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ああ過剰反応

相変わらず今一つ物事の進まない日々で……洋書を読むのを中心に転換を図っているということもあるのですが。
そんな中で、こんなニュースを見ました。

 ツイッター:頭蓋骨模型にたばこ 投稿した学生処分へ

歯学部の学生が頭蓋骨模型にタバコを加えさせて写真を撮影、ツイッターに投稿したので処分された、というニュースです。

正直なところ、私にはさっぱりわけが分かりません。
ものは献体ではなく模型であり、しかも学生が各自で購入したものであって、大学の備品でもありません。しかも、タバコをくわえさせたところで模型に何かが起こる訳でもありませんから、授業に差し支えるようなことをしたわけでもないでしょう。
なぜそれに「厳重な処分が必要」が必要なのか。

 同大は投稿発覚後、2年生約70人の頭蓋骨の模型を回収し、「模型などのインターネット上への投稿を控える」とする旨の誓約書を書かせた。


学生が各自で購入した模型をあたかも違法物品のように「回収」までするとは、なぜここまで大騒ぎしているのでしょうか。
まるでこれでは学生が模型を持っていること自体が拙いかのようではないですか。だったらそんな模型を買わせるなと言いたい。

さらに、今回は「タバコをくわさせる」という「悪ふざけ」の要素があったことが問題かとも思われるのですが、「“模型などのインターネット上への投稿を控える”とする旨の誓約書」であれば、それは関係無いようです(まあ、「悪ふざけとは何か」と問われると難しいことになりそうですが)。
しかし、だとすると単に「大学ではこういう模型を使って授業をやっています」という投稿をしてもいけないことになりますが、それで何か拙いことがあるのでしょうか。
ならばまずはオンラインショップに抗議していただきたい。



学生がこういうことを軽い気持ちでやっていると、その内表に出すべきでないものまでネットに晒すようになる……という判断に基づいた予防措置なのかも知れませんが、それについて学生に釘を刺しておけば十分であって、この程度の投稿に対し予防措置で「厳重な処分」はいかにもやりすぎです。

大学の先生というものが雑務に追われて忙しいという話を日々聞いている身としては、こんなことを教授会で話し合いさせられる先生方が憐れでありません。

まあつまるところ、「医療従事者たるものわずかな悪ふざけも許されない」という確固たる教育方針を以てやっているのなら、それでもいいのです。
この場合、どうも「ツイッターを見た市民からの問い合わせ」があったから、対応としてやっているのではないかと思われて、それに何とも呆れてしまうのです。


ちょうどこのニュースを見たのが、この本↓を読んでいる最中だったのは何の巡り合わせでしょうか。



本書の目次は以下の通り。

第1章 過剰反応社会を象徴する現象
第2章 身近にもいる過剰反応な人々
第3章 過剰反応の心理構造
第4章 過剰反応を生み出す社会
第5章 過剰反応を防ぐために


第1章では、「子供が昆虫写真が嫌でノートが持てない」といったクレームによりジャポニカ学習帳の表紙から昆虫写真が消えた、といったニュースにもなった事例が取り上げられています。
第2章では特定の事例というよりも、そこかしも見られる類型的な事例――人為ではどうにもならない天候や事故による交通機関の遅れで駅員に対して声を荒げる人など――が取り上げられています。
著者の本職は心理学ということで、第3、4章の分析が本業なのかも知れませんが、――心理学にはそれを言い表す様々な固有の用語があるにしても――私にはいささか凡庸なことを言っているように思えてしまったのも事実。第5章の処方箋は簡潔なものですし、具体例の第1章が一番面白かったですね。

さて、確かにジャポニカ学習帳の表紙は気が付けば花になっていました。



「一人でも嫌だと感じる人がいるのであればやめよう」ということでこうなったそうですが、だったら誰かが「花なんて気持ち悪い」と言ったら花もやめるのかと言いたい。
こういうことに声高にクレームを付けるのが著者の言う「過剰反応」ですが、それにいちいち対応するという企業側の「過剰対応」も一連も問題として著者は扱っています。

これはちょっと(かなり)おかしいという点に関しては、私も完全に榎本氏に同意します。

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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