オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
外見で専攻を判断する
まあ、私に分かるのは「絵具で汚れたツナギを着ているのは高確率で油画」とか、「ヴァイオリンケースを持ってるのは音科(弦)」いうことくらいでしょうか。
そして私が判断される側に回った場合、まあとかく色々に混同されます。デザイン棟での講義に出入りしていたせいかデザインと間違われるというのはむしろざら(そうでない時にもこの混同はあった気がしますが)。「なぜか音科みたいに思ってた」と言われたことも。ただ、実技の授業で油画のアトリエにいた時は「油だったんですか!?」とかなり驚かれたんで、さすがに油画にはあまり見えないようです。
そう言えば、特別講義に来ていた佐藤一郎先生も最前列に座っていた私を見るなり「君は…絵描きには見えんな」と。まあ、その時私は自画像の演出用にワイシャツを着て、辞書を手に(ドイツ語で)ジンメルを読んでましたからねえ。(※)
外見の話ではありませんが、12月の集中講義でも、パンに入れるイーストとは何かとかどうでもいい科学知識を喋っていると、「何で芸大にるの? 絶対科学の方が合ってそう」と言われました。
科学…か。
哲学をやっている(「美学」というのが哲学の一分野ですので、芸術学で扱っている分野ではあります)等と知られている場合、「一般大の文学部の方が合ってる」と言われることは結構ありますが、自然科学か――と思ったんですけれど、さらによく考えてみると、一見して文系に見られたことの方が少ないかも知れません。母でさえ、「お前は私よりは数学の能力があるはずなのに文系か…」等と言ってましたし(再三言っているように、私はそういうことは文理を分ける基準だとは思いませんが)。もっとも、私の語学に対する執念を知っている場合はどうでしょう(別に語学についても、文系のみのものだとは思いませんが)。
しかし、一般大の文学部なり理学部なりに居たとして、自分が馴染んでいるともあまり思えないんですが。どこにいても変で浮いてましたし。「他の所の方が合ってそう」というのは、単に浮いていることの謂いではないかと…。
まあしかし、ということは本学に居ても特別に問題がある訳ではない、とプラスに受け取っておきます。困った人に付き合わされる周りは大変ですが。
※ ジンメルは本当に、芸術学の本業にもほとんど関係ないので、最近は担当の先生にも笑われたというか呆れられたというか、ですが。あれからドイツ語のテキストも色々当たったんですが、最近またジンメルに戻って来ているのは、「比較的明晰で読みやすいから」というのが第一の理由です(本業との関係はさておき、内容にも興味はありますが)。こんなことでいいのか。
(芸術学2年T.Y.)
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