スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

希望も絶望も「これから」――『ハカイジュウ 13』

今回取り上げる漫画はこちらです。
『ハカイジュウ』、いよいよ最終巻、とのことでしたが……

ハカイジュウ(13) (少年チャンピオン・コミックス)ハカイジュウ(13) (少年チャンピオン・コミックス)
(2014/07/08)
本田真吾

商品詳細を見る

なお、紙の書籍版↓はまだAMAZONに書影が来ていません。
ハカイジュウ 13 (少年チャンピオン・コミックス)ハカイジュウ 13 (少年チャンピオン・コミックス)
(2014/07/08)
本田 真吾

商品詳細を見る

 (前巻の記事

前巻の最後で、ついに「帝王」と呼ばれる最大の怪物が目覚めてしまいました。
「東京から千葉を股にかけても余りある大きさ」と言われるそのサイズは今巻の表紙でご覧の通り。
立ち上がれば頭が大気圏を突破するサイズです。

かくしてついに最終決戦……となるのですが、今回も戦うのは巨大生物と合体して「ファイバルフューズ」と化した武重先生と、それに怪物対策を中心になって進め「フューズ」を生み出した研究員の早乙女です。

いったい主人公(のはず)の鷹代陽とは何だったのか。
彼は怪物の細胞との融合を果たし、人類の怪物との戦いに新たな道を開く希望となりましたが、それはあくまで将来に向けた「希望」という扱いです。
その意味で、武重先生が主人公で、陽は終盤に登場する主人公の後継者あるいは子孫のポジションと言われた方がしっくり来る扱いでしたね。
さすがにここまで先生の存在が大きくなったのは予定外のような気がしなくもないですが……

そして最終巻だと思っていたら、最後は急にさらなる脅威→「俺たちの戦いはこれからだ」という打ち切り作品にありがちな終わり、そして「第一部完」
第二部も秋には連載開始予定とのこと。

ただ、作者コメントに「これで陽や白崎さん達の物語はおしまいです」とあるのは本当らしく、第二部はキャラも舞台もアラタに仕切り直しの模様。とすると今回ラストで「これから」となった戦いの続きが描かれるかどうかも疑問です。

この引きは必要だったのかどうか……「なんだこれは」と笑うには少し大掛かりすぎますし。
主人公は「これから」の希望を体現していますが、さらなる絶望の可能性も「これから」ということでしょうか。

ここまで来るとネタバレの程度判断も難しいですが、エンディングの内容により深く踏み込んだ話は追記にて。


最終話は5年後、陽を筆頭に怪物の細胞と融合した「エボル」たちの軍隊が戦っている世界を描いています。

なるほど、「帝王」を復活させるためスカイツリーに群がってきた巨大怪獣はファイナルフューズ武重がおおむね駆逐しましたが、日本中に出現した怪物が全滅したわけではないでしょうし、今後も怪物と戦い続ける戦力は必要でしょう。
陽は後日譚を描いた最終話において初めて戦力として活躍するという、まさしく「将来の希望」でした。

そして恋愛面ですが……物語の始めには、陽は未来のことが好きで、親友でライバルの瑛士と告白する権利をかけて勝負することになったのでした。
けれども勝負は実現しないまま瑛士は死んだと思われる状態になり、生き残った陽は「未来の無事を確認したい」という思いで突っ走ってきました。
さらに、瑛士がフューズと化して生きていたのですが、彼は最後に「陽…お前との勝負はもう付いてんだ……途中退場で俺の負け。未来はお前に任せたぞ…」と言って、今度こそ怪物との戦いに散りました。

怪物から逃げ、戦う旅の中で、陽と心を通わせ、助け合ってきたのは生徒会長の白崎さんでした。
とりわけ第3章で再登場してからの彼女は、陽から力を貰ったかのように強くカッコ良くなっていました。

かなり早い時期から陽の未来への想いには、「瑛士の分まで引き受けねば」という重荷のようなものがあったのでしょう。
彼が未来を探すために相当な無茶をしたこともそうです。
さらには、たとえ心が変わっても、きちんと勝負した上で瑛士に勝ったわけではないまま、瑛士の想いまで引き受けてしまっているからこそ、勝手に投げ出すわけにはいかないという思いも。

しかし、陽が「希望」として将来に歩を進めるならば、それはいつの間にか、むしろ断ち切るべき桎梏となっていたのかも知れないのです。
最後で未来にそのことを指摘され、白崎さんへの想いをはっきりと表明した陽ですが、さて彼の進む先にあるのは、希望の光明か、それとも絶望の闇か……

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へ
にほんブログ村 人気ブログランキングへ

テーマ : 大学生活 - ジャンル : 学校・教育

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
参考文献
私が展開している思考の拠り所など(一部)。
スポンサー広告
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。