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2015年3月の読書メーター

先月の読書メーターまとめです。
44冊10470ページでした。と言っても、半分以上の23冊は漫画ですが。漫画の新巻発売でチェックしているものが多かった結果でしょうか。

読書メーター2015年3月

正直なところ、先月はずっと寝て過ごしていたような気がしています。先々週~先週辺りからようやく休養が足りたとでも言うのか、少しずつ調子が上がってきましたが、そうなると学術書を読むモードになるので、かえって合間に簡単に読める漫画以外のペースは落ちたりします。

以下は抜粋です。


【ライトノベル】

クインテット・ファンタズム (2) 疾風の銀狼 (富士見ファンタジア文庫)クインテット・ファンタズム (2) 疾風の銀狼 (富士見ファンタジア文庫)
(2015/01/20)
東出 祐一郎

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 (前巻の記事

強化合宿にて、自己犠牲的な意味方を仕込まれたがゆえのイミナの弱点。そしてスポンサー契約を賭けて、女性陣のみ3対3で対決――。これにて打ち切り完結、戦いは始まったばかりにして戌意の姉のこと等も(正体は少し示唆されたものの)ほぼ手つかず。一挙に無理にまとめようとしなかったのはむしろ正解だろうか。今回の一つのテーマは敵側、過酷な競争を強いられた喜狼院姉妹。彼女達の事情が語られるのは終盤に割と駆け足気味だがこれは作者の味というべきか。色々厳しめの評価もしてきたが話としては楽しみな面も多かっただけに残念。


どこにでもあるにはありますが、とりわけ2巻打ち切りが多いのは最近の富士見ファンタジア文庫の傾向ですね。
1巻切りが多いならば、作者もそれを考えて1巻完結でも行ける形にしてくることが多く、3巻ならまだ話を畳む余裕も多少はあるのですが、2巻はきわめて中途半端になりがちなように思われます。


吸血姫は薔薇色の夢をみる 4 ラグナロク・ワールド吸血姫は薔薇色の夢をみる 4 ラグナロク・ワールド
(2015/02/28)
佐崎 一路

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 (本シリーズについての記事

いよいよ「蒼神」と対決、明かされるこの世界創造と転生の秘密。ラスボスは能力的には圧倒的チートで、どう対抗するのかという点では確かに魅せたが、人物的には小物の印象は変わらず。個性豊かな従魔達は今一つ活躍しなかった。使いこなせなかったのか、その辺にあまり興味がないのか。運命とか「大いなる意思」とかの設定も正体不明のまま便利に使っている感があってちょっとどうかと。ただ、見せられた運命の変わったところと変わらぬところの活かし方はそれなりに良かったし、ハッピーエンドの雰囲気も悪くない。次作はどうしようかな……。


「(転生前の)元の世界での自分」と、「この世界に緋雪として生まれ変わった自分」の間で選択を迫られる……というのは王道で、「この世界の人たちが好きだから」と、「あり得た過去」に執着するより今の生を受け入れる、という展開は悪くないのですが、主人公が「女の転生した自分」に馴染みすぎていてTS物としての物足りなさでしょうか。ジョーイが緋雪のそうした事情を知っても動じないのは分かるとして……

なお、同作者の『リビティウム皇国のブタクサ姫』は同じイラストレーターとのコンビで今年夏刊行予定のようです。
やはり「小説家になろう」作品で、Web版はこちら


天命の書板 不死の契約者 (一迅社文庫)天命の書板 不死の契約者 (一迅社文庫)
(2015/02/20)
佐伯 庸介

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万物の命運を書き記した「天命の書板」が発見され、世界に飛び散って三十年。書板研究のために設立された学校「霧の学舎」に入学した八坂韻之介は、入学早々事件に巻き込まれ、命を助けられる代わりに大地母神ティアの書板と契約することになる。メソポタミア神話を題材に、用語にシュメール語も取り込んだ設定が特色。ストーリーもバトルもまずまずの出来。ただ『人間失格』よろしき主人公の悩みを初めとして、キャラの心理描写は弱め。神々まで含め周辺キャラの話も一つ一つが物足りない。眼鏡優等生幼馴染みの朱馬の立ち位置とかいい線なんだが。


一迅社文庫の2月発売作品だったのが気が付けば1ヶ月遅れてしまいましたが……
メソポタミア神話というのはこの分野では比較的珍しい題材だと思われます。作中用語も「天命の書版(ディンギル・レコード)とシュメール語を使用するなどなかなkのこだわり(「ディンギル」はシュメール語で「神」)。
ヒロインのティアは古き神話の大地母神という並外れた年長者だけに年寄りめいた口調ですが、力を失って幼女の姿になっている、いわゆるスラングで言うところの「ロリババア」です。
幼馴染みの朱馬は眼鏡の優等生。
こうした一連の設定とキャラは売りになりますね。問題は多くのキャラについて背景が描かれる割に、その一つ一つが物足りないことでしょうか。

なお、作者は10年ぶりに小説を出版したという人物。10年前の作品とはこちら↓でしょうか。それ以上はよく分かりません。

ストレンジ・ロジック―鬼の見る夢 (電撃文庫)ストレンジ・ロジック―鬼の見る夢 (電撃文庫)
(2004/09)
佐伯 庸介

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プリンセス・プリズン! (一迅社文庫)プリンセス・プリズン! (一迅社文庫)
(2015/03/20)
不動 准

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異世界で無実の罪により投獄された加門祝太。だが彼の収監先は各国の姫君専用の刑務所で、そこで看守長を務めることを命じられる。囚われの姫願望を拗らせたドMのエルフの姫、力不足の魔族の姫、そして監獄へ逃げてきた姫…と揃えたハーレムラブコメに終盤のアクションとまずまずの出来。ヒロイン各自にそれなりの活躍が用意されているのも手堅い感じ。ただ囚人ながら看守、しかし実態は他の囚人の使用人という多重に逆説的な設定が活きているかは微妙かな。後、主人公が仕事で活躍を始めるのが遅め。続けるならもう一押しが欲しいところか。


こちらは3月の一迅社文庫新刊作品。
その襲撃がフランス革命の口火を切ったことで知られるバスティーユ牢獄は、貴族たちを収監する施設で囚人たちは贅沢な生活をしていた――という逸話をモデルに、ファンタジー世界でのそんな刑務所を舞台にした話。
その刑務所はワガママな囚人たちの要望に応える看守の方が大変で、ブラックな労働環境に耐えかねて皆辞めてしまい、(姫君ではない平民の)囚人に看守長をやらせることになった……という設定です。

刑務所なのに囚人が贅沢に暮らす場であり、主人公は囚人なのに看守長で、それでいて他の囚人たちに仕えねばならない、という二重三重に捩れた状況が売りですが、それゆえに刑務所ならではという要素が効いてくる場面は少なかった気もします。


【漫画】

だがしかし 2 (少年サンデーコミックス)だがしかし 2 (少年サンデーコミックス)
(2015/03/18)
コトヤマ

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 (前巻に触れている記事

毎回特定の駄菓子を一つ取り上げていくスタイルは相変わらず(駄菓子屋の商品ということでけん玉の回もあったが)。時にはねるねるねるねの色が変わる原理とか豆知識を開陳し、時にはキャベツ太郎の「太郎」という名前やマスコットキャラの意味等について妄想を展開し、あるいは駄菓子の定義を問い…と自在。ヒロインのほたるが全然登場しない回は少なく構成の大胆さはやや控え目か? しかしほたるの異様にハイテンションな暴走ぶりとセクシーさはますます健在。出番はたまだがレトロな遊びに長けたサヤもいい働きをしてる。


私は出てくる駄菓子の大半を知らないので、懐かしさを感じるわけではありませんが……


【学術書】

ゴーレムの生命論 (平凡社新書)ゴーレムの生命論 (平凡社新書)
(2010/10/16)
金森 修

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第一部ではユダヤ教の人工生命ゴーレムの伝説と近代におけるその発展を紹介、第二部ではゴーレムに通じ、また比較されうるものとして近代文学や映画から怪物と自動人形を取り上げ、第三部では用途のために生み出され用が済めば土に返される人工生命の問題一般に繋げる。人間未満のものであり、人間の怪物の中間とも言えるゴーレム。話題の広がりは面白いが物足りなさもある。著者がユダヤ教の専門家ではないので、そこに深入りしているわけではなのだが、簡素な紹介としては第一部が良かったかな。日本で研究の多い分野ではないし。


著者はフランス・エピステモロジーの専門家。
著者初の(専門書ではなく)新書という一般向けの媒体で出すものが専門外の「ゴーレム」というのは、結構な冒険だったようにも思えますが…・・
私の感想は、個人的に最近ユダヤ教研究に興味を持っているせいもありますが……


Noms propresNoms propres
()
不明

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エマニュエル・レヴィナス『固有名』。13人の哲学者・文学者・思想家について論じたエッセイ集。中にはレヴィナス哲学の内でも位置付けの難しいものもあり、また言及されている思想家についての妥当性を問い始めると大変だが、レヴィナスの後期思想を凝縮したコンパクトな一冊でもある。扱う相手が相手だけに、「詩」について語っているものが多いのが割と印象に残る。文章的には後期レヴィナス特有の文法的に尻切れトンボな文章が多いので慣れないと馴染みにくいが…。


日本のAMAZONだと著者名すらないので困りますが……
本書についてはアグノン論が収録されているということでも触れました(「ヘブライ語読書会の成果」)。
邦訳は下記。

固有名固有名
(1994/02)
エマニュエル レヴィナス

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以下は読んだ本の詳細です。


2015年3月の読書メーター
読んだ本の数:44冊
読んだページ数:10470ページ
ナイス数:722ナイス

百器徒然袋 鳴釜   薔薇十字探偵の憂鬱   (怪COMIC)百器徒然袋 鳴釜   薔薇十字探偵の憂鬱   (怪COMIC)感想
この巻だけ実家で埋もれて行方不明になっていたのを発掘したので再読。姪の早苗が輪姦され自殺を図った件で、主人公が勧められたのは探偵への依頼……超絶探偵・榎木津礼二郎の痛快な活躍を描く百器徒然袋シリーズ第一弾。今回のモチーフは釜――鳴釜の神事からオカマまで。犯人は最初から分かっていて、見所は「悪い奴をやっつける」ことにあり、それでいて展開は先が読めず(探偵が最大の謎)、最後に明かされる意外な真相もあり。事件自体は軽くないが話はコミカルで、締めも暖か。拝み屋・京極堂も悪ノリ気味な絡み方もまた楽しい。
読了日:3月1日 著者:志水アキ
天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex)感想
今回はコーラに毒が入っていたと主張するトラック運転手、吸血鬼の出る病院、そして病室に出る天使と容態が急変した少年達の三件。レアな症例と人為による事件とがバランス良く織り交ぜられており、いずれも謎解きとしてもまずまずの読み応えで良かった。医療物としては事件よりも問題ありの病院の方が微妙にありそうで怖いが…。終盤は鷹央自身の医師としての生き方に関わる話。知識は優れていても…という彼女の人間的な弱さを描き、死という題材も病院では不可避の物として上手く嵌め込んで魅せてくれる。続きも楽しみ。
読了日:3月3日 著者:知念実希人
暗殺教室 13 (ジャンプコミックス)暗殺教室 13 (ジャンプコミックス)感想
いよいよ「死神」と決着。そして卒業を前にした進路相談にて、自らの「才能」に直面する渚。彼の過程の事情が描かれる…。かくて死神の事例を踏まえて「才能をどう活かすか」という問題に向き合わせるこの流れ、見事としか言いようがない。自分の果たせなかったことを託して子供を縛る親、根本的な子への愛情とは何なのか――作者お得意の豹変描写もカリカチュア的なところは控え目なのが、現実的な怖さを感じさせるポイント。そして最後は学園祭に突入。再びA組との対決で、学園生活の一つの集大成なるか――
読了日:3月4日 著者:松井優征
クインテット・ファンタズム (2) 疾風の銀狼 (富士見ファンタジア文庫)クインテット・ファンタズム (2) 疾風の銀狼 (富士見ファンタジア文庫)感想
強化合宿にて、自己犠牲的な意味方を仕込まれたがゆえのイミナの弱点。そしてスポンサー契約を賭けて、女性陣のみ3対3で対決――。これにて打ち切り完結、戦いは始まったばかりにして戌意の姉のこと等も(正体は少し示唆されたものの)ほぼ手つかず。一挙に無理にまとめようとしなかったのはむしろ正解だろうか。今回の一つのテーマは敵側、過酷な競争を強いられた喜狼院姉妹。彼女達の事情が語られるのは終盤に割と駆け足気味だがこれは作者の味というべきか。色々厳しめの評価もしてきたが話としては楽しみな面も多かっただけに残念。
読了日:3月5日 著者:東出祐一郎
φの方石 ―白幽堂魔石奇譚― (メディアワークス文庫)φの方石 ―白幽堂魔石奇譚― (メディアワークス文庫)感想
立方体の石から衣服に変化し、様々な特殊効果をも発揮する工芸品「方石」…その修繕工房を営む白堂瑛介の許に、方石職人養成の教院に入学した少女・黒須宵呼がインターンステイしてくる。二人と「魔石」を巡る因縁…。主人公が毒舌イケメンで宵呼から見たパートも多い辺りは最近のMW文庫らしい女性向け、ただ筋は異能バトルありの現代ファンタジー。この塩梅を半端と見るか、独自の味と見るか次第かな。「方石」は架空のものなので、専門職モノからも外れるし。ストーリー構成は確かな手腕で驚きを与えてくれるので、そこは高評価。
読了日:3月7日 著者:新田周右
初回限定版 魔法使いの嫁 3 (BLADE COMICS)初回限定版 魔法使いの嫁 3 (BLADE COMICS)感想
黒妖犬編終幕。使い魔も得て、魔法使いとしては着実にステップアップしている模様のチセ。後半では杖作りも。成長のドラゴンの再登場とかは良かった。他方で、多くを語らず謎の多いままのエリアスの許で、必要とされることに依存している生活を疑問視する向きも…。他の人外の人間の事例も描かれて、共存のあり方については色々と問いかけてくる。ただ一例とは言え、「学校に行く=社会に向けて開かれる」という単純な図式にはなってほしくないが…。最後はリンデルの話の途中で引きとなったが、彼からエリアスのことを聞いて転機となるか…?
読了日:3月10日 著者:ヤマザキコレ
魔法少女・オブ・ジ・エンド 8 (少年チャンピオン・コミックス)魔法少女・オブ・ジ・エンド 8 (少年チャンピオン・コミックス)感想
「混FUSION」による魔法少女亜種との合体、新たに改変前の記憶を取り戻したメンバー、そして未来行き……というところでついに黒幕・姫路が牙を剝く。帯に「Season1 完結。」とあったが、実態はこのままだとバッドエンドの引き。いわゆるクリフハンガー方式。それにしても、今回も(良きにつけ悪しきにつけ)活躍して、登場前の事情を描いた番外編も収録されて、芥は本当に圧倒の存在感ですな。
読了日:3月10日 著者:佐藤健太郎
吸血姫は薔薇色の夢をみる 4 ラグナロク・ワールド吸血姫は薔薇色の夢をみる 4 ラグナロク・ワールド感想
いよいよ「蒼神」と対決、明かされるこの世界創造と転生の秘密。ラスボスは能力的には圧倒的チートで、どう対抗するのかという点では確かに魅せたが、人物的には小物の印象は変わらず。個性豊かな従魔達は今一つ活躍しなかった。使いこなせなかったのか、その辺にあまり興味がないのか。運命とか「大いなる意思」とかの設定も正体不明のまま便利に使っている感があってちょっとどうかと。ただ、見せられた運命の変わったところと変わらぬところの活かし方はそれなりに良かったし、ハッピーエンドの雰囲気も悪くない。次作はどうしようかな……。
読了日:3月10日 著者:佐崎一路
魔法少女サイト 3 (少年チャンピオン・コミックス)魔法少女サイト 3 (少年チャンピオン・コミックス)感想
ついに魔法少女となった雫芽さりなの襲撃。しかも彼女は虹海にも接触していて…彩と露乃は生命の危機、彩の兄と虹海の接触まであって、最後にはもう一つの魔法少女サイト登場。入り組んだ関係でどこへ向かっているのか…。どう転ぼうとブレず反省しない下衆の描写はある種清々しいが、終盤のさりな退場(?)の辺りはかなり雑さを感じる。黒幕も工夫がないと言うか…。驚くどころじゃないのは、そもそもあまり真面目に考える気になる作品ではないからかも知れない。
読了日:3月11日 著者:佐藤健太郎
Vermillion 朱き強弓のエトランジェ (このライトノベルがすごい! 文庫)Vermillion 朱き強弓のエトランジェ (このライトノベルがすごい! 文庫)感想
並外れてリアル志向のVRMMO「DEMONDAL」のプレイ中、ケイとアンドレイはゲームそっくりの異世界に飛ばされる。アンドレイの方は本来の性別のアンリーンとして…。現実的なスキルによる戦いとその血腥さ、ポーションで傷を治す際の痛み、生活感等の迫真性ある描写は硬派で地に足の着いた世界観をよく伝える。他方で元のゲームがリアルが売りだっただけに、ゲームとそれによく似た世界の差異を扱う意義を改めて考えてしまうのだが…二人とも「元の世界では失っていた肉体」を得ているところがポイントになってくるのだろうか。
読了日:3月12日 著者:只野新人
名簿の時間 暗殺教室 公式キャラクターブック (ジャンプコミックス)名簿の時間 暗殺教室 公式キャラクターブック (ジャンプコミックス)感想
今までのカラーイラスト収録に実写映画の紹介、E組全員及びその他主要キャラのデータベース、今までのストーリー要所を振り返るまとめ、そして作者と映画役者・監督、それにアニメ声優との対談等。各キャラの裏設定にそこまで意外なものはなかったのは、今まで描かれてきたことの積み重ね故か。そんな中で注目は岡野―前原の関係とにせ律の本名かな。巻末のルポ漫画2本(荒木飛呂彦のイタリアンを食べるとウーパールーパーを食べる)は作者の真面目さがよく伝わる。これが作品の礎か、と納得。ファンブックとしては充実の一冊。
読了日:3月13日 著者:松井優征
黒き川 (ビームコミックス)黒き川 (ビームコミックス)感想
父を追って黒き川を渡り、七つの滞在の悪魔の試練を乗り越えて旅をする少年、アレキサンダーの息子。他方で砂漠で色々な女性と巡り会うも結局一人のハミチンのオヤジ。紙質を変えることで二つのパートを区別する凝った仕様も、やがてこれらは思いがけない形で合流する…。連載時にはもっと色々な話が混じっていたものを再編して単行本化第一弾。怠惰の悪魔ベルフェゴールが引きこもりで窓を開けると四門出遊というセンスが素晴らしい。連載開始は2010年だが、単行本化に当たり3.11をプロローグとして組み込んだのも、何だかよく合っている。
読了日:3月13日 著者:しりあがり寿
シャルパンティエの雑貨屋さん 2 (アリアンローズ)シャルパンティエの雑貨屋さん 2 (アリアンローズ)感想
雑貨屋スタート。開村したばかりのシャルパンティエだが、パン屋、元ギルドマスターと徐々に人が揃ってくる。何より、ジネットの妹で薬草師のアレットがやって来る。終盤には雪に閉ざされた村で病人が出て薬がない…といった展開もあったが、山場としては控え目、メインはあくまで村作り。仲間集めが本筋の作品という感じか。新メンバーの扱いが意外に小さくてやや物足りないが、人や店の品揃えが充実してくる様はやはり高揚感がある。アレット視点の外伝も2本あり、姉妹がお互いを羨む姿やジネットがユリウスが甘えてることが分かって微笑ましい。
読了日:3月13日 著者:大橋和代
ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)感想
就職して半年足らず、過酷な労働環境に気力をなくし死のうとしていた青山隆は、「ヤマモト」と名乗る男に助けられ、交流するようになる。彼のアドバイスで訪れる仕事の変化、そこで襲うトラブル…。労働時間等の過酷さ(これも違法だが)よりも足の引っ張り合い、過度に起こってばかりの上司等のロクでもなさと、それでも会社に執着して追い詰められる主人公の心理が印象的。狭い範囲で争うのが本当の「社会の厳しさ」か、死ぬは易くて辞めるは難いか…全てに答えは出ないが、それも主人公の悩みと決断にストレートに光を当てた形で良かったかと。
読了日:3月14日 著者:北川恵海
スクールライブ・オンライン (このライトノベルがすごい! 文庫)スクールライブ・オンライン (このライトノベルがすごい! 文庫)感想
学内独自のオンラインゲーム「3R」が教育の一環として採用され、ステータスが学業と連動するシステムの栄臨学園にて、新藤零央は成績としての経験値稼ぎに意義を見出せず、落ちこぼれに甘んじていた。しかしアップデートにより彼の積み重ねてきた、今まで無意味だったものが評価されるようになり…。価値転換による劣等生の躍進、しかし劣等生だっただけに自信のない零央が決起する過程、精鋭の仲間(ヒロイン)集めと王道を押さえており一気に読めた。伏線が見え見えば分主人公の鈍さが際立ち驚きには欠けるが、今後の盛り上がりに期待しよう。
読了日:3月15日 著者:木野裕喜
事件記者トトコ! 3巻 (ビームコミックス)事件記者トトコ! 3巻 (ビームコミックス)感想
今回は上野公園の蘇る死体取材でライバル誌の記者・葛城登場、桃園デスクの私的交友関係を追う、黒豹怪人が強盗を働き猛獣カフェのアダムに容疑(前中後編)、それにトトコ歯医者に行くの巻。相変わらず東京にいい加減な悪の組織とか謎の巨大生物とかが横行する世界観が楽しい。エバもトトコと並んで暴走気味だがやっぱりこういう子を可愛く描くね。デスクがトトコを可愛がる理由もよく分かった――と言うか、何だかんだでトトコは活躍してはいるのか。エダシクは入野と並ぶ苦労人枠か。そして新たな怪盗・黒豹仮面が誕生してしまった…のか?
読了日:3月15日 著者:丸山薫
Vermillion 朱き強弓のエトランジェ 2 (このライトノベルがすごい!文庫)Vermillion 朱き強弓のエトランジェ 2 (このライトノベルがすごい!文庫)感想
サティナの街にやって来たケイとアイリーン。そこで手紙の届け先、工房を経営するモンタンの一家と交流するが、モンタンの娘リリーが攫われ…。前巻ではほとんど助けられる役だけだったアイリーンが活躍。警戒心が強く非情なケイと違って人情派で前向きな彼女の活躍のお陰か、締めも明るくハッピーエンド。ケイにも影響か。しかし他方、最後に前巻から引っ張ってきた敵の実態が明らかに、一気に話のスケールが大きくなりそう。設定的にはやはり、異世界召喚と転生の間くらいで、「元の世界に帰る」ことが問題になるかは微妙というバランスが味噌か。
読了日:3月16日 著者:只野新人
ゲゲゲの鬼太郎 (4) (ちくま文庫)ゲゲゲの鬼太郎 (4) (ちくま文庫)感想
八百八狸が蛟龍と大ナマズを率いて日本を征服する長編「妖怪獣」を収録の巻。活躍した鬼太郎に対し冷たい世間というオチが皮肉で悲しい。初出一覧がないのがネックだが内容だけ見ても時期の違いが感じられるものも。時には伝承に則り、時には科学者が実験で妖怪に変異したとか自在な設定を付ける感覚がお見事。そして最後の「朝鮮魔法」、ぬっぺらぼうと始皇帝が求めた不老不死の薬を結び付けるネタが、後に京極夏彦の『塗仏の宴』にまで受け継がれていることに驚き。
読了日:3月17日 著者:水木しげる
UQ HOLDER!(6) (講談社コミックス)UQ HOLDER!(6) (講談社コミックス)感想
80年に渡る学園の暗部を背負って荒れる怨霊・小夜子。前巻の怪談から今回は一転ゾンビパニックに。本当に世界の危機というところまで追い込んでおいて、スピーディかつ過不足なく綺麗に収束させるのは見事。今回の主役は完全に三太。彼が自分と彼女に向き合うまでは王道ながら良かった。平和でクズな方が「世界が終わってカッコいいよりはずっと」いいの一言が印象的。そして最後でまさかの龍宮…次なる『ネギま!』レギュラーの登場で、前作から引き継いだ流れにも新たな動きか。期待しよう。
読了日:3月18日 著者:赤松健
豆腐小僧双六道中おやすみ本朝妖怪盛衰録 (怪books)豆腐小僧双六道中おやすみ本朝妖怪盛衰録 (怪books)感想
あくまで非存在の概念である妖怪が主役の豆腐小僧シリーズ第二弾。江戸から甲州に出てきた豆腐小僧、詐欺師・悪党達の武田の埋蔵金を巡る争いに巻き込まれる。人間側のドラマは取り違えで成立して結果的に綺麗に収まる喜劇の王道、影響力のない概念である妖怪達がどう繋がるのかと合わせて安心の完成度。妖怪に関しては新しい妖怪との出会いは少なめ、しかも中盤で小僧が消えてしまうとは。ただ豆腐小僧についての新見解、誰にも感得されないで彼らが自在に動いている理由等の考察は納得の出来。でも八百八狸の話とその考察が一番興味深かったかも。
読了日:3月18日 著者:京極夏彦
人生 第10章 (ガガガ文庫)人生 第10章 (ガガガ文庫)感想
何を間違ったか生徒会長の香織に告白される赤松。第二新聞部の命運も懸かってくる中で、梨乃が留学予定だということが語られ…これにて最終巻。騒動が終了した後から話を始めて顛末を回想で語る仕様も取り入れているが、相談の途中に別の相談が入ったりと妙に複雑化して、有効に機能しているかは微妙かな。相談過程でのあらぬ方向への暴走も控え目でギャグとしては大人しくなった感じ。ただ、最後に相談員達の相談を受けるというのは悪くなかった。各キャラの持ち味も出ていたし。ラブコメ的にもこの二人らしい着地点で、適当な締め所だったかなお。
読了日:3月19日 著者:川岸殴魚
天命の書板 不死の契約者 (一迅社文庫)天命の書板 不死の契約者 (一迅社文庫)感想
万物の命運を書き記した「天命の書板」が発見され、世界に飛び散って三十年。書板研究のために設立された学校「霧の学舎」に入学した八坂韻之介は、入学早々事件に巻き込まれ、命を助けられる代わりに大地母神ティアの書板と契約することになる。メソポタミア神話を題材に、用語にシュメール語も取り込んだ設定が特色。ストーリーもバトルもまずまずの出来。ただ『人間失格』よろしき主人公の悩みを初めとして、キャラの心理描写は弱め。神々まで含め周辺キャラの話も一つ一つが物足りない。眼鏡優等生幼馴染みの朱馬の立ち位置とかいい線なんだが。
読了日:3月20日 著者:佐伯庸介
プリンセス・プリズン! (一迅社文庫)プリンセス・プリズン! (一迅社文庫)感想
異世界で無実の罪により投獄された加門祝太。だが彼の収監先は各国の姫君専用の刑務所で、そこで看守長を務めることを命じられる。囚われの姫願望を拗らせたドMのエルフの姫、力不足の魔族の姫、そして監獄へ逃げてきた姫…と揃えたハーレムラブコメに終盤のアクションとまずまずの出来。ヒロイン各自にそれなりの活躍が用意されているのも手堅い感じ。ただ囚人ながら看守、しかし実態は他の囚人の使用人という多重に逆説的な設定が活きているかは微妙かな。後、主人公が仕事で活躍を始めるのが遅め。続けるならもう一押しが欲しいところか。
読了日:3月21日 著者:不動准
Corps, cerveau et esprit chez Bergson : le spiritualisme minimaliste de Matière à mémoireCorps, cerveau et esprit chez Bergson : le spiritualisme minimaliste de Matière à mémoire感想
ベルクソン『物質と記憶』の、主として3章までについての注釈書。現代の脳神経科学から批判される、あるいはそれ以上に無視されているこの著作の、そうした批判を逃れて揺るがぬ形而上学的意義、それに議論が確かな説得力を持つ部分。90ページの小著(しかも1/3は補遺)なのであまり深入りした議論や独自の解釈は少なめだが、現代の脳神経科学との関わりを論じた貴重な『物質と記憶』論としてはまずまずのもの。
読了日:3月22日 著者:AlainPanero
俺と巫女たちの方陣輪舞 (一迅社文庫)俺と巫女たちの方陣輪舞 (一迅社文庫)感想
水の精霊術に目覚めたリューズは、本来は女子校のトロッケン精霊学院に入学する。学校では先輩となる元気な妹のルビィ(火)、不真面目で自己顕示欲の強い天才のシェイラ(風)、そして真面目なマニュアル人間のティータ(土)といったメンバーとの学院生活。リューズとの出会いは、能力は高くとも問題の多かったシェーラとティータにも影響を与え…。ヒロイン達に加え、割と目締めで冷静な主人公も好人物で、安定して楽しめる。ただ全てが常識内で盛り上げは弱い。四属性の調和を主題とした作品とは言え、調和して丸く纏まり過ぎているような。
読了日:3月23日 著者:浜倉修
魔弾の王と戦姫 7 (MFコミックス フラッパーシリーズ)魔弾の王と戦姫 7 (MFコミックス フラッパーシリーズ)感想
二千の軍でムオジネル軍二万を退けたティグル達。しかし相手はまだ先遣隊に過ぎなかった。絶体絶命のところに現れた救援は…。他方でエレンはエリザヴェータと対決する。というわけで、話は原作4巻の中盤~後半。ムオジネル軍との決着とレギンの正体については次巻。アクションシーンはややあっさり目だがこれも原作の展開に沿った結果という感じだろうか。赤髭クレイシュは原作の記述より強面寄りな印象だが流石の存在感。「戦姫とやらがもし美しければ~」の台詞がないのが残念か。相変わらず巻末おまけで原作エピソードを拾ってるのも良かった。
読了日:3月23日 著者:柳井伸彦,川口士
ちおちゃんの通学路 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ちおちゃんの通学路 2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)感想
徹底して通学風景のみを描く狭さが武器のギャグ漫画。ちおちゃんのゲス仲間・真奈菜と目立つグループに属する細川さんと三人が合流した日・間違ってちおちゃんにのされ暴走族を辞めることになった青年との再会・何を間違ったかカバディ部部長にカバディをやらされる・ポイ捨ての煙草を拾った日・仕事は楽しいか? 新聞配達の手伝い…の五編。相変わらず予想不能の暴走具合と、妙に運動神経のいいちおちゃんが繰り広げる過度に派手なアクションに大笑い。周りに割といい人が多いだけに、なおさら内輪で自分を追い込んで暴走している感じが際立つ。
読了日:3月23日 著者:川崎直孝
武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行 (3) (富士見ファンタジア文庫)武に身を捧げて百と余年。エルフでやり直す武者修行 (3) (富士見ファンタジア文庫)感想
都市アルファレイアに戻る途中で商人カドマスと出会ったスラヴァ達。新ヒロインとしてカドマスの娘レティスも登場。そして再登場のセリア。夢に向かってステップアップ、劇団で主演を任せられるに至った彼女だが、晴れの日たる公演当日に騒動が…そこで前世のライバルと再会するスラヴァ。相変わらず熱く、女性陣との関係は微笑ましくて良い。再登場のキャラ達話もに絡んで話を重ねた甲斐を感じさせる楽しさ。ただ仲間キャラの活躍は足りない。後、アクションドラマなら劇場に着いてから敵襲、礼服のままのアクションありが定番なんだがな。
読了日:3月23日 著者:赤石赫々
魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉11 (MF文庫J)魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉11 (MF文庫J)感想
復帰したティグルは、予定より早くブリューヌに戻ることになる。そんな中でザクスタンがブリューヌに侵攻したとの知らせが入り、ティグルは再びエレンと共に迎撃に向かうことに。今回は竜技と黒弓の出番もなく戦記メイン。ついにヴァレンティナが味方として参戦、策謀家らしい活躍を見せる。彼女の実態は今一つ摑み難いが…。前半ではティグルの政治的処遇と結婚に関する話も。ラブコメ面ではオルガが衝撃の告白を放ち…やはり問題はお互いの政治的立場から来る、婚姻という社会制度上の問題であることを確認。それを揺るがす激動の時が来るのか。
読了日:3月24日 著者:川口士
アレキサンダー遠征 (ビームコミックス)アレキサンダー遠征 (ビームコミックス)感想
震災後の不安に包まれた街で暮らす若いカップル。彼らの周囲には、天への階段や空中に浮いた巨大な顔のある岩という異様な光景が出現する。やがて男は夢の中でアレキサンダーとして狂気の遠征の出発し、現実にも姿を消す。人々のいなくなる街に残された子供と共に女は…。夢と現実の間を行き来し、どこまでが現実でどこからが夢か分からない超現実漫画、『弥次喜多』のしりあがりが全開の作品。あまり関係のないショートギャグも妄想経由で組み込んだ形か。こちらは連載期間が3.11以降なので、その空気と時事ネタもダイレクトに反映されている。
読了日:3月25日 著者:しりあがり寿
ノアの阿呆舟 (ビームコミックス)ノアの阿呆舟 (ビームコミックス)感想
地球に見切りを付け脱出することを決めたマッドサイエンティストのノア。脱出ロケットに乗せられるのは攫われてきた文太少年、人間のような姿に遺伝子改造された動物たち、それに熟女の魂を持つiPad。こっちは元々かなりギャグ主体、連載時期が主に2010年までなので3.11色もなし。『アレキサンダー遠征』と同じ人物が別設定で出てくるのはまさに夢の現実のような重なりを感じさせるが…。『黒き川』も含め合流する完結編は近刊予定のようで、これで終わりじゃなかったか。この三冊はどれから読んでも可ということで。
読了日:3月25日 著者:しりあがり寿
だがしかし 2 (少年サンデーコミックス)だがしかし 2 (少年サンデーコミックス)感想
毎回特定の駄菓子を一つ取り上げていくスタイルは相変わらず(駄菓子屋の商品ということでけん玉の回もあったが)。時にはねるねるねるねの色が変わる原理とか豆知識を開陳し、時にはキャベツ太郎の「太郎」という名前やマスコットキャラの意味等について妄想を展開し、あるいは駄菓子の定義を問い…と自在。ヒロインのほたるが全然登場しない回は少なく構成の大胆さはやや控え目か? しかしほたるの異様にハイテンションな暴走ぶりとセクシーさはますます健在。出番はたまだがレトロな遊びに長けたサヤもいい働きをしてる。
読了日:3月25日 著者:コトヤマ
僕は友達が少ない 12 (MFコミックス アライブシリーズ)僕は友達が少ない 12 (MFコミックス アライブシリーズ)感想
原作7巻後半分。小鷹と星奈の本人達も知らなかった関係発覚、夜空の転落、そして小鳩のクラスでの知られざる姿…。相変わらずイメージ映像での小ネタの使い方は楽しい。反面、元々インパクトのあった天馬理事長の暴走ぶりは改めて(さらに絵的に極端になってはいるものの)漫画で見てのインパクトという点ではそこそこかな、と。しかし見所はやはり作中作の映画かな。演出の形態とそのクオリティの違いを鮮やかに伝えている。キャラの言葉遣いの変遷を押さえてるのもポイント。
読了日:3月25日 著者:いたち,平坂読
僕は友達が少ない 12 小冊子付き特装版 (MFコミックス アライブシリーズ)僕は友達が少ない 12 小冊子付き特装版 (MFコミックス アライブシリーズ)感想
こちらには付録小冊子について。原作に存在したもののコミカライズ本編でカットされた「ヤンキー侍故郷に帰る」、原作でさらっと語られていた星奈のメイド喫茶でのエピソード、原作者書き下ろしの掌編「僕は友達が少ない ハリウッド版(仮)」、それに1~3巻の店舗特典(設定画等)を収録。ヤンキー侍は絵のデフォルメの仕方も初期のノリを復活させていて、作品の必要なポイントを的確に押さえたコミカライズなのを改めて実感させてくれる。
読了日:3月25日 著者:いたち,平坂読
ナナのリテラシー 3 (ビームコミックス)ナナのリテラシー 3 (ビームコミックス)感想
話はマンガに戻り、電子書籍で成功を収めた鈴木みそ吉はさらに他人の作品の出版にも手を伸ばす…のか? 他方で、売れっ子少女漫画家の葵ヨーコが次の依頼人として登場、話は性表現規制の問題に。マンガはなぜ規制されるのか。最後はあっさりした終幕も、問題の所在を明晰に示していて良かったね。もっと色々な業界を回っていくかと思ったが、打ち切り完結…やや残念。この作品自体に関しては、電子書籍の成功はどう影響したのだろうか。
読了日:3月26日 著者:鈴木みそ
DAGASY 放課後超能力戦争 (3)完 (ガンガンコミックスONLINE)DAGASY 放課後超能力戦争 (3)完 (ガンガンコミックスONLINE)感想
連載中断していたため大分間が空いての最終巻。久し振りなせいかかなり内容を忘れていた。まあとにかく黒幕が明らかになって対決し、あみめ達は無事求める日常を手に入れての大団円。退屈した者の非日常を求める欲望と、異常性に苦しめられてきた者の日常を求める欲望と――とテーマは明晰できっちり締めたかと。ただ絵の魅せ方は微妙かな。仕掛けがある分もあるが、1話ごとに時系列が相前後しているのもちょっと混乱する点。最後までエロかたのは良しとしよう。
読了日:3月26日 著者:日日日,りすまい
ゴーレムの生命論 (平凡社新書)ゴーレムの生命論 (平凡社新書)感想
第一部ではユダヤ教の人工生命ゴーレムの伝説と近代におけるその発展を紹介、第二部ではゴーレムに通じ、また比較されうるものとして近代文学や映画から怪物と自動人形を取り上げ、第三部では用途のために生み出され用が済めば土に返される人工生命の問題一般に繋げる。人間未満のものであり、人間の怪物の中間とも言えるゴーレム。話題の広がりは面白いが物足りなさもある。著者がユダヤ教の専門家ではないので、そこに深入りしているわけではなのだが、簡素な紹介としては第一部が良かったかな。日本で研究の多い分野ではないし。
読了日:3月27日 著者:金森修
ヤマノススメ(1) (アース・スターコミックス)ヤマノススメ(1) (アース・スターコミックス)感想
雪村あおいは高校入学の日、小学校時代に将来一緒に山に登ろうと約束した幼馴染みのひなたと再会する。女子高生による登山漫画。初心者を主人公に、まずは基本的な道具と低山歩きから。実際の山に関する案内もあり、登山の導きとしてもまずまずかと。ただ、今回はテントと携帯コンロの話が結構多くて、その点では登山でテント泊と自炊をしない私の方向性とはちょっと合わず。あおいの高所恐怖症設定は必要かな…?
読了日:3月27日 著者:しろ
Noms propresNoms propres感想
エマニュエル・レヴィナス『固有名』。13人の哲学者・文学者・思想家について論じたエッセイ集。中にはレヴィナス哲学の内でも位置付けの難しいものもあり、また言及されている思想家についての妥当性を問い始めると大変だが、レヴィナスの後期思想を凝縮したコンパクトな一冊でもある。扱う相手が相手だけに、「詩」について語っているものが多いのが割と印象に残る。文章的には後期レヴィナス特有の文法的に尻切れトンボな文章が多いので慣れないと馴染みにくいが…。
読了日:3月28日 著者:EmmanuelLevinas
ヤマノススメ(2) (アース・スターコミックス)ヤマノススメ(2) (アース・スターコミックス)感想
ようやく本格登山への挑戦開始。登山ベテランのかえでと、高尾山で出会った中学生のここなもほぼレギュラーに加え、今回はジムでのクライミング、富士山を見るべく三ツ峠山登山、そして飯能河原でキャンプ。山の景色、水、温泉といった魅力に歩く際の注意点などよく描いている。舞台は関東在住者にとっての「近場」優先なのがネックだが…。
読了日:3月29日 著者:しろ
絶深海のソラリスII (MF文庫J)絶深海のソラリスII (MF文庫J)感想
1巻から作中で2年、生物兵器「アンダー」達が上陸し、人類はその脅威に晒されていた。クロエの姉シャロン・ナイトレイ少尉は、アンダーの背後にある陰謀と戦う組織「マザーグース」に勧誘される。そこで知る妹の死の真相と、孤独に戦い続けていた山城ミナトとの再会…。今回も悲劇を繰り返すのかそれとも…という魅せ方は今回も良かった。ただオチはある程度予想できた。相変わらず舞台が海中であることはあまり活きておらず、アクション面では陸上が部隊の前半の方が良かったかな。今後は人間との対決がメインになるかどうかが一つの鍵のような。
読了日:3月29日 著者:らきるち
ヤマノススメ volume 3 (アース・スターコミックス)ヤマノススメ volume 3 (アース・スターコミックス)感想
今回は富士山に挑戦、それも夜間登山で山頂からのご来光に挑む。しかし高山病による挫折……うん、宿泊無しの徹夜登山は初心者にはハードルが高かろうと思ってはいた(昼間登ると夏山は標高が高くても暑いので脱水に要注意だが……)。諦める勇気は確かに必要だが難しいところ。相変わらず登山道の様子や景観をよく伝えており、富士登山案内としても手頃なところか。
読了日:3月30日 著者:しろ
わがままちえちゃん (ビームコミックス)わがままちえちゃん (ビームコミックス)感想
中学進学したさほはちえという少女の幽霊と出会う。ちえはさほの死んだ姉らしい、と思いきや……3話目にして訪れる衝撃の転回。夢・妄想と現実が交錯し、同時に実在する幽霊が語る。これは一種の神秘文学かも知れない。死者の死を自分のせいだと思って責めを負い続ける生者と、実際の死者とのすれ違い。無表情に淡々と身体を売ったりいきなり同性と付き合ったりする主人公の姿も彼女の屈折を巧みに示す。救いがあったのか確言し難く、行間どころか頁の外を指し示すような締めも作者らしく、何とも味わい深い。
読了日:3月30日 著者:志村貴子
ヤマノススメ(4) (アース・スターコミックス)ヤマノススメ(4) (アース・スターコミックス)感想
いよいよあおいとひなたと思い出の山・谷川岳に登ることに。かえでとここなのクラスや家での様子も描かれたり、かえでの級友ゆうかが登場したり、山では新たな友達として写真を撮りに来ていたほのかと出会ったり。打ち込むものがあって、心配し協力してくれる人が周囲にいる喜び。そして何と言っても、なぜ登るのかという根源的な問い。その辺の人間描写は概ね満足。ただ山小屋に関しては異議あり。私の知る限り布団で寝られるのは普通だし風呂があるところも結構あるかと。まあそういうところを選んでるってのもあるけど。
読了日:3月31日 著者:しろ

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

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実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
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