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2014年5月の読書メーター +α

『仮面ライダー鎧武』最近の展開ですが……少し前に遡って。
裕也がインベスとなって死んでいたことを舞たちに明かす紘汰。悲しむ舞を見て、「舞さんには笑顔でいて欲しかった」と、彼女を悲しませた紘汰に対してはっきり憎しみを示す光実。

それから、ついに紘汰は正体を明かした真・斬月=貴虎と対面します。紘汰から聞いて初めてオーバーロードの存在を知り、人類を救うための新たな希望を見出す貴虎。
しかし、戦極凌馬は「人類を救う」等という大儀に興味はなく、犠牲を少しでも減らせないかと心を痛める貴虎に失望して、それゆえにオーバーロードの存在についても隠してきたのでした。彼の目的は、あくまで「禁断の果実」の力にあります。
そんなわけで、今更貴虎がオーバーロードと人類を救う新たな可能について会議で熱弁しても、凌馬や光実たちは内心冷ややか……

「あいつは決してあきらめなかった。お前もあいつのそんなところに惹かれたんだろう」と紘汰について語る貴虎に対し、光実の心はすでに紘汰から離れているばかりか、内心で「紘汰さん、あなたに関わる皆おかしくなってしまう」と敵意を募らせている、という皮肉な場面は実に印象的でした。
本来、光実は凌馬のように禁断の果実の力への野望が第一にあったわけではなく、ただ「ヘルヘイムの真相を公開したら混乱を引き起こすことになる」という判断に同意して、ユグドラシルの計画に同調したのでした。人類を救うためにもっと良い方法があるなら、そちらに方向転換しても良さそうなものです。
しかし、彼の中ではそんなことよりも、「自分はビートライダーズとユグドラシルの両方に属して上手くやってきたのに、どうして掻き回して台無しにするんだ」という思いが先行しているのでしょう。
虚淵氏自身がインタビューで言っていたように(『仮面ライダー鎧武ザ・ガイド』参照)、「上手く立ち回ること」ばかりが目的になっているから、そうなってしまうのでしょう。

そして、貴虎は凌馬たちの裏切りに遭い、ヘルヘイムの森に消えます。
貴虎のゲネシスドライバーで真・斬月に変身し、貴虎の振りをして紘汰を襲う光実。

しかし、貴虎は案の定と言うべきか生きていて――オーバーロード(彼ら自身の名乗る種族名は「フェムシンム」)の王・ロシュオに助けられていました。
そしてロシュオの語る真実――彼らの文明が滅びたのは、ヘルヘイムの侵略によってではありませんでした。
禁断の果実――知恵の実を手に入れながら、「選ばれた力ある者だけが生き残るのが当然」と考えたがゆえに、同族同士で殺し合い、そして少数を残して滅びたのでした。
「地球人類も力ある者が弱者を滅ぼして生き残ろうとするか」という問いに、自分も最近までそうした計画の責任者であった貴虎は答えられません。それを見たロシュオは「地球人は知恵の実を渡すには値しない」と宣言します。

ですがここでDJサガラが登場、「一つの種族が二度も知恵の実を手にするなんて、ルール違反もいいところだ」と言って説得し、ロシュオが隠し持っていた知恵の実の力の一部を譲り受けることに成功します。
ロシュオとしては、愛する者を蘇らせるために知恵の実の力を使うつもりらしく、今のところはまだ地球人を試すという程度の意図かと思われますが……

そして、力を求めてユグドラシルを裏切ったシドの最期など色々ありましたが……何とかオーバーロードと話し合って協力を得ようとしていた紘汰も、フェムシンムの一体・デェムシュが地球に出現して暴れた上、地球人を「滅びるだけのサル」と見下し、「弱者を踏みにじることこそ強者の証」と主張するのを見て、ついに戦いを決意します。
再び現れたサガラも、「オーバーロードの協力を得る」のではなく「自分がオーバーロードになっちまえばいいんだよ」「そのためには勝ち残ることだ」と、ついに知恵の実への道をはっきりと語り、知恵の実から生み出された極ロックシードを紘汰に渡します。
それで極アームズに変身し、デェムシュを倒す紘汰。

他方でもう一人のオーバーロード・レデュエによってユグドラシルはヘルヘイムに侵食され壊滅、戦極凌馬は逃走し、遺された湊耀子は戦いでビートライダーズの指揮を取る戒斗をリーダーと認める……といずれも慌しい展開続き。

今まで迷い続けていた主人公が、ついに「戦って勝ち残る」ことを決意しました。いずれライバルとしての戒斗との対決も不可避でしょうが……
他方で、ロシュオは力で弱者を踏みにじる者に知恵の実を譲る気はないでしょう。
力で戦いを勝ち残りながら、自分は力で弱者を踏みにじるのではないと証立てること――そんな困難な道が求められているのです。

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先月の読書メーターまとめです。30冊6525ページでした。
研究発表の準備等で忙しい中で、31日で30冊とそこそこのペースのような気がしますが、漫画が多いというのが実態です。月の後半は特に忙しかったので失速しました。

読書メーター2014年5月

以下、いくつか抜粋を。ただ、今回は漫画・ライトノベルで改めて抜粋するものはありません。

【人文科学系】

死と復活: 「狂気の母」の図像から読むキリスト教 (筑摩選書)死と復活: 「狂気の母」の図像から読むキリスト教 (筑摩選書)
(2014/02/12)
池上 英洋

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母親が我が子を殺して調理し、それを聖ヴィンチェンツォ・フェレールが蘇らせたという「嬰児復活の奇跡」の図像。それを皮切りとして論じられるカニバリズムの伝統と、キリストの血肉たるワインとパンを口にする聖餐との繋がり。そこからさらに聖杯伝説、ケルトの大釜、ディオニュソス信仰、グノーシスと錬金術等も結び付けて論じられる。浩瀚な研究だが、美術史を専門とする著者にしては個々の作品の分析は比較的少なく、どちらかというと思想史の書という印象が強い。



【自然科学系】

動物と人間の世界認識動物と人間の世界認識
(2003/12/11)
日高 敏隆

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ユクスキュルの「環世界」論に基づき、いかなる生物もそれぞれ自らにとっての世界を構成し認識していることを主張、それを「イリュージョン」と総称。文化や、客観的とされる科学の認識もまたイリュージョンである。後半は科学論の類も多いが、これはそれほど新鮮味がなく、著者自身が観察したネコの置物や絵に対する反応や、チョウはどこを飛ぶかといった話の方が面白かったかな。後は、万葉集の歌人達が動物をどう見ていたかなんてのも興味深いところ。


ユクスキュル自身の著作を知っている人、あるいはこの手に哲学的議論に馴染んでいる人にとっては、内容はそれほど目新しいものではなく、用語法の曖昧さもあります。
ただ、置物や絵を本物と誤認するネコや、チョウがどこを飛ぶかといった具体的な実験・観察はまことに興味深い話です。


【スポーツ系】

野球の本は恒例になりつつありますが、ただ今回は監督および監督経験者の著作が3冊です。

采配采配
(2011/11/17)
落合博満

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ドラゴンズ監督を解任後に上梓された1冊。補強なしでの優勝を宣言した監督1年目、秘密主義、日本シリーズで完全試合目前の山井の交代、世代交代が進まず若手を定着させないと言われたことect...多くのやり方について明確な説明を与える。そこから野球に限らず仕事一般に通じる心構えを論じていくのも含め、相変わらず理論的で説得力十分。寿命の短いスポーツ選手という仕事にあって、「30歳くらいまでに一人前になって、40代まで一線でプレーできた方がいい」という辺りが興味深いところ。しかし三十路としては考えねば……



そら、そうよ ~勝つ理由、負ける理由そら、そうよ ~勝つ理由、負ける理由
(2014/03/07)
岡田 彰布

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阪神、オリックスで選手、コーチ、監督を務めた著者が語る。阪神監督として優勝できたのは現場とフロントが一丸となって計画的なチーム作りができていたから、対してオリックスは無計画でスコアラーも役立たずでひどかった…という話が大部分。ただ、最近は阪神もまた迷走の気配が見られる…と警告も。野村・仰木監督とは考えが合わずに苦労した話もあるが、両監督をはっきり悪くは言わないのは気を遣ってる面もあるのかね。しかし著者のオリックス批判はノムさんの阪神批判と被るものがある。まあ言っておくべきこともあろう、悪いとは言うまい。


比較してみると色々と面白いことがあって、たとえば8年間の落合監督時代に新たにレギュラーに定着した選手があまりいない(落合氏自身も「森野将彦ただ一人」と認める)こともあって、「落合野球は育てる野球ではなく、若手を育てるのを怠って勝つことに特化してきたから選手の高齢化が進み、その結果として'13年はBクラスに落ちた」という見方もあるわけで、上述の著作での岡田氏も同様に述べています。
しかし落合氏自身に言わせれば、「レギュラー争いは、選手同士で決着をつける」、「少なくともドラゴンズのレギュラーは、厳しい競争を勝ち抜いてレギュラーになり、高い実績を残し続けている者ばかりだ。経験や信頼というよりも、「誰が見てもレギュラーにする」という答えを出したのです。だからこそ、そうしたレギュラーからポジションを奪うためには、「誰が見ても、おまえがあいつを抜き去った」という答えを出してもらうしかない」(『采配』、p.172)ということになります。
「若手選手は多少未熟でも、我慢して試合に出させ、経験を積ませないと育たない」というのも理はあります。しかし落合氏からすれば、“経験もチャンスもある程度には与えたが、選手が申し分レギュラーに相応しい結果を出すに至らなかったのであって、監督の一存でレギュラーに抜擢して我慢して使えば済むという話ではない”ということになるでしょう。
落合氏自身は自らの野球を選手を育て上げる「農耕型野球」と語り、野村克也氏もそれを認めて評価していることを思うと(『私が見た最高の選手、最低の選手』参照)、なおさら話は複雑で、それだけに興味深くなります。


諦めるな!  (角川oneテーマ21)諦めるな! (角川oneテーマ21)
(2014/03/28)
中畑 清

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横浜DeNAベイスターズ・中畑監督が監督としての考え方を語る。挨拶から始める人づくりとして、少しでも次に伝えられるものを、諦めずに観客に見せられる試合をするetc.と、彼の意気込みは非常によく分かった。監督としてはよくも悪くも長嶋の弟子だし、「スモール・ベースボール」や「データ野球」への批判は(考え方そのものより)言葉の使い方にいささか疑問は感じるが、そこまで変とは思わない。しかし4月はどん底、5/13現在、本書で当初から期待されていた選手が1ヶ月遅れで結果を出し始めている格好。世の中は分からない。


『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』が描いていたのは親会社が変わってDeNAベイスターズになり、監督も中畑氏になって1年目の'12年まででしたが、そこで沈滞ムードの漂うチームを変えるために中畑監督がいかに奮戦したかが綴られていました。以来、DeNAベイスターズの動向を気にしてはいました。

昨年は6年ぶりの最下位脱出で、最終的には5位であるものの、一時期はクライマックスシリーズ進出をも争う戦いぶり、今年の春に上梓された本書で中畑監督が「手ごたえはある」と言うのも理解できる状況でした。
しかし、蓋を開けてみると今年4月はまたも勝率3割台の100敗ペース……5月の頭まではチーム得点4点以下の試合は全敗、リリーフ投手の崩壊により記憶を辿っても僅差のリードを試合後半守りきった覚えがないという惨状でした。
現場のことに100パーセントはないはずですが、大差で勝たない限り“100パーセント逆転される”が大袈裟でも何でもない有り様。

それが、4月末からリリーフ陣が整備されて状況は一変しました。ゴールデンウィークの9連戦を6勝3敗、ブランコの離脱もあって昨年はリーグトップだった得点力が抜きん出てリーグ最下位(セ・リーグ他球団はチーム打率2割6分以上なのに唯一のチーム打率2割4分台)ということもあって翌週は1勝5敗とまた低迷しましたが、セ・パ交流戦からブランコがスタメン復帰すると、昨年まで大幅に負け越してきた交流戦を1勝1敗ペースで、ついに5月を13勝12敗と勝ち越し。
4月早々に3強3弱が分かれたと思われたセ・リーグですが、その後それ以上に上下の差が開いてはいない、というのが現状です。最後までこの順位のままで、「出遅れが響いた」という結果になる可能性ももちろんありますが、さらなる混戦を期待したくもなります。

で、現在活躍している選手の名前を見ると、新人も含めて本書の中で(期待を込めて)触れられていない名前はほとんどありません。
にもかかわらず、「思ったようにならない部分」を修正するのに1ヶ月かかってしまったわけで――その辺が野球の不思議なところです。

いずれにせよ、結構な数の若手選手が頭角を現してきたのは事実。この点に関しては中畑監督の実績は評価されて良さそうです。


読んだ本の詳細は追記にて。

2014年5月の読書メーター
読んだ本の数:30冊
読んだページ数:6525ページ
ナイス数:493ナイス

暗殺教室 9 (ジャンプコミックス)暗殺教室 9 (ジャンプコミックス)感想
南の島編完結。殺意と、それを引き止める仲間の意義、渚という異才の成長が向かうところ。戦いの後はいつものドタバタも。ビッチ先生と烏間先生の関係の行方は…? それから夏休み明け、E組を抜ける一人の生徒が…。E組脱却条件が設定されている以上、いずれあるだろう展開だったが。先生もクラスメイトもE組の方が素晴らしいのは明らかだが、それでも認められるために肩書きを優先せねばならないことがある「呪縛」…。現代の教育問題がここに詰まっている。渚の家庭のこともさらっと描かれていて、これも絡んでくるのか?
読了日:5月1日 著者:松井優征
たぶん惑星(1) (REXコミックス)たぶん惑星(1) (REXコミックス)感想
明治時代に異星に通じるゲートが発見され、地球に近い環境のその星に入植地「堀之内新国土」が作られた世界にて。昭和64年夏、松伏陽子は堀之内に引っ越してくる。昭和の田舎町で、女子高生達が頻繁にスクール水着や腰蓑姿になって戯れる、健康的なエロスある緩やかな日常。と同時に、異星の生物と交流や未知の技術の謎も。陽子の能力の謎もいずれ解明されるのか? それでも人の日常生活はそう変わらない、たぶん。
読了日:5月1日 著者:粟岳高弘
L'ecole de marbourg: Cohen - Natorp - Cassirer (A La Recherche De La Verite)L'ecole de marbourg: Cohen - Natorp - Cassirer (A La Recherche De La Verite)感想
現代ではマイナーだが、19世紀後半~20世紀初頭にドイツ哲学界を席巻していたいわゆる新カント派の「マールブルク学派」の概説。扱われるのはコーエン、ナトルプ、カッシーラーの3人。コーエン晩年の宗教哲学やカッシーラーの「シンボル形式」の哲学についてもきっちりページを割く、手堅い概説書。扱われている哲学者達の著作に触れていないと、この小著1冊でよく分かりましたとは行かないが。
読了日:5月1日 著者:AlexisPhilonenko
アリス殺し (創元クライム・クラブ)アリス殺し (創元クライム・クラブ)感想
女子大学院生・栗栖川亜理は毎夜・不思議の国のアリスの夢を見る。ハンプティ・ダンプティの落下を皮切りとして不思議の国に起こる連続殺人事件。同時に、多くの人がこの不思議の国を夢を共有しており、しかも夢の中の死と現実の死がリンクしていることに気付く亜理…。事件そのものの真相はそれほど衝撃的ではないものの、そこにこの夢の世界そのものの成り立ちの謎解きが重なっているのがポイント。原作『アリス』とは少し毛色が違うものの、頭のおかしい住人達の揚げ足を取り続けるやり取りも可笑しい。幼女じゃなく院生相当のアリスもいいよね。
読了日:5月2日 著者:小林泰三
ワンパンマン 6 (ジャンプコミックス)ワンパンマン 6 (ジャンプコミックス)感想
大預言者シババワの残したかつてない危機の予言により、S級ヒーロー達が招集される。ジェノスに同行するサイタマ。そこに巨大宇宙戦艦の襲来。プリズナー、バング、その他S級ヒーロー達の活躍がたっぷりあって良かった。しかしなおもピンチで続くのか。そして、ここに来てまさかのサイタマの一撃で倒せない敵登場とは。
読了日:5月2日 著者:村田雄介
死と復活: 「狂気の母」の図像から読むキリスト教 (筑摩選書)死と復活: 「狂気の母」の図像から読むキリスト教 (筑摩選書)感想
母親が我が子を殺して調理し、それを聖ヴィンチェンツォ・フェレールが蘇らせたという「嬰児復活の奇跡」の図像。それを皮切りとして論じられるカニバリズムの伝統と、キリストの血肉たるワインとパンを口にする聖餐との繋がり。そこからさらに聖杯伝説、ケルトの大釜、ディオニュソス信仰、グノーシスと錬金術等も結び付けて論じられる。浩瀚な研究だが、美術史を専門とする著者にしては個々の作品の分析は比較的少なく、どちらかというと思想史の書という印象が強い。
読了日:5月3日 著者:池上英洋
メイド喫茶ひろしま (1) (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)メイド喫茶ひろしま (1) (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)感想
広島で勇名を馳せていた滝本多麻は祖父・銀一が倒れたとの知らせを聞き、高校を中退して東京・池袋で銀一が経営していた喫茶店を引き継ぐことになる。多麻に一目惚れとして加入した葉月により店はメイド喫茶になるが、そこに型破りながらフランクな多麻の人柄とお好み焼きの腕が合わさり独自の様相に。基本は情とご都合で解決する任侠系人情物。銀行もサラ金も変わらないとかチンピラの書き方は疑問だし、話が進むほどに全て葉月のお陰感が強くなる(多麻の「筋を通す」部分はどこへ)が、痛快でそれなりに楽しめたかな。
読了日:5月3日 著者:八田モンキー
白暮のクロニクル 2 (ビッグコミックス)白暮のクロニクル 2 (ビッグコミックス)感想
今回は主として過去編。竹之内と魁の出会い、そして魁がオキナガになった事情。魁が引き摺り続けている因縁の事件。戦争に消費されながらも淡々と生きているオキナガ達。回想の内容はもちろん、当時を知る者が登場して語る流れも見事。オキナガの基本は吸血鬼だが、適合率が低く量産できなかったのは幸いなのか…。
読了日:5月4日 著者:ゆうきまさみ
たぶん惑星(2) (IDコミックス REXコミックス)たぶん惑星(2) (IDコミックス REXコミックス)感想
これにて完結。「建造者」のテクノロジーたる斥力場発生装置を手に入れたり人造人間を目覚めさせたり。(昭和のパソコンで)電脳戦をやったり観測装置の回収のため空を飛んだりと程々にSFらしい冒険をしつつ、ふんどしとか温泉とかエロスも欠かさず。この惑星の全体がかなり大掛かりな装置だったようで、その意味の一端は語られたような、陽子の能力など残った謎も多いような。もっとも惜しいとしたら、謎の解明よりも彼女等の日常をもっと見たい、という面が強いのだが、
読了日:5月4日 著者:粟岳高弘
アルカ 創生のエコーズ II (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)アルカ 創生のエコーズ II (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)感想
薬草を求めエルゼムに侵入したアサト、それを追って行くセトと若葉。ヒトと人口の人間であるアウラド、実際に出会ってほぐれる両者の間の偏見。しかしこれを機に反エルゼム組織ガディアが行動を起こし…。資源を浪費するヒトの文明国家レイメイに対し、汚染された環境を回復し平和に生きているエルゼムのユートピアイメージは単純にして明快だが、それも彼らが作られたものとしてコントロールされているからのようで、そこに踏み込めば面白くなりそう。そして最後に、物語全ての意味を大きく変えるような新たな層が…一体現実とは何なのか。
読了日:5月6日 著者:project-ALCA-
鈴木式電磁気的国土拡張機 (キュンコミックス)鈴木式電磁気的国土拡張機 (キュンコミックス)感想
'80年代頃の田舎町を舞台に、不思議な生物や異空間などのSF的ガジェットが登場する作品が主の短編集(一部例外あり)。互いに世界観が繋がっているものもあり(詳しくは把握できなかったがあとがきで解説している親切仕様)。そしてとにかく女の子達がふんどしやスクール水着になる。奇妙なものがいても緩やかな日常。安定のこだわりだが、さらっとした語り口で世界観をあまり説明しないので、散発的な読みきりでなくじっくりやってくれた方がいいな、と今ならなおさら思う。
読了日:5月7日 著者:粟岳高弘
東洋哲学覚書 意識の形而上学―『大乗起信論』の哲学 (中公文庫BIBLIO)東洋哲学覚書 意識の形而上学―『大乗起信論』の哲学 (中公文庫BIBLIO)感想
ギリシア哲学やイスラーム哲学等を浩瀚に参照しつつ『大乗起信論』を読み解き、無分節な非現象態の形而上的存在が言語的に分節化された形而下の現象となる過程を読み解く。両者は「真如」と「無明」として対立するが、ある意味では真如の両面でもある。さらに『起信論』は存在論であると同時に意識論でもあり、そこには我々の意識的実存のドラマも描写されている。大胆にして明晰、コンパクトな良書。個人的に考え方が比較的合ったということもあるが。
読了日:5月7日 著者:井筒俊彦
動物と人間の世界認識動物と人間の世界認識感想
ユクスキュルの「環世界」論に基づき、いかなる生物もそれぞれ自らにとっての世界を構成し認識していることを主張、それを「イリュージョン」と総称。文化や、客観的とされる科学の認識もまたイリュージョンである。後半は科学論の類も多いが、これはそれほど新鮮味がなく、著者自身が観察したネコの置物や絵に対する反応や、チョウはどこを飛ぶかといった話の方が面白かったかな。後は、万葉集の歌人達が動物をどう見ていたかなんてのも興味深いところ。
読了日:5月8日 著者:日高敏隆
勝利の女神だって野球したい!(1) (アース・スターコミックス)勝利の女神だって野球したい!(1) (アース・スターコミックス)感想
高校野球に女子の参加が認められた近未来、一人の天才女子投手にノーヒットノーランを喰らった野球部の顧問・手越は転勤先の高校でふたたび野球部の顧問に。学級委員長の美少女・風間藍香の登板から始まって、美少女部員達を集めた野球部が始まる。藍香には「観戦すれば勝つが、試合に出れば負ける」というジンクスとそれにまつわる因縁があるのだが、それでも野球がしたい――。お色気あり、野球の魅力もそれなりに押さえてるが、今のところまだ基礎練習段階なので、魅せ方の評価は今後次第かな。
読了日:5月10日 著者:松本ミトヒ。
乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(2) (アクションコミックス(月刊アクション))乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(2) (アクションコミックス(月刊アクション))感想
ターボル軍2000と十字軍10万の戦争が始まる。信仰により命知らずの農民兵達と「笛」により優勢のターボル軍だが、シャールカは敵の「黒騎士」ヴィルヘルム卿に助けられ…。ジシュカの悪人ぶりを知りながら強くなるため付いて行く闇と、お人よしな優しさを併せ持つ彼女はどこへ向かうのか…。フク戦争に時代の転機を見る歴史観と戦争描写のエグさ(あのキャラのえげつない死に方!)で少女のドラマとエロスを活かしていて非常に良い。ヴァチカンの不穏な動き、過ちに苦しむヴィルヘルムはどう絡む?
読了日:5月12日 著者:大西巷一
諦めるな!  (角川oneテーマ21)諦めるな! (角川oneテーマ21)感想
横浜DeNAベイスターズ・中畑監督が監督としての考え方を語る。挨拶から始める人づくりとして、少しでも次に伝えられるものを、諦めずに観客に見せられる試合をするetc.と、彼の意気込みは非常によく分かった。監督としてはよくも悪くも長嶋の弟子だし、「スモール・ベースボール」や「データ野球」への批判は(考え方そのものより)言葉の使い方にいささか疑問は感じるが、そこまで変とは思わない。しかし4月はどん底、5/13現在、本書で当初から期待されていた選手が1ヶ月遅れで結果を出し始めている格好。世の中は分からない。
読了日:5月13日 著者:中畑清
もっと知りたいミレー―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)もっと知りたいミレー―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)感想
一頃は人気を誇ったものの、日本でも故国フランスでも注目されなくなり、近年になってようやく大きく研究の進展しているミレー。そう言えば、初期の風景画から晩年の風景画やパステル画まで収録した画集や評伝の類は初めて読んだ気がする。「ミレー神話」とその解体、後世の画家への影響なども扱っており良い1冊。
読了日:5月13日 著者:安井裕雄
トイレのおかげ (たくさんのふしぎ傑作集)トイレのおかげ (たくさんのふしぎ傑作集)感想
懐かしのたくさんのふしぎ。バルセロナのカガネー(クリスマスに飾るウンコをしている人の人形!)から始まり、古代からジェット機や宇宙船まで様々な時代と地域のトイレを見る。同じ題材でもっと詳しい大人向けの書は多々あるものの、写真の多さ(もちろんオールカラー)は意外に貴重。
読了日:5月14日 著者:森枝雄司
采配采配感想
ドラゴンズ監督を解任後に上梓された1冊。補強なしでの優勝を宣言した監督1年目、秘密主義、日本シリーズで完全試合目前の山井の交代、世代交代が進まず若手を定着させないと言われたことect...多くのやり方について明確な説明を与える。そこから野球に限らず仕事一般に通じる心構えを論じていくのも含め、相変わらず理論的で説得力十分。寿命の短いスポーツ選手という仕事にあって、「30歳くらいまでに一人前になって、40代まで一線でプレーできた方がいい」という辺りが興味深いところ。しかし三十路としては考えねば……
読了日:5月15日 著者:落合博満
魔女の心臓(1) (ガンガンコミックスONLINE)魔女の心臓(1) (ガンガンコミックスONLINE)感想
奪われた心臓を求め、喋るランタンのルミエールを手に旅を続ける不死の魔女ミカ。基本的には1話完結で彼女が旅先で出会う人々との交流を描く。時に血腥い悲劇、時にいい話。無表情だけれど実は感情移入豊かで、多くの人と出会い別れて来たであろうミカが何とも切なさを漂わせる。絵も可愛いし、背景やアクションも見やすく迫力ある表現になっていて非常に良い。
読了日:5月17日 著者:matoba
そら、そうよ ~勝つ理由、負ける理由そら、そうよ ~勝つ理由、負ける理由感想
阪神、オリックスで選手、コーチ、監督を務めた著者が語る。阪神監督として優勝できたのは現場とフロントが一丸となって計画的なチーム作りができていたから、対してオリックスは無計画でスコアラーも役立たずでひどかった…という話が大部分。ただ、最近は阪神もまた迷走の気配が見られる…と警告も。野村・仰木監督とは考えが合わずに苦労した話もあるが、両監督をはっきり悪くは言わないのは気を遣ってる面もあるのかね。しかし著者のオリックス批判はノムさんの阪神批判と被るものがある。まあ言っておくべきこともあろう、悪いとは言うまい。
読了日:5月18日 著者:岡田彰布
エックハルト説教集 (岩波文庫)エックハルト説教集 (岩波文庫)感想
エックハルトの説教22本抜粋に加え、論述1本と少々の彼にまつわる伝説。一切の被造物や自我性を捨て去ることで、魂の根底において神と一になることができると説く。その神も何と名指すことのできるようなものではなく、三位一体を超えた純粋に一なる神性である。キリスト教としてスタンダードではないし、論理的ではなく聖書の文句を独特の読み方をするし、神と被造物の両方に無という言葉が使われていたりで普通に読むと面食らうが、独特の経験領域を記述した神秘主義の名著。
読了日:5月21日 著者:エックハルト
魔女の心臓(2) (ガンガンコミックスONLINE)魔女の心臓(2) (ガンガンコミックスONLINE)感想
今回は人魚、人狼、そして竜……とファンタジーらしい色々な種族が登場。種族の壁を超えた愛の結末は時に悲しく、時に幸せ。しかしハッピーエンドの話の後、ファンタジー色の少ない話で実にあっさりと、過程描写すらなく救いなしに終わったのが重い……。そして、ミカとルミエールの出会いを描く過去編に入って続く。ルミエールの正体は案の定、か。コメディ要員という感も強かったヴィオティーテ姫は再登場するだろうか。
読了日:5月21日 著者:matoba
マジカルデスゲーム(2) 反証のアーギュメント (ファンタジア文庫)マジカルデスゲーム(2) 反証のアーギュメント (ファンタジア文庫)感想
これにてデスゲーム終幕。皆が罪を背負わされてしまう「投票」というシステムにより、魔法少女達が急激に倫理観を喪失し、無惨な殺し合いに発展していく様は見事。しかし後半の種明かしは…殺しの方法はともかく、魔法の埒外を認めるのは強引というか反則気味。そして、敵を殺さない愛と正義の魔法少女というあり方は良いものか、という問いはいいのだが扱いは少し物足りず、「なぜ魔法少女がこんなデスゲームを強いられるのか」という根本の問いは(物語上の答えは一応あれど、テーマ的に)棚上げにされた感が否めない。
読了日:5月21日 著者:うれま庄司
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉9 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉9 (MF文庫J)感想
ジスタート王位継承者の争いは、前半にてひとまず一段落。引き続きルヴーシュ公宮にて功績を挙げ出世するウルスことティグル。この流れだと、早めにエレンと再会したのは構成の都合(前巻の引きを作るため)という感が強いような。その辺の違和感を除けばティグルの活躍は相変わらず爽快で楽しめた。そしてエリザヴェータの契約した魔物バーバ=ヤガーが登場し、ティグルの運命はさらに転変……。久し振りにティッタの活躍もあったし、ガヌロンの名も出て、色々と陰謀も動いているようでますます楽しみ。
読了日:5月23日 著者:川口士
どーにゃつ(4) (ヤングガンガンコミックス)どーにゃつ(4) (ヤングガンガンコミックス)感想
大阪に飛ばされたどーにゃつ。新たな同族・まっちゃんとマルモチーターとの出会い。どーにゃつを捜すベーガル達も新たな謎に遭遇……ロボ崎が明かす一つの真相。そして、しげるの目的は? 今回は合流するという目的があるので、皆の行動や日常シーンも今までより世界の謎や大きなストーリーに繋がってる部分が多く良かったかな。これからの楽しみ。
読了日:5月24日 著者:コザキユースケ
魔女の心臓 (3) (ガンガンコミックスONLINE)魔女の心臓 (3) (ガンガンコミックスONLINE)感想
ミカとリュミエールとの出会い編、そして二人の絆。時間的にも二人が(人間のタイムスケールからすると)長い間一緒に旅をしてきたことを思わせる話あり、空間的にもアラビア風の地(トルコ?)まで旅をして、と盛りだくさん。一緒に生きる相手がいることの大きな意味。心臓を奪った妹ニナとの話は進展があるかと思いきやそうでもなかったが。今回は悲劇少なめ、美しい話揃い。
読了日:5月24日 著者:matoba
デスニードラウンド ラウンド3 (オーバーラップ文庫)デスニードラウンド ラウンド3 (オーバーラップ文庫)感想
テーマパーク・デスニードラウンド潜入の任務を受けた松倉達。しかしその夢の国の実態は、VIP達が人を見下し、陰惨なショーを見て哂う悪夢と絶望の国。目標を失って、それでも生きて、敵に落とし前を付けさせるべく足掻くユリ。今ここに生きて、皆と美味しいものを食べる――そんな生き方と、そうした足下を忘れ優越感に浸るVIP達の対照が印象的。アクション前半は弾薬に制限がかかる敵地潜入、後半は大火力を動員しての突撃と見応えがあるが、ニッティー戦は地味だったかな。能力的にはラスボスらしくこれまでの上位互換なんだけど。
読了日:5月26日 著者:アサウラ
魔女の心臓(4) (ガンガンコミックスONLINE)魔女の心臓(4) (ガンガンコミックスONLINE)感想
茨に封じられた塔の中にいるのは茨姫でもラプンツェルでもなく老魔法使いと弟子(共に男)とは…。というわけで、今巻は未練により茨の塔に囚われた魔法使いを描く中編・ローリスの塔編で、後は番外編と外伝のみ。師と弟子の想いを描いたいい話であると同時に、人の生への執着と、不死の身であり死を求めて旅をするミカの対比も際立つ。ミカの不老不死に関してはまだ明かされていない要素もありそうで…? そして、旅のお供が増えることになろうとは。
読了日:5月28日 著者:matoba
特別編集版 魔法少女育成計画特別編集版 魔法少女育成計画感想
無印『魔法少女育成計画』とWeb短編「スノーホワイト育成計画」及び11頁の書き下ろし短編「女騎士の孤独な戦い」、それに森名尚氏による4コマ漫画とマルイノ氏のイラストギャラリーを収録。再録部分に加筆修正はほぼ無し。省略の多かった部分等もう少し手を加えるのもアリかと思ったが、まあいいか。新規読者にはお勧め。それにしても、そうちゃん(ラ・ピュセル)が出るたびにネタキャラになっていく……。
読了日:5月29日 著者:遠藤浅蜊

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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