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先生の真実、生徒たちの迫られる決断――『暗殺教室 16』

今回取り上げる漫画はこちら、いよいよ佳境の『暗殺教室』16巻です。


 (前巻の記事

今回はいよいよ、殺せんせーの過去が描かれます。

とはいえ、彼が元人間で、人工的に超生物へと改造されたことは、以前に説明がありました。
かつて何者だったのかは、この過去編に入るに当たって、前巻の引きで語られていたこと。

暗殺教室16巻1
 (松井優征『暗殺教室 16』、集英社、2015、p. 10)

そして彼がE組の前担任である雪村先生との縁あってこのように教師をしていることも、序盤からの回想で示唆されていたことでした。

暗殺教室16巻3
 (同書、p. 35)

この実験を行った科学者・柳沢も前巻で顔を見せていました。

暗殺教室16巻2
 (同書、p. 16)

また、この超生物の力に反物質が関わっていることも、「反物質臓」云々という柳沢=シロの台詞がすでに示唆していました。

さらに言うなら、殺せんせーが月を破壊したという件に関しても、疑問を抱くだけの伏線はありました。
攻撃を受け付けない代わりに動けない絶対防御形態になった時、「一番まずいのは宇宙に投棄されること」と言っていたのを考えるに、(少なくとも成層圏まで飛行可能なのは確かとして)果たして月まで宇宙空間を飛んでいって破壊するようなことが可能なのかどうか、という(エネルギー波のようなものを射出する攻撃は途中で習得したのだと言っていましたし、そもそも彼が今までに見せた破壊力はそれほどでもありません)。
さてその真相は……

というわけで、概ねにおいては「予想通り」の話となったわけですが、まあきちんと伏線を張っていれば、過去編というのはそうなってしかるべきものです(それどころかそうであってさえ往々にして、読者は回収された後でも伏線に気付かないまま「後付けだ」と言い出したりするもの)。
大枠は見えていた絵に細部のピースが嵌っていく感覚こそ今回の見所です。
それに、彼と雪村先生の間の切ない交流と、彼が力の使い方について見直すに至る心情の動き、となりましょうか。
殺せんせーが自らの強さを悔い、生徒たちに過ちを伝えたいと思っていたことも、すでに示唆されていた通り。

そんな実情を知った後で、生徒たちの胸には様々な想いが去来します。

暗殺教室16巻4
 (同書、p. 149)

「この先生を殺さなくちゃならないのか…」――この同じ言葉の意味が、今や全く変わって見えるという見事な演出。

そして最後では、これからの「暗殺教室」の方針を巡って生徒たちが二分……
本作の基本設定からして、最後に暗殺に成功した暁には「悲しいお別れ」となるのが既定路線かと思われましたが、この度の生徒たちの決断は、物語の目指すところに関して決定的な舵取りとなりそうです。

そんなわけで比較的簡潔に済ませてしまいましたが、今後もますます楽しみです。


なお、こんなシリアスな展開でもギャグは健在。
いつもカバー下の裏表紙は現実の組織、人物名の一部を「殺(ころ)」に改変してもじった名前による「触手語録」があったのですが、今回は実在の固有名のもじりでないと思ったら……

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Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

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