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2014年11月の読書メーター

先月の読書メーターのまとめです。

読書メーター2014年11月

30冊6652ページでした。
何とか1日/1冊のペースになりましたが、その内で漫画・児童書が13冊ですから、量的には微妙です。ただ、まだ読了していないものも含めて一定数の学術書を読んでいたこともあり良しとしましょう。

以下抜粋。コミック作品で抜粋していないものは、いずれ機を改めて記事を書くつもりです(予定は未定)。


【ライトノベル】

アルカ 創生のエコーズ IV (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)アルカ 創生のエコーズ IV (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)
(2014/11/03)
project-ALCA-

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レイメイとエルゼムの激突を避けるべく動く教次郎。教次郎の父・英知の口から語られる全ての黒幕とその目的。というわけで完結。何を知らされても信じてきたものをそう簡単に手放せず、それに殉じていく人々の姿、必ずしも「正解」のない世界の行く末等は悪くないが、やはりどうも山場の盛り上がりを欠く。そして現実世界の話もあまり意味を持たず……そもそもミハル達にとってこれが単に「遠い過去の話」ということでこの設定が活きるのだろうか。ミハル側については別に描く予定もありそうな口ぶりだが、何だかな。音楽も今回は少なめだったし。


(1) 一度人類が滅びかけた後の世界。人間の近代文明国家レイメイと自然復興を進めるクローンビトの国家エルゼム、それに中立地域ファルネが存在する。
(2) ↑その世界をデータとして「見ている」ミハルのいる世界。社会構造などは定かでない点が多いが、比較的現代に近い? インターネットが現代以上に著しく発達、人々の生活がそれに多くを依存している。現在謎の異変が起こっている。

本作は(1)がベースの物語で、2巻最後からちょくちょく(2)が挿入されるようになった、という二重構造になっていましたが、最後まで(2)の存在はあまり活かされなかった感があります。
しかも、両者の関係が一つの問題でしたが、結局(2)から見て(1)は「遙か過去の出来事」といった扱いに落ち着いている模様。
しかし、現在よりもずっと発達した文明があり、一度は人類が滅亡しかけるという出来事が過去にあって、しかもそれが知られていない、と言われても……それこそ有史以前の出来事だとするなら、そのデータをなぜ今「ミハルは」閲覧することができるのでしょう。
加えて、(1)での国家や社会システム、種族を表す用語は、(2)の世界ではインターネット用語として扱われていました。これは二つの世界間にメタ的な包含関係があることを示唆していたのですが、それが「同じ次元の世界での過去のこと」という扱いでは、活きないように思われます。
(2)の世界そのものの問題はまだ解決していませんし、それは機を改めて書く予定であるような口ぶりのあとがきでしたが、読むかどうかは微妙です。


【新書】

英会話不要論 (文春新書)英会話不要論 (文春新書)
(2014/10/20)
行方 昭夫

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小学校英語の必修化を受けて書かれた書。上手く行かない例も多い帰国子女、「文法と訳読ばかりの英語教育は役に立たない」という批判の間違い(文法の基礎ができた上で会話を学べば伸びること)、英語教育の変化とレベル低下、そもそも必要に迫られねば習得できるはずもないこと等。定期的に類書を読んでいると目新しい話ではない(それだけ繰り返されている議論だとも言えるが)。ドナルド・キーンの犯した日本語英訳の基本的な間違い、著者の翻訳ミス等、夏目漱石のエピソード等を題材に「異文化交流の壁」を語る後半部の方が興味深かったかな。


著者の行方氏はモームの翻訳などで知られる英文学者。
ただ、帰国子女の実態などの例は(著者の知り合いの話もありますが)市川力『英語を子どもに教えるな』からの引用も多く、具体例を見るなら市川氏の著作を読めば足ります。他方で外国語教育や学習の理論も著者の専門ではないのでそれほど立ち入った話はありません。
やはり、専門家は自らの専門とする話をするのが一番面白い、ということが多いです。だからやはり翻訳の話が出てくる後半ですね。

英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ)英語を子どもに教えるな (中公新書ラクレ)
(2004/02)
市川 力

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【芸術、宗教、思想など学術書】

ヤン・ファン・エイク《ヘントの祭壇画》―教会改革の提案 (作品とコンテクスト)ヤン・ファン・エイク《ヘントの祭壇画》―教会改革の提案 (作品とコンテクスト)
(2008/08)
ノルベルト シュナイダー

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ファン・エイクの代表作《ヘントの祭壇画》に関する研究書。第1,2章は描かれたモチーフとその意味の詳しい読み解き。思想的背景として神秘家を参照しているのがポイントか。第3章では、教皇権の王権に対する優位を描くと同時に教皇を他の信徒と同列に描いていることのイデオロギー的意義を解明し、フス派を含む教会改革運動と結びつける。補遺では銘文に語られているファン・エイク兄弟の謎を論じる。コンパクトだが思想史に踏み込んだ濃い一冊。


この三玄社の「作品とコンテクスト」シリーズは当たり揃いの印象です(私もそれほど何冊も読んでいるわけではありませんが)。
第1,2章の内容解説はともかく、思想史的背景の解説、さらにはファン・エイク兄弟の謎(この《ヘントの祭壇画》は兄フーベルトの仕事を弟ヤンが引き継いで完成させたとされているが、フーベルトの作品は他に知られていない)に関する大胆な解釈などは、(少なくとも日本語で単行本化されている限りでは)他にはあまり見た覚えのない話でした。


アブラハムのイサク献供物語―アケダー・アンソロジーアブラハムのイサク献供物語―アケダー・アンソロジー
(2012/03)
関根 清三

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神はアブラハムに独り子イサクを生贄として捧げるよう命じた。この『創世記』第22章の理解困難な物語を巡って古代から現代まで、ユダヤ教のラビやキリスト教神学者から哲学、文学、心理学等の論者に至るまで、様々な立場からの解釈を収集したアンソロジー。いずれも抄録ではあるが、初邦訳のテクストも多く極めて貴重かつ興味深い。もちろんキルケゴールやデリダといった有名どころは完備の上で、最後は関根清三による諸家の論を数多く参照した上での独自の論で結ぶ。この問題あるいは宗教と倫理の問題に興味があるなら必携の一冊。


あまり専門的な学術書をこのブログで紹介するのは避けてきたのですが、これはかなり面白かったので。
あくまで古今の論を(外国語のものは翻訳して)集めたもので、現代の研究者による「論集」ではありません。
欧米ではこういうアンソロジーも結構出ているのですが、日本では貴重です。もちろん、これだけ読んでわかったつもりになってはいけませんが。

余談ながら、この「アブラハムのイサク献供」に触れた漫画も、私は少なくとも一つ心当たりがあります。
ちょっとサブカルチャーで取り上げるにはマニアックな題材かも知れませんが、こういうこともちょっと調べてみたくはあります。


L'aperto. L'uomo e l'animaleL'aperto. L'uomo e l'animale
(2002/04)
Giorgio Agamben

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アガンベン『開かれ』。古代から現代までの哲学・思想に加え、中世のヘブライ語聖書写本からティツィアーノの絵画までを縦横無尽に引用・注釈して人間と動物の境に挑み、我々自身の内での分節の結果として見出される人間と動物という領域を浮き彫りにする。そして「歴史の終焉」においてその教会が揺らぐとすれば、そこで訪れるのは何なのかも…。後半はハイデガー論の比重が大きくなるが、この解釈もまた独特。コンパクトな本で個々のトピックは数頁で終わるが(100頁足らずで全20章!)、アガンベンのスタイルが濃縮されている。


洋書も基本的にあまり紹介しない方針ですが、まあこれは翻訳されてもいますし。
邦訳はこちら↓

開かれ―人間と動物 (平凡社ライブラリー)開かれ―人間と動物 (平凡社ライブラリー)
(2011/10/11)
ジョルジョ・アガンベン

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読んだ本の詳細は追記にて。


2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:30冊
読んだページ数:6652ページ
ナイス数:656ナイス

ぼくへそまでまんが (あたらしい創作童話)ぼくへそまでまんが (あたらしい創作童話)感想
十円やすシリーズ第4弾。恥ずかしい経験をまんがにしてみることで笑い飛ばすことを覚えた則安。やがてまんがなんだから、とナンセンスな創作を始めるが、例によって現実がまんがに侵食され、しかもそれは則安が描いたことが現実化するという域を遙かに超えて……。その上現実には落としどころがない。創作が現実になったらどうなるか、描いていないところまで実現されていくある種の合理的考察がこのシリーズの見所。オチも『はれぶた』程のインパクトはないがまずまず。ぶたも少し登場。
読了日:11月2日 著者:矢玉四郎
天間荘の三姉妹 スカイハイ 4 (ヤングジャンプコミックス)天間荘の三姉妹 スカイハイ 4 (ヤングジャンプコミックス)感想
街の皆に知らされる三ツ瀬の街の真相。生者は死者の想い出を伝え、死者は現世に行き場のなかった死者に「自分が必要とされる場」を与える。生と死の間で繰り広げられる、鎮魂と癒しの物語。あの大災害の鎮魂のいう主題を引き受けつつ、個々人の問題も綺麗にハッピーエンド。良かった。
読了日:11月3日 著者:高橋ツトム
サービス&バトラー3 (講談社ラノベ文庫)サービス&バトラー3 (講談社ラノベ文庫)感想
自分たちが引退した後に残される珊瑚のことを考え、第1テニス部との和解を図る直哉だが、お互いの要求を巡って再び勝負することに。女子第1テニス部部長はテニスには真剣な人で、第1の悪役的イメージは概ね払拭され、真っ向勝負を挑むことに。問題は何と言ってもプレイヤーにとっての居場所。勝利を第一にせず、大会出場のような明確な目標もない第2テニス部は「逃げ場」でしかないのか、どうか。スポーツに懸ける想いを描き通したのは良かった。作中の時期的に言っても最終巻を前倒しにした感ばかりが残念。
読了日:11月4日 著者:望月唯一
アリスと蔵六 4 (リュウコミックス)アリスと蔵六 4 (リュウコミックス)感想
人の心を操る「アリスの夢」に覚醒しおびえる少女・羽鳥とその友人・美浦歩。彼女たちと紗名との出会い。まだ自分の感情についてもよく理解していないとは言え、紗名が蔵六の言葉を反復して他人を叱る側に回っていることに感慨深いものがある。他方で別の少女の「アリスの夢」発動により、突如として京都に巨大観覧車が出現。自然発生した彼女たちの力により世界が揺らぎ始める時が来たのか。
読了日:11月4日 著者:今井哲也
木のぼりゴリラ (たくさんのふしぎ2014年10月号)木のぼりゴリラ (たくさんのふしぎ2014年10月号)感想
小学校時代以来のたくさんのふしぎ(傑作集ではなく月刊)。巻末のふしぎ新聞なども全然変わっていなくて少し感動。さて内容は知られざるニシゴリラの生態。世界中の動物園にいるのはほとんどがニシゴリラだが、野生で観察され生態が知られているのはヒガシゴリラで、両者は実は別種。今やマウンテン/ローランドの区分が第一ではないのか……。木の上でドラミングをするゴリラ等、非常に興味深い観察の数々で良かった。
読了日:11月5日 著者:山極寿一
トリコ 32 (ジャンプコミックス)トリコ 32 (ジャンプコミックス)感想
アカシアのフルコースの一つ「エア」の調理に挑む一行。トリコは一人馬王ヘラクレスとの戦いに挑むが……。王道ながら皆で協力してのエア捌き。トリコのもう一つのグルメ細胞「青鬼」と、小松の覚醒。前者は何だかスタンドみたいになっていたが……。馬王の設定と強さのぶっ飛び加減は良かった。昔出たエアツリーなんかも活かされてるし。ただ実食時の表現は妙な方向に行っていて、エアの美味さがよく分からないのが少し残念。
読了日:11月5日 著者:島袋光年
英会話不要論 (文春新書)英会話不要論 (文春新書)感想
小学校英語の必修化を受けて書かれた書。上手く行かない例も多い帰国子女、「文法と訳読ばかりの英語教育は役に立たない」という批判の間違い(文法の基礎ができた上で会話を学べば伸びること)、英語教育の変化とレベル低下、そもそも必要に迫られねば習得できるはずもないこと等。定期的に類書を読んでいると目新しい話ではない(それだけ繰り返されている議論だとも言えるが)。ドナルド・キーンの犯した日本語英訳の基本的な間違い、著者の翻訳ミス等、夏目漱石のエピソード等を題材に「異文化交流の壁」を語る後半部の方が興味深かったかな。
読了日:11月6日 著者:行方昭夫
放課後のフェアリーテイル ぼくと自転車の魔法使い (電撃文庫)放課後のフェアリーテイル ぼくと自転車の魔法使い (電撃文庫)感想
中学一年生の主人公は魔法の国マ・ウアー=コギトにしばしば迷い込むようになる。そこは小学校時代のクラスメート・神永君が語っていた空想の世界、そして神永君の姉ほのかにそっくりなコノハさんが世界消滅の危機と闘っているのだが……。やがて明かされるマ・ウアー=コギト誕生の秘密。空想の世界が虚無に帰すイメージ等、どこかエンデの『はてしない物語』を思わせる、想像力を巡る物語だが、より個人の問題に絞り込んで、閉じた形で完結した物語。ただ、山場となるところの盛り上げ型がひどくあっさりしていて物足りない。
読了日:11月7日 著者:杉原智則
王手桂香取り! (3) (電撃文庫)王手桂香取り! (3) (電撃文庫)感想
前半はあゆむと桂香でペアマッチ大会出場、そこで出会う更なる強敵。今度は西本に匹敵する小学生とは強さのインフレめいたものを感じたが、まあいいか。何故プロを目指すのか、問われるあゆむ。後半は半年余り後に飛んで、あゆむはプロ入りのため大橋名人への弟子入りを懸けて名人と試験対局に挑む。他方でこれまでの師匠である駒娘達の想いは…。その道で生きていくとはどういうことか、若くしてそれを真剣に自問するあゆむが実に立派で、印象的。対局の緊迫感は相変わらず見事、今までより具体的な状況も詳細に伝わって良かったかな。
読了日:11月9日 著者:青葉優一
虹色エイリアン (電撃文庫)虹色エイリアン (電撃文庫)感想
髪が虹色に輝く少女を拾った女子大生のカナエ、エイリアンに寄生された青年、エビのような宇宙人と同居することになった猿子、小学校時代に宇宙人を自称する少女と出会った青年…宇宙人と巡り会った人達の、互いに密接に絡み合った4編の物語。一時の出会いと切ない別れの青春物語。とんでもないものに遭遇しても、人知れず地球を救ってもマイペースで淡々と生きる人々の模様が相変わらずの味。他のパートで視点を変えて見ることで真相の分かるネタはあるものの、話としては分かりやすくあっさり目、ただ最後は綺麗にピースを嵌めてくれて良かった。
読了日:11月9日 著者:入間人間
ヤン・ファン・エイク《ヘントの祭壇画》―教会改革の提案 (作品とコンテクスト)ヤン・ファン・エイク《ヘントの祭壇画》―教会改革の提案 (作品とコンテクスト)感想
ファン・エイクの代表作《ヘントの祭壇画》に関する研究書。第1,2章は描かれたモチーフとその意味の詳しい読み解き。思想的背景として神秘家を参照しているのがポイントか。第3章では、教皇権の王権に対する優位を描くと同時に教皇を他の信徒と同列に描いていることのイデオロギー的意義を解明し、フス派を含む教会改革運動と結びつける。補遺では銘文に語られているファン・エイク兄弟の謎を論じる。コンパクトだが思想史に踏み込んだ濃い一冊。
読了日:11月11日 著者:ノルベルトシュナイダー
深海魚のアンコさん(3) (メテオCOMICS)深海魚のアンコさん(3) (メテオCOMICS)感想
歌が得意といったアンコの一面も明らかになる3巻だが、基本は変わらず。今回登場の人魚はヒラメとカレイ、ニギス、スズメダイ、ネズミザメとシュモクザメ等。ベタ子の中学時代の級友3人が再登場、番外編ではうなや鮫島先輩といったゲストキャラの再登場もあって良かった。その他、このシリーズとは直接関係ないが、脱皮する少女が登場する読み切りも併録。微妙に生物学知識を活用して独特のエロス(なのか?)に向かうセンスは流石としか。
読了日:11月12日 著者:犬犬
這いよれ! スーパーニャル子ちゃんタイム(5) (メテオCOMICS)這いよれ! スーパーニャル子ちゃんタイム(5) (メテオCOMICS)感想
キャラ像はちゃんと忠実に、原作では存在しない各種の季節イベントを行い、各種メディアミックスともリンクしたコミカライズもこれにて最終回。まあ原作も完結したし、スピンアウトの1話完結ギャグならば未消化のこともないし、ちょうどいいタイミングか。アト子の宇宙CQCも披露して、原作のラストを押さえてなぞったエピローグも見せてくれたし概ね満足。
読了日:11月12日 著者:逢空万太
L'aperto. L'uomo e l'animaleL'aperto. L'uomo e l'animale感想
アガンベン『開かれ』。古代から現代までの哲学・思想に加え、中世のヘブライ語聖書写本からティツィアーノの絵画までを縦横無尽に引用・注釈して人間と動物の境に挑み、我々自身の内での分節の結果として見出される人間と動物という領域を浮き彫りにする。そして「歴史の終焉」においてその教会が揺らぐとすれば、そこで訪れるのは何なのかも…。後半はハイデガー論の比重が大きくなるが、この解釈もまた独特。コンパクトな本で個々のトピックは数頁で終わるが(100頁足らずで全20章!)、アガンベンのスタイルが濃縮されている。
読了日:11月15日 著者:GiorgioAgamben
リケジョ!  (角川文庫)リケジョ! (角川文庫)感想
理系大学院生の仁科律は、留学費用を稼ぐため家庭教師をすることになる。教え子は小学5年生の理緒。眼鏡の「リケジョ(理系女子)」二人が関わる、日常の謎から大学内の殺人事件まで。登場する科学トピック(量子力学、電波、地球温暖化論、知覚の働き等)は事件の謎解きと関わることも、そこまで関係ないこともあるし、科学の魅力を伝えるという点でもそこそこかな。ただ、愛想のないと言われる律と好奇心旺盛な理緒に、運転手の恵人達も交えた絆は楽しむ読めた。
読了日:11月16日 著者:伊与原新
明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 ~Sunrise & Sunset Story~ (電撃文庫)明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。 ~Sunrise & Sunset Story~ (電撃文庫)感想
雪瑚視点の短編に始まる秋月と光の二心同体生活時代のエピソード3編、それに千秋視点の1編を経て、光のいなくなった秋月、大学1年のクリスマスまでのサイドエピソード集。相変わらず光のハチャメチャぶりで振り回してくれるが、それは彼女の消えた後の追憶に集束する。死者は想い出の中で生き返る。長い「死の準備」を描いた物語の補完編に相応しい内容。そして、最初と最後で語り手も務めた雪瑚は実にいい狂言回しになった。最も近くて遠い自らの半身を鏡のように映す存在。死者を想うためにもそれが必要だった。光視点も少し見られて満足。
読了日:11月17日 著者:藤まる
このライトノベルがすごい! 2015このライトノベルがすごい! 2015感想
リニューアルの11年目ということで、ランキング以外の作品紹介や談話、 書店調査等に変更あり。インタビュー、対談がやや多めだったろうか。後半の作品ガイドでランク入り作品以外でも投票者コメントを掲載しているのは良かった。ランキングについては、これが結果ならとやかくは言うまい。Webで人気の作品の躍進はある意味で予想通り。ただし、集計方法の説明が分かりにくくなっていることと新作ランキングの数が去年から減らされてそのままであることは大目に見ない。
読了日:11月20日 著者:
武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行 (富士見ファンタジア文庫)武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行 (富士見ファンタジア文庫)感想
武道家スラヴァ=シジマは百年を超える生涯を全うするが、前世の記憶を持ったままエルフとして転生してしまう。武の頂を目指し歩みを続ける第二の人生。今や当代一の武道家となったかつての弟子にして養女のアルマとの再会、ライバルのチェスターとの再戦。何年生きても強さにひたむきで戦えば熱血漢、しかし女の子達には祖父目線のスラヴァによる語りが微笑ましく楽しい。ネックはこの巻のボス敵であるダグラスが終盤の唐突な登場で扱いが物足りないことか。最後で一気に時系列が進んだが今後も楽しみ。
読了日:11月20日 著者:赤石赫々
高度に発達したラブコメは魔法と区別がつかない (一迅社文庫)高度に発達したラブコメは魔法と区別がつかない (一迅社文庫)感想
恋愛成就させるという伝説の樹のせいで、黒船蓮司は何かといがみ合っている少女・甘紙伊月とよく接触するようになる。「恋の魔法使い」に勧められるまま、カップルで行くと別れるという都市伝説のあるデートスポットを二人で巡ることになるが、他の子とも色々イベントが発生する上に世界がおかしなことに…。別れるためのデートで次第に仲良く…と筋は定番のラブコメながら、恋愛に関係ない都市伝説や思いがけず乱入してくる「非愛」についての正気度が下がる説明がカオスで可笑しい。ただ、もっと全体の筋がぶっ飛んでても良かったかな。
読了日:11月21日 著者:宮澤伊織
アルカ 創生のエコーズ IV (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)アルカ 創生のエコーズ IV (ぽにきゃんBOOKSライトノベルシリーズ)感想
レイメイとエルゼムの激突を避けるべく動く教次郎。教次郎の父・英知の口から語られる全ての黒幕とその目的。というわけで完結。何を知らされても信じてきたものをそう簡単に手放せず、それに殉じていく人々の姿、必ずしも「正解」のない世界の行く末等は悪くないが、やはりどうも山場の盛り上がりを欠く。そして現実世界の話もあまり意味を持たず……そもそもミハル達にとってこれが単に「遠い過去の話」ということでこの設定が活きるのだろうか。ミハル側については別に描く予定もありそうな口ぶりだが、何だかな。音楽も今回は少なめだったし。
読了日:11月22日 著者:project-ALCA-
天使のどろっぷ 1 (メテオCOMICS)天使のどろっぷ 1 (メテオCOMICS)感想
聖アズマリア女学園に入学したぼたんとしのぶは、寮の部屋で天使の「うん」と出会う。彼女から受け取ったお菓子を食べた結果、二人も尿を「天使の卵」(お菓子)として「産む」体にされてしまい…。作者のおもらしへのこだわりはよく分かるが、それがお菓子として出てくるのでは何と言っていいのやら…これはフェティシズムをも超えた何かとしか。百合と変態の度合いは強いが基本緩いコメディ。理解されないことを恐れずこれを描く蛮勇は一つの才能かも知れない(皮肉ではなく)。
読了日:11月22日 著者:中嶋ちずな
乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(3) (アクションコミックス(月刊アクション))乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(3) (アクションコミックス(月刊アクション))感想
プラハで有力者達を味方に付け、天使隊(聖歌隊)にも新メンバーを加えて破竹の勢いのターボル軍。しかしジシュカを教皇庁の刺客が襲う。思いがけぬ形で敵味方の入り乱れた結果は…。再びシャールカの「笛」の見せ場も。優しすぎて戦場は合わないと言われつつ、最後は大切な仲間と思った相手に銃口を向けるシャールカと、当初は人殺しを否定しながら、敵を憎んで撃つことになるサーラの対照が印象的。敵をも戦いをも憎まず、友愛と暴力を共に担えるシャールカにこそ動かせる状況があった。相変わらず当時の風俗を踏まえたサービスも満載で良い。
読了日:11月22日 著者:大西巷一
アルテ 1 (ゼノンコミックス)アルテ 1 (ゼノンコミックス)感想
舞台は16世紀初頭フィレンツェ、女性の教育は著しく制限されていた時代にあって、貴族の娘アルテは画家を目指し、工房に弟子入りする。貴族の娘の道楽高じてかと思いきや、自分の力で生きる道を求めて困難に立ち向かう逞しくアクティブなアルテが魅力的。そして無愛想な親方レオとの関係は…? 17世紀になると実在の女性画家の名も思い浮かぶが、それよりもう少し遡って、あまり女性画家の名が出て来ないルネサンス時代に取材しているところが味噌なのだろうな。細かい描き込みによる時代風俗の描写は丁寧で非常に良い。
読了日:11月23日 著者:大久保圭
アルテ 2 (ゼノンコミックス)アルテ 2 (ゼノンコミックス)感想
女が自分の腕一つで生きていく力を求めたならば、恋にうつつを抜かしている暇はない――その言葉の、今とは比べものにならない重み。そんなわけで話が恋愛方向にシフトするわけではなく、むしろアルテがその克服に向かう展開で良かった。高級娼婦のヴェロニカにお針子達と、他の女性達も登場して、女性に厳しい社会での女性達の生き方を様々な角度から描く。そして最後、アルテの前に立ちはだかる新たな仕事の難関は、厄介な注文主との対決――続きが楽しみ。どんな職業であれ、その仕事に努力する人に敬意を表するアルテが素敵。
読了日:11月24日 著者:大久保圭
武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行 (2) (富士見ファンタジア文庫)武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行 (2) (富士見ファンタジア文庫)感想
旅に出たスラヴァとシェリルは「空見」の少女ソーニャと出会う。そして、かつてエルフの世界を危機に陥れた魔獣タリスベルグ再び。前世では極められなかった奥義の炸裂する時。バトルの熱さと日常風景の微笑ましさは相変わらずいい感じ。他方で今回の主な敵な言葉も通じない魔獣で、バックボーンのある敵が不足気味、仲間の新キャラもそれほど活躍せず、少し物足りない面も。結晶を巡って組織立った動きをしている敵の存在があり、シェリルの謎にも関わって来るようなので、その辺は今後の展開に期待したい。
読了日:11月24日 著者:赤石赫々
銀煌の騎士勲章3 (一迅社文庫)銀煌の騎士勲章3 (一迅社文庫)感想
隣国インフェリアに到着した皇女ファリア一行。十二将アリキーノとの再会など色々ある中で、インフェリア王都を新種の魔物が襲う。騎士として聖獣を駆って戦う身には未だなれない中、運と実力と相俟って思わぬ功を挙げ、ライバルから託されたものもあって将来のヴィジョンを固める少年の話……なのだが、成長とか周囲の面子の濃さとか、魔物にまつわる激動の先端に接しているという面でアヴァルが印象的だったり。魔物と聖獣の繋がりも少し見え始めたような。鼠講詐欺の話はイングリド視点。善良な市井の被害者の姿が響く。
読了日:11月29日 著者:川口士
アブラハムのイサク献供物語―アケダー・アンソロジーアブラハムのイサク献供物語―アケダー・アンソロジー感想
神はアブラハムに独り子イサクを生贄として捧げるよう命じた。この『創世記』第22章の理解困難な物語を巡って古代から現代まで、ユダヤ教のラビやキリスト教神学者から哲学、文学、心理学等の論者に至るまで、様々な立場からの解釈を収集したアンソロジー。いずれも抄録ではあるが、初邦訳のテクストも多く極めて貴重かつ興味深い。もちろんキルケゴールやデリダといった有名どころは完備の上で、最後は関根清三による諸家の論を数多く参照した上での独自の論で結ぶ。この問題あるいは宗教と倫理の問題に興味があるなら必携の一冊。
読了日:11月29日 著者:関根清三
天使のどろっぷ 2 (メテオCOMICS)天使のどろっぷ 2 (メテオCOMICS)感想
前巻最後で登場した「アンジェリケ様」(肩書き)こと桜野ちとせも天使能力者であることが判明。彼女の産む「天使のたまご」は小枝……回数は多くないのに刺さるインパクトが強すぎる。下ネタが多いが、総じて品云々を通り越してシュール。……と思っていると、最後に天使のたまごを産む女の子達を狙う敵が? しかしこれがアニメ化されたとは、時代は思ったより先に進んでいたのだろうか。冬コミの客は『いいなり! あいぶれーしょん』の委員長かな。その他作中作等でも『あいぶれ』ネタが少々。
読了日:11月29日 著者:中嶋ちずな
天使のどろっぷ 3 (メテオCOMICS)天使のどろっぷ 3 (メテオCOMICS)感想
天使のたまごを産む者を「堕天使」として敵視するジュリエッタと決着。何だこのシューティングゲーム風戦闘シーンは。そして新年度になり、後輩として新キャラ・かれいが入ってくる。「うん○じゃん」……やっぱり固形だとそう見えるよね。この体質が感染ることの恐ろしさとか、むしろその指摘が出るまで3巻かかったのが驚きというべきか。天使能力者も増え、ますますネタは突っ走るが不思議と安定感。巨大たまごはシュールすぎて笑った。しかしこのペースだととっくに1万個溜まってそうだが……物置に入りきるのか?
読了日:11月30日 著者:中嶋ちずな
着ぐるみ最強魔術士の隠遁生活 (このライトノベルがすごい! 文庫)着ぐるみ最強魔術士の隠遁生活 (このライトノベルがすごい! 文庫)感想
魔法文明が発達し、人間の持つ魔術の才能が髪の色ではっきり区別できる世界。魔術士の名門に生まれながら放逐されていた夢野幸太郎は、両親の死をきっかけに着ぐるみの姿で双子の義妹の面倒を見ることになる。どちらかというと姉妹の成長を話の軸にしつつ、中盤で幸太郎の力の実態が明らかになってからは、彼の自己犠牲的な生き方を問い、そこから彼が自己肯定に至れるまでを描く多重構造。力と才能に縛られた少年少女の成長を描くドラマとしてはまずまず。他方で戦闘シーンは思弁的に過ぎて凄みが伝わりにくい感あり。
読了日:11月30日 著者:はまだ語録

読書メーター

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学術方面についての評も、いつもと変わらず興味深く読ませて頂きました。また折をみてご紹介頂けたらと思います。

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プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
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