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プロとしての“厳しさ”とは何か――『暗殺教室 12』

今回取り上げる漫画はこちらです。
どうもこの『暗殺教室』に関して私は、発売日と帰省時期との関係か、実家で(PC環境の都合で画像upに不便を感じつつ)実家でレビュー記事を書いていることが結構ある気がしますが……。

ついでに、週刊誌となるとどうしても進行が早く、結構前に手に取ったジャンプの内容にまだ追いついていなかったり……

暗殺教室 12 (ジャンプコミックス)暗殺教室 12 (ジャンプコミックス)
(2014/12/27)
松井 優征

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 (前巻の記事

今巻の表紙は殺せんせーの表情ではなく、になっています。
どうやらこれからは偶数巻ごとに採用していく予定のよう。

さて、まずは前巻の最後で新しい「体操着」が烏間先生からE組の全員に支給されました。
体操着と言っても、最新鋭の軍事用戦闘服です。

暗殺教室12巻1
 (松井優征『暗殺教室 12』、集英社、2014、p. 14)

今まで以上にハードな訓練や危険な暗殺も可能になり、生徒たちのやる気も漲ります。

しかしそんな中、迫り来るのは世界最強の殺し屋「死神」
前々からその存在について語られてはいた彼が、ついにその牙をE組に向けてきます。
「商売敵」たる他の殺し屋たちを手にかけ(ビッチ先生の師匠であるロヴロも以前の巻でやられていました)、そして――当然とい言うべきか――E組の生徒たちを人質として利用して殺せんせーの暗殺にかかります。

暗殺教室12巻3
 (同書、p. 56)

その力は圧倒的。いくら訓練を積んでいるとはいえ中学生の生徒たちが敵わないのはもちろん、殺せんせーの暗殺すら、本当に実現できそうに思えます。
元々、今年になってから暗殺の訓練を始めた中学生たちとプロの大人とでは、その得意分野で勝負すれば力の差は歴然であること、何度も強調されていました。
ただ、この教室には様々な方面の才能に長けた生徒たちがいますし、それを活かし、組み合わせ、相手の急所を衝くことで、大人にも対抗することができたのでした。

しかし、全てに通じ死角がないからこそ、最強の殺し屋なのです。
あらゆる方面で生徒たちを上回り、彼らが「百人いても勝てない」だけの差を見せ、殺せんせーすら追い詰める死神の絶望感は圧倒的です。

というわけで、今巻は丸一冊「死神」との戦いおよびそれに繋がる話で、生徒たちの活躍や一人一人の掘り下げはあまりありません。
生徒たちのリベンジは次巻となりそうですが、さてどんな手を見せてくれるでしょうか。

ただし、このエピソードは同時に、烏間先生とビッチ先生の掘り下げ、そして両者の関係を描く回にもなっています。
烏間先生のことを好きなビッチ先生に対し、極端に堅物で鈍感な烏間先生。
しかし、烏間先生と言えどただ気付いていないわけではありませんでした。

暗殺教室12巻2
 (同書、p. 46)

ビッチ先生は改めて自分が「殺し屋」というハードな世界に生きていることを思い出し、こうして教室で生徒たちと楽しく過ごしていて良いのかどうか、色々と思うところもあったようですが……
他方で烏間先生は、これまで一貫して、たとえ地球の運命がかかっていようと、生徒たちに「当たり前の学校生活を保証する」ことをプロとしての敬意だと考え、実際にそうしてきました。
そんな彼の立場が改めて問われます。

暗殺教室12巻4
 (同書、p. 163)

ここで描かれているのは死神と烏間先生の「人類最強対決」であり、烏間先生とビッチ先生の恋愛関係です。
しかし同時に問題になっているのは、殺せんせーの暗殺を請け負う者たちに対する「プロとしての生き方」に関する問いです。

血と硝煙の中に生きる者として、ひたすら非情になり、いかなる犠牲を出してでも結果を優先することこそプロとしての「厳しい」生き方なのか、それともそれはむしろ「安易な」生き方なのか――


さて、この『暗殺教室』という作品においてラスボスと言える存在は、暗殺に関しては殺せんせー(彼を殺すのが最終目標なのだから)であり、学業とE組の置かれた立場に関しては理事長の浅野学峰です。
ただ、彼らは二人とも学内におり、だからこそ恒常的に生徒たちの前に立ちはだかる壁であり続けています。

では学外の「敵」となると、学業に関しては生徒たちそれぞれの卒業後の問題となるでしょう。
そして暗殺に関しては、この「死神」はほぼ最強クラスの敵である可能性が高いでしょう。何しろ最強の暗殺者と明言されているのですから、彼より上がいれば強引な付け足しの印象が強まります(プロの暗殺者とは別に、殺せんせーの誕生に関わると思われる人物でイトナに触手を与えたシロという存在がまだ残っていますが、彼が最終的にどういう形で関わるのかはなお明瞭ではありません)。

暗殺を学ぶ「暗殺教室」で、学びの成果を学校外で発揮するという点に関しては、一つの決算の時が近いのかも知れません(ただし、学んだ「暗殺」の成果を「学校外で発揮する」こと自体は、決して本作の最終到達点ではないのでしょうが)。


ついでにもう一つ、今巻にはキャラクター人気投票の結果も掲載されています。
応募券制だったので票数は少なめですが。
特徴として、各キャラごとに投票者の男女比が表記されていることがあります。

一位が殺せんせーでも渚でもないのはちょっと意外なような、納得なような……ただ、男性票なら殺せんせーが一位になるはずです。
10位くらいまでに意外な、どころかレギュラーでもないキャラ(作者とか)が一人くらいさらっと入って驚かせる、というたまに起こる現象もありました。しかし、それにしても意外すぎます……アレが7位とは。


暗殺教室 殺たん (JUMP j BOOKS)暗殺教室 殺たん (JUMP j BOOKS)
(2014/08/04)
久麻 當郎

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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