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生きづらいマイノリティとしての吸血鬼――『白暮のクロニクル 3』

普段、専用ゲーム機での電子ゲームはほとんどやらなくなって久しいです。京都の家にはゲーム機はありません。
しかし、なぜか『ヨッシーアイランド』シリーズだけは一通りプレイしています。
今回出た新作も、ちょうどゲーム機のある実家に帰る機会ということもあり、やりました。

ヨッシー New アイランドヨッシー New アイランド
(2014/07/24)
Nintendo 3DS

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多彩なアクションが楽しく、またクリアするだけならそこまで難しくもないバランスが、鈍くてアクションゲームの得意でない人間にはちょうどいいのです。

今昨の新要素は何と言っても、身長にして自分の5倍、体積にして100倍くりありそうな敵を飲み込んでタマゴにするヨッシー(AMAZONのページ等でも見られるはずです)。
その他にも3DSの特性を利用して本体を傾けて操作する箇所とか、新要素はいくつかあります。

ただ、その他の点ではワールドとステージの数も各ワールドの雰囲気も、さらにはシナリオも初代『ヨッシーアイランド』と同じで、計5人の赤ちゃんを使い分けたりした『ヨッシーアイランドDS』に比べるとシンプルになった感も…

ちなみに1日でクリアはしました。
各ステージでアイテムを揃えるとかやり込み要素は色々あるのですが、忙しいので全てにはチャレンジできない可能性が高いでしょう。

 ~~~

今回取り上げる漫画はこちらです。

白暮のクロニクル 3 (ビッグコミックス)白暮のクロニクル 3 (ビッグコミックス)
(2014/07/30)
ゆうき まさみ

商品詳細を見る

 (前巻に少しだけ触れている記事はこちら

2巻で主役(雪村魁)の過去編というのは長編連載としては早めだったので、この3巻では一気に雪村の追う「羊殺し」の事件に向かうのかと思いきやそんなことはなく、今回はまた別の独立した事件になります。
思えばゆうき氏の過去作品を振り返っても、『パトレイバー』ならシャフトの内海課長、『バーディー』ならクリステラ・レビといういわば敵ボスを用意しつつ、それ以外の事件も随所に差し挟みながら展開していました。
今回はいきなりホラーな始まり方ですが……

白暮のクロニクル 3巻冒頭
 (ゆうきまさみ『白暮のクロニクル 3』、小学館、2014、p.5)

なぜこうなったのかは追って分かります。

今回問題になるのは、全国各地で無届けで姿を消すオキナガ。
オキナガは不老長寿で基本的に病気にもなりませんが、それゆえに本人は気付かぬまま保菌者となっている可能性もあり、だからヒロイン伏木あかりの属する保健所の夜間衛生管理課が管理せねばならないのです。

まあしかし、一つところに長く住めば、年を取らないことによって周囲から奇異の目で見られもします。
だから居づらくなって逃げ出すオキナガも当然、存在するわけですが…。
(もちろん、この世界ではオキナガの存在は公的に認知されているわけですが、その実態について理解ある人ばかりではありません――というよりもマイノリティの常で、理解ある人の方が少ないのでしょう)

そんな中、岐阜の山村にオキナガが集まっているらしいという情報があり、あかりは久保園係長とともにその村へと調査に出向くことに。
確かに引っ越してきた連中で、昼間は外出しないことから村民に不審がられている連中はあり、
また品のいい老夫婦にも、昼間外出しない娘がいるとかで……

白暮のクロニクル 3巻冒頭
 (同書、p.22)

こちらもいかにもホラー風です。

それから、今巻ではついにはっきりと作中で「吸血鬼」という言葉が出てきます。
理解がないままに年を取らず昼間に外出しないオキナガたちのことを「吸血鬼ではないか」と考える人たちはいますし、そればかりか他でもない、伝説に言われる「吸血鬼」の正体が彼らなのだと。
吸血という生態も確かにあるのですが、もちろん血を吸われた者がそれによってオキナガになることはありません。それではあっという間にオキナガが多数派になってしまいます。巷間の伝説には尾ひれ背びれが付きものですから、このくらいの伝説と実態の相違は妥当でしょう。

かくして、本作は「吸血鬼」というものが存在し、過去から存在してきた社会がいかにして可能であり、いかなるものになるか、丁寧に描いています。

先日も述べたように、「読者にとってはSF・ファンタジー的な存在が日常の中にある」世界を描こうと思ったら、「日常」の方は現実世界のものを温存せねばなりません。
本作の場合、それは都会の慌ただしさから山村の閉鎖性まで様々な日本社会の様相であり、とりわけヒロインが勤める役所(保健所)という現実的な設定です(オキナガの管理を保健所が行うというのも、上述のように筋が通っています)。
そして、オキナガがいかなる偏見を向けられ、それゆえにいかなる行動を取るかも……

今巻では江戸時代以前から数百年を生きているオキナガが2人登場します。
彼らももちろん、人格的には普通の人の範疇内です。
しかし、その中で様々な苦労や生きづらさを味わってきたのも事実。その結果として彼らがどうしたか……

雪村の活躍も控えめでしたし、全体の大きな物語からすれば脱線なのかも知れませんが、オキナガというものが存在する世界を描き出す上では大きな巻だったかと思います。

ちなみに、今回の事件もひとまずこの1冊で終了の模様。今回は単行本の区切りに合わせて話を作っているのでしょうか。

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愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
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