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普通に第二の人生を楽しむか、やがて波乱か?――『お前みたいなヒロインがいてたまるか!』

忙しさの山場はひとまず過ぎたはずなのですが、さて普段何をやって過ごしていたのか分からなくなっています。

さて、今回取り上げる小説はこちら。アリアンローズの新刊です。



本作の主人公は乙女ゲームの世界に転生した女性(前世はアラサーOL)、しかも彼女の転生したキャラはゲームのヒロインのライバルに当たる令嬢
しかもこのライバル令嬢・椿(つばき)はどのルートでも必ず自殺する運命。
もちろん、本人に自殺する気がない時点でゲームとは状況が違っているわけで、悲劇を回避するための椿の奮闘が始まります。最初のミッションは心を病んだ母を救うこと……

またか、と言いたくなるくらいに定番の設定。
アリアンローズも『ヤンデレ系乙女ゲーの世界に転生してしまったようです』、『張り合わずにおとなしく人形を作ることにしました。』『転生王女は今日も旗を叩き折る』とこの手の作品を立て続けに書籍化しています。

そんな中で本作の特徴は、まず(とりわけ「異世界で女の子が活躍する、女性のためのファンタジーノベル・レーベル」というアリアンローズのキャッチコピーからすると珍しいことに)転生先のゲームも現代日本を舞台にしていること、そして主人公の椿の他にもかなり重要な役どころで転生者がいることでしょうか。
特に重要なのは後者で、ゲームのヒロインであり椿の腹違いの姉妹である美緒(みお)も転生者なのです。しかも自分はヒロインだから成功を約束されていると信じ、椿をバカにするかなりイヤな奴ときています(タイトルもこのことを指しているらしい)。
転生の結果として、性格からしてヒロインと悪役が入れ替わったようになっているのが、一つのポイントでしょうか。

その美緒がゲームの攻略対象キャラにして椿の従兄弟である水嶋恭介(みずしま きょうすけ)を狙っているという事情もあり、椿は恭介を守るべくかなり長期的に対策を練っているのですが……別に(今のところ)自身が恭介と恋愛関係というわけでもなく、ただ「あの性格の悪い美緒に捕まるといいことはないから」という理由でそうしているというのが、ちょっと行きすぎに見える点でもありますが。
この1巻までだと、冒頭にしか美緒は登場しておらず(この時点で両者とも4歳、もっとも中身が大人の転生者ならば今更そうそう性格は変わるまい、という読みまでは理解できまずが)、将来美緒が仕掛けてくるだろう、という予測のみから動いているのが、なおさらそう感じさせます。
まあその辺は今後次第ですね。

他にも、彼女の仲間としても転生者が登場したり、さらには祖母の代にまで遡って転生者がいたかも知れない(この世界がかの乙女ゲーの世界だと椿が気付いた時点ですでにゲームと若干状況が違っていたのはそのせいらしい)、といった話もありますが、その辺の積み重ねがどう活きて、本来のゲームに対しどう展開を変えるのかも、ある程度長期的な展開を見る必要がありそうです。

むしろ今のところ、第二の人生を謳歌する主人公の姿が見所でしょう。
何しろ転生先も現代日本なので(細かいことを考え始めると、どこまで元の世界と一致しているのか気になりますが、まあいいでしょう)、「転生先の世界について学ぶ」必要はあまりありません。周りから見れば、気が付けば多くのことを習得しているわけで、両親を初めとする大人たちから手の掛からないよくできた子と見なされているのは確か(とは言え、いくらできた子でありまた他に手がないからと言えど、大人たちが外に出たことのない4歳児に一通りのことを机上で教えただけで送り出すのは少々無理のある展開ではありますが)。
ただ、だからといって人格的に老成しているかというとそうでもなく、一端状況が落ち着くと、子供の立場になったんだからとむしろはっちゃけて遊んで、すっかり令嬢らしくないお転婆な子と見なされていたり(気持ちは分かります)。周りの子供たちもセレブの子供の教育レベルは総じて高いせいもあって、そこまで浮く様子もなく。
加えて同年代の友達に同じ転生者もいて、楽しくやっているようです。

上述の恭介に加え、ドイツ人のレオン・グロスクロイツ(ゲームには登場しないキャラ)といった男の子たちとの交流も何とも微笑ましい感じです。

物語の開始時点ではかなりひどい状況にあった家庭環境も割とあっさり改善し、その後はおおむねトントン拍子、というのもこの手の「小説家になろう」系作品の定番でしょうか。
全体として楽しい作品ではあったと思います。

ただ、1巻の最後で椿たちはまだ小学校の低学年なのですが……イラストはそう言われるまでそうは見えませんでした。

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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