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どんな時でも他者の幸福を願えるように――『ノノメメ、ハートブレイク 2』

携帯電話の液晶画面に筋が入る等の故障が発生。
微細なものではありましたが、ショップに持っていくと、保険を使って製品交換ということになりました(私はあまりものを買い換えないので、保障期間は過ぎていました。気が付けばちょうど5年でした)。
ただ、同じ機種はもうなかったので新機種に交換することに。

しかし、交換した途端、前のアドレスを引き継いで迷惑メール等はやって来ます。
とりあえず対策をしなければならないのですが、操作法が大きく違うので……落ち着い食事もできない面倒を味わいました。

ちなみに、私は未だにスマートフォンは導入していません。今回の新機種はスライド型です。
これで、今まで3台の携帯電話で単独型、折りたたみ型、スライド型を制覇しました。
しかし、スライド型は本体部分とディスプレイ部分のそれぞれにバッテリーがあることに気付きます。これ、効率が悪いような……

 ~~~

さて、発売から少し経ってしまいましたが、今回取り上げるライトノベルはこちら。

ノノメメ、ハートブレイク 2 (ガガガ文庫)ノノメメ、ハートブレイク 2 (ガガガ文庫)
(2013/10/18)
近村 英一

商品詳細を見る

 (前巻の記事

「一生女性からフラれ続ける」不幸を神々によって運命付けられた「ノノメメ」こと東雲芽吹ですが、しかし本作の「不幸」は両義的です。
神々が「人の不幸」を嗜好品として味わうのはまさに「傍から見て」の不幸ですが、他方で幸不幸というのは本人の主観に依存する問題でもあります。
これを曖昧だということもできますが、しかしおそらくは、この両義性こそがミソなのでしょう。

加えて、「フラれる」と「嫌われる」の違いという問題も入ってきます。東雲が他人のために一所懸命になっていることは、ちゃんと女の子達にも伝わっているのですね。

とかく、傍から見ればそうは思えなくとも本人は幸福であり得る、というこのテーマは少なからず先例があり、そんな中で本作はそれほどこのテーマを重々しく掘り下げたものではなく、コメディ寄りです。ただ、同時に「神の立場」が関わってくるのが、本作の特徴です。
東雲の隣には、彼の不幸(フラれること)によって発生する金色の霞の回収者・天王州がいます。
作中でもカップルだと思われている場面があるくらい、傍から見れば二人は完全に夫婦です。
天王州は毒舌を吐きつつも東雲から離されることは拒否しますし、東雲も天王州と別れることなど、まったく考えていません。

しかしこの2巻では、新任の回収者・ナナシが登場。強引なやり方で回収成果を挙げ、天王州に代わり東雲の担当に着任して、天王州は天の国に送還か……という事態になります。

天王州は素直になれないまま離れ離れになって、相手の大切さに気付く…と、展開としてはラブコメの定石通り、それに二人の出会いに関する回想もあって最後に二人の絆を確認と、ストーリー面の回収に終始した印象があり、妙な方向に転がって行くコメディ展開は控え目でした。

本作において、「神」は普通に人間の姿です(人間社会で生活しているのは、地上に遣わされて来たか、自ら降り立った酔狂な神に限るようですが)。
ただし、人間と異なり神は不老不死です。
世界観は日本神話風のようですが、まあ日本に限らず、オーソドックスな神話的形象の一つと言って良いでしょう。
金色の霞の「回収者」に任じられるのは零落した名も無き神ですが、彼らは人間の間近で過ごし、運命付けられた不幸を熟知しながらどうすることもできず、おまけに人間と死別を繰り返しても生き続けねばなりません。

ナナシは東雲にドーピングをさせて強引なやり方で金色の霞を集めます。人間に余計な思い入れをせず、手段を選ばずに霞の回収を追求するのは、上記のような神の事情からすれば正解なのかも知れません。
ナナシの場合それに加えて、自分だけ幸福になる神を妬んだ人間との間に生じた亀裂から来る、復讐という思惑もあったのですが……

けれども、東雲は他人の幸福を――神の幸福をも願い続けます。
自分の境遇を辛いと思っていないわけではない、だからこそ他人の不幸を決して放っておきません(そう言えば、東雲と天王州が学内で「解決屋」をやっている理由も1巻では説明がありませんでしたが、まあこれが理由でしょう)。
そんな彼がいかにして神たる天王州に幸福を与えられたか、つまるところ話はこの一点に尽きます。それが1巻では語られなかった二人の過去を通して描かれるわけです。

ナナシにどんな目に遭わされても、その想いを決して無碍にせず受け取り続ける彼は成人君子染みてきますが、だからこそ神の幸福をも願うことができたのでしょう。

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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