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2014年2月の読書メーター

先月の読書メーターのまとめです。39冊10252ページでした。登録数通算500冊も達成(読書メーター登録開始以前に読んだ本の登録を数えるほどだけ含む、という中途半端さはありますが)。

読書メーター2014年2月

2月が短い割には1月の40冊に迫る数で、洋書で学術書も2冊(それぞれギリシア語とフランス語)読了したのですが、月の後半になるほど漫画の比率が増えていきます。
別のことにエネルギーを投入しているとか、来年度の研究の目途を立てないといけないという焦りとかで、力が入らなくなっている感はありました。

では今回も、ブログで個別記事を設けて紹介しておらず、その予定もない本についていくつか抜粋しておきたいと思います。
書籍リンク・引用形式で読書メーターに書いた私の感想・補足の順です。

【ライトノベル】

神狼と見えざる手 (一迅社文庫)神狼と見えざる手 (一迅社文庫)
(2014/02/20)
川波 無人

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2人だけで盗賊ギルドを営む少年ルゥと少女アリーリア(周囲からは「何でも屋」と見なされているが)。廃屋にある石像の回収を依頼されるものの依頼主にきな臭い事情があり、それが発覚してからは最初敵対した相手と協力して…という筋はオーソドックス。しかし、ワーウルフの一族虐殺のエピソードから始まりながら、それが活かされるはずの終盤のシリアス展開があまりにも薄い。これだけ活躍しない主人公にこの背景は不要と言うべきか、この主人公設定を活かすようシナリオを改めた方が良いと言うべきか……。


この作者に書けるのは軽いノリのラブコメで、重い設定とストーリーを扱おうとして上手く嵌まらなかったように思われます。
その意味で、どちらかというなら、軽いノリを活かす方向を勧めますが……


耳刈ネルリ拾遺 表紙
耳刈ネルリ拾遺

『耳刈ネルリ』シリーズの未発表および単行本未収録短編を集めたもの。時期的にはレイチ達の入学直後から『七人の花婿』の少し後まで(レイチによる新聞記事、インタビュー、本棚紹介、さらにはシュールな妄想含む)。脱線と妄想に満ちたレイチの一人称語りで抱腹絶倒させつつ、食事を仕切るネルリに対する反応等に関係の変化をもきっちり示す。友情あり、悪ふざけあり、学外の海を含めた大陸の壮大な風景あり。彼らエリート学生達の青春に再会できただけで感慨は一入。


これは正真正銘、石川博品自身によって同人誌として発表された『耳刈ネルリ』シリーズの短編集です。
またネルリが読めること自体も感慨深ければ、当初(中学直後)はネルリの奇異な習慣に苛立っていたレイチが、終盤では同じ習慣を受け入れている辺りが時の流れを感じさせて、これまた感慨深い。まぎれもなく『耳刈ネルリ』です。

収録短編の一つ「双六ネルリの甘美なる敗北」はWeb公開されているので、まずこれだけでも読んでみるというのも手ですね。『耳刈ネルリ』本編を読んだことのない方向けに、比較的設定説明の多い形になっているので、本編未読の方も気が向いたらどうぞ。


【漫画】

隻眼ノ少年 オカルトメイデン ~影章~ (1) (ヤングガンガンコミックス)隻眼ノ少年 オカルトメイデン ~影章~ (1) (ヤングガンガンコミックス)
(2014/01/25)
平坂 読、茶戸 他

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隻眼ノ少年 オカルトメイデン~影章~1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)隻眼ノ少年 オカルトメイデン~影章~1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
(2014/01/25)
平坂読、茶戸 他

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原作ゲームは知らず。アラミタマという怪物に襲われて友人を失い、同時に「鬼眼」を持つことが発覚した少女・笠松妙は祓魔師になるための修行を始める。まだ修行を始めたばかりで雑用係の彼女だが、思いがけず危険な現場に踏み込んでしまったようで…。主人公の素人からの成長とか、ボーイッシュな先輩・倉橋千影との百合要素とか、土御門家内部の不穏な状態とか色々あるが、この巻だとまだこれという特色が十分見えてこない感も。まあ絵もいいし期待しておこう。


なぜAMAZONに表紙画像があるのは電子書籍版だけなのか……
平坂読氏の名前を見て手に取ってみました。


せっかち伯爵と時間どろぼう(1) (少年マガジンコミックス)せっかち伯爵と時間どろぼう(1) (少年マガジンコミックス)
(2014/02/17)
久米田 康治

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歴史的怪人物サンジェルマン伯爵。彼は短命な代わりに離れた時間に点在できる上人類だった。短命な彼は、時間を無駄に消費させる時間どろぼうを憎み、無為に過ごしている時只卓に怒りをぶつける一方、伯爵の妹は卓を「時セレブ」と見なして求婚し…。風刺ネタに見識の浅さを感じて久米田作品から離れてしばらく経ち、新作が出たので読んでみたが、印象は変わらなかった。なのは風刺ネタが減っているのはむしろ好印象。下ネタも微妙なのは多いが。4次元種にとってのクリスマスの真相みたいなネタは割と良かった。



俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 5 (ダンガンコミック)俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 5 (ダンガンコミック)
(2014/02/27)
長谷川 光司、なめこ印 他

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原作2巻の最後まで。そしてこれにてコミカライズは完結。戦闘はこの辺が一番インフレしていたのである意味では潮時なのか。しかし最後に1コマのみの登場となった響は…。バハムートとリヴァイアサン、そして両者の戦いは迫力満点で良かった。


また良質なコミカライズが一つ終わりました。残念。


【その他】

サンタクロースの大旅行 (岩波新書)サンタクロースの大旅行 (岩波新書)
(1998/11/20)
葛野 浩昭

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聖ニコラウス伝に始まり、なまはげにも通じるヨーロッパの年越しの祭りと合流したサンタクロースの起源。19~20世紀のアメリカにおけるサンタクロースというキャラクターの誕生、日本でのクリスマスの導入。そして北欧のサンタクロース村と少数民族サーミ人の問題、最後に平和国家フィンランドを象徴するイメージとして活用されるサンタクロース。サンタクロースを巡る大きな歴史的テーマの詰まった一冊。サンタクロース=なまはげ説は自分でも感じていたので裏付けを得た思い。


もう3年半くらい前にこの本に触れた覚えがありますが、今更読了。


4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史
(2013/06/26)
村瀬 秀信

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プロ野球の2リーグ制開始(1950年)以来、2012年までで12球団中最多の4522敗を積み重ねたチーム、それがベイスターズ(元ホエールズ)。'98年の38年ぶりの優勝からその後の転落、中間の章で時代を遡ってホエールズ時代を描いた後、'07年からの暗黒期から現在へ。選手・フロントの関係者に数多く取材を行い、ファンの視点から綴られた一冊。功労者の扱いが下手、後先考えない選手の放出といった「球団の体質」問題は組織論であり、決してこのチーム固有の問題とも思われず…。


そして今月も野球ノンフィクション。


2月に読んだ本全ての詳細は追記にて。
2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:39冊
読んだページ数:10252ページ
ナイス数:583ナイス

魔導書が暴れて困ってます。2 ま、どうにかしましょ (一迅社文庫)魔導書が暴れて困ってます。2 ま、どうにかしましょ (一迅社文庫)感想
魔導書退治は1巻で一段落付いたと思ったらまだ続いてるのか。新たな魔術師の少女・宇此鳴アンリエッタが島にやって来る。邪神の子達の戦いに関する魔術協会の思惑。だが今回のメインは冬菜。魔術師としての才能に劣り、それでも姉・イリーナのためになろうとする彼女と、魔術師としての実力で重責を背負い込むアンリエッタ。犬猿の仲の二人はお互いを羨む。冷静な術策とヒューマニズムの単なる対立でなく、両立を目指すのが美味しいところ。
読了日:2月1日 著者:瀬尾つかさ
ナナのリテラシー 1 (ビームコミックス)ナナのリテラシー 1 (ビームコミックス)感想
職業体験でコンサルタント会社にやって来た女子高生・許斐七海が主人公のルポ漫画だが、この1巻の御代は電子書籍。作者がモデルの漫画家が登場、前作の電子書籍版を自己出版して大成功した作者の体験が虚実交えて描られる。しかし、業界全体としては電子書籍の売上が大幅に伸びているわけでなし、出版社相手に言った「電子書籍は出版社を救わない」も間違いではない。出版業界の構造問題も語られて非常に面白い1冊。
読了日:2月2日 著者:鈴木みそ
村上海賊の娘 上巻村上海賊の娘 上巻感想
大坂本願寺が織田信長と戦っていた頃、瀬戸内の村上海賊の娘・景姫は夢を叶えるため泉州へと向かう。醜女と言われるけれど、当時の美人像から離れた長身で彫りの深い西洋風の容姿、戦いは滅法強くがさつで脳筋だが、その思考はどこか現代的な合理性に通じるものも感じさせ、そしてイケメンの海賊との結婚を夢見る景が実に素晴らしいヒロイン。現代的なキャラ造形と合わせて何とも爽快。そんな彼女が現実を知り成長する物語でもある。後半の合戦も圧巻。ついでに、姉にとことん振り回される弟の景親が笑いと哀れを誘う。
読了日:2月3日 著者:和田竜
ファナティック・ブレイクスルー (一迅社文庫)ファナティック・ブレイクスルー (一迅社文庫)感想
ストレスにより「E.X.I.T」という超能力に覚醒する人間の増えた世界で、加熱能力者の穂村陽と冷却能力者の氷上静音を巡る学園ラブコメ。彼らの所属する料理部が主な舞台で、料理の話は割と詳細。そこに介入してきた生徒会査察部の水戸仁美が波乱を齎す。超能力者に対する周囲の偏見や恐怖、そこでとりわけ陽のことではムキになって暴走する静音とそれをフォローする陽の関係性はいいが、少々あっさりしているかな。肝心なところで本人が心情を直接語る手法に頼っているので、その辺にもう少し技術が欲しかったところ。
読了日:2月4日 著者:真慈真雄
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 (MF文庫J)感想
ブリューヌ王国アルサス地方の領主ティグルは、戦で隣国ジスタートの「戦姫」エレンの捕虜になってしまう。弓を軽んじるブリューヌの貴族と異なり、エレンはティグルの弓の腕を見込んで自分の部下になるよう誘うが…。ドラゴンは棲息しているものの、魔法的な物は限られた存在(最初は主人公も全く知らない)で、中世ヨーロッパ風の世界観が政治制度レベルで丁寧に描かれるのが好印象。神話的壮大さを含んだ戦記物という感じで非常に先が楽しみ。主人公とヒロインも好人物。
読了日:2月5日 著者:川口士
アヴァロン42 理想郷に響く銃 (1) (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)アヴァロン42 理想郷に響く銃 (1) (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)感想
適合者選抜試験として、ヴァーチャルリアリティで学園生活を送り、銃や剣を手に戦う話。これが何の適合者を選抜しているのか、あらすじには説明があるが本文中には無し。追って説明するのかと思えば最後まで語られず。そもそもこの試験の意図も謎が多い。さらにヴァーチャル世界での試験に連動して、現実でも異変が起きているが、これは次巻以降への引きか。この試験を利用して人を殺して暴れる問題児達との戦いは熱くて楽しめたが、説明の仕方には疑問が。余談だが目次のページ番号にミス。とことん編集が不慣れなレーベルだな。
読了日:2月7日 著者:吉野匠
村上海賊の娘 下巻村上海賊の娘 下巻感想
誰も彼も、家を守るために戦っている。そのためには望まぬ者を騙すようなやり方もありで、戦は美しいものではない。現実を知り打ちひしがれる景だが、助けたい者達のため、再び立ち上がる時が来る。村上海賊の禁じ手「鬼手」が出る時。同時に、「家を守る」とはどういうことなのかも一義的ではない。いずれにせよ栄華は終わると知りつつ維持を図るべきか、勇ましく戦った証を刻むべきか。侠気が政治的駆け引きに勝る時がある。後半の海戦は圧巻。あっさりしているが景親の扱いと成長も非常に良かった。
読了日:2月7日 著者:和田竜
Categories Et Liber De Interpretatione (Oxford Classical Texts)Categories Et Liber De Interpretatione (Oxford Classical Texts)感想
アリストテレス『カテゴリー論』『命題論』。邦訳を参照しながらとは言え古典ギリシア語はハードだった…論理学系の著作は語彙と文章のパターンが限られているのでまだ楽な方だけれど。収録の二著はそれぞれ語と命題を扱う、アリストテレス論理学の基礎。しかし現在に伝わるテクストには欠落があって10のカテゴリーの一部はほとんど説明がないのだが…。対立の成立する条件や様相(可能/必然)について割いている紙面の多さが印象に残る。議論する上で重要になるからか。
読了日:2月7日 著者:Aristotle
隻眼ノ少年 オカルトメイデン ~影章~ (1) (ヤングガンガンコミックス)隻眼ノ少年 オカルトメイデン ~影章~ (1) (ヤングガンガンコミックス)感想
原作ゲームは知らず。アラミタマという怪物に襲われて友人を失い、同時に「鬼眼」を持つことが発覚した少女・笠松妙は祓魔師になるための修行を始める。まだ修行を始めたばかりで雑用係の彼女だが、思いがけず危険な現場に踏み込んでしまったようで…。主人公の素人からの成長とか、ボーイッシュな先輩・倉橋千影との百合要素とか、土御門家内部の不穏な状態とか色々あるが、この巻だとまだこれという特色が十分見えてこない感も。まあ絵もいいし期待しておこう。
読了日:2月7日 著者:平坂読,茶戸
サンタクロースの大旅行 (岩波新書)サンタクロースの大旅行 (岩波新書)感想
聖ニコラウス伝に始まり、なまはげにも通じるヨーロッパの年越しの祭りと合流したサンタクロースの起源。19~20世紀のアメリカにおけるサンタクロースというキャラクターの誕生、日本でのクリスマスの導入。そして北欧のサンタクロース村と少数民族サーミ人の問題、最後に平和国家フィンランドを象徴するイメージとして活用されるサンタクロース。サンタクロースを巡る大きな歴史的テーマの詰まった一冊。サンタクロース=なまはげ説は自分でも感じていたので裏付けを得た思い。
読了日:2月8日 著者:葛野浩昭
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉2 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉2 (MF文庫J)感想
大貴族テナルディエ公爵と戦うことが確定したティグル。味方を求めて他の小貴族と交渉、野盗退治を行ったり。しかしエレンと犬猿の仲でテナルディエ家と先祖代々の付き合いがある戦姫リュドミラが敵として立ちはだかる。家柄というものを重く背負い込んでいる彼女はティグルを認めるのか? 今のところ両国の王が手をこまねいているので貴族・戦姫間の戦争に終始している感じ。恋愛面ではリムが落ちる番だったか。
読了日:2月8日 著者:川口士
白暮のクロニクル 1 (ビッグ コミックス)白暮のクロニクル 1 (ビッグ コミックス)感想
吸血鬼を思わせる不老不死の存在「オキナガ」が社会にも受け入れられている世界で、厚生労働省の伏木あかりは「夜間衛生管理課」に配属される。彼女がオキナガの雪村魁とともに対決することになるのは、数十年に渡って続くオキナガの連続殺人事件。あとがきにもある通りレクター博士風の吸血鬼探偵ね。例によって様々な人々の御思惑が交錯する群像劇は見事。現段階だとまだ謎が多いが非常に楽しみ。
読了日:2月9日 著者:ゆうきまさみ
ゼロから始める魔法の書 (電撃文庫)ゼロから始める魔法の書 (電撃文庫)感想
主人公は獣人(虎男)の傭兵。彼はゼロと名乗る魔女に雇われ、「魔法」の書を取り戻す旅に協力することになる。その書は従来の「魔術」が要した手間をかけずに術を行使する方法を記しているという。技術の革新が齎す光明と脅威、そして新技術を管理できる社会システムを築くための戦い。テーマは明晰。生み出してしまった技術を無には帰せず、悪人を罰するよりその収拾を優先する締めもありかと。キャラはまずまず良いし世界観もこれといった破綻や問題はないが、もう一押し欲しかったかな。
読了日:2月9日 著者:虎走かける
4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史感想
プロ野球の2リーグ制開始(1950年)以来、2012年までで12球団中最多の4522敗を積み重ねたチーム、それがベイスターズ(元ホエールズ)。'98年の38年ぶりの優勝からその後の転落、中間の章で時代を遡ってホエールズ時代を描いた後、'07年からの暗黒期から現在へ。選手・フロントの関係者に数多く取材を行い、ファンの視点から綴られた一冊。功労者の扱いが下手、後先考えない選手の放出といった「球団の体質」問題は組織論であり、決してこのチーム固有の問題とも思われず…。
読了日:2月10日 著者:村瀬秀信
水木しげ子さんと結ばれました (電撃文庫)水木しげ子さんと結ばれました (電撃文庫)感想
人と人の小指を結ぶ赤い糸が見えるようになった少年・楠見朝生。彼自身の意図が結ばれていた相手は水木しげ子さん。猫の腸を弄り不気味な話をする彼女と関わりつつ、朝生は赤い糸の正体を知り、殺し殺されるという凄惨な関係を目にしていくことになる――歪んだ家庭や陰惨な事件の描写はなかなか良いのだが、どうも主人公が薄い。しげ子さんは不気味に見えて、実は事件解決のため真面目に奔走しているのだが、彼女とトビラ堂が万能すぎて……ギャグなら良かっただろうが。赤い糸としげ子さんと多様な殺人事件と、微妙な繋がりの三題噺のような
読了日:2月11日 著者:真坂マサル
王手桂香取り!  (電撃文庫)王手桂香取り! (電撃文庫)感想
将棋好きの中学生・上条歩の前に、祖父から貰った古い将棋の駒が美少女の姿になって現れる。どんな名人よりも将棋を知り尽くした彼女達の指導を受けて成長していく歩。駒の指示に従って嫌味な奴に一撃食らわせたりもしつつ、大事な勝負には歩が自分の力で挑む、そのバランスが良くて爽やかな青春物だった。歩も肝心なところで不正を考えないのが好印象。将棋を知らずとも十分楽しめた。駒三人娘は香車が一人存在感を発揮。彼女達をキャラ立てて使い分けていくことが、対局内容の描写法と合わせて課題になるところだろうか。
読了日:2月13日 著者:青葉優一
韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ― (電撃文庫)韻が織り成す召喚魔法 ―バスタ・リリッカーズ― (電撃文庫)感想
徹底して校則にうるさい生徒会長・音川真一は美少女悪魔マミラダと無理矢理契約させられ、ラップバトルで勝てば相手を支配する力を与えられる。設定上ラップの能力やセンスは勝敗に関係ないことも関係してか、ラップバトルの内容はとても感心できるものでなく、ヒップホップの魅力はあまり感じられなかった。クラシック派の真一が取り潰そうとしていたヒップホップ同好会と交流を持ち、マミラダにも愛着を抱いていく一方で、彼の理解者だったシスター森崎が豹変する後半はまずまず楽しい。ただしガラの悪さの表現に関西弁は安易かと。
読了日:2月15日 著者:真代屋秀晃
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 3 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 3 (MF文庫J)感想
「不敗の剣」デュランダルを持ちブリューヌ王国最強の騎士と言われるロランが、ナヴァール騎士団を率いてティグル討伐にやって来る。深手を負うティグル。使者として訪れていた戦姫ソフィーの助けも得てロランに立ち向かうエレン達だが…。ソフィーは前巻で顔見せした通り。国王について、回想での名君ぶりと同時に現在の惨状を見せることで、現状の深刻さを思い知らせてくれる。もう一人の大貴族ガヌロン公爵も登場。味方を積極的に切り捨てる彼のやり口が、人並みに親馬鹿で計算できる人物であるテナルディエとは対照的で不気味。
読了日:2月15日 著者:川口士
魔弾の王と戦姫 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)魔弾の王と戦姫 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)感想
非常に良質なコミカライズ。主要キャラは原作イラストのイメージ通りに描きつつ、原作イラストのないマスハスやバートランといったおっさん達も渋くて良い味、加えて背景やモブキャラもちゃんと中世的世界観の雰囲気を伝えており、これがまた作品によく合っている。内容も原作に忠実で、この巻では原作1巻の後半部、ティグルがエレンに兵を借りて戦いに臨むところまで。
読了日:2月16日 著者:柳井伸彦,川口士
深山さんちのベルテイン 3 (GA文庫)深山さんちのベルテイン 3 (GA文庫)感想
2年半余りを空けての新刊の相変わらず。女の子になりたい少年・深山琥太郎とメイドロボットのベルテイン、そしてその周辺の面々が織り成す穏やかな日常。皆いい人揃いで和やか。琥太郎は作者としてはむしろ珍しく徹底して鈍感主人公なのだが、これは彼のセクシュアリティの曖昧さと関係しているのだろうか。行く先々で出会う不良の先輩、今回はバイト以外での出番が多かった。作者の他作品とのクロスオーバーもますます健在だが、作者(オニイトマキエイ)登場とか少しアニメのネタも入ってるようで。
読了日:2月16日 著者:逢空万太
魔弾の王と戦姫 2 (フラッパーコミックス)魔弾の王と戦姫 2 (フラッパーコミックス)感想
原作2巻の頭、リュドミラの登場まで。美少女たちの可愛さとお色気も適度に出しつつ、ドラゴンや戦闘にも迫力があって非常に良いのだが、たまに戦闘にはところどころ分かりづらいところあり。一つには騎馬のままのアクションが多い中で、馬を消して人間を見せる技法に起因するものだろうか。巻末の特別篇も原作に存在する(漫画本編では省略された)場面を上手く利用していて良かった。
読了日:2月17日 著者:柳井伸彦,川口士
人生 第7章 (ガガガ文庫)人生 第7章 (ガガガ文庫)感想
赤松は彩香から貰った遊園地のチケットで梨乃をデートに誘うが、いくみに勘付かれてしまい、結局皆で遊園地に遊びに行くことに。というわけで生徒会長との対決はなく、ラブコメ面での進展が目立った話。矢野君が新たな難関になりそうな気もするが…。今回はふみの歴史ネタが控え目で、書や言葉に関する発言が多かったかな。いくみはアホなようでこういう時に異様に鋭いのには感心するやら呆れるやら。各系統の知識を活かす展開もあって良かった。物足りないのは、文言を違う文脈に挿入するギャグが相談7の言い訳の時くらいしかなかったことか。
読了日:2月18日 著者:川岸殴魚
魔弾の王と戦姫 3 (フラッパーコミックス)魔弾の王と戦姫 3 (フラッパーコミックス)感想
盗賊退治は描写を省略するスピード展開で、一気に原作2巻の終わりまで。お陰でオージェ子爵の出番がほとんどなかった…。リュドミラについては原作イラストより控え目にして、エレンより身長も胸も小さいのがちゃんと表現されている。あの衣装は原作イラスト通り。少し慌しいが迫力あり、サービスも力が入っていて今回も良かった。
読了日:2月19日 著者:柳井伸彦,川口士
樹木葬 -死者の代弁者- (ガガガ文庫)樹木葬 -死者の代弁者- (ガガガ文庫)感想
高校を卒業して5年、陵司は大学に通いつつ工場で働いていた。社長の娘・流音を介して関わることになる中学生の連続自殺、たまたま出会った高校生のいじめと自殺、そして工場の売却を迫るやくざ。これまでのシリーズで一人の人間となり、普通に生きることへと歩み出した陵司がそれなりに大人になって、クソガキに手を焼く番になっているのが感慨深い。大人の条件は色々、誰も完璧ではないが、人のせいにせず自分の手で命に責任を負えるかどうかというのは実に大きい。既刊のテーマも反復しつつ、「一人前の人間になること」を描き切った完結編。
読了日:2月20日 著者:江波光則
剣刻の銀乙女6 (一迅社文庫)剣刻の銀乙女6 (一迅社文庫)感想
今回はエステルの語る1000年前の物語。力とは何かを知るために旅に出た竜の一族の少女サクヤ(後の初代魔王)と兵士トーマス、プレギエーラ教の聖女イリアと聖剣の騎士12たち。過去のメンバーが今とそっくりなのはお約束だが、ルチルと大分性格の違うマーリンは浅紫の瞳ゆえに「呪い子」として迫害されており色々と裏が……彼女こそ今回の立役者。神と魔神の真相、罪禍が魔神の眷属とされる訳、今のエストレリャが神なき国となり学園が繁栄していることの意味、全てが明かされて、次でいよいよ最終決戦か。
読了日:2月21日 著者:手島史詞
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉4 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉4 (MF文庫J)感想
ムオジネル軍2万がブリューヌに侵攻してくる。エレン不在の中、ティグルはあえて自領の防衛を超えて戦いを挑む。他方でエレンは恩人の戦姫サーシャを救うべく、ジスタートに戻り戦姫エリザヴェータと対決する。今回はほぼ全編が戦争。物語も貴族諸侯間の内戦からスケールアップし、ティグルの王への道を決定付ける転機といったところだろうか。リュドミラの再登場に騎士団の登場と、助けの来る展開はオーソドックスだが熱い。エリザヴェータは割とあっさり引いたが、まだ重要な背景がありそうで。そして新キャラの正体、そう来たか。
読了日:2月21日 著者:川口士
神狼と見えざる手 (一迅社文庫)神狼と見えざる手 (一迅社文庫)感想
2人だけで盗賊ギルドを営む少年ルゥと少女アリーリア(周囲からは「何でも屋」と見なされているが)。廃屋にある石像の回収を依頼されるものの依頼主にきな臭い事情があり、それが発覚してからは最初敵対した相手と協力して…という筋はオーソドックス。しかし、ワーウルフの一族虐殺のエピソードから始まりながら、それが活かされるはずの終盤のシリアス展開があまりにも薄い。これだけ活躍しない主人公にこの背景は不要と言うべきか、この主人公設定を活かすようシナリオを改めた方が良いと言うべきか……。
読了日:2月22日 著者:川波無人
盟約のリヴァイアサン (MF文庫J)盟約のリヴァイアサン (MF文庫J)感想
ドラゴンが地球に飛来して20年以上の世界、ドラゴンの暴走に対抗できるのは人工の竜「リヴァイアサン」と契約した「魔女」だけだった。研究機関「S.A.U.R.U.」の一員でトレジャーハンターの春賀晴臣はクラスメイト・十條地織姫の魔女盟約の儀式を行うことになるが、途中で上位種のドラゴンに襲われる。そこで彼に力を与えたのは、ドラゴンに「女王」と言われる謎の少女。晴臣はプロだが今まで非戦闘員、織姫とほぼ同時に力を手に入れる立場で、戦闘スタイルとも相まって少し主人公の立ち位置が摑みにくい。まあ面白いので今後次第か。
読了日:2月22日 著者:丈月城
盟約のリヴァイアサン 1 (MFコミックス アライブシリーズ)盟約のリヴァイアサン 1 (MFコミックス アライブシリーズ)感想
原作1巻半ば、ソスの襲撃まで。女性陣は可愛く竜は迫力あり、主人公も緩やかにマイペースな味が出ている。魔法やアクションの描写にも特に難は感じず、コミカライズとしてはなかなかの質。何でもないシーンでパンチラが多い気はするが…まあ良かろう。
読了日:2月22日 著者:舘津テト
Différence et repétition (12e édition)Différence et repétition (12e édition)感想
ドゥルーズ『差異と反復』。ドゥルーズ独自の考えを前面的に展開した最初の著作。徹底して同一性や類似に回収されない「差異」と、やはり同じものの反復ではなく差異とセットで考えられる「反復」を追求する。今になると、精神分析など同時代の思想的動向を著者がいかに取り入れているか結構分かって興味深い。それらに対する解釈はかなり特殊なものと思った方がいいが。他方、代数関係(特に微分)の話や「カオスモス」といった言い方は、どこまで真面目に意味を求めたものか微妙。少なくとも私はそこを深く問いたいとは思わない。
読了日:2月22日 著者:GillesDeleuze
魔弾の王と戦姫 4 (MFコミックス フラッパーシリーズ)魔弾の王と戦姫 4 (MFコミックス フラッパーシリーズ)感想
原作3巻半ばまで。内容としてはガヌロン公爵軍との戦い、王宮に出向いたマスハスの見た真相、そしてソフィーとティグルの出会い。黒騎士ロランとの対決は次巻。グレアスト侯爵が想像以上に悪相。宰相ボードワンはかなりコミカルなイメージになっているが…。これらの漫画オリジナルデザインの男性キャラ達のがいい感じなのは実に大きい。例によってちゃんと原作エピソードを利用したおまけ(今回は4コマ)も良い味を出している。
読了日:2月23日 著者:柳井伸彦,川口士
宇宙人と綴じたメモリア (講談社BOX)宇宙人と綴じたメモリア (講談社BOX)感想
墜落した円盤から出てきた女性・佐倉美弥子。彼女は記憶を放出して失う宇宙人であり、その記憶を本に綴じて保存する必要があった。彼女は自分でも読めないよう封じられた記憶の解明を求めているのだが…。失ったものがあることを受け入れて生きていくこと、そんな自己肯定を教えてくれる大切な人との巡り合い、その相手の笑顔が別の人に向けられていたことを知る辛さ――。ラブストーリーとしては良い感じ。SFとしては宇宙人設定でなくても(ない方が)通りそうだという問題はあるが。
読了日:2月24日 著者:折口哲
せっかち伯爵と時間どろぼう(1) (少年マガジンコミックス)せっかち伯爵と時間どろぼう(1) (少年マガジンコミックス)感想
歴史的怪人物サンジェルマン伯爵。彼は短命な代わりに離れた時間に点在できる上人類だった。短命な彼は、時間を無駄に消費させる時間どろぼうを憎み、無為に過ごしている時只卓に怒りをぶつける一方、伯爵の妹は卓を「時セレブ」と見なして求婚し…。風刺ネタに見識の浅さを感じて久米田作品から離れてしばらく経ち、新作が出たので読んでみたが、印象は変わらなかった。なのは風刺ネタが減っているのはむしろ好印象。下ネタも微妙なのは多いが。4次元種にとってのクリスマスの真相みたいなネタは割と良かった。
読了日:2月24日 著者:久米田康治
事件記者トトコ! 1巻 (ビームコミックス)事件記者トトコ! 1巻 (ビームコミックス)感想
アホで食い意地が張っているけれどやたらと行動力はあり、大物犯罪者に行き会って事件解決に活躍するものの特ダネは取り逃す新聞記者トトコ。舞台は大正~昭和初期の帝都…と思いきや、悪の組織やマッドサイエンティストが跋扈し新宿御苑が秘境となっているシュールさ。思うように目立てず、実は助手の方が優秀な怪盗・大暗黒仮面。「怪人二十面相」的世界をパロディ化したコメディというべきか。アホらしく楽しめる。トトコも可愛い。
読了日:2月25日 著者:丸山薫
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉5 (MF文庫J)感想
1巻からの敵であり、ある意味では発端であるテナルディエ公爵と決着をつけ、ブリューヌ国内のこともひとまず一件落着で第1部完。神話的武器とモンスターに関する物語と説明はあまり進んでいないが、ガヌロン公爵がその正体を仄めかしつつ、今後の敵としてなりそうな様子。新たな戦姫ヴァレンティナは表紙を飾りながらあまり出番がないと思いきや……最後でそう来たか。
読了日:2月26日 著者:川口士
事件記者トトコ! 2巻 (ビームコミックス)事件記者トトコ! 2巻 (ビームコミックス)感想
上野動物園の象→グレムリン→ダンボというネタに驚愕。こういう超常存在に比べると、大暗黒仮面が何とも大人しく見えること。いやあの変装術は怪奇だし、唯一捕まらずに活躍を続けているのは大したものだが、トトコのせいで? 目立つという目的は果たせない日々が続く。そう言えば最初の話で登場した少年社長、その後ほとんど出なかったな。
読了日:2月26日 著者:丸山薫
竜と魔女の住む屋敷 (ファンタジア文庫)竜と魔女の住む屋敷 (ファンタジア文庫)感想
城山一紀はクラスメイトの嵯峨野詠美が魔術師であることを知る。同時に一紀の体質が詠美の魔術儀式を失敗させ、宇宙を創造した力「始祖竜」の一体イソラを復活させてしまう。詠美の家の家事を行いつつ、人間になることを望むイソラを助けようとする一紀。苦しみながらも生活に馴染もうするイソラは可愛いのでもっと彼女と一紀の関係に集中しても良かったかな。その点では一紀の背景描写が少し物足りない。彼の体質の謎が次巻以降に先送りなのはともかく。物理学にも関連させた魔術の壮大な設定は、今のところもう一つ活きていないような。
読了日:2月27日 著者:門倉敬介
耳刈ネルリ拾遺耳刈ネルリ拾遺感想
『耳刈ネルリ』シリーズの未発表および単行本未収録短編を集めたもの。時期的にはレイチ達の入学直後から『七人の花婿』の少し後まで(レイチによる新聞記事、インタビュー、本棚紹介、さらにはシュールな妄想含む)。脱線と妄想に満ちたレイチの一人称語りで抱腹絶倒させつつ、食事を仕切るネルリに対する反応等に関係の変化をもきっちり示す。友情あり、悪ふざけあり、学外の海を含めた大陸の壮大な風景あり。彼らエリート学生達の青春に再会できただけで感慨は一入。
読了日:2月27日 著者:石川博品
俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 5 (ダンガンコミック)俺がヒロインを助けすぎて世界がリトル黙示録!? 5 (ダンガンコミック)感想
原作2巻の最後まで。そしてこれにてコミカライズは完結。戦闘はこの辺が一番インフレしていたのである意味では潮時なのか。しかし最後に1コマのみの登場となった響は…。バハムートとリヴァイアサン、そして両者の戦いは迫力満点で良かった。
読了日:2月27日 著者:長谷川光司,なめこ印

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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