オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
この内容を見事に…――『紫色のクオリア 3』(漫画版)
(……)私はいわゆるスマートフォンではない、折りたたみ式の邪間古い携帯電話を利用している。そのため、携帯電話を作中に登場させる際は当然、そちらを意識して書くことになる。しかし世間ではもはやスマートフォンの方が圧倒的に占める率は高いようだ。だからあがってきたイラストを眺めて登場人物がスマホを弄っているところを見ると、やや間を置いてから『おぉ、そうかそうか』と納得するのが常だった。(……)
(入間人間『瞳のさがしもの』、アスキー・メディアワークス、2013、p.308)
ところがその翌月に発売された『強くないままニューゲーム』の2巻では、携帯電話の画面に触れると画面に登場するマスコットキャラが反応したりする場面があり、スマートフォンのイメージを抱いていたのですが、今度はイラストが折りたたみ式形態電話という逆転現象。
……と思いきや、最近は日本型携帯電話でも画面タッチに反応するものがあるのを、最近図らずも機種を変えたお陰で知りました。折りたたみ式ではなくスライド式ですが。
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それはさておき、先日も『魔法少女まどか☆マギカ』の映画について語る中で少し触れましたが、『紫色のクオリア』コミカライズの3巻が発売されました。これで完結です。
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とは言え、今更語ることは多くありません。
必要なことは概ね原作についてのレビューで書きました。
その上で特筆するとしたら、原作後半の抽象的な内容を見事に表現していることですね。
無数の人生を繰り返すという、ヴィジュアル化するのが難しそうな内容を説得力ある形で描いてくれました。

(うえお久光/綱島志朗『紫色のクオリア 3』、アスキー・メディアワークス、2013、pp.92-93)
原作のイラストレーターがコミカライズを担当しても、そもそもイラストレーターが漫画に長けていると限らないのですが、この場合は元々イラストレーターが漫画家でコラボ企画でした。
それでも、内容に漫画家の表現が合うとは限らないのですが、この作品はその点も問題なかったようで、非常に素晴らしい出来となりました。
さらに、巻末には原作者による書き下ろしテクスト「箱の中の手紙」も収録。
これは原作の内容を補完するものでもあります。
漫画の最後で「残った謎」として軽く提示しておいてこのテクストに繋げるという構成が、最後まで見事な連携も感じさせました。

(同書、p.219)
申し分なくお勧めのコミカライズですね。
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