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加点法の陥穽

しばらくブログ更新が滞ってしまいました。
別に何かアクシデントがあったわけではないのですが、生活習慣と本の読み方がちょっと変化して、今までの調子でコンスタントに書くネタが用意できない状態になっていただけです。
今後の方針は、また考えます。

 ~~~

さて、本日(4月8日)で今年のプロ野球も各チーム最大で11試合(試合中止のあった分、西武とロッテは10試合、楽天は9試合止まり)を消化したわけですが……

セ・パ両リーグでそれぞれ「優勝候補」として人気のあった広島とオリックスが最下位独走、それぞれ下馬評の高くなかった中日と日本ハムが首位という事態になっています。
「こうなる要素はあった」等とあまり後出しめいたことを言う気はありませんけれど、こと広島とオリックスに関しては、昨年優勝争いをしたチームが強力な補強をしたから、というのが一つ、そして両チームはそれぞれ両リーグで一番優勝から遠ざかっているチームだけに、この機にこの2チームの優勝ならあり、という願望予想が大きかったのはありますまいか。

しかも「補強」といっても、同じ昨年Aクラスのチームで、アメリカ(マイナーリーグ)帰りの内野手の獲得でも、オリックスの中島裕之に比べて日本ハムの田中賢介はさっぱり話題にならなかったり……まあもちろん、Aクラスといっても昨年の日本ハムは優勝争いには絡めなかったせいかも知れません。しかしそれだけでなく、争奪戦のあった中島に対し、あっさり古巣復帰の決まった田中という差も大きいように思えます。こういうメディアの都合による話題性が、「プロの目」によると称する評論家の「予想」にも影響しているのではないか……と考えると――中立公正などというのは元より不可能だとしても――いささか疑問を感じてしまうわけです。

が、今回注目したいのは、大方では最下位と予想されていた中日ドラゴンズのことです。

そもそも、なぜ中日は予想では最下位だったのでしょうか。
昨年も――終盤まで僅差で5位争いをしていたとは言え――6チーム中の4位、そこから戦力的に大きなマイナスがあったわけでもありません。
問題とされていたのは「選手の高齢化が進んでいる」ことですが、何歳でも実力があるから一軍にいてレギュラーを張っているのであれば、順位に年齢は関係ありません。
「年齢的にそろそろ衰えるはず」というのであれば、広島復帰でフィーバーを引き起こし、広島の下馬評の高さの原動力となった黒田博樹(40歳)に関しても同じはずです。広島は「若い選手が育っているところに実績のある大ベテランが復帰」というのが味噌なのかも知れませんが、それだって黒田がそれほどの衰えを見せずに活躍できることが大前提で、そうでなければ「良い効果」も生まれないでしょう。

しかしおそらく、順位予想においては「戦力的にマイナスはない」ことは問題にもならないのです。

プロの解説者によるものであれ、素人によるものであれ、順位予想はまず「どこが優勝するか」を語るものであって、多くの場合、下位と予想するチームに行くほど論評もおざなりになりがちです。
そこで、前年の順位を基準にして、――主力が抜けた穴がよほど目立つのではない限り――補強などでの上積みを加点してどれだけ上位を狙えるか、という話になってきます。
そうやって加点法で「このチームもいいな、あっちも期待できるな」と予想していくと、今年は消去法で中日を最下位に予想せざるを得ないのです。
昨年、中日より下の順位だったDeNAとヤクルトに関しては、年々選手が伸びているのが見えたり、補強があったりしたからです。

しかし好事魔多し
今年になって伸びてきた選手の活躍を予想できないのは仕方ないとして(プロの評論家たるもの、当たる当たらないはともかく、そこを自分の目で見て判断してほしいのですが)、「このチームにどれだけの不安材料があるか」と減点法で考えると、話はまるで変わってきます。

たとえば上述の「優勝候補」2チームにしても、少なくともオープン戦終盤の各メディアで予想が出される時期には、広島は4番エルドレッドの離脱に上位打線を期待される面々の不振(内容に苦言を呈しつつ「一番センター」のポジションを野間峻祥と鈴木誠也の二人だけで競わせ、開幕戦でも鈴木をスタメンで使いながら2打席で交代させた緒方監督の考えもよく分かりません)、オリックスはエース金子千尋にリリーフの岸田護と比嘉幹貴の出遅れと懸念材料はすでに見えていたのに、予想ではそこが軽視されていた節はあります。

長々と語りましたが、ことはおそらく、野球に限りません。
「あっちもいいな、こっちもいいな」とプラス法にばかり注目してマイナス点を見落とすことによる陥穽は、存外に大きいということです。

もっとも、監督はマイナス思考が基本で、主力として期待している選手が活躍できなかった時の手も打っておくものです。
ところが監督経験者でも解説者として予想する段になると加点法で話をしていることが多いので、(それがメディア向けにアピールしやすいよう話を整理した結果でないとすれば)やはり評論家として外から見る立場になると、気楽になるのかも知れませんが。
しかしだとすれば、評論家の言うことはそこを差し引いて考えねばならない、ということです。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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