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今回は漫画の話をいくつかまとめてさせていただきます。
まずは発売から1週間ほど経ってしまいましたが、『コミックビーム』の今月号。



巻頭カラーでジュール・ヴェルヌ『地底旅行』のコミカライズが連載開始。

地底旅行

中1ヶ月で桜玉吉氏の読み切りエッセイ漫画が掲載されています

山の境

……が、それより注目すべきは付録です。

ラブラブルート21

これは……「ラブラブルート21」……

「ラブラブルート21」は桜玉吉氏が『ファミ通』に連載していた『しあわせのかたち』内で不定期に展開していた本格暗黒舞踏同棲漫画(という触れ込み)です。

ラブラブルート21
 (桜玉吉『しあわせのかたち愛蔵本 3』、アスペクト、2000、p. 86)

暗黒舞踏に青春を懸ける青年と同棲して彼を養っている彼女の日々を描いたシュールなショートストーリー。
どういうわけか『ファミ通』の読者アンケートで3位に入ったことがあるほどの人気だったとか。

何でもこれが昨年実写映画化され、神戸三宮映画祭で限定公開されていたとのこと(まったく知りませんでした)。
そして今月22日にニコニコ生放送で上映会が行われる模様。

 【桜玉吉祭】秋のコミックビーム・ナイト 映画『ラブラブROUTE21』スペシャル上映会

余談ながら、桜玉吉氏は学生時代に暗黒舞踏のパフォーマンスを観たことがあるらしく、そのネタをそこかしこで使っています。
上の引用に描かれている「全身白塗りでヒクヒク動く」というのは本当です(他にも色々ありますけれど)。

なげやり
 (桜玉吉『なげやり なあゲームをやろうじゃないか!! 1』、エンターブレイン、2010、p. 41)

そもそも、「暗黒舞踏」というのが日本発祥の現代アート(創始者は土方巽)であることを知っている人が、どれくらいいるのでしょうか。
この名称だけは聞いたことがあっても、内容は知らないという人が結構いるような気がします(何となく想像されるイメージでネタにしていた作家もいました)。
まあ玉吉氏もこれについてはたまたま知っていただけで、暗黒舞踏ネタを描くために調べたわけではないようですが、しかしこういう(どうでもいい)ところでちゃんとした知識に基づいているかどうかというのは、ギャグ作家にとって実は大きな差になり得ることは感じています。

 ~~~

それから、今日は『マガジンSPECIAL』の発売日。
『絡新婦の理』コミカライズの第5話が掲載です。


 (前回についての記事

前回の引きから色々予想しましたが、結局あの続きで東京神保町の薔薇十字探偵社を描くのではなく、千葉を舞台とする原作第3章(伊佐間パート)に移りました。

絡新婦の理 第5話扉
 (京極夏彦/志水アキ「絡新婦の理」第5話『マガジンSPECIAL』2015年No.10、p. 96)

ここで描かれた事件がこの後で薔薇十字探偵社の榎木津のもとに持ち込まれるということもあり、時系列的には妥当。
しかも冒頭のナレーションで「千葉県興津町鵜原 呉美由紀が聖ベルナール女学院の理事長 織作是亮に恐喝されている頃――是亮の義父であり織姫こと織作碧の父雄之介の葬儀がしめやかに…いや絢爛豪華に行われていた――」と前回との時系列的な関係を親切に示してくれます。

結局、前回のラストは第2話冒頭の京極堂と同じく、単行本1巻の内に榎木津の顔見せをしておこうという配慮だったのでしょうか。
まあそれはいいのですが、この後間を空けて前回ラストの続きに入る、という変則構成でどうなるかも注目です。

絢爛豪華な葬式とそれぞれにタイプの違う美女揃いの織作の女たちはビジュアル化のし甲斐があるところ。
いつにもまして見事です。

葬列

織作の女たち
 (同誌、pp. 104-107)

……三女・は短髪の洋装、人形のようなできすぎた美女とはありましたが、想像以上に人形染みた外見で少し衝撃を受けました。

その他のキャラとしては、美由紀の祖父で引退した漁師の仁吉(にきち)は小柄で禿頭、色黒の老人、

伊佐間と仁吉
 (同誌、p. 97)

仁吉の昔馴染みで織作家の使用人(是亮の父親でもある)出門耕作(でもん こうさく)は禿頭の大柄な老人ということで、記述通りです。

出門耕作
 (同誌、p. 111)

個人的には、仁吉は思ったより目が大きくて表情豊かだったなという印象ですが、特におかしなことはありません。
『百器徒然袋』シリーズには出ていたものの、本編のコミカライズでは初登場となる骨董屋・今川雅澄は相変わらず。

今川雅澄
 (同誌、p. 116)

ほとんどマスコットみたいになっていた『百器徒然袋』に比べるとより(デフォルメされすぎない)人間的な表情も見せている気はしますが、シリアスな話で馴染むのか心配なくらいです。

それからあの怪人物。

蓑火
 (同誌、pp. 121-122)

「蓑火」という妖怪は狐火系の怪火で、鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』によれば「蓑より火の出しは陰中の陽気か 又は耕作に苦める百姓の臑の火なるべし」とあります(後半は言葉遊びですね)。
「陰中の陽気」というのはこれが熱くない「陰火」であることを指しているようなのですが、女性の問題を大きなテーマとした『絡新婦の理』ではこの「陰陽」を男女に結び付けます。
陰中の陽気――女物の着物を纏った男らしき人物。

今回は原作第3章の半ばまででした。
まあ村で仁吉から各種の情報を聞く前半部と、織作家の通称「蜘蛛の巣館」に行って騒動と事件に出くわす後半、と2回に分けるのはちょうどいいところでしょう。
というわけで今回は織作家に向かったところで引き。

蜘蛛の巣館
 (同誌、p. 126)

次回は当然この続きとなるでしょう。(これまた『百器徒然袋』で登場済みですが)セツの登場が楽しみです。
その後が順当に薔薇十字探偵社の益田パート(原作第4章)で、こちらは(前半の依頼を前回省略済みということもあり)1話で片付くのではないかと予想します。

来月(10月)16日には単行本1巻も発売予定。
さらには同時に『姑獲鳥の夏』コミカライズの文庫版も発売されるようです。単行本が出たのがついこの間のような気もしているので(歳のせいか)、ちょっと不思議に思うというか、事情はよく分かりませんが……







 ~~~

そして最後に、『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』の2巻も昨日発売です。



楽をして、読書メーターに書いたレビューを転載しておきますが。

今回は日本語(とりわけ敬語)やマナーとそれを巡る失敗談が多めか。後半は『セーラームーン』との出会いに始まるオタクとしての遍歴、そして日本行きと本シリーズの出版による漫画家デビューという作者自身のエピソードが主に。しかし言われてみればありそうだと分かるこの感覚、やはりエッセイコミックとしての着眼点は絶妙、相変わらずのポップで可愛い絵柄と相俟って楽しい。何より作者の操る漫画文法の巧みさに感動(漫画技法に関する日欧比較もあり)。スウェーデンにおける日本のアニメ・漫画の輸入・翻訳事情の話も多数で興味深い。


本作の感覚はあえて言うなら岡倉天心の英語に近いものがあります。
岡倉に限らず、明治の日本人が書いた英語は非常に格調高い名文として英語圏でも評判が高いのです。
本作の日本語は、4コマ漫画の中の台詞はほぼ問題ないものの、その横のコメントは結構ぎこちなく、ところどころ妙なところもあるのですが、それも持ち味の内。何よりも日本の漫画の文法を巧みに使いこなしていることが「外国人の書いたネイティブスピーカーに匹敵する名文」にも似たものを感じさせるのです。

基本的には作者オーサ氏のブログに掲載された4コマ漫画をまとめたものですが、描き下ろしも多く、1本1本に追加のコメントやイラストもあるので、作者のブログを既読の方にもお勧めできます。

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T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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