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科学と日常の謎と――『リケジョ!』

久々に2日連続でお休みしてしまいました。
学会の予定など色々あったこともありますが……やはり何かに集中するなら、他のことは放り出すくらいのつもりの方がいいのかも知れません。

ところで先日、風呂の残り湯を汲み上げて選択に利用するためのバスポンプを買ったのですが、洗濯に使うのは風呂の残り湯の3割かそこらで、しかも一人暮らしの洗濯は2日に一度やれば十分。一方で風呂に追い炊き機能がない以上、湯は毎日張り替えねばなりません。
しかも結局、すすぎに使うのは新しい水道水。効率としては如何ほどのものなのでしょうか。

 ~~~

それはそうと、今回取り上げる小説はこちらです。

リケジョ!  (角川文庫)リケジョ! (角川文庫)
(2014/02/25)
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角川文庫ですが表紙はポップなイラスト。
3年前に出た『プチ・プロフェスール』の改題文庫化です。

プチ・プロフェスールプチ・プロフェスール
(2011/09/09)
伊与原 新

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「リケジョ」とは理系女子の略。
主人公の仁科律(にしな りつ)は理系の大学院生で、デンマークでの留学が決まっており、留学費用を稼ぐ必要がある中で、家庭教師の仕事を紹介されます。教え子はお金持ちの馬淵(まぶち)家の娘で小学5年生の理緒(りお)
愛想がないと言われる律と、元気で好奇心旺盛な理緒。表紙絵にある通り二人とも眼鏡をかけていて、揶揄して「リケジョ」と言われる二人が、様々な事件の謎を解いていくストーリーです。
基本は「日常の謎」系ですが、大学内での殺人事件も1件あります。

各話ごとに科学的トピックを扱って、事件に絡めてくるのが特徴。
科学的トピックは第1章「投げだし墓のバンディット」が量子力学、第2章「恋するマクスウェル」が電波、第3章「チェシャ猫マーダーケース」が地球温暖化論、第4章「虹のソノリティ」が知覚のメカニズム共感覚ブラインドサイト等)、そして最終章「四〇二号室のプロフェスール」は月蝕となります。もちろん、それ以外の内容が加えて話題に出ることもありますが。

まあ、これらの科学的トピックが事件にどれだけ関係があるかと言うと、話によりまちまちですが。
「投げだし墓のバンディット」なんて、壁から足が飛び出しているという怪談めいた事件で、そこから量子力学のトンネル効果が話題になるわけですが、まあ当然と言うべきか、本当に人間の足のようなマクロな物体がトンネル効果で壁を抜けてきたはずはないのであって(そんな真相を提示するのは清涼院流水氏だけで十分です)、真相はもっと卑近なものなわけですし。
他方で「恋するマクスウェル」や「虹のソノリティ」は、割と上手く事件の真相とその解明に科学的トピックを絡めています。

ではそれぞれの題材から科学の魅力が伝わるかというと……ちょっと微妙な気もしますが。科学読み物ならもっと面白いものがある……ような気はしたものの、名前を挙げよと言われると咄嗟に出てきませんが。
ただ、律と理緒の科学を愛する姿勢はよく伝わりますし、二人はバランスの取れたいいコンビで、楽しく読めました。聡明な女子はいいですね。
「誰がやっても同じ結果になる、それが科学」(客観性)と、科学の意義も明快(もちろん、現場では思い通りにならないことは付き物ですが)。
非科学的な与太話を掲げる相手を糾弾する場面もありますが、また普段は無愛想な律が感情をぶつけて説教するからこそ見せ場になるわけですが、それでいて「科学」を錦の御旗にはせず(「信じるのは勝手」)、あくまで具体的な弊害を問題にする辺りも、バランス感覚があるかと思います。

馬淵家の運転手である恵人と律の恋という要素もありますが……どうなることやら。


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プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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