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アフターマンの世界のお菓子たち――『どーにゃつ』

何だか最近、映画館に行く度にアニメ映画の宣伝を観るので、原作漫画の方を読んでみました。
『どーにゃつ』です。

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本作の舞台は、人間がいなくなり廃墟と化した東京

どーにゃつ1巻1
 (コザキユースケ『どーにゃつ 1』、スクウェア・エニックス、2012、pp.4-5)

そこに出現したのは、お菓子の動物化したような謎の生命体たち。

どーにゃつ1巻4
 (同書、p.6)

彼らは言葉を解し、色々な知識も持っていますが、自分たちが何者なのか知りません。ある日突然目覚めただけで、それ以前の記憶はないのです。
主人公のどーにゃつ、兄貴分のベーガル、コンピューターを使いこなすバーム・クーガー(通称バームさん)、図々しいけど頼れるクマカロン、強気な女の子ローニャ……といった面々が出会い、寄り集まって、人間の残した建物に住み保存食を漁って生活していくことになります。
2巻からはお菓子だけでなく、コロッケンメンチワワといった面々も登場。

時には集団でフォークを持って襲ってくるネズミのマチュマロたちに喰われそうになりつつ、だらだらと遊んだり、将来のことを見越して畑作りをしたりする日々。

特徴的なのが画面。
どーにゃつたちはゆるキャラのような可愛くシンプルなデザインで、太い線で描かれていますが、背景は細い線で緻密に写実的に描き込まれています。

どーにゃつ1巻2
 (同書、p.15)

人間の髑髏でボール遊びをしたりもします。
こういう写真紛いの緻密な背景に漫画的な絵のキャラクター、というのは今のアニメではよくあることで、もう違和感も感じませんが、漫画でしかもこう極端なギャップを付けられると独特のインパクトを持ちます。

さらに本作には、なぜ人間がいなくなったのか、という大きな謎もあります。
確かに壊れた建物もあり、さらには地形が変わるほどの破壊の痕跡すらありますし、冒頭のカラーページに登場する人間の骸骨からして、高所に引っ掛かっているというのはただの野垂れ死にとも思えません。
しかし、人間が一挙に滅びるような大異変があったにしては街並みも生活物資もよく残っていますし、おまけに記録を調べても、人間がいなくなった時の事情については何も出てこないのです。

おまけに、エヴァンゲリオンのような巨大ロボまで登場。

どーにゃつ1巻3
 (同書、p.144)

しかも、これはただの遺物として転がっているのではありません。戦います。
背景同様の緻密な絵で描かれたこの戦闘シーンがなかなかの迫力で、いかにもロボットアニメ的な変形する敵まで出てきます。
それでいて、ベーガルたちが乗ることになるコクピットは彼らの絵柄に合わせたチープな感じになっていたり。

何だか、キャラクターと背景の差が著しい作画と言い、ロボットの戦闘シーンと言い、かなりアニメ的な文法を取り入れた作品のように思われます。

単行本での構成も考えられていて、普段は大部分どーにゃつたちが遊んでいるだけで緩い日常が続きますが、単行本の終盤になるとロボが動いたり戦ったりと激動の展開があります。
このロボットや敵の正体が世界の秘密に繋がっているようですが……

緩そうな外見とのギャップが大きいだけに、なかなか衝撃的です。

というわけで、世界の謎を解き明かすという大きなストーリーもあるのですが、普段の主人公たちの生活にそれはあまり関わってきません。
それに対応しているのがキャラクターたちの態度で、バームだけは人間の遺したコンピューターを復旧し、生き残った衛星にアクセスを試みるなどして謎の解明に挑んでいるのですが、他のメンバーは難しいことは分からず、興味もあまりありません。
だからバーム以外のメンバーが遊んでいても良し、たまには謎の解明を試みるバームを描いても良し、異変が起きて皆が巻き込まれても良し。

真相や先のことはまったく読めません。
ただ、マスコットキャラの類というのは本当に可愛いのか、あれが現実に存在したら恐ろしくないか、等という考えを持ち出してみると、人類以後にこういう生き物たちの世界が出現したことについてハードな理由があったとしても、驚かないつもりです。

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愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
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