スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

どう構成を再編していくか?

今月も『マガジンSPECIAL』の発売で、『絡新婦の理』のコミカライズも第4話となります。


 (前回の記事

第1~2話で原作第2章、第3話で原作第1章を消化した後の今回は、原作読者にとってはやや意外にもと言うべきか、第2話の続きとなる美由紀パートで、原作第6章に当たる内容でした。

絡新婦の理第4話
 (『マガジンSPECIAL』2015年9/5号、p. 260)

確かに原作の場合、章ごとに視点人物が交代するスタイルで、なおかつ時系列順に並べられていたため、第3~5章の間に美由紀の周辺に起こったことは第6章の回想で描く、という形になっていました(『姑獲鳥の夏』は全編が関口巽による一人称語りで、その後の3作品では結構こまめに視点を転換したものもありましたが、その辺に関してもかなり洗練されたスタイルを見出した感がありました)。
ただ、月刊連載となる時点で必然的に話の区切りももっと細かくなるわけで、とすれば視点ももっと切り替えて、ある程度時系列を考えて再構成するというのは悪くない選択かも知れません(それによってかえって時系列が前後している箇所もありますが、今のところ特に理解に差し支えることはなさそうなので、問題ないでしょう)。

新たな登場人物としては、学院の理事長だが実態は織作家のろくでなし婿養子である織作是亮(おりさく これあき)

織作是亮
 (同誌、p. 268)

その部下の海棠卓(かいとう すぐる)

海棠卓
 (同誌、p. 284)

そして前理事長にして柴田財閥の跡取りである柴田勇治(しばた ゆうじ)(柴田財閥は『魍魎の匣』で登場していました)。

柴田勇治
 (同誌、p. 272)

原作の記述だと是亮はやくざな態度で、目付きが蟲染みた男、海棠は五角形の顔に三角形の目をしたいやらしい蜥蜴のような男(いずれも美由紀視点)、勇治は正義感の強い青年ということで、相変わらずイメージ通りです。
ただ美由紀の両親↓は……美由紀の父は漁師とは言え水産会社の社長という設定にしては、ちょっと平漁師っぽい気がしますが……まあこの後出番もないキャラですし。

呉夫妻
 (同誌、p. 280)

展開としては原作第6章冒頭の回想の半ばまでで、最後は東京神保町の薔薇十字探偵社に場面は移ります。

薔薇十字探偵社
 (p. 296)

内容的には原作第4章の益田パートに相当……なのですが、何と原作では結構長々と語られた依頼人の話は全て省略され、いきなり榎木津による一言要約のみで片付けられました。

益田龍一

「どこが込み入ってるんだ?
去年の夏に夫が失踪したから捜して下さいって事だろ」
「まあ そう言うと簡単ですけど…
問題はその夫が目潰し魔事件に関わっているかもしれないってところで」
 (同誌、p. 297)


まあ、榎木津の要約が的確なのは事実ですが……

これは、当の尋ね人の写真を見せるとそれがすでにネタバレを含むせいもあるかも知れません。
それにそもそも、原作だと益田は前作『鉄鼠の檻』で刑事として登場して、本作で警察を辞めて榎木津に弟子入りするべく上京してきた――という事情があるのですが、この漫画版ではそもそもまだ『鉄鼠』を描いていませんから、益田がこの探偵事務所にやって来るまでを省略するのは正解でしょう。

しかし益田君、『百器徒然袋』でコメディキャラとして登場し、終始デフォルメして描かれていたのとはまるで別人です(髪型が変わっているというか、時系列的に後である『百器徒然袋』では髪が伸びていたせいも多少はありますが)。

鳴釜 益田龍一
 (京極夏彦/志水アキ『百器徒然袋 鳴釜 薔薇十字探偵社の憂鬱』、角川書店、2011、p. 12)

ただ、この展開だと次回は益田パートの続きとなるはずですが、その場合、原作ではこの直前の第3章(伊佐間パート)で描かれた事件について次なる依頼人が持ち込むのですが、その事件がまだ描かれていないのが気になるところ。
あるいは前回の目潰し魔による殺人事件と同じく、「事件があった」という情報を出すのが先で、それから少し時を遡ってその事件が起こった時の様子を描く、というやり方でしょうか。

いずれにせよ、このシリーズのコミカライズでは初めて大胆に構成を組み替えてきましたが、そこにも漫画と月刊連載という形態の特性も考えて、より良いものにしようという意図の感じられ、非常に好感が持てます。
単行本も10月発売のようで、楽しみです。


とりあえずの感想:下着はドロワーズじゃないのか……

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へ
にほんブログ村 人気ブログランキングへ

テーマ : 大学生活 - ジャンル : 学校・教育

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
参考文献
私が展開している思考の拠り所など(一部)。
スポンサー広告
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。