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理不尽な中でも競技への想いを捨てず…――『修羅の門異伝 ふでかげ 8』

今回取り上げる漫画はこちらです。
『修羅の門』スピンオフのサッカー漫画『ふでかげ』、これにて完結です。
隔月連載であるため、これまでは半年に一度、『修羅の門 第弐門』の偶数巻と同時に出ていましたが、今回は最終巻であるためか、前巻から3ヶ月で一気に出ました。

修羅の門異伝 ふでかげ(8) (講談社コミックス月刊マガジン)修羅の門異伝 ふでかげ(8) (講談社コミックス月刊マガジン)
(2015/01/16)
飛永 宏之

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 (前巻に触れている記事

表紙はこのようになっています↓

ふでかげ8巻

天皇杯決勝で国立競技場のピッチを目指す主人公の目的からすれば、事実上最大の山場となるの準決勝ですが、そこで立ちはだかる相手が東京ギガンテスの「提督」三沢督……というのが前巻の内容でした。
しかしこの三沢提督、どんなプレーで立ちはだかるのかと思いきや、やることがセコいのです。
前巻はまだ、わざと倒れて相手のファウルにするくらいでしたが、今回は審判の目を盗んで完全な反則

ふでかげ8巻1

ふでかげ8巻2
 (川原正敏/飛永宏之『修羅の門異伝 ふでかげ 8』、講談社、2015、pp. 28-29)

まあ確かに、審判も大選手に甘いという話はありますが……
終盤の山場での敵としてはいささかスケールの小ささを感じてしまいますが、あくまで「サッカーが大好き」だから「笑顔で」プレーするという本作のテーマからすれば、審判も敵に回って相手の反則を見過ごすという、この上なくうんざりするような状況と、それでも折れずにプレーするふでかげの姿こそ、クライマックスに相応しかったのでしょう。

そしてついに、スタンドで密かに観戦していたイグナシオ・ダ・シルバが立ちます。
――とは言え、ブラジル代表として圧倒的な力を見せたイグナシオが無双の活躍を見せてしまっては面白くないのであって、イグナシオを脇役にして魅せることにこそ話のミソがあります。

かくて、表紙の通りの達成感ある締め。
国立のピッチに立つことが最大の目標であった以上、決勝戦はついでのような扱いになるのは予想通りで、実際最終1話のみでさらっと描かれる格好になりましたが、それでも魅せ場を作って、爽やかな良い読後感の作品でした。

それにしても、三沢のモデルはキングカズこと三浦知良でしょうに、こんな扱いでいいのか……と思わないでもありませんが。

ここでふと思い出すのは、無印『修羅の門』第4部、ブラジル・バーリトゥード編です。
実は、作者としては現実でグレイシーが登場する以前からブラジリアン柔術との対決を考えていて……という旨の話を見た覚えがあります。
ただ、グレイシーのインパクトを作品も取り込まざるを得なかったのか、バーリトゥード編のボスであるグラシエーロ柔術のスタイルはやはりグレイシーに近いものになりましたが。ただ、それはブラジリアン柔術の真打ちではなく……という落ちを経て、現在『第弐門』で描かれているケンシン・マエダとの対決に繋がるわけですが……

とは言え、『修羅の門』本編は(主として主人公と各種格闘技の対決という形であれ)ドリームマッチを描く格闘技漫画という面があるので、実在するモデルを積極的に起用することに意味があったのですが、『ふでかげ』の場合その色彩は弱く、実在の選手のプレースタイルをなぞることにはあまり意味がなく、むしろストーリー上要求されるスタイルが敵に割り振られた、ということかも知れません。
いずれにせよ主人公サイドに倒される敵として描かれる以上、モデルにとってどちらが良いのかは、何とも言いかねますが。

 ~~~

同時発売の本編――『修羅の門 第弐門』も一つの佳境を迎えます。

修羅の門 第弐門(15) (講談社コミックス月刊マガジン)修羅の門 第弐門(15) (講談社コミックス月刊マガジン)
(2015/01/16)
川原 正敏

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表紙もかつてない流血具合、かつ目がヤバい雰囲気です。

修羅の門15巻

姜子牙との対決もエクストラ・ラウンドに突入。
前巻の時にさんざん言った通り、『第弐門』の九十九はどこまで負けたいと思って戦っていたので、どこか気迫を欠いているところがありました。
だから、「陸奥圓明流千年の歴史に敗北の二文字はない」の決め台詞も、これまでなし。何しろ、その不敗の歴史を継続するつもりで戦っていないんですから。
それがついに……ようやくここまで来たと思うと、感慨深いものがあります。

ただ、そもそも九十九が「負けたい」と思っていたのは、記憶はないが深傷を負ったケンシン・マエダとの戦いで「負けたかも知れない」という思いが背景にありました。だから、それを反復せねばならないと。
である以上、九十九が元に戻るためには、2年前のケンシン・マエダ戦の顛末をはっきり思い出す必要があったのでしょう。
そのため、ケンシン・マエダ戦そのものは意外とあっさりとしていた感があったのだけが、いささか残念でした。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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