スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2015年10月の読書メーター

先月の読書メーターまとめです。
33冊7834ページでした。

読書メーター2015年10月

論文の執筆・改稿作業などもあり忙しい1ヶ月だったはずですが、なぜか前月よりもペースは上がり、ふたたび1冊/1日を突破しています。漫画が多く小冊子等も含む数字とはいえ、理由は自分でもよく分かりません。
以下は抜粋です。


【小説】


表紙は左の長髪の方が男だった……北欧貴族のリツハルドは夜会で女軍人ジークリンデに一目惚れして結婚を申し込む。まずは1年、仮の夫婦でという約束で、雪と極夜の大地でトナカイや犬と共に暮らす夫婦生活が始まる。舞台がフィンランドでサーミ人の生活、とりわけ食を丁寧に描くというネタの渋さが素晴らしい。大きな事件もないまま二人がじっくり関係を深めていく描写も実に暖かくて良かった。ジーク視点の挿入も活きている。フィンランド語の用法や時代背景にやや気になるところはあるものの、興味深い題材なので今後も期待したい。


気になると書いたのは、サーミ人をモデルにしたと思われるリツハルドの一族は作中では「スオミ」という名前なのです。
しかし、「スオミ(suomi)」とはフィンランド語でフィンランドのことであって、少数民族のサーミ(saami)は別です。
他にはところどころでフィンランド語をちゃんと調べて使っているところもだけに、少し気になるのです。まあ、現実の固有名を出さないよう改変した、ということならそれでもいいのですが。

それと、辺境の村でも猟銃を使った狩りが一般的であることと村の収入において観光業が大きな比重を占めていることから、これが近代の話であることは分かります。
ただ、貴族の舞踏会での出会いという設定、ジークの国(モデルはもちろんドイツ)でも移動手段は馬車という辺りから19世紀くらいのイメージだったのですが、「最近は個体数が減少気味をオオカミを殺さないよう通達が出ている」旨の記述で「これは20世紀も後半くらいの風潮ではないか?」という疑問が。

まあ、いずれも細かいことですけれどね。「フィクションだから」と言われればそれまでで住むレベルのことですし。
ともあれ、「小説家になろう」出身作品でこういうものもあるというのは中々興味深いことです。

 北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし(WEB版)


【漫画】


そのお菓子の誕生と歴史を説明したり、はたまたお菓子の使い方について登場人物が突っ走ったりしつつ、毎回一つの駄菓子を取り上げ続ける。今回、駄菓子以外では駄菓子屋おもちゃのおはじき、それに最後には4話使って夏祭り編も。ほたるのポンコツ&ハイテンションぶりは相変わらずだが、今回はサヤの可愛い話が多かった。直接的な描写はなしにこの絶妙なエロス。ココノツに脈もありそうじゃないか。ああ、登場した駄菓子ではにんじん(ポン菓子)が好きだった。ベビースターも好きだったが今はあまり食べたいと思わない。年のせいか。


帯によるとアニメ化決定、しかも5分のショートアニメとかではないとのこと。
さらに、同時期発売のガガガ文庫では2ヶ月後の刊行予定に本作のノベライズもあったのですが……

だがしかしノベライズ予定

『ニャル子さん』の逢空万太氏とは意外な人選……
すでにAMAZONで予約もできますが、はてさて、どうなることでしょう↓





男勝りの女子・相沢智は幼馴染みの久保田淳一郎のことが好きだが、告白しても気付かれないほどに女扱いされず…。ボーイッシュ女子の可愛さ全開の4コマ。ジュンに対する初心さは勿論、彼女の女らしさを意識しない振る舞いとジュンの無頓着な接し方にかえって独特のエロスが漂う。そんな中でもジュンが全く脈なしではなさそうな描写もあり、二人の幼馴染みでえげつなくイイ性格をしているみすずもいい味を出していて楽しい。しかし傍から見れば完全にカップルでも進展なしとは……「告白して確認して初めて男女関係が成立する」文化の可能性、か。




原作7巻ラストから~8巻中盤(星奈の劇的告白)まで。やはり見所は冒頭の理科とのやり取り、彼女の引きつった表情と届かない言葉の描写は出色。その後の保健室の場面も叙情的な雰囲気の描写が巧みで可愛いこと。生徒会・遊佐との対決での夜空と星奈の凛々しさと頼もしさ、そこから一転内部からの危機という展開の鮮やかさもイメージを裏切らず、ここで単行本の区切りを付ける構成力も大したもの。ただ原作では一番笑った友達つくりゲームは扉絵1枚に圧縮か、全体の構成と雰囲気を重視したかな。


原作だとシリアス方向に話が流れつつ、毎回一度は皆で遊んでいるギャグ寄りのエピソードを入れてくるのですが、単行本一冊を書き下ろす小説を連載漫画にするに当たっては取捨選択も必要。
「友達つくりゲーム」がないのは残念と言えば残念ですが、取捨選択自体は非常に巧みなコミカライズだと思います。



表題作は既読だが初読解き以上に傑作を感じた。顔なき神・混沌は顔を得て人界に下り、様々な感覚や感情を知って「人間」となり死ぬ…顔と名前を得て、他者と出会い「何者かになること」と死というテーマ、そして『荘子』の話を漢の武帝時代の宮廷ドラマに嵌め込み東方朔を絡めるこのセンス。「鵬の墜落」も『私家版鳥類図譜』からの再録だがあまり記憶なし。描き下ろしの「羿 日輪を射る」は太陽を射落とした弓の達人の話。中国神話ネタだがさらっと恐竜の絶滅とか言うセンスが素晴らしい。ただ悪くはないがやはり頁数少ないな。



【ファンブック】


主としてヒーローと怪人のキャラクターデータブックだが、意外な裏設定等はそれほどないか。面白いのはONE×村田雄介の対談、内容に意外性はないが、作画において原作のイメージを摑むまでの苦労等が興味深い。巻末には番外編漫画「キャッチ&スマッシュ」の収録もあり、こちらは安定のクオリティ。それから作中に登場するゲーム『どきどきシスターズ』が頁下でゲームブックとして展開されているが……なんだこのカオス。ある意味一番本作らしい飛ばし具合かも知れないが、折角ならもう一捻り欲しかった。


漫画『ワンパンマン』のファンブック。
ただ、作中の「ヒーロー協会」が編纂した、という設定なので、あくまでヒーローの公式データを掲載しているだけです。
本編のようなヒーロー概念の問い直しや意外な裏設定はあまりありません。


【美術】


粘土板に型押しで浮き彫りを刻んだ仏像「塼仏」。インドから玄奘が唐に伝え、日本へ、そして飛鳥から北九州(大分県宇佐の虚空蔵寺跡)へとその伝播を辿る。その意味の変質、そして日本ではこれが飛鳥~白鳳の一時期にしか作られなかった理由。著者の専門は考古学で、虚空蔵寺跡に至る出土品としての塼仏の形態からその系譜を辿っているが、後半は中国と日本の仏教史研究に話題が及び、当時の日本の宗教・政治・文化に関する考察も興味深い。日本では仏像史の中でもマイナージャンルに関する優れた研究書。


AMAZONでもちゃんと字が表示されていませんが、タイトルは『塼仏の来た道』です。



刀剣の鑑定士としての本阿弥家という出自に始まり、光悦の仕事を俵屋宗達との共作や出版事業を含む書画、蒔絵、茶碗という3分野に分けて分担執筆。これにより「統一的に捉えることの難しい多彩な人」としての光悦像を示してくれた気がする。薄さで侮るなかれ、多分野にわたる彼の作品をフルカラー図版で見せてくれるのは貴重かも。茶碗に関しては全て裏返して高台を見せてくれているのに意外なポイントへの気配りを見た。



【生物】


虫に感染して性転換を起こさせる、オスを殺す、果ては単為生殖を可能にする等様々な変異を引き起こす微生物ボルバキア。その様々な振る舞いと、思いがけない影響。後半はボルバキアに留まらず、本体を離れて伝染し生き続ける癌細胞のような「ゲノムの暴走」、他の様々な共生微生物、そして最後は共生微生物による害虫対策等の実用の可能性も扱う。性決定システムが生物によって多様である理由の一端も解明してくれる。宿主のシステムに組み込まれたボルバキアに暴走するゲノム、どこまでが一つの生物なのかを問い直させるという点でも興味深い。



【その他】


デザイン専攻の学生による、卒業制作でパンを焼くトースターを0から作る挑戦。材料は地面から掘り出すところから、産業革命以前の技術で金属の精錬やプラスチックの精製を行い…あまりの困難さの前に、ところどころでインチキをしてルールを破りつつの道程。最後は、これほどの技術の粋であるトースターがわずか4ポンド(!)で売られているという驚きとその「支払われざるコスト」という観点から環境問題の話にも。近代科学技術というものがどれほど大規模な積み重ねでできているか実感させてくれる素晴らしい一冊。



読んだ本の詳細は追記にて。


2015年10月の読書メーター
読んだ本の数:33冊
読んだページ数:7834ページ
ナイス数:942ナイス

ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)感想
デザイン専攻の学生による、卒業制作でパンを焼くトースターを0から作る挑戦。材料は地面から掘り出すところから、産業革命以前の技術で金属の精錬やプラスチックの精製を行い…あまりの困難さの前に、ところどころでインチキをしてルールを破りつつの道程。最後は、これほどの技術の粋であるトースターがわずか4ポンド(!)で売られているという驚きとその「支払われざるコスト」という観点から環境問題の話にも。近代科学技術というものがどれほど大規模な積み重ねでできているか実感させてくれる素晴らしい一冊。
読了日:10月3日 著者:トーマス・トウェイツ
暗殺教室 16 (ジャンプコミックス)暗殺教室 16 (ジャンプコミックス)感想
いよいよ語られる殺せんせーの過去、雪村先生との交流、そして地球破壊の真実。彼に力の使い方を見直させた過ち。月破壊の件から反物質のことまで伏線はあったので概ね予想通り、見所は彼の心情の動きだが、これは流石の読み応え。柳沢は見事な下衆だが、カバー下でちょっと笑。珍しく実在の固有名パロディじゃないと思ったら…。そして生徒達の間に湧く情。4月に感じたことと同じ言葉、しかし全く違う意味合いが冴える。そこから今後の方針を巡ってE組が二分……? 予想通りの過去編から一転また意外な展開で、次も引き続き楽しみだ。
読了日:10月3日 著者:松井優征
風呂場女神 (レジーナブックス)風呂場女神 (レジーナブックス)感想
風呂好きのOL・玉野泉の浴室の窓はしばしば異世界に繋がった。砂漠で遭難していた男に水を与えたことから始まって藁しべ長者のごとく持ち物を交換し、多くの人に必要とするものを届け、やがて異世界の歴史を動かす…。ほとんどいつも入浴中で裸のヒロインが、徹底して窓越しに関わるだけの異世界ファンタジーという設定と、彼女の気っ風良く情に厚い性格が楽しい。またこのコンセプトがタイトルにも繋がっていて関心。泉が異世界の物品で得してるのは序盤だけなのがやや残念だが、後半彼女が異世界のため積極的に動く展開も割と良かった。
読了日:10月4日 著者:小声奏
異世界妖怪サモナー ~ぜんぶ妖怪のせい~ (角川スニーカー文庫)異世界妖怪サモナー ~ぜんぶ妖怪のせい~ (角川スニーカー文庫)感想
神野琥珀は異世界に転移した。彼に与えられた能力は召喚術士…なのだが、召喚してみると現れたのは妖怪。時に便利で強力だがお騒がせな妖怪達により悪名を取ることも多く、冒険者の道は遠い…。前半はちゃんと通用してた設定が実はヒロインの創作だったりでどこまで真面目なのか摑みかねたが、登場する妖怪の歴史まで踏まえた説明、妖怪とは何かという考察が割ときっちりしてて良かった。妖怪とはどこかコミカルにキャラクター化されたもの。それと妖怪に下ネタが多いって着眼点も適切よね、金玉にこだわる化狸ヤエがいいキャラしてた。
読了日:10月5日 著者:東亮太
ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖 1 (ビッグコミックススペシャル)ABC殺人事件 名探偵・英玖保嘉門の推理手帖 1 (ビッグコミックススペシャル)感想
2.26事件に揺れる帝都で、名探偵・英玖保嘉門はABCと名乗る犯人から挑戦状を受け取る。それは連続殺人事件の始まり…舞台を日本に移してクリスティの名作を(翻案)コミカライズ。まず別件で彼の名探偵ぶりを見せてから…という運びは問題ないが、頭文字ABCというネタを日本の人名・地名に移し換える時点で多少の違和感は拭えない。とりあえず英玖保=ポワロと阿部=カストのイメージは原作通りでほぼ完璧(英玖保は日本人顔には見えないかも知れないが)。ところで絵を見て初めて作画者を思い出した。今はこんな仕事してたのか。
読了日:10月5日 著者:アガサクリスティー,星野泰視
ワンパンマン ヒーロー大全 (ジャンプコミックス)ワンパンマン ヒーロー大全 (ジャンプコミックス)感想
主としてヒーローと怪人のキャラクターデータブックだが、意外な裏設定等はそれほどないか。面白いのはONE×村田雄介の対談、内容に意外性はないが、作画において原作のイメージを摑むまでの苦労等が興味深い。巻末には番外編漫画「キャッチ&スマッシュ」の収録もあり、こちらは安定のクオリティ。それから作中に登場するゲーム『どきどきシスターズ』が頁下でゲームブックとして展開されているが……なんだこのカオス。ある意味一番本作らしい飛ばし具合かも知れないが、折角ならもう一捻り欲しかった。
読了日:10月7日 著者:村田雄介
〓仏の来た道―白鳳期仏教受容の様相〓仏の来た道―白鳳期仏教受容の様相感想
粘土板に型押しで浮き彫りを刻んだ仏像「塼仏」。インドから玄奘が唐に伝え、日本へ、そして飛鳥から北九州(大分県宇佐の虚空蔵寺跡)へとその伝播を辿る。その意味の変質、そして日本ではこれが飛鳥~白鳳の一時期にしか作られなかった理由。著者の専門は考古学で、虚空蔵寺跡に至る出土品としての塼仏の形態からその系譜を辿っているが、後半は中国と日本の仏教史研究に話題が及び、当時の日本の宗教・政治・文化に関する考察も興味深い。日本では仏像史の中でもマイナージャンルに関する優れた研究書。
読了日:10月8日 著者:後藤宗俊
もっと知りたい本阿弥光悦: 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)もっと知りたい本阿弥光悦: 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)感想
刀剣の鑑定士としての本阿弥家という出自に始まり、光悦の仕事を俵屋宗達との共作や出版事業を含む書画、蒔絵、茶碗という3分野に分けて分担執筆。これにより「統一的に捉えることの難しい多彩な人」としての光悦像を示してくれた気がする。薄さで侮るなかれ、多分野にわたる彼の作品をフルカラー図版で見せてくれるのは貴重かも。茶碗に関しては全て裏返して高台を見せてくれているのに意外なポイントへの気配りを見た。
読了日:10月8日 著者:玉蟲敏子,赤沼多佳,内田篤呉
薔薇十字叢書 石榴は見た 古書肆京極堂内聞 (講談社X文庫ホワイトハート)薔薇十字叢書 石榴は見た 古書肆京極堂内聞 (講談社X文庫ホワイトハート)感想
京極堂の飼い猫・石榴の一人称によるスピンオフ。内容は兄と喧嘩して飛び出した敦子、榎木津の死体が発見された? 事件、京極堂の妻・千鶴子が疾走の3件。登場人物の基本の振る舞いと漫画版(志水アキ)準拠のイラストは違和感なし、しかしやっていることにはやや違和感あり。今更こんなことで騒ぐ面子かな、という。恋愛色強め、メインは関口夫妻と中禅寺夫妻の愛かと。後は蘊蓄代わりの落語推し、もう一層多義的に活かせていればと思ってしまう(原作比のせいで)。石榴が京極堂に懐いてるように見える理由が一番の見所かも。猫は可愛い、うん。
読了日:10月9日 著者:三津留ゆう
金属バットの女 (HJ文庫)金属バットの女 (HJ文庫)感想
芦原幽玄が駅のホームで出会った少女・椎名有希は幽玄の家族を金属バットで皆殺しにする。彼女は世界で唯一、「試験官」と呼ばれる怪物と戦い倒す力を持った少女だった。有希が「なぜ」そんな力を与えられたかはおろか、「いかにして」も、さらには感情も省略、徹底して二人の関係を淡々と描くセカイ系。そして息が短い割に冗長な語りとオチは徹底してメタ。とりあえず自分のことを離れた視点から傍観して綴っているような投げ遣りな空気はよく分かった。ただもういいかな。章タイトルからしてメタな目次で方向性が分かるのが親切さ。
読了日:10月10日 著者:ちゅーばちばちこ
電撃文庫3000タイトル突破!! 大感謝フェア開催記念書き下ろし小冊子!! A電撃文庫3000タイトル突破!! 大感謝フェア開催記念書き下ろし小冊子!! A感想
ゲーマーズの特典冊子。『未踏召喚://ブラッドサイン』『アクセル・ワールド』『青春ブタ野郎』『美少女とは、斬る事と見つけたり』『夜桜ヴァンパネルラ』『竜は神代の導標となるか』『魔導書作家になろう!』『やりなおし魔術機工師の再戦録』の掌編(各2~4頁)を収録。最初の2本はキャラや世界観の説明もなく作品読者向けのサービスかと思ったが、後は作品紹介的なものも。後半4本は世界観の説明もあるが、ただ紙面の制約故か基本はキャラ紹介かな。唯一今月の新刊である十階堂はあえてわざとらしく設定紹介して、そう来たかと笑い。
読了日:10月10日 著者:鎌池和馬,川原礫,鴨志田一,入間人間,杉井光,エドワード・スミス,岬鷺宮,十階堂一系
マーメイド・ラヴァーズ(1) (アース・スターコミックス)マーメイド・ラヴァーズ(1) (アース・スターコミックス)感想
薬王寺つかさ、徐心凌、ヤスミン・マリクの3人の美女(つかさと心凌は女子高生)は「特殊系譜」と呼ばれる異能の持ち主であり、警備会社「テルシオ」に努めるボディーガード。ギリシア出身の少女トニア・コスマトスを警備対象兼ボディーガードとして育てるべき仲間として加えて臨む仕事は――。原作者らしい色気と暴力満載のアクション。ただ今回は世界観の摑みとトニアの紹介という感じが強く、まだ能力の真価を見せていない仲間もいるし、主人公つかさについても不明なことが多い。ひとまず今後に期待しておこう。
読了日:10月11日 著者:深見真,吉岡榊
十牛図入門―「新しい自分」への道 (幻冬舎新書)十牛図入門―「新しい自分」への道 (幻冬舎新書)感想
禅の悟りへの道程を描いた《十牛図》の読解。著者が唯識論の専門家なので、その観点からの議論が多いのが特徴か。とはいえ一般向け書ということもあってか、「無我」「非有非無」といった思想に関する論証はあっさりしたもので、現代科学からの引用と合わせ細かいことを言い出すと気になることは色々あるが、まあいいか。参考文献一覧くらいは載せてくれればなあ。自分の存在を否定して「真の自分」を求めるとはどういうことか、、解説されてもそう簡単に分からないのは当然だが、こだわりたくなるのはやはりそこ。
読了日:10月11日 著者:横山紘一
薔薇十字叢書 ジュリエット・ゲェム (講談社X文庫ホワイトハート)薔薇十字叢書 ジュリエット・ゲェム (講談社X文庫ホワイトハート)感想
昭和17年、12歳の中禅寺敦子は横浜の私立港蘭女学院で寮生活を始める。優美だがなかなか怖い紗江子と、ボーイッシュな万里という2人の先輩に可愛がられつつ、学院内外の騒動に巻き込まれ……というわけで敦子の女学生時代を描くスピンオフ。紗江子を巡る不穏な噂と「天使様」のおまじないを巡る話と、敦子のドッペルゲンガー? の登場する話の2編に幼少時の回想を挟む。キャラの味も出ており、何より教育が戦争に侵食されていく時代の空気が全編に出ていて良かったね。榎木津との初対面もあったが、彼はどこに出ても変わらぬ安心感。
読了日:10月12日 著者:佐々原史緒
消えるオス:昆虫の性をあやつる微生物の戦略 (DOJIN選書)消えるオス:昆虫の性をあやつる微生物の戦略 (DOJIN選書)感想
虫に感染して性転換を起こさせる、オスを殺す、果ては単為生殖を可能にする等様々な変異を引き起こす微生物ボルバキア。その様々な振る舞いと、思いがけない影響。後半はボルバキアに留まらず、本体を離れて伝染し生き続ける癌細胞のような「ゲノムの暴走」、他の様々な共生微生物、そして最後は共生微生物による害虫対策等の実用の可能性も扱う。性決定システムが生物によって多様である理由の一端も解明してくれる。宿主のシステムに組み込まれたボルバキアに暴走するゲノム、どこまでが一つの生物なのかを問い直させるという点でも興味深い。
読了日:10月12日 著者:陰山大輔
トモちゃんは女の子! 1 (星海社COMICS)トモちゃんは女の子! 1 (星海社COMICS)感想
男勝りの女子・相沢智は幼馴染みの久保田淳一郎のことが好きだが、告白しても気付かれないほどに女扱いされず…。ボーイッシュ女子の可愛さ全開の4コマ。ジュンに対する初心さは勿論、彼女の女らしさを意識しない振る舞いとジュンの無頓着な接し方にかえって独特のエロスが漂う。そんな中でもジュンが全く脈なしではなさそうな描写もあり、二人の幼馴染みでえげつなくイイ性格をしているみすずもいい味を出していて楽しい。しかし傍から見れば完全にカップルでも進展なしとは……「告白して確認して初めて男女関係が成立する」文化の可能性、か。
読了日:10月14日 著者:柳田史太
鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)感想
本棚から発掘したのを機に再読。石燕の絵をそのまま収録、序文や跋文とそれぞれの絵の詞書を活字化、後は多田克己による簡潔な解説があるのみ。石燕の妖怪画は背景まできちんと描き込んでいるのが特徴で、しかもしばしば細部のモチーフにも意味がある。登場する妖怪も伝承にあるものから言葉遊びによる石燕の創作まで様々で、しかも多くの古典を踏まえているので全て理解するのは中々困難だが、だからこそ考える楽しみもある。最後の『百器徒然袋』は付喪神系だが、全て「夢のうちにおもひぬ」と石燕の創作であることを示唆する。
読了日:10月15日 著者:鳥山石燕
薔薇十字叢書 天邪鬼の輩 (富士見L文庫)薔薇十字叢書 天邪鬼の輩 (富士見L文庫)感想
一高に入学したもののついて行けず鬱々とした日々を送っていた関口は、同級の中禅寺や先輩の榎木津と交流するようになる。だが女子学生を妊娠させたということで榎木津が謹慎処分になり、関口達は真相を探るべく動くことに…というわけで彼らの旧制高校時代を描くスピンオフ。単独のサスペンスとしてはまあまあ、しかし(昔のことである分を差し引いても)キャラ的にはだいぶ違和感あり。後、出会いに関してもっと原作の記述が反映されていればなあ。妖怪の使い方も原作を踏襲する意思は感じるが原作比で物足りない。藤牧が出てきたのは良かった。
読了日:10月15日 著者:愁堂れな
出番ですよ!  カグヤさま (GA文庫)出番ですよ! カグヤさま (GA文庫)感想
支倉結太の前に落ちてきた少女、彼女は失政により追放された月の元女王カグヤだった。月に戻るには善行を積まねばならないが道遠し…初っ端からのパロディネタの嵐と掛け合いはいつも通り、特筆すべきは主人公が武闘派でヒロインがマッドサイエンティストという組み合わせか。ただ後半のバトルにそれが活きてるのかは微妙な気も。後は超積極的なヒロインと裏がありそうで距離を取ろうとする主人公の構図は『ニャル子さん』への原点回帰って感じで、何か模索する所を感じる。イラストは忠実度高く良かった。続刊も確定のようなので楽しみに待とう。
読了日:10月15日 著者:逢空万太
修羅の門 第弐門(18)<完> (講談社コミックス月刊マガジン)修羅の門 第弐門(18)<完> (講談社コミックス月刊マガジン)感想
海堂晃との決戦、そして完結。結局「海堂はどう強いのか」という具体的イメージのは無印時代から作者にとっても難題だったということか。読者にとってもそうだったからよく分かる。その結論が「空」としての空手。内容的には言ってしまえばシンプルだが、四門まで出し尽くした後で最強の敵との激戦に相応しいレベルの高さと凄まじさは伝わった。最後は宿題回収で精一杯だった感じもあるが相応の内容は見せてもらった。この完結を見届けて悔いはない。『刻』は後どれだけやるのかな……
読了日:10月16日 著者:川原正敏
絡新婦の理(1) (講談社コミックス)絡新婦の理(1) (講談社コミックス)感想
お嬢様学校に流れる呪いの儀式の噂。女教諭が殺されたのも呪いのせいだと。教諭に陵辱され恨んでいる親友の渡辺小夜子のため、呉美由紀は儀式集団と接触を図るが、本当に呪った相手が殺されてしまい…今までのシリーズと異なり、原作から叙述の順番を大幅に組み替えたコミカライズ。魅せるための独自の工夫が感じられて良かった。結果、ここまでは美由紀主役の学園オカルトホラーが中心、+αで学外の事件捜査(木場の章)という感じに。キャラと演出はイメージを裏切らず安定の出来。カラーページがないのだけが残念。カバー下は初読者向け?
読了日:10月16日 著者:志水アキ
だがしかし 3 (少年サンデーコミックス)だがしかし 3 (少年サンデーコミックス)感想
そのお菓子の誕生と歴史を説明したり、はたまたお菓子の使い方について登場人物が突っ走ったりしつつ、毎回一つの駄菓子を取り上げ続ける。今回、駄菓子以外では駄菓子屋おもちゃのおはじき、それに最後には4話使って夏祭り編も。ほたるのポンコツ&ハイテンションぶりは相変わらずだが、今回はサヤの可愛い話が多かった。直接的な描写はなしにこの絶妙なエロス。ココノツに脈もありそうじゃないか。ああ、登場した駄菓子ではにんじん(ポン菓子)が好きだった。ベビースターも好きだったが今はあまり食べたいと思わない。年のせいか。
読了日:10月17日 著者:コトヤマ
北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし北欧貴族と猛禽妻の雪国狩り暮らし感想
表紙は左の長髪の方が男だった……北欧貴族のリツハルドは夜会で女軍人ジークリンデに一目惚れして結婚を申し込む。まずは1年、仮の夫婦でという約束で、雪と極夜の大地でトナカイや犬と共に暮らす夫婦生活が始まる。舞台がフィンランドでサーミ人の生活、とりわけ食を丁寧に描くというネタの渋さが素晴らしい。大きな事件もないまま二人がじっくり関係を深めていく描写も実に暖かくて良かった。ジーク視点の挿入も活きている。フィンランド語の用法や時代背景にやや気になるところはあるものの、興味深い題材なので今後も期待したい。
読了日:10月18日 著者:江本マシメサ
樽 (ハヤカワ・ミステリ文庫)樽 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
ある程度のことは聞き及んでいたがこの期にきちんと読了。ロンドンの港に届いた樽には死体が入っていた……怪しい奴が割とストレートに犯人で、地道な捜査によるアリバイ崩しが焦点となるミステリ。パリとロンドンの間を何度も行き来する樽の実態は……という部分の仕掛けはなかなかよく出来ている。ただ、肝心のアリバイトリックは結構ショボい。真犯人が偽装工作上手すぎ&自分の安全よりそっちに力を入れ過ぎ。発表時期を考えると英仏海峡を挟んだアリバイトリックというインパクトの大きさ、古典としての重要さは分かるけれど……。
読了日:10月19日 著者:F.W.クロフツ
薔薇十字叢書 桟敷童の誕 (富士見L文庫)薔薇十字叢書 桟敷童の誕 (富士見L文庫)感想
関口に弟子入り志願してきた青年・天城悠紀夫、彼の家は劇場・映画館の経営者一族であり遺産分与で揉めている最中だった。天城家の劇場の座敷わらしならぬ「桟敷わらし」に興味を示して赴いた榎木津が死体の存在を指摘し……。文体、構成、キャラ、それに妖怪蘊蓄の使い方と全てが原作に近い作りでなかなか良かった。時代背景が垣間見える事件のネタもそれなりの考証を感じさせる。中盤は要領を得ない会話が多くて停滞を感じ、解決編のカタルシスにもやや物足りなさは残るものの、概ね満足。
読了日:10月21日 著者:佐々木禎子
バリアクラッカー (2) 火刑台上のリベリオン (電撃文庫)バリアクラッカー (2) 火刑台上のリベリオン (電撃文庫)感想
新設の評議会「テン・コミュニオン」の一員に任じられたベル。だがバリアクラッカー火刑の日の騒動の中で、何人かの審問官が謎の人体発火現象で焼死。教皇庁が握る「清めの火」の正体とは…? 1巻で世界観の大きな謎は解明された続きでどうなるかと思ったが、新たな謎を設定して再びミステリ仕立てで来たか。これまでの知識のお陰で主人公が推理する余地も増えて割と良かった。世界のあり方の改革という大きな目標も、まずは教皇庁トップと枢機卿派との政争という形から。そして前巻ラスボスはレクター博士化。次も楽しみに待とう。
読了日:10月24日 著者:囲恭之介
勇者と勇者と勇者と勇者 (ガガガ文庫)勇者と勇者と勇者と勇者 (ガガガ文庫)感想
自称勇者が増えすぎて余るようになった時代、シェアハウスで暮らす若手勇者6人はクエストの求人を巡って争ったり、オーディションに応募したり、勇者ビジネスで一攫千金を狙ったりしつつ日々を送っていた。異世界転生が社会背景になってるのが現代風、勇者がタレント扱いで芸能ネタが多いのと、コント的会話劇や広告等の定型文の使い方は作者らしいセンス。ただこういうネタが、というより、「職業として勇者は成り立つのか」という問い自体が問い尽くされた主題の感あり。…と思ったら最後にストーリー面で重大な振りが、この活かし方次第かな。
読了日:10月25日 著者:川岸殴魚
まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる (このライトノベルがすごい! 文庫)まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる (このライトノベルがすごい! 文庫)感想
女子高生の由比浜風音と立木弓花はやり込んだゲーム『ゼクシアハーツ』そっくりの異世界に飛ばされてしまう。魔物を倒すたびにスキルを手に入れ、どんどん強くなり実績も重ねていく風音。召喚された元プレイヤーにとってはゲーム的仕様を留めていて一気に強くなれるのがポイントか。主人公二人が異世界への順応早いし出会う人にも恵まれるんで展開はトントン拍子で痛快。それでいて風音は調子に乗ったりと、人格的には比較的常識人で親しみやすい。ただ、元が定期連載で毎回主人公のステータス表示が入るのを前提した仕様だったのは随所に感じる。
読了日:10月26日 著者:紫炎
諸星大二郎スペシャルセレクション1 無面目諸星大二郎スペシャルセレクション1 無面目感想
表題作は既読だが初読解き以上に傑作を感じた。顔なき神・混沌は顔を得て人界に下り、様々な感覚や感情を知って「人間」となり死ぬ…顔と名前を得て、他者と出会い「何者かになること」と死というテーマ、そして『荘子』の話を漢の武帝時代の宮廷ドラマに嵌め込み東方朔を絡めるこのセンス。「鵬の墜落」も『私家版鳥類図譜』からの再録だがあまり記憶なし。描き下ろしの「羿 日輪を射る」は太陽を射落とした弓の達人の話。中国神話ネタだがさらっと恐竜の絶滅とか言うセンスが素晴らしい。ただ悪くはないがやはり頁数少ないな。
読了日:10月26日 著者:諸星大二郎
僕は友達が少ない (13) (MFコミックス アライブシリーズ)僕は友達が少ない (13) (MFコミックス アライブシリーズ)感想
原作7巻ラストから~8巻中盤(星奈の劇的告白)まで。やはり見所は冒頭の理科とのやり取り、彼女の引きつった表情と届かない言葉の描写は出色。その後の保健室の場面も叙情的な雰囲気の描写が巧みで可愛いこと。生徒会・遊佐との対決での夜空と星奈の凛々しさと頼もしさ、そこから一転内部からの危機という展開の鮮やかさもイメージを裏切らず、ここで単行本の区切りを付ける構成力も大したもの。ただ原作では一番笑った友達つくりゲームは扉絵1枚に圧縮か、全体の構成と雰囲気を重視したかな。
読了日:10月28日 著者:いたち,平坂読
放課後!ダンジョン高校 4 (リュウコミックス)放課後!ダンジョン高校 4 (リュウコミックス)感想
強力なオーパーツを持つ刺客マイク・ボマーを退けたところで大規模探索も一段落。ダンジョンに深入りするよりも、様々な思惑が絡み合う群像劇がメインなのかね。先生が人知れず格好いいところを見せたりと誰が重要キャラになるか読めない中で、父親の真相を知る阿螺井。ゲスな彼の成長も軸になってくるんだろうか。宇佐見は帰省船が襲われて乗り合わせてた朝生田先輩と久々に接近も大きな動きには至らず。島を離れられないというシオとの関係は切ない雰囲気もあり楽しみ。サービスシーン(特にパンツ)は減少気味?
読了日:10月29日 著者:山西正則
女子寮の寮長になった俺は、ご当地女子と青春できるだろうか (ダッシュエックス文庫)女子寮の寮長になった俺は、ご当地女子と青春できるだろうか (ダッシュエックス文庫)感想
入学早々男子寮の崩壊により、寮長の任を兼ねて女子寮に住むことになった五十嵐春人は各地方出身の4人の女子と共同生活を始める。エロのネタには事欠かない設定だがその量は並、基本コンセプトは方言女子。琉球や東北方言になると余所では通じし標準語寄りだけど関西人はどこでも……とか感覚はよく分かる。他にも郷土料理、彼女達が東京観光でショックを受ける等、異なる地方の出身者が上京しての新生活の鮮烈さを伝えていて楽しい。設定上、無闇に新メンバーを追加できるとは思わないが、続けば他の地方出身者を追加とかあるんだろうか。
読了日:10月29日 著者:城崎火也
薔薇十字叢書  ヴァルプルギスの火祭 (講談社ラノベ文庫)薔薇十字叢書 ヴァルプルギスの火祭 (講談社ラノベ文庫)感想
デビュー作1冊きりでスランプに陥っていた高校生ライトノベル作家・関口辰哉は幼馴染みである中禅寺と榎木津の孫(共に美少女)と共に孤島の館に呼ばれる。そこで起こる「魔女」を巡る事件…孫世代が主役のスピンオフということで最初から別物感が強かったが、それでハードルが下がってたお陰か意外に良かった。事件発生から解決までが短くややあっさり気味も、文体、構成、蘊蓄、それに「憑物落とし」、間違いなく原作テイスト。祖父の性格と口調そのままの孫達も原作者描くボーイッシュ少女の雰囲気で違和感なし。ネタとオチにも概ね納得。
読了日:10月31日 著者:三門鉄狼

読書メーター

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 哲学へ
にほんブログ村 人気ブログランキングへ

テーマ : 大学生活 - ジャンル : 学校・教育

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL

プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
参考文献
私が展開している思考の拠り所など(一部)。
スポンサー広告
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。