オタクと形而上学(旧:山中芸大日記)
愛知県立芸術大学出身のある学生によるブログ。
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漫画新刊

いかなる基準で比較して5倍なのかはよく分かりませんが。
まず考えられるのはカプサイシン(であれその他のものであれ)の含有量ですが、成分とそれによって感じられる感覚は比例しない、つまりカプサイシンが5倍でも辛さが5倍に感じられるわけではないはずです。
あるいは、感覚そのものはそもそも量的に比較するものでないと考えるなら、「辛さの感覚5倍」ではなく「辛味成分5倍」を称して「辛さ5倍」というのは正しい、と考えるべきでしょうか……?
ちなみに、辛いのは確かでした。ただ、主観的に言えばやはり5倍という気はしないのですが、これはやはり辛味成分が5倍で感覚はそれに正比例していないことの裏付けでしょうか。
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今回はいくつかまとめて漫画の新巻紹介でも。
まずは『魔女の心臓』6巻です。
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(このシリーズについての記事)
(前巻に触れている記事)
今回のエピソードは、まずはミカの魔女としての「師匠」ジュリアの話。
心臓を失い倒れていたミカを拾い、魔女としての知識を伝えた師匠です。

(matoba『魔女の心臓 6』、スクウェア・エニックス、2015、p. 12)
ミカが魔女になる前の話ということで、今までに描かれた過去編の中でも一番古いエピソードということになるでしょうか。
この時、自分がどこから来てなぜ倒れていたのか分からなかったミカ。
以来500年に渡って、故郷も見付からぬまま旅を続けているのですが……心臓を奪った妹はともかく、故郷も見付からないのはなぜでしょうか。彼女は単に不死になっているというだけでなく、まだ何か裏がありそうです。
次は、果樹園で収穫の手伝いをするミカとルミエール、そしてそこで出会った、今は亡き大切な人との約束で旅を続けているという女性・アイリスの話。

(同書、p. 54)
ただ、皆が感動する中、ルミエールは浮かない顔です。
死んだ人との約束に縛られてずっと旅を続けねばならない、それはもう「呪い」だと……

(同書、p. 58)
とは言え、ルミエール自身、――相手は生者とは言え――ミカの終わらない旅にずっと同行することを心に決め、そこに幸せを見出している身。
呪いに縛られていても、それが本人にとって幸せならば……
続いて、実に精巧な自動人形(オートマタ)を作っている技師との出会い。
彼は人形に「意志」を与えるという願いを抱いているのですが……

(同書、p. 71)
確かなことは分からないものの、人形が実際に意志を持ったようにも思える、しかしそれが男にとって幸せだったかというと――という幕引きが、何とも感傷的です。
4つめの話は、幼い竜との出会い。
卵の時に捨てられていたルミエールとしては、生まれて初めて出会う同族です。


(同書、p. 112-113)
この話は微笑ましくコミカル。
ただここでも強調されるのは、同朋よりもミカとの旅を選ぶルミエールの一途さです。
それから、本シリーズ未読者向けに描かれ、『Gファンタジー』に収録された外伝を2本収録。
ミカとルミエール(リツカは加入前の話も加入後の話も)の旅の日常風景を描いています。

(同書、p. 152)
美しく感傷的で、そして心温まる本作ですが、その軸はつねに終わりのない旅を続けるしかないミカと、それについて行くことを無上の幸せとしているルミエールの関係です。
ミカはいつか妹を見つける日――旅の終わりを願い続け、ルミエールはこんな日々がずっと変わらず続くことを信じているのですが……およそ旅の終わりが見えない限りにおいて、そのズレは表面化せず、二人はお互いにとって大切な存在であり続けています。
ただ、今巻の最後は「終わらないものなどない」ことを強調しての引きとなっており、わずかな出番ではありますが、ニナ側のことも描かれました。
「心臓を取り戻す旅」に大きな動きの見られる日が来るのでしょうか。
それに、4巻から加わった新たなお供にしてミカの弟子であるリツカは人間なので、ルミエールほどに長い年月を変わらずについて行くことはできないはずです。まだ彼が加わってからそこまでの歳月は経っていないのでしょうが、もしかすると彼の存在も、変化の兆候なのかも知れません。
―――
それから、ライトノベル『盟約のリヴァイアサン』のコミカライズ第3巻です。
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(原作についての記事)
ヒロインたちの可愛さ、ドラゴンバトル、いずれの面でもまずまずの出来だったこのコミカライズですが……

(丈月城/舘津テト『盟約のリヴァイアサン 3』、KADOKAWA、2015、p. 1)

(同書、pp. 76-77)
この3巻で、原作の1巻分を消化したところで最終回となりました。
原作1巻分、プロローグのみで終わったライトノベルのコミカライズと言えば『トカゲの王』という事例がありましたが、『盟約のリヴァイアサン』の場合は原作1巻だけだと基本設定も出揃っておらず、プロローグすら終わっていないので、ある意味ではもっと悪いです。
それに、2巻で登場するM部長のヴィジュアル化を楽しみにしていたのに……(そこですか)
売る方が「原作の販促」と捉えていて、最初からコミカライズを単独で「作品」にするという意志がないのでしょうか……
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