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もう一気に、読んだ漫画×6

今回も漫画の新巻を色々と一気に取り上げることにします。

まずは赤松健氏の『UQ HOLDER!』6巻から。

UQ HOLDER!(6) (講談社コミックス)UQ HOLDER!(6) (講談社コミックス)
(2015/03/17)
赤松 健

商品詳細を見る

 (前巻の記事

名前は変わっているものの、前作『魔法先生ネギま!』の舞台であった学園を舞台に亡霊との対決が前巻から続いています。
前巻はミステリ要素(犯人当て)ありの学校怪談という感じでしたが、敵が本格的に動いた今巻は一転ゾンビパニックに。舞台も広がって一挙に世界の危機です。

UQ+HOLDER6巻 ゾンビパニック
 (赤松健『UQ HOLDER! 6』、講談社、2015、p. 18)

やるだけやって、綺麗に収束させる手腕はお見事。特に話として過不足は感じません。

今回、主役として敵と決着をつけるのは完全に三太。主人公の刀太たちはあくまで支援という感じです。
彼が自分および相手と向き合い、決起する様も王道ですが良いものでした。

また、今回は学園の暗部――もっと言えば、魔法というものの存在が世に公開されて数十年、それによる格差が新たな問題となっているこの社会の暗部との対決でもありました。この件はひとまず一件落着でも、まだまだ同様の問題は至るところに残っていることも、語られています。
「世界が終わってカッコイイより」平和な世界でクズな方がずっといい、とは平和というものを端的に表した一言でした。

そして、最後ではまた新たに『ネギま!』レギュラー格の一人が登場して新展開に。
彼女はハーフ、つまり半分は人間なので、ここまで変わっていない(外見上歳を取っていない)とは予想外でしたが……
ここまで、2~4巻のスラム街編と5~6巻の学園亡霊編は、刀太たちが「UQホルダー」のメンバーとして依頼を受けて事件解決に向かう話で、『ネギま!』との繋がりも血縁を匂わせるキャラがところどころ出演するくらいなのに対し、4~5巻のフェイト編と次巻から始まると思しきエピソードは前作キャラもふんだんに登場し、ネギの消息を追うという色彩が顕著です(次巻予告を見るとまたフェイトも登場する模様)。
こうやって、前作の完結編と新作として独立した話を交互に織り交ぜてやっていく方針なのでしょうか。
依頼ならば派遣先の舞台も敵のタイプも幅広く設定できますし、現にここまででも今までになかった種類の敵との戦いがありました。話のヴァリエーションは随分と広げられそうな設定です。

 ―――

次はライトノベルのコミカライズ作品ですがこちらを。

僕は友達が少ない 12 (MFコミックス アライブシリーズ)僕は友達が少ない 12 (MFコミックス アライブシリーズ)
(2015/03/23)
いたち、平坂読 他

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小冊子付きの特装版も同時発売です↓

僕は友達が少ない 12 小冊子付き特装版 (MFコミックス アライブシリーズ)僕は友達が少ない 12 小冊子付き特装版 (MFコミックス アライブシリーズ)
(2015/03/23)
いたち、平坂読 他

商品詳細を見る

 (前巻について触れている記事

なお、特装版は以下のような箱入りです。

僕は友達が少ない12巻 箱

ゲーマーズ購入特典はオリジナルブックカバー(通常版、特装版とも同じ)……ですが、絵は特装版の箱と同じでした。

僕は友達が少ない12巻 オリジナルブックカバー

内容としては原作7巻の中盤~後半。文化祭の映画作り、本人たちも知らなかった小鷹と星奈の関係発覚、そして夜空の転落に小鳩のクラスでの意外な姿……といったところです。
相変わらずイメージ映像での小ネタなども豊富ですが、何と言っても見所は作中人物たちの作る映画でしょうか。異なる作品間の演出の違いとそれぞれのクオリティがよく伝わるかと思います。

特装版の付録小冊子の内容は、原作1巻にありましたがコミカライズでは消えたエピソード「ヤンキー侍母校に帰る」のコミカライズ、原作6巻でさらっと語られていた、メイド喫茶に通い詰めていた星奈(の残念な過ち)のエピソードを描く漫画「柏崎星奈の華麗なる休日」、そして原作者書き下ろしの掌編小説「僕は友達が少ない ハリウッド版(仮)」、さらに漫画版1~3巻の各店舗購入特典(設定画など)の再録です。

本作の原作、とりわけその前半は――いささか物語の常識に反することに――個々のエピソードの多くは登場人物やその相互関係を変えるものではない、ただだらだらと日々を過ごしているだけのものですが、にもかかわらず前の話が後の話に少しずつ反映されていて、その積み重ねは気が付けば大きな変化をもたらしています。
それゆえ、個々のエピソードは大したことが起こっておらず、切り離しても問題なく読めそうでいて、全体としては一部のエピソードを取り除いたり入れ替えたりできないようになっているのです。
そんな中、「ヤンキー侍」は珍しく無くてもそれほど影響のないエピソードなので、漫画版ではカットされたのだと思われます。この操作といい、今回それを番外編として位置付けることといい、やはりコミカライズ作者のいたち氏は作品の要点というものをよく理解しています。
派手なデフォルメを多用したギャグも初期のノリを再現しており、裏を返せばその辺の表現の変化も原作のノリの変遷を意識してのことだとよく分かります。

「柏崎星奈の華麗なる休日」も原作では直接描かれはしなかった話ですが、違和感はありません。

「ハリウッド版(仮)」はちょうど漫画のこの巻(正確には前の11巻)の時期、つまり原作7巻の内の話で、映画を作ることに決まった頃のこと。原作者の筆によるものなのでもちろん安定して笑えます。

 ―――

続いて、徹底して登校風景のみを描く狭さが武器のギャグ漫画『ちおちゃんの通学路』の2巻。

ちおちゃんの通学路 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ちおちゃんの通学路 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
(2015/03/23)
川崎 直孝

商品詳細を見る

 (前巻の記事

まず表紙からして謎の凄い迫力です。

ゲーマーズ購入特典はオリジナルブロマイドです。

ちおちゃんの通学路2巻 ブロマイド

今回も5本のエピソードを収録。
まずは、ちおちゃんのゲス仲間である真奈菜(まなな)と、クラスでも目立つグループに属している(ひかし、ちおちゃんと一緒に登校したこともある)細川さんの3人が一緒に登校することになる「バンプ・オブ・スレイブ」

ちおちゃんの通学路2巻1
 (川崎直孝『ちおちゃんの通学路 2』、KADOKAWA、2015、p. 9)

次に、ちおちゃんがネットゲームのことを(誤解を招くように)話して自分のことを裏社会の人間だと信じさせた暴走族の青年と再会する「ブラッディ・バタフライ・エフェクト2」、何を間違ったがカバディ部の部長にカバディについて講じられた上に勝負まですることになる「カバディック・フォー」、そしてポイ捨てのタバコを拾ってしまった「スモーク・オン・ザ・セーラー」

ちおちゃんの通学路2巻3
 (同書、p. 101)

そして最後に、新聞配達を手伝うことになってしまう「桜の花を手にとって」です。

ちおちゃんはこう見えてソフトテニス部ということで体育会系……というだけでなく、その範囲を超えてやたらと運動神経は良く、時にゲームに倣って練習した技などを駆使してやたらと迫力在るアクションを展開します。
それが伏線として思いがけず活きてくる展開は本当に予測不能。

ゲームのようなカッコいい設定を考えてそう思い込むことで本気になる「ゲーム脳発動!!」など、「ゲーム脳」や「ゆとり教育」といったレッテルとして使われがちなフレーズを曲解して逆手に取るセンスも堪りません。

ちおちゃんの通学路2巻2
 (同書、p. 80)

ちおちゃんの通学路2巻4

ちおちゃんの通学路2巻5
 (同書、pp. 139-140)

 ―――

続いて取り上げるのは、『ナナのリテラシー』3巻です。これにて最終巻となります。

ナナのリテラシー 3 (ビームコミックス)ナナのリテラシー 3 (ビームコミックス)
(2015/03/25)
鈴木 みそ

商品詳細を見る

本作の電子書籍版は作者の個人出版で、まったく別枠なので、そちらのリンクも貼っておきましょう。

ナナのリテラシー3ナナのリテラシー3
(2015/03/21)
鈴木みそ

商品詳細を見る

 (前巻の記事

前巻はゲームの話でしたが、今回はまた漫画に戻ってきます。
電子書籍で成功した鈴木みそ吉に、さらなる可能性として他の漫画家の作品をも個人出版で出すことを勧めるコンサルタント仁五郎。
上手く行けば出版社経由より利益は大きい。ただし、訴訟リスクをも抱えることになりますが……

他方で、コンサルティング事務所の次なる依頼人として売れっ子少女漫画家・葵ヨーコが登場。
問題は漫画の表現規制に移ります。
ハードなエロ漫画と「少女漫画としては過激」な作品と――「一緒にするな」と作者は言い、興味のない世間は一緒に見てしまう。理屈はあれど、世間は感情で回っていることを考えて取り持つのがコンサルタントの務め。

そもそも漫画はなぜ規制されるのか、その背景とは――

ルポ漫画として色々な業界を回って続けるのかと思いきや早期終了でしたが、あとがきによるとやはり打ち切りとのこと。
ただ電子書籍の数字は割と良いそうですが……
本作の場合、電子書籍は作者のキンドル・ダイレクト・パブリッシングなので、出版社にとって問題となるのは紙の本の売り上げだけであり、両者は競合した可能性もあります。
「電子書籍での成功」から始まった本作自身にとって、電子書籍はいかなる影響を与えたのか――これは慎重な検討が必要な問題かも知れません。

マンガはなぜ規制されるのか - 「有害」をめぐる半世紀の攻防 (平凡社新書)マンガはなぜ規制されるのか - 「有害」をめぐる半世紀の攻防 (平凡社新書)
(2010/11/16)
長岡 義幸

商品詳細を見る


 ―――

そして最後に、先日取り上げた『黒き川』とセットとなるしりあがり寿氏の作品2冊です。

ノアの阿呆舟 (ビームコミックス)ノアの阿呆舟 (ビームコミックス)
(2015/03/25)
しりあがり寿

商品詳細を見る

アレキサンダー遠征 (ビームコミックス)アレキサンダー遠征 (ビームコミックス)
(2015/03/25)
しりあがり寿

商品詳細を見る

『黒き川』を含めたこの3冊は独立して読むことができ、全てが合流する完結編『もうひとつの…』(仮題)は今春刊行予定とのことです。

ちなみに、3冊とも背表紙を見ると、作品タイトルの他に塗り潰されて消されているタイトルが3つずつあることに気付きます。

三部作背表紙

どうやらその内の2つは『黒き川』『ノアの阿呆舟』『アレキサンダー遠征』の内見えている当該作品タイトルを除いた2つのようです。
残る一つは完結編のタイトルか……

『ノアの阿呆舟』は、マッドサイエンティスト(多分)のノアが地球に見切りを付け、自分と攫ってきた青年文太と動物たちを乗せたロケットで地球を脱出する話。
連載開始時期が2010年なので、元々3.11とは無縁で、そもそも当初は完全にギャグでした。
ノアのやっていること自体も、乗っている「動物」が遺伝子改造で作られた獣人のようなものであるのも、そして乗員に熟女の魂を持つ「野生のiPad」がいて子供もダウンロードできるとか言っていたのも……

ノアの阿呆舟1

ノアの阿呆舟2
 (しりあがり寿『ノアの阿呆舟』、KADOKAWA、2015、pp. 16-17)

他方で、『アレキサンダー遠征』は3.11後に描かれ、当時の時事ネタと不安な世相をダイレクトに反映した作品になっています。
そんな3.11後の東京に住む若いカップルの物語……のはずが、天への階段が現れたり宙に浮いた巨大な岩が現れたりと、全てがシュールです。

アレキサンダー遠征3
 (しりあがり寿『アレキサンダー遠征』、KADOKAWA、2015、p. 8)

アレキサンダー遠征1
 (同書、p. 23)

アレキサンダー遠征2
 (同書、p. 54)

これは空気を反映した一種の象徴的形象……だったのかも知れませんが、話が進むほどにどんどん夢と現実の境が曖昧になっていきます。何度も夢から飛び起きるシーンはあれど、目覚めた先も超現実の世界なのです。

やがて二人は夢の中で「本当の故郷」に旅立ち(「あんなのボクの町じゃない」)、それでも飽きたらず、アレキサンダーとなって大軍を率いて遠征に出てしまいます。

アレキサンダー遠征4
 (同書、p. 121)

アレキサンダー遠征5

アレキサンダー遠征6

アレキサンダー遠征7
 (同書、pp. 162-164)

夢の中で遠征に出た男は現実でも消えてしまい、お腹の子と共に残された女は、皆が消えていく街で立て看板の「理想の両親」を用意して子育てをしようとする……

こう説明しても何が何だかさっぱり分からないと思いますが、本当にそういう内容なのです。
この夢と現実が渾然一体となる驚異の感覚は、まさしく『真夜中の弥次さん喜多さん』のしりあがり寿です。
ただ一つ明らかなのは、この「遠征」がまさに究極の現実逃避である、ということでしょう。

なお、筋にはほとんど関係のない別キャラによるショートギャグも一緒に収録されていますが、妄想ということである意味上手く収まっているのではないでしょうか。


ちなみに2冊を併せて読むと、『阿呆舟』のノアがどう見ても『遠征』のアリストテレスと同一人物であったり、『遠征』ではアレキサンダーが人間以外のあらゆる相手と交わろうとしている(『阿呆舟』の獣人たちはその獣姦の結果とも取れる)といったポイントもあります。
一方ではマッドサイエンティストが遺伝子をいじった作品が、他方では狂気の獣姦の産物になる……ここでも同じものが違う意味付けを持つ、まさに夢と現実のような重なり合いがあります。

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プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

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