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「悪い子」の末路

唐突ですが――

 「ブラック企業」は、人種差別用語である

このような記事を見ると、月並みな言い方ながら「何でもアメリカに合わせればいいのか」と思わずにはいられません。
要するにこの記者(高橋浩祐氏、「色で価値を判断する」のは「人種差別」に繋がると主張しているのです。
しかし――

 人種のるつぼ、米国ではこうした偏見をなくすために、長年、Black(黒人)という表現よりも、Afro-American(アフリカ系アメリカ人)という表現がpolitically correct(公正で道徳的に正しい)とみなされて使われている。もちろん、米国の有名なラッパー、ジェイ・Z(妻は歌手ビヨンセ)のように、自らをBlackと呼ぶ人々も少なくない。しかし、米国では既にAfro-Americanという表現のほうが公の場では、より一般的になっている。


「Afro-American(アフリカ系アメリカ人)」という表現がアメリカでしか使えない、いやそれどころかアメリカ内部でさえ、非アフリカ系の有色人種に関しては使えない、適用範囲の狭い表現であることは明らかです。
要するに彼は、ほとんどアメリカの話しかしておらず、アメリカのみを基準にしています。

もちろん、アメリカで「Black」が差別的な意味を持つようになったことにはそれなりの歴史的事情があるので、アメリカ人を相手に言葉を発するならばそれは鑑みねばなりません。
しかし、それはアメリカには固有の人種差別の歴史があるからです。
もちろん他の西洋諸国にも人種差別の問題はありましたが、アメリカと同じようにいろ表現がタブーになっているかというと、そんなことはありません。

高橋氏は「人種のるつぼ、米国では」と書くことで、複数人種が共存する社会ではどこでも色と価値判断を結びつけた表現をすることがタブーとなるかのように見せかけていますが、それは間違いであって、実際にはアメリカ固有のローカルな事情なのです。

そもそも、「黒」がマイナスイメージになるのは、本当に――高橋氏が映画『マルコムX』を引用して言うように――白人優位社会の賜なのでしょうか。
薬師院仁志氏は、アラビア語で「顔を黒くする」というのは侮辱することを指すと指摘していました(『英語を学ぶとバカになる』)。元々アラブ人の肌が褐色であっても、です。

日本語でもそうです。
欧米の人種差別の歴史とは関係なしに「暗黒面」や「腹黒」はマイナスイメージですが、「真っ黒に日に焼けた」は必ずしもマイナスイメージではありませんし、「艶やかな黒髪」は褒め言葉にもなります。黒がプラスマイナス両方のイメージに繋がっていて、日本人ならばそれを普通に受け入れています。マイナスの用法から全ての黒を悪だと考えるようになったりはしません。

そもそも、高橋氏自身も分かっているように、人種差別というのは「白人」による「有色人種」全般に対する差別です。

 しかし、日本で暮らす「有色人種」の外国人は増え続けている。日本人の圧倒的多数も「黄色」という有色人種である。


では、マイナスイメージで「ブラック」という言葉を使うことにより、「圧倒的多数」の日本人は有色人種である自分たちを差別するようになるのでしょうか。どう考えても、おかしな話です。

要するに、色が黒いという客観的事実を言うことが差別になり、色と価値判断を結びつけた慣用表現すら問題視するのはアメリカ英語固有の事情なのですが、高橋氏はアメリカの歴史的文脈に合わせて日本語の思考習慣を変えろ、と言うのです。
じゃあ「美白」も駄目ですか。

ああそうそう、アメリカ以外の例も一つありました。

 スリランカ人の義理の弟は以前、道端で、通りすがりの中年男性からいきなり「黒んぼ!」と言われ、しばらく落ち込んでいた時期があった。


これも無茶苦茶です。
単に「黒い」と言うのと「黒んぼ」と言うのでは日本語のニュアンスが全く異なります。
日本語のネイティブスピーカーでそれが分からないはずがない、と思うのですが、いかがでしょうか。

つまるところ、氏はアメリカ人に、いやWASP(White Anglo-Saxon Protestant = アングロサクソン系白人新教徒、白人中流階級のこと)になったつもりで語っているのでしょう。
アメリカ人の視点で、上から目線で「日本のメディアは配慮が足りませんね」と。
上になどいないというのに!


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さて話は変わって、先日の『仮面ライダー鎧武』ですが……
装着者の生命力を吸い取るヨモツヘグリロックシードを使って紘太に挑む光実。
しかし紘太は、光実の剣に刺されて致命傷を負いながら、それと引き替えにヨモツヘグリロックシードを奪い取り、破壊します。……光実を助けるために。
「一番苦しんでるのはあいつ〔光実〕自身のはず」、だから助けよう――彼は最後までその思いに忠実でした。
それを前にして、ようやく自らの過ちの大きさに気付く光実。

しかも追い打ちをかけるように、凌馬が舞から知恵の実を摘出する手術を行っていた病院に戻ってみると、そこには冷たくなった舞の姿が。
凌馬はいつものおどけた調子を崩さずに言います――「いやぁ大変だったよ。なにしろ果実が完全に舞君の心臓と一体化していたからね」

凌馬に戦いを仕掛ける光実ですが、開発者として凌馬はゲネシスドライバーにブレーカーを仕込んでおり、いつでも機能停止させることができるのでした。
「貴虎から聞いてなかったかなぁ? なぜ悪い子になっちゃいけないのか。嘘吐き、卑怯者、そういう悪い子供ほど、一番悪い大人に利用されやすいからさ」――笑いながらそう言い、光実を叩きのめす凌馬。

正直者、真面目な人間が悪党に利用されるのは、確かに世の常です。
しかし他方で、百戦錬磨の悪党は、相手も悪党で互いに騙し合うことを前提としており、悪人を利用するのが得意です。
かくして、人を騙して上手く立ち回る狡知に長けた子供は、まさにそれゆえに誠実な者に信用されず、さらなる悪人に利用されて痛恨の目を見る――なるほど、相応しく納得できる末路ではありました。

ところが、舞の心臓ごと摘出されたはずの知恵の実ですが、そこにはまだ舞の精神が宿っていました。
その果実は黄金に輝き出すと、自ら活動して姿を消します。
舞が目指すのは、過去にタイムスリップして紘太たちに警告すること――つまり、舞そっくりな謎の少女は、未来から来た舞本人だったのです。

しかしサガラは言います――「時の強制力に逆らうんだからな、思い通りの言葉を喋ることもままならないはずだ」
実際その通り、過去に戻った舞は謎めいた警告を発するだけで、具体的な危険を伝えることはできませんでした。
それどころかサガラの曰く、普通は誰が知恵の実を手にするのか、見極めるのは難しい。しかし今回は簡単だった、何しろ未来から直接の干渉があったのだから、と――「お前が教えてくれたんだよ、誰がこのレースの本命なのか」
舞の警告の企てがかえって紘太たちが知恵の実を手にする「本命」だと本命を教え、サガラを紘太たちに干渉させ、戦いへの決定的な深入りを招いたという、皮肉な事態です。

話によってはここで過去の改変やタイムループもありそうな展開ですが、今回はあくまで運命は変わりません。

その後、戒斗も凌馬に挑みますが、やはりドライバーを機能停止させられては敵いません。
旧式の戦極ドライバーにはブレーカーは仕込まれていないのですが、旧式ドライバーでは差がありすぎます。
唯一、旧式ドライバーのまま特殊なロックシードで強くなっていた紘太こそ凌馬にとって最大の障害であり、それを光実に始末させた、というわけです。

凌馬に追い詰められ、おまけにフェムシンムに受けた腕の傷がすでに手遅れだと指摘された戒斗。
しかしそこで戒斗は最後の賭に出ます。「俺の身体にはすでにヘルヘイムの毒が回っている。毒に慣れたこの状態で、この〔ヘルヘイムの〕果実を口にしたらどうなるかな」
結果、見事に戒斗は人間としての意識を保ったまま、フェムシンムにも似た怪物となり、凌馬を圧倒します。

かくして紘太は死亡したまま、最大の悪人であった凌馬もこんな形であっさりと最期を遂げ、そして戒斗がラスボスと化して世界を破壊しようとしている、という状態でいよいよ物語は締めに向かいます。
『仮面ライダー龍騎』の場合、主人公は最終回の1話前で死にましたが……
でも今作の場合、ここで紘太が復活し、ライバルたる戒斗との決着で締めるというのが、結末に相応しいのでしょうか(ただ、ライバルが文字通りのラスボスになるとしたら、それはヒーロー物としては結構珍しい気はします)。
そして「最初の女」としての決断を迫られる舞、一応まだ生きている光実、戒斗の道を最後まで見守ると決意した耀子ら、それぞれの運命は?

結末が楽しみです。

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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