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2015年2月の読書メーター

先月の読書メーターのまとめです。
28冊7225ページでした。

読書メーター2015年2月

詳細を見れば分かる通り、ページ数の少ない本も多く、月刊トータルでちょうど1冊/1日のペースになったのも数合わせのようなものですが……
一時期体調を崩していたのが影響したかも知れません。
ついでに学会発表の準備もあることを考えれば、もうちょっと数より学術書に集中したかったところですが…・・

以下は抜粋です。

【ライトノベル】

薬屋のひとりごと 2 (ヒーロー文庫)薬屋のひとりごと 2 (ヒーロー文庫)
(2015/01/31)
日向 夏

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 (前巻の記事

前巻最後で猫猫が後宮を離れて綺麗に区切りかと思いきやまだ続いていた。今度は宮廷で下女として壬氏に仕えることになった猫猫。またも様々な事件解決に呼ばれる日々。そして今回は彼女の出生に関わる話も…。連載小説らしく話が短い区切りで、解決したと思われた件や据え置きにされていた件が伏線として後々繋がってくる構成が相変わらず巧み。嫌な印象だった親父殿も不器用で苦労した人だったようで……。壬氏の猫猫への想いは相変わらず報われる気配もないが。まだまだ続きそうなので楽しみ。


主人公の猫猫が攫われて後宮入りするところから始まった物語が、1巻の最後で猫猫が後宮を離れ生まれ育った花街に帰ったところで終わりで綺麗に区切りがついていたのですが、Web版を見ると1巻分が「後宮編」で、2巻分からは「宮廷編」として続いているようです(ちなみに、Web掲載文は「宮廷編2」、つまり単行本3巻分の最後まで存在しています)。
割と有名な、ものによっては中学校~高校の教科書に載るような科学知識を結構使っているのも軽く楽しめるポイントでしょうか。他方で閨房や遊郭の話も少なからずありますが。


絶滅危惧種の左眼竜王<レッドデータ・ドラゴンロード> 2 -神殺しの獣- (HJ文庫)絶滅危惧種の左眼竜王<レッドデータ・ドラゴンロード> 2 -神殺しの獣- (HJ文庫)
(2015/01/30)
千月さかき

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 (前巻の記事

魔法使い四名家の摩耶から、竜の眷属たる晴空達の「裁定」に緋女乃という少女がやって来る。晴空の婚約者になると称して…。ラブコメ、バトルともまずまず、神獣という存在と人間の向き合い方というテーマも活きているし、何より設定と伏線を最後に収束させる構成は相変わらず上手い。ただ、ストーリーには驚きもなく一直線、神獣絶滅の黒幕登場もやや安易な感あり、上層部も一枚岩ではないことが話の要点になりながら(さもなくば、天伎配下の学校に当主が認めた茉莉花が在籍できるかどうかは問題になり得ない)掘り下げが浅い。続きはどうかな。



【漫画】

新装版 栞と紙魚子4 (Nemuki+コミックス)新装版 栞と紙魚子4 (Nemuki+コミックス)
(2015/02/06)
諸星大二郎

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これにて現段階では完結(いつかまた続きが描かれない限り)。「井戸の中歌詠む魚」と「魔術」は意外と忘れてた。他は大体旧版で読んで覚えてたが…。魔書『根暗なミカン』とかパロディが多い中、印象的なのは実在する絵巻『稲生物怪録』を結構忠実に引用した「栞と紙魚子物怪録」。もっとも、描かれるそのコミカルな背景なのだが…妖怪の大将も段先生の奥さんには敵わず。妖怪司書のキイチに弁天様、管狐使いの管正一とか新キャラも数多く登場して、まだ話が広げられそうなだけに再開が待たれる。描き下ろしは最後までこのネタで行くのか…。


キャラも増えて、まだまだ話を続けられそうなところで中断したままであることの遺憾については、作者自身が新装版1巻のあとがきで語っているので十分でしょう。もちろん連載再開は希望しますけれど。
本作に登場する怪異や本はオリジナルか、実在するもののパロディであることが多いのですが(ホラー作家・段一知(だん いっち)の娘のクトルーちゃんとか)、上に書いているように、今巻登場する『稲生物怪録』は実在する上、登場する妖怪の顔ぶれなども結構忠実に描いています。
ただ、『稲生物怪録』はある武士のもとに夜な夜な妖怪が現れた、という話ですが、この漫画では妖怪側の裏舞台をコミカルに描く格好になっていますけれど……

ちなみに、『稲生物怪録』に登場する妖怪の大将・山ン本五郎左右衛門(さんもと ごろうざえもん)は『うしおととら』『ぬらりひょんの孫』などの有名な妖怪漫画にも出演しています(『うしおととら』では若干名前は変わっていますが)。
『稲生物怪録』自体に興味のある方は下記の資料などを参照されたし。

稲生物怪録絵巻集成稲生物怪録絵巻集成
(2004/07)
杉本 好伸

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妖怪の肖像―稲生武太夫冒険絵巻妖怪の肖像―稲生武太夫冒険絵巻
(2000/01)
倉本 四郎

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【学術系】

妖怪文化入門 (角川ソフィア文庫)妖怪文化入門 (角川ソフィア文庫)
(2012/06/22)
小松 和彦

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導入として妖怪とは何か、「出来事として」「超自然的存在として」「造形化された」ものとしての三段階の定義を提示、それにまつわるいくつかの問題に触れる。残る大半部はアンソロジー『怪異の民俗学』の解説を集めたもので、「憑きもの」「河童」「鬼」等の妖怪にまつわる代表的なトピックを論じる。今までの研究状況とその問題点、課題等を丁寧に整理しており、そもそも妖怪・怪異とはいかにして研究されるべきものか、に関する優れた手引きとなるのではないかと。


『栞と紙魚子』から妖怪繋がりで……というわけでもありませんが。この本もかなり昔に買った覚えのあるものですけどね……
本書では「妖怪」を三段階に分けて定義しています。たとえば「小豆洗い」という妖怪であれば、

(1) 現象としての妖怪 = 山中でシャキシャキと小豆を洗う(らしき)音が聞こえる
(2) 超自然的存在としての妖怪 = 上記の音が自然現象ではなく、山中で小豆を洗う何か超自然的存在があると見なされる
(3) 造形化された妖怪 = 妖怪本で、小豆を洗っている人型の存在として描かれる

ただ、この三段階全てを満たさなければ「妖怪」ではないのかと言うと、そうとは言えません。(1)(2)の段階に留まっているものについては微妙なケースも多いのですが、妖怪でないとも言い切れませんし、最初から妖怪物語の登場人物として造形されただけで誰も(1)の段階で出会ったことのない妖怪もいます。
言い換えると、この三段階の定義も、「これを満たすかどうかで妖怪か否かを判別できる」という明瞭なものでは必ずしもないのです。そういうある程度のフレキシブルさは、この手の分野における「定義」には必要なものでしょう。

それから、柳田國男・折口信夫らの民俗学が目の前にある現象よりも「その背後」にある「起源」を見たがり、しかもその「起源」に関する考察はしばしば一面的で根拠薄弱、しかし後世の民俗学者はそれを正しいものと前提して裏付けるようなデータ集めに奔走する……といった事態への批判が結構なウェイトを占めます。必ずしもアカデミックではない人によって創始された民俗学という学問の抱える問題でしょうか。
ただ、それに留まらない豊富で実り多い研究についても数多く紹介されているので、この分野の研究に興味のある人は必読です。


楔形文字をよむ (ルネ・ジノヴェス考古学・民族学研究所叢書)楔形文字をよむ (ルネ・ジノヴェス考古学・民族学研究所叢書)
(2012/11)
中田 一郎

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楔形文字の発見と解読の歴史、どんな文字でどんな言葉が綴られ、どんな内容があるか。もちろん、それぞれの言語の読み方や文法を詳しく説明したものではないが、豊富な出土品がオールカラー図版で掲載されており、なかなかに魅力的な入門書。


余談ながら私は、京大に来てからシュメール語も多少倣いました。
もうかなり忘れていますけれど、文法書と単語集を手にすれば多少は読めるかと思います。
日本語では文法書も辞書も出ていないかも知れませんが……


ユダヤ教の霊性―ハシディズムのこころユダヤ教の霊性―ハシディズムのこころ
(2010/03)
手島 佑郎

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18世紀に起こったユダヤ教ハシディズム派の歴史的事情とその教義を解説。終盤には禅との比較も少し。ユダヤ教の礼拝の手順等基本的な伝統や、ゾハル等のユダヤ神秘思想に関する説明もあり、文献リストもきっちりしていて(ヘブライ語はカタカナ表記だが)、優れた概説書。読んだ感じ、キリスト教神秘思想との近さも結構感じたがどうなのだろうか。


ヘブライ語の読書会はあくまで本業の研究とは別に、週一でちまちまとやっていたものですが、それが気が付けばユダヤ研究に踏み込むことになりそうな気配もあります。
そんなわけで、ユダヤ教――それもハシディズムの入門書として読んでみました。入門書と言っても、著者の博士論文に基づくものだけに学術的にもしっかりしたものです。


ピサロ/砂の記憶―印象派の内なる闇ピサロ/砂の記憶―印象派の内なる闇
(2005/11)
有木 宏二

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印象派の長老的存在であったピサロのモノグラフィーだが、彼の出自がイベリア半島のマラーノ(隠れユダヤ人)の家系であったことに注目し、16世紀のマラーノ、ウリエル・ダ・コスタの伝記から話を始める独特の一冊。政治的にはアナーキストとして、ブルジョワ社会を批判し、農民にも都市画にもそうした思想的主張を込め続けたピサロ。その背景にあるものは。厖大な書簡を引用した綿密にして大胆な研究。なかなか面白い。


そしてユダヤ教研究繋がりで、これも随分昔に買ったはずの本ですが、終盤近くまで読んで放置していたものをこの機に読了。


魔女狩り 西欧の三つの近代化 (講談社選書メチエ)魔女狩り 西欧の三つの近代化 (講談社選書メチエ)
(2014/03/11)
黒川 正剛

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中世末~ルネサンスの時代に始まり、バロック期に猖獗を極めた魔女狩り。その推進者・批判者達の思想を参照し、悪魔と魔女に関する思想の推移を概括する。ポイントは証言に聞くのみで見てもいないことを見て知っているかのように思い込む「視覚的・認識論的錯誤」、「反・自然」の罪としての魔術、それに排除される他者としての女性。最終章、デカルトに代表される近代思想により蒙が啓かれ錯誤が退けられる、という流れは彼の影響力に関する検証や彼らの思想内容に関して、思想史的にはやや疑問もあり。ただ魔女狩りの概説としては好著。



華族令嬢たちの大正・昭和華族令嬢たちの大正・昭和
(2011/04)
華族史料研究会

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大正に生まれた四人の華族令嬢が、戦争を経て30代で華族令の廃止を経験するまで、どう育ち、生きてきたか、インタビューを纏めたオーラル・ヒストリー研究書。伝統とモダンの間で様々な独特の習慣を生み出した華族の生活、女子学習院という世界、休暇での避暑地暮らしやスポーツ、制約の多かった男女交際に結婚、そして戦争…。彼女達の話すお嬢様言葉も雰囲気を感じさせる。この時代を伝える貴重な一冊。



2015年2月の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:7225ページ
ナイス数:580ナイス

盟約のリヴァイアサンV (MF文庫J)盟約のリヴァイアサンV (MF文庫J)感想
春臣の「先輩」に当たる「ソロモン」の遺産を求め、ドラゴンの租借地となったニューヨークに向かう春臣達。他方、旧マンハッタンと版図とする紅き竜王ハンニバルは、ニューヨーク州知事選へ出馬する意志を表明する…。ハーレムラブコメにバトル、両面で安定のクオリティ。しかしいつも通りのようで、竜王筆頭との対決、そして春臣のドラゴン化と、事態は良きにつけ悪しきにつけ確実に進行しているようで。他方でアーシャの異変(笑)。新キャラとしてアーシャの母とアメリカの魔女達も登場したが活躍少なめ。最後が引きなので次巻以降に期待かな。
読了日:2月3日 著者:丈月城
楔形文字をよむ (ルネ・ジノヴェス考古学・民族学研究所叢書)楔形文字をよむ (ルネ・ジノヴェス考古学・民族学研究所叢書)感想
楔形文字の発見と解読の歴史、どんな文字でどんな言葉が綴られ、どんな内容があるか。もちろん、それぞれの言語の読み方や文法を詳しく説明したものではないが、豊富な出土品がオールカラー図版で掲載されており、なかなかに魅力的な入門書。
読了日:2月4日 著者:中田一郎
CtG ─ゼロから育てる電脳少女─ (2) (角川スニーカー文庫)CtG ─ゼロから育てる電脳少女─ (2) (角川スニーカー文庫)感想
春羽はゲームセンターで神奈桜という中学生と友達になる。他方「CtG」の世界では、プレイヤーでもNPCでもない「幽霊」が出現していた。今回も人間のアイデンティティというものを問い質す内容。ただ、ゲーム世界では容赦なく人を殺せる春羽の姿には特異性がよく見えるものの、普段はよく出来た子なこともあってか、そんな彼女をどう教育するのかという子育ての問題は目立たない感。親の成長という要素もあるにはあるが…。人格に関するSF的考察も入口までという印象で、満足には至らなかった。中々姿を見せない冬風の使い方は良かった。
読了日:2月6日 著者:玩具堂
恋すると死んじゃう彼女に愛されすぎると俺が死ぬ (一迅社文庫)恋すると死んじゃう彼女に愛されすぎると俺が死ぬ (一迅社文庫)感想
杉浦修士はある日、転載保健医の村雨に呼び出される。お嬢様の天之川美月が修士に恋している、のみならずその恋愛感情が満たされないと死んでしまう病に冒されているという。しかし修士も、女性との接触で体調が悪化し死に至る病だった。自分の病気のことは隠しつつ、彼女を助けるために奮闘する修士、その想いはフリか本物か…。終盤のシリアス展開はなかなか良かった。ただ中盤までのコメディはそれ程でも。荒唐無稽でカリカチュア的な設定に読者を引き込んで馴染ませる技量の不足だろうか。
読了日:2月6日 著者:西型一央
新装版 栞と紙魚子4新装版 栞と紙魚子4感想
これにて現段階では完結(いつかまた続きが描かれない限り)。「井戸の中歌詠む魚」と「魔術」は意外と忘れてた。他は大体旧版で読んで覚えてたが…。魔書『根暗なミカン』とかパロディが多い中、印象的なのは実在する絵巻『稲生物怪録』を結構忠実に引用した「栞と紙魚子物怪録」。もっとも、描かれるそのコミカルな背景なのだが…妖怪の対象も段先生の奥さんには敵わず。妖怪司書のキイチに弁天様、管狐使いの管正一とか新キャラも数多く登場して、まだ話が広げられそうなだけに再開が待たれる。描き下ろしは最後までこのネタで行くのか…。
読了日:2月6日 著者:諸星大二郎
妖怪文化入門 (角川ソフィア文庫)妖怪文化入門 (角川ソフィア文庫)感想
導入として妖怪とは何か、「出来事として」「超自然的存在として」「造形化された」ものとしての三段階の定義を提示、それにまつわるいくつかの問題に触れる。残る大半部はアンソロジー『怪異の民俗学』の解説を集めたもので、「憑きもの」「河童」「鬼」等の妖怪にまつわる代表的なトピックを論じる。今までの研究状況とその問題点、課題等を丁寧に整理しており、そもそも妖怪・怪異とはいかにして研究されるべきものか、に関する優れた手引きとなるのではないかと。
読了日:2月6日 著者:小松和彦
黒崎麻由の瞳に映る美しい世界 (ファミ通文庫)黒崎麻由の瞳に映る美しい世界 (ファミ通文庫)感想
黒崎麻由は人と関わらず、教室の片隅で何もせずに座っている少女だった。しかし文化祭の準備で、黒井は彼女を作業に誘い、打ち解けていくことに成功する。人と関われば楽しいことも多い一方、軋轢も生じる、そんな繊細さを描いていたのは良い。しかし終盤のオカルト展開は唐突で浮いている上、教訓的な締めにも強い違和感を感じる。過去に別の人物にあった似たような状況を現在に重ねるのは王道だが、今の彼女はこれで幸せになったからと言って過去の彼もそうするべきだった、は押しつけがましいし、学校教室への同調を絶対視するのも肯定できない。
読了日:2月8日 著者:久遠侑
絶滅危惧種の左眼竜王<レッドデータ・ドラゴンロード> 2 -神殺しの獣- (HJ文庫)絶滅危惧種の左眼竜王<レッドデータ・ドラゴンロード> 2 -神殺しの獣- (HJ文庫)感想
魔法使い四名家の摩耶から、竜の眷属たる晴空達の「裁定」に緋女乃という少女がやって来る。晴空の婚約者になると称して…。ラブコメ、バトルともまずまず、神獣という存在と人間の向き合い方というテーマも活きているし、何より設定と伏線を最後に収束させる構成は相変わらず上手い。ただ、ストーリーには驚きもなく一直線、神獣絶滅の黒幕登場もやや安易な感あり、上層部も一枚岩ではないことが話の要点になりながら(さもなくば、天伎配下の学校に当主が認めた茉莉花が在籍できるかどうかは問題になり得ない)掘り下げが浅い。続きはどうかな。
読了日:2月8日 著者:千月さかき
盟約のリヴァイアサンVI (MF文庫J)盟約のリヴァイアサンVI (MF文庫J)感想
ソロモンの船に羽純と共に取り込まれた晴臣(ハンニバルも)。というわけで今回は羽純メイン、もっぱら二人で冒険し、ソロモンの亡霊と対決することに。本当に羽純はいい子。こうやって何でも熱心に聞く子は教えたがりの男には堪らない。晴臣のドラゴン化による真の問題、そして彼を人間として繋ぎ止めるものも明らかに。やはり王への道を行く主人公にとって女達がどんな意義を持つのか、は要の主題であり続ける模様。期待通りの面白さで満足。今回は舞台が船の中で旅行シーンが無かったのだけが残念か。それにしても巻末の遊びに割く頁数が凄いな。
読了日:2月9日 著者:丈月城
魔法少女育成計画 FANBOOK魔法少女育成計画 FANBOOK感想
シリーズに登場した全魔法少女のデータベース、短編2本、原作イラストラフ画集、それに江戸屋ぽち氏とマルイノ氏による4コマ漫画を収録。データベースはたまに興味深かったりおや? と思ったりもするが、やはり遠藤・マルイノ両氏のコメントが注目か。短編は笑える裏事情とか夢の共演の可能性とか色々見せてくれて満足の出来。4コマは見比べると原作とコミカライズの違いが浮き立つ感じだろうか。まあファンブックとしては十分かな。
読了日:2月11日 著者:遠藤浅蜊/マルイノ
電撃文庫MAGAZINE 2015年 03 月号 [雑誌]電撃文庫MAGAZINE 2015年 03 月号 [雑誌]感想
電撃小説大賞の受賞作8作全ての書き下ろし短編もしくは本編の一部が掲載されており、雰囲気を見るにはうってつけ。まあ、この設定でこの話をやる甲斐があったのか、という所までは分からんのも多いけど。/城とか戦闘機とか擬人化の企画モノが多いが、勝算あるのかな。/「いもーとらいふ」べったりの兄妹ってのがいたらこんな感じだろうな、という生々しさが凄い。徹底して妹とは何か、自分は兄としてどうあるべきなのか、ありたいのかという兄の自意識。ただ「妹ものライトノベル」として期待される内容ではなさそうだけど、例によって。
読了日:2月12日 著者:
勇者が魔王を倒してくれない (GA文庫)勇者が魔王を倒してくれない (GA文庫)感想
宗方閑也は異世界ラ=マンタに召喚され、魔王の役割を押し付けられる。勇者に倒されねば元の世界に帰れないのだが、当の勇者は弱い上にいきなり「責任取って結婚して」と迫る知性1の色ボケ娘で…。元凶たるこの世界の神=作者(白いエイ)にツッコミを入れるメタコメディ(楽屋オチと思わせて外す所もあるが)。ヒロインもチョロ過ぎて残念とは新感覚だがそれで可愛いから流石。ライダーネタも安定、とりわけファンタジーとウィザードの相性の良さに感心。イラストの使い方も良かったが意外にサービス少なめかな。続きは…あるなら楽しみ。
読了日:2月13日 著者:逢空万太
薬屋のひとりごと 2 (ヒーロー文庫)薬屋のひとりごと 2 (ヒーロー文庫)感想
前巻最後で猫猫が後宮を離れて綺麗に区切りかと思いきやまだ続いていた。今度は宮廷で下女として壬氏に仕えることになった猫猫。またも様々な事件解決に呼ばれる日々。そして今回は彼女の出生に関わる話も…。連載小説らしく話が短い区切りで、解決したと思われた件や据え置きにされていた件が伏線として後々繋がってくる構成が相変わらず巧み。嫌な印象だった親父殿も不器用で苦労した人だったようで……。壬氏の猫猫への想いは相変わらず報われる気配もないが。まだまだ続きそうなので楽しみ。
読了日:2月14日 著者:日向夏
ユダヤ教の霊性―ハシディズムのこころユダヤ教の霊性―ハシディズムのこころ感想
18世紀に起こったユダヤ教ハシディズム派の歴史的事情とその教義を解説。終盤には禅との比較も少し。ユダヤ教の礼拝の手順等基本的な伝統や、ゾハル等のユダヤ神秘思想に関する説明もあり、文献リストもきっちりしていて(ヘブライ語はカタカナ表記だが)、優れた概説書。読んだ感じ、キリスト教神秘思想との近さも結構感じたがどうなのだろうか。
読了日:2月15日 著者:手島佑郎
路地裏バトルプリンセス (GA文庫)路地裏バトルプリンセス (GA文庫)感想
女装してストリートファイトで「魔王少女」として勇名を馳せたことのある日月朋昌は、二代目魔王少女として戦っている少女・來未から師匠になることをせがまれる。中盤までは盛り上がりに欠け、女装して皆の憧れとなった主人公の設定もあまり感じられなかったが、たとえ手段は正しくなくとも一人の少女の自己肯定のための戦いを巡る終盤部は中々熱い。敵はショボい下衆だがまあ良かろう。ただ(結果オーライとは言え)彼女が自らを縛っていたもの抗するため、この道を選んだのは良かったのかという疑問は、法的な正しさとは別の次元で残るが…。
読了日:2月16日 著者:空上タツタ
エクゾスカル零 8 (チャンピオンREDコミックス)エクゾスカル零 8 (チャンピオンREDコミックス)感想
モモカと出会う覚悟。覚悟と紡の邂逅、そして対決。覚悟の敗北という意外な結末も、この物語にして奇妙な程に爽やかな幕引き。紡は「ヒーロー」として、覚悟を受け継ぎ乗り越えてくことができるのか…? 全ての人を待ち受ける絶望に、決定的な救いを齎すことはできないならどうするのか、ヒーロー達のやり方は互いに異なり、どれが正しいという答えはないまま、それぞれの道を行く。しかしそれでも人々は生き、ヒーローがそれをささやかに支えるラストは希望があるようにも見える不思議。最後に北斗の拳的世界が描かれるのは笑ってしまうが。
読了日:2月20日 著者:山口貴由
魔女の心臓(6) (ガンガンコミックスONLINE)魔女の心臓(6) (ガンガンコミックスONLINE)感想
心臓を失った直後のミカを拾い、魔女としての知を教えた師匠の話、喪った大切な人との約束で旅を続ける少女の話、意志を持った自動人形を追究する技師の話、小さな竜(ルミエールにとっては初めて出会う同族)の話、それにミカ達の日常風景を描いた外伝。今巻もニナの出番は少なくそちらに大きな動きは無し。終わらない旅を続けるより他にない生き方が、彼らにとっては確かな幸せなのだろう。しかし終わりのないものなどない……ということで、そちらに動きのある予兆、だろうか? 相変わらずとても儚く感傷的。
読了日:2月21日 著者:matoba
下ネタという概念が存在しない退屈な世界 マン●篇 1 (BLADE COMICS)下ネタという概念が存在しない退屈な世界 マン●篇 1 (BLADE COMICS)感想
性表現が著しく規制された近未来ディストピア小説のコミカライズ、原作1巻分丸ごと+2巻の発端(鼓修理登場)まで。この詰め込み具合なので展開は早く、盛り上がる暇もないという印象は無きにしもあらず。絵的にも要所で迫力不足のような。ただ、そもそも言葉遊びを初めとして文章の比重が大きい作品をどうコミカライズするか、どこを削るか、という面を考えた時、やむを得ない面もあるだろうか。話の要所は押さえて、キャラのイメージも外していないし。カバー下の使い方も良かった。
読了日:2月21日 著者:赤城大空,柚木N\'
Hermann Cohen's History and Philosophy of ScienceHermann Cohen's History and Philosophy of Science感想
新カント派マールブルク学派の祖コーエンの独自の科学哲学に焦点を当てた論文。前半ではコーエンの思想形成の背景にある、トレンデレンブルク-フィッシャー論争を中心とした当時のドイツの思潮を紹介、後半ではコーエンの科学哲学を展開した著として『微積分法の原理とその歴史』とランゲ『唯物論の歴史』への序文を読解。コーエン独自の「微分」論に関する研究としてまた手引きとして、良い研究ではないかと思う。
読了日:2月22日 著者:LydiaPatton
ピサロ/砂の記憶―印象派の内なる闇ピサロ/砂の記憶―印象派の内なる闇感想
印象派の長老的存在であったピサロのモノグラフィーだが、彼の出自がイベリア半島のマラーノ(隠れユダヤ人)の家系であったことに注目し、16世紀のマラーノ、ウリエル・ダ・コスタの伝記から話を始める独特の一冊。政治的にはアナーキストとして、ブルジョワ社会を批判し、農民にも都市画にもそうした思想的主張を込め続けたピサロ。その背景にあるものは。厖大な書簡を引用した綿密にして大胆な研究。なかなか面白い。
読了日:2月23日 著者:有木宏二
盟約のリヴァイアサン 3 (MFコミックス アライブシリーズ)盟約のリヴァイアサン 3 (MFコミックス アライブシリーズ)感想
羽純と水無月を攫ったソスと対決。ヒロインの魅力、ドラゴンバトルの迫力といずれもまずまずで、悪くはなかったが……コミカライズはここで終わりとは。原作1巻分のみ。この作品の場合、まだ基本設定も出揃わず、プロローグすら終わっていないのに、それはあるまい、と。
読了日:2月23日 著者:舘津テト
ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)ひとつ海のパラスアテナ (電撃文庫)感想
全ての陸地が海に沈み、人類は浮島で細々と生きるようになった時代、オウムガエルのキーちゃんと共にヨットを駆りメッセンジャーとして生きる少女アキがいた。遭難、そして金髪の美少女タカとの出会い。前半のハードなサバイバル生活に力を入れよく調べているのは分かる。他方で後半はメンバーまで別物、人間関係や活劇を描き出すと今一つ、淡々とした文章もネック。タカが現代日本の常識を当然のように語るのもかえって世界を狭く感じさせた。ましてラストで明かされる繋がりは…。総じて、長編小説としてこの設定でこの筋をやる意義が問題かと。
読了日:2月24日 著者:鳩見すた
華族令嬢たちの大正・昭和華族令嬢たちの大正・昭和感想
大正に生まれた四人の華族令嬢が、戦争を経て30代で華族令の廃止を経験するまで、どう育ち、生きてきたか、インタビューを纏めたオーラル・ヒストリー研究書。伝統とモダンの間で様々な独特の習慣を生み出した華族の生活、女子学習院という世界、休暇での避暑地暮らしやスポーツ、制約の多かった男女交際に結婚、そして戦争…。彼女達の話すお嬢様言葉も雰囲気を感じさせる。この時代を伝える貴重な一冊。
読了日:2月26日 著者:
魔女狩り 西欧の三つの近代化 (講談社選書メチエ)魔女狩り 西欧の三つの近代化 (講談社選書メチエ)感想
中世末~ルネサンスの時代に始まり、バロック期に猖獗を極めた魔女狩り。その推進者・批判者達の思想を参照し、悪魔と魔女に関する思想の推移を概括する。ポイントは証言に聞くのみで見てもいないことを見て知っているかのように思い込む「視覚的・認識論的錯誤」、「反・自然」の罪としての魔術、それに排除される他者としての女性。最終章、デカルトに代表される近代思想により蒙が啓かれ錯誤が退けられる、という流れは彼の影響力に関する検証や彼らの思想内容に関して、思想史的にはやや疑問もあり。ただ魔女狩りの概説としては好著。
読了日:2月26日 著者:黒川正剛
神のゴミ箱 (メディアワークス文庫)神のゴミ箱 (メディアワークス文庫)感想
一人暮らしの大学生・神喜助のゴミ箱には、どういう訳か同じアパートの住人達のゴミが転送されてくる。ポエムを書く奴、援助交際を持ちかける? 女子中学生、連れ込んだ女の髪を切る男…。ゴミが紡ぐ隣人達との交流は時にバカ騒ぎ、時にちょっといい話。そしてどちらも問題ありそうな恋愛も…女性視点パートも例によって巧み。ただ全体に、ゴミ箱という嫌な設定と暇な大学生らしく騒がしさのお陰で適度に気の抜けた雰囲気、作者としては久々のコミカルで楽しい作品。続くとは思わなかったが、ワカメ男の三四郎についてはこれ以上ないのだろうか?
読了日:2月26日 著者:入間人間
アウトランド・ヴァンガード〜俺、辺境警備に着任しました (一迅社文庫)アウトランド・ヴァンガード〜俺、辺境警備に着任しました (一迅社文庫)感想
高校を休学してニート生活を送っていた高天神雄大は、突然静岡の田舎に移住させられる。そこは一面茶畑のまさに異世界。迎えに現れた“ヒロイン”は逞しいババア、家では家畜の世話をし、学校では教師助手として小学校~高校までの合同学級相手に授業、宴会では山で狩られた猪が目の前で解体される生活…。軽いコメディとしてはまずまず、ヒロイン達も魅力的だし、イラストを活用したオチも決まっている。終盤の展開はシリアス風でもそこまで盛り上がる訳ではなかったが、このノリならまあいいかと思える辺り成功なのだろう。
読了日:2月26日 著者:マサト真希
きょうの おやつは かがみのえほん (福音館の単行本)きょうの おやつは かがみのえほん (福音館の単行本)感想
作者氏の展示会場で拝読。見開きの片面が鏡になっていて、90度で開くと鏡像を合わせて画面が成立する仕組み。これは楽しい。内容はおやつにホットケーキを作るよ、というだけのものだが、絵もいい感じで、これはなるほど子供と一緒に大人も楽しんでしまえる一冊。
読了日:2月28日 著者:わたなべちなつ
ふしぎな にじ かがみのえほん (福音館の単行本)ふしぎな にじ かがみのえほん (福音館の単行本)感想
同じく作者氏の展示会場にて。かがみのえほん二冊目。こちらはやや抽象的な虹模様が主で、鏡仕掛けで具体的な光景を出現させた『きょうのおやつは』程の驚きはないかな、と思ったが、その代わり鏡になっている部分の形も複雑で、次第に複雑になっていく虹の美しさに感嘆、最後は90度開くというフォーマットを覆してきてまた感心。良かった。
読了日:2月28日 著者:わたなべちなつ

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プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
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