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異郷での栄達――『魔弾の王と戦姫 9』

今回取り上げるライトノベルはこちら。『魔弾の王と戦姫』の新巻です。

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉9 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉9 (MF文庫J)
(2014/05/22)
川口 士

商品詳細を見る

 (このシリーズについての紹介記事

ゲーマーズでの購入特典は特製ブックカバー(実は、図柄はカラー口絵と同じですが)。

魔弾の王と戦姫9巻 特製カバー

本体に装着した状態。

魔弾の王と戦姫9巻 特製カバー付


ところで、この巻からイラストレーターが交代しました
実は先代イラストレーターよし☆ヲ氏のアクシデントは以前にもあり、5巻と6巻は立て続けに新規イラストは表紙のみとなっていました。本文イラストは5巻ではコミカライズ作者の柳井伸彦氏が代行、6巻では存在しませんでした。
本文イラスト不在やイラストレーター交代はたまにありますが、コミカライズ作者が代行は珍しく、ましてそれら全て経験した作品というのは聞きません。
まあ、特徴的なキャラクターデザインは温存されていますし、絵柄的にも違和感は比較的少なめかと思いますが。


そろそろ内容に入ろうと思いますが、今回は久し振りに公式のあらすじを転載してみましょう。

ジスタート王国の次期国王の座をめぐる騒乱を鎮圧するために、自軍を率いて出立したエレン。出向いた先で合流した【雷渦の閃姫(イースグリーフ)】エリザヴェータの側に、行方不明だったティグルを発見する。しかしティグルは記憶を失っており、エリザヴェータの従者“ウルス”と名乗った。エレンのことも思い出せないという。その言葉にショックを隠せないエレンだが、おとなしく引き下がれるわけはない。だが、エリザヴェータもはじめての部下である“ウルス”を手放すつもりはなかった。戦姫同士の激突は避けられないのか。ジスタート国内の陰謀や思惑も加わり、ティグルの運命は嵐よりも大きな動乱に飲み込まれようとしていた。大人気美少女戦記ファンタジー、第9弾!


なぜこうしたかというと、実はこのあらすじ、ほとんど前巻後半のあらすじなのです。
7巻ではあらすじが後半部分までネタバレしすぎていたことがありましたが、今回は逆。一体どうなっているのやら……
まあしかし、ここまでの流れを解説するにはちょうど良いかと。

5巻にてブリューヌの内乱を解決した主人公ティグルは、その後、ジスタート王国内にあるエレンの治める公国ライトメリッツに客将として滞在していました。
しかしジスタート国王からの要請を受けて密使としてアスヴァールに赴き、そこでも内乱を片付けた帰り、怪物の操る竜に船を襲われ海に転落していました。
彼の持つ黒弓の女神(厳密に言えば、この女神はつねに弓に宿っているわけではないようですが)によって転送されて助かったものの、記憶を失くしたティグルは、ジスタートの戦姫の一人エリザヴェータ=フォミナに拾われます。(「ウルス」という名だけが唯一思い出せたのでこの名で呼ばれていますが、これは実はティグルの父の名です)

エリザヴェータに見初められ、彼女の治めるルヴーシュ公宮で出世していくティグル。
確実に戦姫たちに惚れられていくモテっぷりといい、記憶はなくとも相変わらずです。

他方でエリザヴェータも、(戦姫のシステム上)ルヴーシュの公宮に伝える部下たちは自分よりも以前から勤めている者ばかり。慣例やら既得権益からが山積みで思うようにならない中、ウルス(=ティグル)は初めて自分で取り立てた部下ということもあり、かなりの執心ぶりです。
ここでも、ファンタジー設定から帰結する問題がきっちり描かれています。つまり、武器によって選ばれる戦姫は後継者が最初から政治に明るいわけではなく、そもそもすぐには後継者が現れないことすらあるので、戦姫不在でも政治が成り立つよう官僚機構が発達しているのですが、その分この官僚機構はトップにも思うようにならなかったり、その硬直性が足を引っ張ったりすることもあるのです。

そんな中、ジスタート王位継承者の間で争いが起こりそうになり、それを派遣するためにエレンとエリザヴェータが召集されて、2人の戦姫が出会うことになります。そこでエレンがエリザヴェータの側にいるティグルを見つけて――というところまでが前巻でした。
元々、エレンとエリザヴェータは色々と因縁があって、険悪といっていい関係。すわ一触即発か――と思われましたが、今巻を読んでみると戦姫2人の激突は割とあっさり回避され、さらにジスタート王位継承者の1人であるビドゴーシュ公爵イルダーとの戦いも前半でひとまず片が付きます。
ティグルの記憶は戻らず、エレンの下に戻ることもなく、その後ふたたびルヴーシュで出世してエリザヴェータと接近する彼の姿が描かれます。

こうなると、早めにエレンと再会したことに若干に違和感があります。前巻に劇的な引きを作るため、あるいは加えてエレンを初めとするヒロインたちをいつまでもティグルが死んだとしか思えない状態のままにしておくのも忍びないからこうなった、という感もなきにしてもあらず。

ティグルらしき人物がルヴーシュにいると判明したことで、エレンの副官リムとティグルの侍女ティッタがルヴーシュに向かったりという動きがあり、ティッタの活躍もあったので、再会が筋に影響しない挿入だったというわけでもないのですが、しかしこの辺は何とでもなりそうなことの気もしますし。

とは言え、見知らぬ地で、時には素性も知れぬ者と疎まれながらも功績を上げて認められていく主人公というのは、王道ながら面白いものです。
(前巻ではほとんど主人公不在の中で戦姫たちの戦いを描き、今回も主人公が記憶喪失のままと、シリーズが続いた分だけ大胆になっている面もありますが)

終盤ではふたたび魔物も登場、ティグルの弓と戦姫の竜具の合体技を使った戦闘もいつも通りです。
エリザヴェータが魔物のバーバ=ヤガーと契約して人間離れした怪力を手に入れていたことは前々から示唆されていましたし、バーバ=ヤガーの登場はようやくか、という感じでしたが。
そしてティグルの運命はさらに転変します。今回も気になる引きとなっています。

国内外で様々な政治的陰謀が動いていることも今まで描かれてきましたが、今回はだいぶその陰謀の様子が具体的に描かれています。
第一部から登場し続けているボス格のガヌロンの名も久し振りに出て、ますます楽しみなことです。

 ―――

ところで、本日ゲーマーズなんば店で作者・川口士氏と新イラストレーター・片桐雛太氏によるサイン会が開催されたので、行ってきました。
かくしてサイン本入手。

魔弾の王と戦姫 サイン本

実は、9巻をゲーマーズで購入した際に「(購入すると)イベント券が付きますけれど」と言われて初めて気付き、考えた末に行くことにしました。
サイン会の告知そのものは目にした覚えがありましたが、この手のイベントは東京で行われることが多く、縁遠いものであったので、気に留めていなかったのです。しかし直前になって券を貰って初めて大阪だと気付き……

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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