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ある時は大袈裟に、ある時は淡々と――『漫喫漫玉日記』

先月、今月と2ヶ月連続で桜玉吉氏の新刊――それも再録・再版ではない新作!――が発売されたのですが、先月の『漫喫漫玉日記 深夜便』はコミックビーム連載をまとめたもので、このブログでは割と連載時に触れてきたことが多いので特に取り上げませんでした。
一方、今月の『四コマ便』は『ファミ通』で連載している「読もう! コミックビーム」の4コマの単行本化(雑誌未掲載分もあるようですが)。

漫喫漫玉日記 四コマ便 (ビームコミックス)漫喫漫玉日記 四コマ便 (ビームコミックス)
(2013/12/24)
桜 玉吉

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始まった当初は一応真面目にコミックビームの宣伝をしていた(危機感を煽るような宣伝のせいか、コミックビームは一時期「もっとも読者から心配されている漫画雑誌」と言われていましたが、そう言われつつ休刊せず現在に生き残っています)この4コマですが、気が付けばすっかり日記漫画と化し、最後の「読もう コミックビーム!」という宣伝文句への繋げることの方が無理矢理に。
お陰で、巻末の初出説明のページで、毎回「読もう コミックビーム!」というフレーズが最後に入っていることを説明している始末。

ある時には実に淡々と、

4コマ漫玉日記 アンパン
 (桜玉吉『漫喫漫玉日記 四コマ便』、エンターブレイン、2013、p.43)

本当にただこれだけの話を。でもこの顔なんかがそこはかとなく可笑しかったりします。

またある時には、一瞬妙な音が聞こえただけで妄想を逞しくして――

4コマ漫玉日記 ネットカフェで
 (同書、p.88)

3コマ目に不穏なキャラがいた……
これだけのことでこういう妄想を展開し、大袈裟なリアクションを描ける辺りが流石ですね。
「スルースキル」とは「スルーするかしないか判断する能力」というのもなかなか鋭いですね。

本書の冒頭部に収録されているのは『御緩漫玉日記』終盤(作者の鬱病が悪化して内容が荒れ、そのまま連載終了)の時期のもので、こちらは4コマなのでその影響はまだ控えめであるものの、ところどころに感じられます。
絵の密度は表現の内だとしても、感情が制御できずに露出している感がしばしばあって…

それが途中から原発事故、計画停電といった時を感じさせるネタを含みつつ、徐々に抑制が効いて回復しているのが窺えますね。

漫画の間に桜玉吉インタビュー(実質的には編集長O村との対談)が挿入されていて、こちらも作者の当時~今に至る状況を赤裸々に語っています。『深夜便』のあとがきと合わせて、作者が漫画喫茶で仕事をするようになった事情――ひいてはこの単行本のタイトルの意味――がよく分かります。
震災を契機に外に出るようになって回復してきた、というのも考えさせられる話です。
まあ後半の対談内容は――特にO村の発言が――憂国談義めいてくるのですが……


まずまず面白いですし、ファンとしては作者の無事を確かめるとかお布施とかいう意味でも買わずにはいられませんでした。


漫喫漫玉日記 深夜便 (ビームコミックス)漫喫漫玉日記 深夜便 (ビームコミックス)
(2013/11/25)
桜玉吉

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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