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終わらない昭和――『東亰ですとぴあ 〜終わらぬ昭和のあやかし奇譚〜』

今回取り上げるライトノベルはこちらです。

東亰ですとぴあ 〜終わらぬ昭和のあやかし奇譚〜 (桜ノ杜ぶんこ)東亰ですとぴあ 〜終わらぬ昭和のあやかし奇譚〜 (桜ノ杜ぶんこ)
(2015/01/05)
くしまちみなと

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この「桜の杜ぶんこ」は、目立ったメディアミックスの話も聞かず、淡々とやっているレーベルという印象です。

本作の舞台は昭和89年の東亰府。西暦なら2014年、つまり現代です。
この世界では欧州大戦が100年にわたって続いており、戦争を逃れている日本も4年前の「第四次スペイン風邪」によって500万人の病死者を出すなど、人類全体が衰退傾向。
石油文明が存在しないので、街並みも昭和の雰囲気です。ただし、貴族や高位の巫女の住まう摩天楼だけが特異ですが。

そして、この世界には(あやかし)が存在し、神託を告げる巫女が特別な地位を与えられています。
本作のヒロインである香具夜(かぐや)は、巫女の頂点に立つ斎宮(いつきのみや)に次ぐ存在、斎都宮(さいとのみや)の一人です。
突如として現れた妖に命を狙われた彼女を救ったのが、下街で何でも屋を行っている少年、久坂草平(くさか そうへい)でした。彼は二尾の妖狐・六本木を相棒に、筆で描いたものを実体化させる術を使い、妖の絡む事件をも解決していました。

廃屋に妖し火が出るといった街の事件に関する依頼を受けながら、香具夜の命を狙った陰謀にも関わっていくことになる草平と香具夜(それに六本木)。

昭和のテイストの街に妖怪が跋扈する、その雰囲気は悪くありません。
ただ、戦闘シーンなどはどうも淡々としすぎていて、今ひとつ迫力を感じませんでした。キャラも悪くないものの、終盤のドラマにもそれほど引き込まれず。演出にパワー不足を感じます。

そして、後半で「スペイン風邪は妖魔の仕業」という設定が解明された事実として語られた辺りで雲行きの怪しさというか、どうも疑念を感じるように(そもそも現実のスペイン風邪はインフルエンザの一種で、スペインから流行したからそう呼ばれるのであって、毎回「スペイン風邪」であるということ自体に疑問を持つべきだった、と言えばそうですが、変に現実の名称を持ち込まれているだけに何とも言えぬ不思議な感覚が)。
終盤、アカシックレコードが登場して、全人類の命運に関わる話になる辺りは戸惑いました。

町内の冒険活劇から世界の命運を懸けた話になる、というのはままあるパターンですし、それ自体は問題ありません。
それに、この世界の歴史が現実のパラレルになっていることも、きちんと回収してくれた、とは思います。

ただ、その接続が上手くなかった感は禁じ得ません。
せめてアカシックレコードの存在をもう少し早く示しておいてくれれば……と思うのですが。

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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