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死を求める長い旅――『魔女の心臓』

ひとまず研究発表の後半討論も終了。その成果を基に今後の研究をどうするかというとまた難しい課題が山積みですが……
しかし、来週には研究発表ではないですけど、また皆の前に立って喋る予定があったり。まあ割と楽しみにしていますが。

 ~~~

今回取り上げるのはこちらの漫画です。4巻まで刊行、まだ続いている作品です。

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(2012/10/22)
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主人公は魔女のミカ。喋るランタンのルミエールをお供に旅を続けています。

魔女の心臓
 (matoba『魔女の心臓』、スクウェア・エニックス、2012、p.9)

彼女は双子の妹・ニナ心臓を奪われて死ぬことのできない身になり、500年に渡り自分の心臓を探して旅を続けています。
彼女の存在は、「境界(あわい)の魔女」として作中世界のお伽噺にも伝えられるほど。

行く先々で出会うのは様々な人間、それに、時には人魚や人狼といったファンタジー的な存在たち
エピソードは1話完結もしくは数話の中編で、ゲストキャラの物語に行き会ったミカが関わるという形が中心。
それらの物語の中には暖かいハッピーエンドもありますが、かなりの確率で切ない悲劇になります。

ミカは無表情で一見クールに見えて人が良く、頼まれれば助けますし、虐げられる者を助けもします。
そして、多くの登場人物と死に別れます。
悲劇的な結末を仕方ないと突き放しつつ、感情移入してひっそりと泣いている彼女の姿は印象的です。

テーマはまずは死、そして生きる時間の違いでしょうか。

ミカは心臓を取り戻した時こそ、死ぬことのできる人の身に戻るはずです。
その意味で、心臓を求める旅は自らの死を求める旅。
何度経験しても、それでも死が辛いものであることを知りつつ、それでも死を求める彼女――

そして、たとえ悲劇でなくとも人は歳を取り死に、不老不死であるミカだけは変わりません。
この問題は、ゲストキャラでもしばしば人間と異種族の恋愛や共存が描かれ、そこに反響します。
種族によっては人間とまったく寿命の違うものもいるわけで、共存は可能なのか、可能だったとして辛くはないのか――一義的な答えは必ずしもないかも知れません。

ただ、ルミエールだけは唯一、そんなミカと生きる時間を共にしています。
彼もランタンの姿になっているだけで正体は別にあり、また人型になることもできるのですが、とにかく長命な種族で、しかも同胞なき身の上。ミカを「姐さん」と慕って、志願の上で同行してきています。
第1話から作中でどれほどの時が経っているのか定かではありませんが、過去の物語として数なくとも数十年は昔のエピソードも描かれ、二人の一緒に過ごした時間の長さを伝えます。
たまにはミカと過去に会った人間が再会することもあるようですが、それでも一緒に旅を続けるのはルミーエルだけです(まあ、再登場してほしいゲストキャラもいますが)。
別れようとしたこともありますが、最後はやはり元通りです。

……と思いきや、4巻では新たなお供が加わりました。
気が気でないルミエール。


心臓を奪ったミカの妹・ニナはたまに干渉を見せることもあるものの、未だその方面で大きく話が動いたとは言えません。
しかし、ミカは心臓を失い、命が無いがゆえに死も無いという、本当にそれだけのことなのか――「不老不死なんてないんだよ」という発言もあり、そこにも何か裏がありそうな気配もあります。
こちらの真相も楽しみ。

絵もとても綺麗で、美しいファンタジー作品です。

 ―――

本作、各巻の巻末には出演者たちの舞台裏が描かれていたりもします。これまた楽しくキャラクターの魅力を引き立てます。
カバー裏にも4コマがあり、これは舞台裏であることもそうでないことも。

魔女の心臓1巻 CUT
 (同書、p.179)

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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