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田舎暮らし、それはまるで異世界のように――『アウトランド・ヴァンガード〜俺、辺境警備に着任しました』

有料でPCのアンチウイルスをバージョンアップして、PCの最適化を行いました。
PCを起動するとどこかで間違って入れてしまった得体の知れないプログラムが勝手に立ち上がったりすることがなくなっただけでも、だいぶパフォーマンスは良くなった気がします。

 ~~~

さて、今回はこちらのライトノベルを取り上げさせていただきます。

アウトランド・ヴァンガード〜俺、辺境警備に着任しました (一迅社文庫)アウトランド・ヴァンガード〜俺、辺境警備に着任しました (一迅社文庫)
(2015/02/20)
マサト 真希

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作者のマサト真希氏は電撃文庫出身作家で、一迅社文庫では『強気な姫騎士さまのしつけ方』(全2巻)に続く2作目となります。

さて、本作の主人公は高天神雄大(たかてんじん ゆうだい)。高校を休学し、引きこもりニートとして一定の収入も得ての生活を送っていた彼ですが、ある日、目覚めるとそこは静岡の片田舎の駅というとんでもない状況に陥ります。

「もしや……これが今流行りの」


 異世界転生ってやつ!?


 (マサト真希『アウトランド・ヴァンガード〜俺、辺境警備に着任しました』、一迅社、2015、p. 8)


もちろんそんなわけはないのですが、なるほど生粋の都会育ちにとって、一面茶畑の田舎は異世界にも等しいものがあります。
しかも「迎えを待て」との書き置きがあったので、これが異世界ファンタジーの幕開けならヒロインが迎えに現れるところだ……と思っていると――

アウトランド・ヴァンガード

派手な金髪の逞しいババアでした。
まあ、この婆さん――大内田たまは雄大が赤ん坊の時にしか会っていないものの、雄大の祖母であって、海外に出張する天神の両親から彼のことを頼まれたというのですが……

かくして、田舎で何もかもが未知の生活が始まります。
さっそく家畜の世話に追われ、歓迎の宴会では山で狩ってきたイノシシをその場で解体、学校は過疎により小学校から高校まで合わせて三人しか生徒がいないところで、天神は教師の助手としていきなり授業をすることに……
そして静岡、見渡す限り茶畑の村だけに、茶摘みもやります。

ハイスペックでついでにツンデレのたま祖母さんが存在感を発揮していますが、もちろん他にヒロインもいます。
メインらしいのは雄大と同年代の大頭竜桜(だいとうりゅう さくら)。表紙を飾る彼女は、いきなり工事用ヘルメットと×を書いたマスクを着用し幟を掲げた原付で爆走するというスケバン風の姿で登場しましたが、実はバカで素直ないい子です。そもそも過疎の村なので舎弟などはいません。
それから「ナツ姉」こと雄大の従姉の応声院(おうしょういん)ナツコ。家ではいつも裸当然の格好で酔っぱらっていますが、上述の学校で教師をしており、雄大を助手に任命したのも彼女です。
それから静岡弁の濃いお茶マニア中学生・沢水加(さばか)みみなに、小学生の潮海寺(ちょうかいじ)えみる。二人とも純朴ないい子ですが、ただ農業や狩りといった田舎暮らしに慣れているので、その行動は雄大にとってはしばしばショッキングです。

ストーリーとしては大したものはありません。
270ページ弱で24章と話が細かく区切られているところからも分かるように、4コマ漫画のようなショートギャグストーリーという感じです。
上で見た「あたしがヒロインだよ!!」のように、レイアウトを駆使しイラストを活用してページをめくったところでオチになる場面が多いのですが、これも手慣れた感じで上手く嵌っています。
総じて、軽い感覚で楽しめます。

終盤には主人公がヒロインの許へ走る展開もあり、雄大が学校を辞めた理由も語られるのですが、それなりに重くなり得るテーマもあっさりした感じで、そこまでの盛り上がりはありません。それから、農業についてもそれほどの深入りはなし。
ただ、むしろそこまでの軽いノリがそこそこ楽しめたので、このあっさり感も「まあそんなものだろう」と納得できました。

そもそも、山中にぽつんと建っている旅館でも近年どんどん携帯電話の電波が入るようになっていますから、村と言えるほどのところで携帯電話が完全に圏外というのも考えにくい話ですし(10年前ならいざ知らず、本作の舞台はあくまでスマートフォンが普及し異世界転生ものが流行りの近年です)、茅葺き屋根なんて数十年に一度は葺き替えないと傷んできますから、文化的価値から積極的に残そうとしない限りまず残っていません。
ただ、規格外の巨大猪が登場する時点で、そういう現実的なことを真面目に考えても仕方がない、あまり考えずに楽しめばいいのでしょう。
作品のノリと雰囲気を「そういうもの」として受け入れさせているのならば、成功と言っていいかと思われます。

ついでに、主人公が学校に生徒として転入させられるわけではないのも、「学校に通うこと」を絶対化しないという点で好印象でした。その上で「先生」の立場になった雄大が生徒に「学校に来い」と言えるのか、という問題も(軽くですが)扱っていますし。
(幼稚園~高校まで合わせて先生が実質一人で、免許もない助手に授業を任せているのは、教育現場としては問題がありますが)

 ~~~

ところで、携帯電話も通じない田舎、過疎の村で小学校~高校まで合同の学校……という設定を比較的最近他にも見た覚えがあったな……と思ったらこれ↓でした。

湯けむり温泉郷まほろばの非日常 ~おんせん部活動日和~ (講談社ラノベ文庫)湯けむり温泉郷まほろばの非日常 ~おんせん部活動日和~ (講談社ラノベ文庫)
(2014/10/31)
水樹 尋

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ただ題材的にはさほど共通点はありませんが。
連想したのは、カラー口絵の入浴シーンで「まさか、混浴!?」というのがあったせいも大きいのですが、『湯けむり温泉郷まほろばの非日常』と異なり、本作では「混浴」が当然の習慣というわけでもありませんし。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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