知れませんが)、貴虎は管理者側として、命懸けで戦う覚悟のある人間にアーマードライダーをやってほしい「事情」があるのでしょう。
紘汰、命は助かったものの、ルールに則ったゲームではなく命を狙われるという経験をして脅え、アーマードライダーに変身できなくなります。
そもそも自分たちのために紘汰が傷付くことに反発を示し続けてきた舞は「これを機に紘汰に頼るのをやめるべき」と主張しますが、「チーム鎧武」のメンバーにして実は貴虎の弟(つまりユグドラシルの御曹司)である呉島光実(くれしま みつざね)は「誰かのために傷付くって、そんなに悪いことかな」と言います。
これはちょうど同脚本家の『まどか☆マギカ』にも通じるテーマですが、他者が自分のために傷付くことに対してどう態度を取るべきか。それを尊重して受け取り、感謝することこそが他者を尊重することだ、というのも(あらゆる場面でそう、というわけではないにせよ)考えられます。
しかし、「自分のために傷付いてもらう」側がはっきり言ってしまうと――とりわけ、それが「これから」のことに関わる場合――、「まず自分はなすべきことを尽くしているのか」という疑問は当然、生じます。
光実もそのことは理解しているのでしょう、彼はシドと交渉して自分も戦極ドライバーを手に入れようとします。
当初は難色を示すシドですが、ドライバーの入手は成功、光実はぶどうのロックシードで仮面ライダー龍玄に変身します。
ただし彼の戦闘シーンは省略、後でDJの語る報道によってその活躍が伝えられ、紘汰もそれを目にするという展開になりましたが…。
今まで問題になっていたのは「仕事」と「遊び」の区別であり、それに関連して「大人になること」でした。
しかし、怪人が暴れずヒーローをさほど必要としていない世の中では、「ライダーに変身すること」と「社会的な意味で大人になること」は全く一致しませんでした。
続いて今回「遊び」と「命懸け」の区別が出てきました。
しかし、この区別は上の区別とはまた別物ではないかと思われます。命を懸けることと、「知らない誰かに喜んでもらう」という意味で社会参加することは必ずしも結び付かないからです。
問題となる要素が増えるほど、「これが決め手だ」という分断線を引くことは難しくなります。「どうあるべきか」がなかなか見えてこない、一筋縄ではいかない物語の気配がします。
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