オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
かつてなく盛り上がるここを――『魔弾の王と戦姫 5』
ライトノベル『魔弾の王と戦姫』のコミカライズ第5巻です。
![]() | 魔弾の王と戦姫 5 (MFコミックス フラッパーシリーズ) (2014/04/23) 柳井 伸彦、川口 士 他 商品詳細を見る |
(原作についての記事)
ゲーマーズ購入特典は特製カバー。

本体にこのカバーを付けてみるとこんな感じに。

このコミカライズ、1~2巻が原作1巻、3巻が原作2巻に相当していました。そして4巻からこの5巻は原作3巻の内容です。しかも原作3巻分を消化し終えておらず、クライマックスは次巻に持ち越しとなります。
3巻(原作2巻の内容)は省略できるところを省略してコンパクトに纏めた感じでしたが、今回はじっくり描いてきます。
それもそのはず、内容としては主人公ティグルがブリューヌ王国への反逆者の烙印を押され、王国最強の騎士ロランがティグルを討伐にやって来る……というところ。
今巻でついにロランとの対決になりますが、ロランは戦姫の「竜技(ヴェーダ)」を無効化する「不敗の剣(デュランダル)」を持っており、戦姫二人がかりでも敵わず、敗走を強いられた上にティグルが負傷します。
かつてない強敵との戦いで盛り上がり、しかもティグルの持つ黒弓の神話的来歴も仄めかされ、同時にパワーアップイベントにもなるという内容。じっくり描くのも分かります。
このコミカライズの良いところとして、内容的には原作に忠実(巻末のおまけとして入ってるショートコメディも概ね原作に存在するエピソードに基づいています)でありつつ、原作イラストにはほとんど描かれない男性キャラクター達が実に渋く格好良く描かれていることがあります。

(川口士/柳井伸彦『魔弾の王と戦姫 1』、KADOKAWA、2012、p.94)
ロランは原作イラストでも描かれた登場人物ですが、その戦いぶりを絵にするともう人間離れしています。

(川口士/柳井伸彦『魔弾の王と戦姫 5』、KADOKAWA、2014、p.14)
また、騎馬戦と集団戦が多い本作の戦闘も見せ方の難しいもので、とりわけ馬上でのアクションの描き方は多少馴染みにくいものを感じたりもしましたが、それも概ねよく描いています。
合戦も迫力がありますし、同時に俯瞰図で図式的に陣形の動きを見せる絵も交えて、戦術も分かりやすく見せます。


(同書、pp.141-142)
さらには、背景の建物などもちゃんと世界観の雰囲気が出ているのが素晴らしい。
今回登場する神殿も、緻密に描かれた上、独特の重々しい存在感も見せます。

(同書、p.108)
ロマネクス教会風ですが。
ティグルの侍女ティッタにもたっぷり出番があって、サービスシーンも見せておいて、さてロランとの戦いはどうなる、というところで引き。
次巻も必見ですね。
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