スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

文章の書き方を学ぶこととSFライトノベル

突然ですが、私のブログの書評記事は「ブロガーの本棚」というサイトに登録されています。
書評意外にも色々な記事が混じり合っている私のブログを、整理してくれていて助かります。

ただ見ていると、毎日のように新着記事が拾われることもある一方で、1週間くらい放置されていることもあって、拾われるのは最近の記事だけなので、時々漏れもあります。
クローラーが書評を拾いあげているとありますが、クローラーの巡回が来る時期がどうやって決定しているのかは不明です。「ブロガーの本棚」掲載書評だけで1日1件以上のペースになるブログもあり、そこはもっとコンスタントにジュ内去れているはずだ、と思うのですが……私のブログは毎日書評記事を書くようなところではないので、そこまで入念に巡回するほどでもない、と思われているのなら、それは事実でしょう。

まあ、別に私の方から登録してもらうよう頼んだわけではないので、感謝することこそあれ文句を言うことはないのですが。

 ~~~

昨日取り上げたライトノベルに関して、内容に関する云々というよりは連想した私事のようなことを少々。

 例えば――、
 中学校にテロリスト達がやってきて、教師を殺して生徒を人質に取って立てこもる。それを僕が、あっさりと解決してしまう、ハリウッド映画のような展開の妄想。
 授業中に窓の外を眺めて――、
「あの牛乳配達トラックの中身はテロリストだ! 駄目だアイツらを校内に入れるなっ!」
 何度妄想したことか。
 のちにこの妄想については、忘年会で別の作家さん達と会ったときに、
「僕は、こんなことをやっていました。あはは」
 そう笑い話として言ったら、
「え? ――やったことない人、いるの?」
 真顔で驚かれた思い出がある。
 なるほど、みんなやっていたのかと、僕は初めて知った。
 (時雨沢恵一『男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。 (1) ―Time to Play― (上)』、KADOKAWA、2014、p.102)


 例えば、オリンピックをテレビで見て、選手の姿に感動したとする。
 そのスポーツをやってみようと思って、始めてみる。
 じゃあ、すぐに五輪選手のようにできるかといえば、そんなわけがない。これは、誰でも分かることだ。
「どうして私は百メートルを十秒で走れないんだろう?」
「どうして私は矢を放ったら百発百中じゃないんだろう?」
「どうして私は段違い平行棒を華麗に飛び移れないだろう?」
 そう悩む人達がいるとは、あんまり思えない。

 でも、小説の場合は、書き始めたばかりなのに、
「どうして私は○×先生のような文章が書けないんだろう?」
 そう悩んでしまう人が、とてもたくさんいる気がする。
「というか……、始めた頃の僕がまさにそうだった。どうして僕は、今までたくさん読んできたのに、同じように文章が書けないんだろうって、本気で延々と考えていたっけ……」
 (同書、p..217-218)


私もかつて自作小説を書いていたり、漫画家を志望していたりしたことがあったけれど、これらの話には驚くほど共鳴しないのでした。
この『男子高校生で~首を絞められている』の主人公も幼少時から多くの物語を読んできて、頭の中でそれに手を加えることから「妄想」を、そして物語作りを始めたのでした。

私も読んだ物語を真似た記憶は多々あるものの、その際に文体も読んだものを真似て書いていました。
もちろん、実際に出来た文章はと言えば子供の真似、オリジナルとは比べるべくもなかったでしょうが、さて不思議にそこで悩んだ覚えはない。他方で自分に物語を作る能力がない(「できた物語がつまらない」のではなく)ことに気付くには結構な時を要しました。だから私は「物語のイメージはあるけれど文章が書けない」という悩みには無縁だったのです。
まあそれこそ「作家の才能はない」と同義なのかも知れませんが。

大学では、論文の文章というものは文才のみに頼っては書けないことを知りましたけれど。が、そこでやったことと言えば、やはり先行する論文の文体を真似ることでした。

とにかく、いきなり手本とする優れた作家のように書けるはずはないものの、文章もまたそれを「真似ぶ」ことから始まるものではないか、という思いが私にはあるのです。
しかし、『男子高校生で~首を絞められている』の主人公の話には、その点はどうも希薄なのでした(もちろん、意識的にせよ無意識的にせよ手本としていた先例はあるはずですけれど)。

「なるほど。できるところから一歩ずつだね」
「うん。僕は、簡単な文章でいいから、分かりやすさを最重視して、とにかく書くことにしたんだ」
 いきなり、×○先生みたいな文章を書くには、無理だ。だから、“誰が読んでも理解できる、簡単でシンプルな文章”から書く。
 そして、ひとまず話を完成させる。それから、書いた文章を何度でも読み直す。
 シンプルな文章に、もう少し描写を足すとか、言い回しを変えるとか、そういった装飾を増やしていく。もちろん、必要ないと思えばそのままでもいい。
 (同書、p.220)


しかし実のところ、「簡単な文章」「シンプルな文章」というのが何を意味するかは、それ自身難題です。
ぼんやり聞いていると聞きなれた言い回しのようでいて意味不明瞭ということもあります。
そもそも自分の書いた文章を客観的に眺めて、それがどれだけ伝わるか判断し、修正できるなら、その時点でかなりの才覚と言っても良いでしょう。
ついでに言えば、ライトノベルの文体が中高生を対象にして読みやすいものなのか、独自の文飾が存在するのかというのも、多様な作品があるので一概には言えないことです。

物語の内容はともかく、文章については「簡単な文章」「シンプルな文章」という目標を頼りに自分で足掻いて、しかも割と短期間に「どう書いたらいいかまったく分からない」状態からデビュー作を書き上げるまで持っていった――この辺が、この主人公の「余はいかにしてライトノベル作家となりしか」はファンタジー8割だと思える最大の理由です。
(もちろん、そもそもこの作品はフィクションなのですから、ファンタジー10割であっても問題はありません。ただ、この点に関してあまり「指南」の要素を求めない方が良かろう、ということです)

私には作家の才能は無かったのだから、私の体験は作家になる人間に対する反証にはならない、という考えもあり得ます。
判断は任せますけれど、ただいかにして文章の書き方を学ぶかという点に関しては、作家の才能がある人間とない人間では違う、というだけでは済まないものがあると思う次第です。

 ~~~

『SFマガジン』には「SF BOOK SCOPE」という新作書評のページがあります。
私はこの雑誌を毎号読んでいるわけではないので、評者の顔ぶれにどこくらい動きがあるものかよく知らないのですが、最新の2014年3月号ではタニグチリウイチ卯月鮎の両氏が主としてライトノベルを取り上げていました。
タニグチ氏は『ウは宇宙ヤバイのウ! ~セカイが滅ぶ5秒前~』、『オレのリベンジがヒロインを全員倒す!』、『ファナティック・ブレイクスルー』、『滅葬のエルフリーデ』、『僕の小規模な自殺』を、卯月氏は『後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール』、『秋葉原ダンジョン冒険奇譚』、『ダイス・マカブル ~ definition randam field ~』、『グイン・サーガ132 サイロンの挽歌』を取り上げていました。
『ウは宇宙ヤバイのウ!』を「決してイロモノではない、最先端のワイドスクリーン・バロックだ」と評しているのを見ると、少し考えてしまいますが。あまり定義論争に踏み込む気はありませんけれど、ハチャメチャSFとワイドスクリーン・バロックは別物ではないかという気も……いや、両方の要素を持っているというのならそれでいいのですが。

1人の評者が1ページで5作品を取り上げているので、書評としてはそれほどのものではありませんが、SFにおけるライトノベルの存在が小さいものではない、と認知されるようになっていけばいいですね。

S-Fマガジン 2014年 03月号 [雑誌]S-Fマガジン 2014年 03月号 [雑誌]
(2014/01/25)
不明

商品詳細を見る

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へ
にほんブログ村 人気ブログランキングへ

テーマ : 大学生活 - ジャンル : 学校・教育

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
参考文献
私が展開している思考の拠り所など(一部)。
スポンサー広告
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。