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森の中の小人たち――『ハクメイとミコチ』

昼間は窓を開けていても暑く(京都の家だと反対側に開口部がないので、風通しが悪いというのもありますね)、エアコンを入れると29度以上でも寝るには寒い。
よく眠れずいつも眠い原因かな、と考えたりします。

 ~~~

読んだ本も色々ありますが、今回はこちらの漫画を取り上げることにしましょう。

ハクメイとミコチ 1巻 (ビームコミックス)ハクメイとミコチ 1巻 (ビームコミックス)
(2013/01/15)
樫木祐人

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ハクメイとミコチ 2巻 (ビームコミックス)ハクメイとミコチ 2巻 (ビームコミックス)
(2014/01/14)
樫木祐人

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本作の主人公は、身長9cmの小人ハクメイミコチです。
茶色の癖毛を編んでる方がハクメイで、黒髪ストレートの方がミコチです。
元気で男言葉のハクメイの性別は分かりにくいのですが、1巻の帯に「ふたりの小さな女の子」とある通り、二人とも女です(2巻では作中ではじめて明言されると同時に、作中でも誤認されることが発覚しますが)。

本作は二人のゆったりした暮らしを描きます。
森の木の根本の家に住んでいたり、市に買い出しに行ったり、大工仕事に出かけたり……

ハクメイとミコチ7
 (樫木祐人『ハクメイとミコチ 1』、エンターブレイン、2013、p.71)

ハクメイとミコチ5
 (同書、p.134)

ハクメイとミコチ6
 (同書、p.104)

様々な近隣の住人との交流もあります。同じ小人族の他、虫や獣たちも。
様々な種族が、ちゃんと家を建て、金銭で物品をやり取りする社会を作っています(ちなみにハクメイの職業は大工というか修理屋、ミコチは手作りの食品や日用品の製作です)。

ハクメイとミコチ1
 (同書、p.14)

ハクメイとミコチ4
 (同書、p.135)

どういうわけか、虫も獣も喋るのに鳥は喋らないようですが、いずれにせよ人格的な交流はあります。

ちょっと不思議な現象にも出くわします。

ハクメイとミコチ2
 (同書、p.54)

何と言っても、背景や動植物の緻密な描き込みが魅力です。
丸っこい小人たちに対して、虫や動物の絵柄はかなりリアルですが……

彼らの暮らしぶりはきわめて人間的で、飲む打つもしっかりやります。

ハクメイとミコチ8
 (同書、p.202)

ただ、基本は皆いい人揃い。仕事も緊張感がありながら仲良く、市場で財布を落とせば皆で支援してくれるくらい。
弱肉強食の世界とかそういうことはありません。

それから、毎回食べ物の描写も魅力的です。
木の葉を綴じてテントを張り、柿の葉のお茶を煎れて野草を調理する、そんな有様がいかにも「自然の中での暮らし」を感じさせます。

ハクメイとミコチ9

ハクメイとミコチ10
 (同書、pp.84-85)

2巻巻末に収録されている、色鮮やかな桑の実を桑酒に漬け込む掌編など、比類ない美しさです。
他方でサイドイッチなど、調理に手の込んだ料理も登場しますが。いずれにせよこの風土の中で、自然を満喫しつつ味わうというのがポイントでしょう。

惜しむらくは、彼らのスケール感が感じられることが少ないことでしょうか。
このサイズだと我々とは物性の感覚もかなり異なるはずですが、そうしたことはあまり問題になりません。映画『借りぐらしのアリエッティ』だと、水が表面張力で丸まる様がきちんと描かれていましたが、そういう点は希薄です。
彼らのサイズだと米粒でも大きいので砕いて食べていたりする描写はありますが、それくらいですね。建物にしても料理にしても、基本的には人間のものと変わらないようで。

ただそんな中でも、大きな卵の殻(ダチョウか何か?)をそのまま使った家といった、彼らのサイズならではの面白いギミックも登場します。

ハクメイとミコチ3
 (樫木祐人『ハクメイとミコチ 2』、エンターブレイン、2014、p.133)

ジブリのアニメに描かれるような豊かな自然と細密な生活感、そして暖かい人たちを楽しめるシリーズです。

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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