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2015年12月の読書メーター

そう言えば、昨年末という少し前のニュースになってしまいますが、大分県で県が配布するカレンダーに六曜を掲載していたことを理由として回収した事件がありました。

 大安・仏滅…記載は不適切、県がカレンダー回収
 六曜差別を助長? カレンダー回収相次ぐ

六曜が誰に対するどんな差別・偏見に繋がるのかさっぱり説明がないのも問題ですが、何よりも引っ掛かるのは、「科学的な根拠はなく~」云々という説明です。
科学的根拠を言うなら、七曜にも科学的根拠はありません。聖書に「神は七日間で世界を創造した」と書いてあるのに由来しているだけです。それどころか、科学的には月齢の周期は29日ですから、1ヶ月が30~31日なのも間違っています。さらには1年が1月から始まるのも……(以下略)

それに、六曜は実生活で意味を持っているので、それが掲載されているか否かでは便利さが違います。
結婚式に大安を選ぶかどうかは当事者たちの自由ですが、友引の日に火葬場が休みだというのは社会的事実であって、家族が死んだらそれに従って葬式の日程を立てざるを得ません――友引の日に休むなと火葬場に対し抗議行動をするとか、そんな旧弊に従っている火葬場以外のところで死体を処理させろと法改正を要求するといった(傍迷惑な)行為に及ぶのでない限り。

実のところ、「友引の日に凶事を行えば“友を引いて”さらなる災いを招く」と心の内で信じているかどうかは、何の関係もありません。火葬場が休みだという現実に従わざるを得ないのです。それは「神が七日間で世界を創造した」と信じているか否かとは無関係で、七日に一度日曜日が休みになっているのと同じことです。
それが宗教的生活ということであって、それを破壊すればいいというものではないのです。

私が言いたいのは、科学的根拠は「錦の御旗」ではないということです。
科学的根拠が必要だということに、科学的根拠はあるのでしょうか。

上で「傍迷惑な行為」と言いましたが、科学にのみ立脚する態度を突き詰めるとそうなってしまいます。
「科学的には」人間の死体も他の動物の死骸も違いはないのですから、人間の死体もゴミとして処理させろと要求すべきなのでしょうか。

科学でないものを科学の体裁を装って出す疑似科学も、何でも「科学的根拠がない」と言えば否定できると思う態度も、「科学の射程はどこまでなのか」という反省を欠いたまま無闇に「科学」の看板を掲げるという点では、双子のようによく似ています。
「科学を濫用するな」という戒めがあまり役に立っていないことを確認したという意味では、意義深い一件でした。

なお、下記の記事には「科学的な理由がない迷信が差別につながる」旨を主張している「宮崎県の公式資料」が引用されているのですが……

 六曜カレンダー「差別につながる」と大分で配布中止 なぜ?

「仏滅」の「仏」という字は、元々は「物」という字だったのですが、明治時代になって、暦業者が「仏」という字をあてるようになってから、仏教と関係があるように思われ、広く使われるようになりました。しかし、仏教とは全然関係ありませんし、科学的な根拠も全くありません。


元々とはまったくかけ離れた意味で解釈されている事柄はたくさんありますが、では元に還ればいいのでしょうか。
日本の仏教の多くも元々の仏典とはかけ離れた独自解釈に基づいていますが、「各教団よ、原始仏教に還れ」と主張すべきでしょうか。
「原点(典)回帰」というのは、それ自体一つの考え方であって、唯一の正しさの基準ではありませんし、ましてや科学的でも合理的でもありません。

このように、私たちの社会の中には、多くの人におかしいと疑問を持たれたり、改めなければならないと思われていることがありますが、昔から行われてきたことだからということで、私たちはなかなか自分の自由な意思で行動できません。このことが、これまで迷信や偏見による差別を存続させてきたのです。このような社会体質を改めていくために、私たちは日常の意識や生活を見直し、迷信や慣習にしばられることなく、科学的、合理的なものの見方や考え方を身につけることが必要です。


「仏教とは全然関係」ないことや「科学的な根拠」がないことから、「改めなければならない」ことは必ずしも導かれません。
この文章における「このように」という接続語は、何と何を繋いでいるのでしょうか。

このテクストは、(1) 「科学的」と「合理的」を区別せずに用い、(2) さらにそれと「本来のあり方への回帰」を混同し、(3) しかもそれを「偏見による差別」と短絡させるという、三重の混乱を孕んでいます。
合理的根拠なく決まっていることは山ほどありますが、それが「偏見」や「差別」に繋がっているかどうかは別問題です。一体それで誰が差別されたというのでしょう(実際、引用されているテクスト中にも、六曜がどんな「偏見による差別」に繋がっているのかの説明はありません)。
根拠のないことの中には、「どうでもいいけれど、とにかくどうにか決めなければいけないこと」も多々あります。
一週間が六日でも七日でも、その内どの日が休みでも、どうでもいいことです。それを便宜上どのようにか決めたところで、ただちに誰かが差別されるとは考えられません。もしそれが偏見に繋がるというのなら、一体どうしろと言うのでしょうか。

また、世間一般の考え方に同調する前に、自分自身で事実を確かめる習慣を身につけることも大切です。


市の職員も、“六曜はダメだ”というマニュアルに「同調する前に」、もう少し「自分自身で」“六曜の何が問題なのか”考えて欲しかったと思います(無理か)。

 ~~~

さて、それはそうと、少し遅くなりましたが先月の読書メーターまとめです。
17冊4365ページでした。

読書メーター2015年12月

論文執筆の作業があったせいか、ガクッとペースが落ちましたね。
なお、1年間の総計は324冊77359ページでした。

読書メーター2015年計

こうして見ると、必ずしも論文の締切等がある月にペースダウンしているわけでもないのが我ながら不思議なところですが。


【小説】



 (シリーズ3巻までの記事

旦那様が戦地任務から帰還、祝賀会が開かれる。そして遅ればせの新婚旅行を兼ねてフィサリス家の領地に夫婦で行くことに…。あっさりした扱いながら暴漢に襲われて旦那様に助けられるなんてイベントもあり、ヴィオラも旦那様を意識するようになってきた様子はあるものの、やはり亭主元気で留守がいいを引きずり、旦那様がいなくても平気でしたと無自覚にばっさり、旦那様が更正して真面目にやろうとすると使用人一同とも共に呆然、というノリが楽しい。領地の治安の件でもヴィオラの生活の知恵が頼りにされてるし、内のことは奥様の領分なのか。


実は5巻もすでに出ているのですがずっと放置してしまい、ようやく4巻を読んだところです……


【漫画】



日常の些細なことで「ゲイツちゃん」がキレてキーキー言うだけの4コマ漫画、長期連載も『週刊アスキー』のデジタル化に伴い最終回。終盤は主役キャラが説明もなく作者に交代、タイトルも「ゲイツちゃんの作者」に変わってしまう野放図さ。ネタはほとんどが実話と思われるあるあるネタで、日常生活の引っ掛かりや苛立ちを捉えるセンスは流石、絵のデフォルメ表現も絶妙。ただし主役とタイトル変更に伴い歯止めなく文章での直接的な語りが増加していくが…。最後には問題ありすぎる没ネタ3編も収録。作者近況の哀愁も感じつつ笑わせてもらった。


基本はこんな感じでしたが↓

さらばゲイツちゃん1

作者の思いつきと気分次第で何でもあり。

さらばゲイツちゃん2

「ゲイツちゃんの作者」にタイトル変更してからはこんな感じ↓ 文字での語りが増えています。
こうなるともう玉吉氏お馴染みの日記漫画ですが、主人公が一頭身なのだけは他の作品と違って「ゲイツちゃん」を踏襲していたり。

さらばゲイツちゃん3
 (いずれもクリックで画像拡大されます)




 (記事本文の抜粋にも入っていませんが、一応前巻のレビューを含む記事

今回はカップ麺のフタを全部取るかどうかの後半、牛丼の紅ショウガ、サンマのハラワタ、餃子のタレ、そしてレンゲにラーメンと具を全部乗せてのミニラーメン作り。ストーリー的には劇団から主役の誘いを受け、現在働いているスーツアクター現場との間で悩む二郎。食の些細な悩みと仕事や生活のことが呼応する構成には毎回関心させられ、二郎のオーバーリアクションに大笑い。新キャラとしては演出家の焼野原が登場、また独自の食へのこだわりで二郎を掻き乱す。近藤さんに代わって服部が導き手のポジションに。しかし二郎は大成しそうに見えない…。



【新書】



「町おこし」「地域創生」を謳うものの箱モノ頼り、消費者層に対する見当違い、特産物の良さも説明できないといった日本の「失敗例」から始まり、続いてイタリアとフランスにおける「食の戦略」を紹介。そして後半では日本の優れた実践を見る。郷土の食べ物の良さを伝えられるよう感覚の言語化を磨くワークショップ、健康をも考えた食育の推進、優れたガイドを作る出版活動……食というのは各自の生に根差したことだからこそ、上からの推進、大規模化、効率化では常に取り逃すものがある。地域農業推進者必携の書。


タイトル、出版社、装丁ともに『里山資本主義』を連想させますが、直接の関係はない模様。


【学術書(洋書)】



ベルクソンの『精神のエネルギー』及び『思想と動くもの』という二つの論集に収録されている論文・講演を年代順に註釈。時には当該論文よりも別の主著の註釈に紙面を割いていることもあるが…。優れた指摘も多いが、何と言っても特徴は「直観の一義性・伝達可能性」、その条件としての「空間」という著者独自のベルクソン解釈が前面に出ていること。あらゆる論文・講演をこの問題系に結び付けるのには一種の執念を感じる。ベルクソンが沈黙の直観を推奨するわけではなく、伝達において空間化が積極的意義を持つというのは近年目立つ論点だが重要。


一部文字化けによりタイトルがきちんと表記されていませんが、正しくは Commentaire des essais et conférences de Bergson です。
著者は割と新進の研究者だと思っていましたが、よく見ると2003年刊行でした。


読んだ本の詳細は追記にて。
ただし12月のまとめのみ、1年間のまとめも可能ですが長くなりすぎるので貼りません。

2015年12月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:4365ページ
ナイス数:625ナイス

戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉3 (HJ文庫)戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉3 (HJ文庫)感想
隣町に経営拡大を目論むスヴェン。しかし営業に行った先でジェコブが大商人シャイロックと出会ったことが彼の運命を大きく変え、トッカーブロートとライバル店の対決に発展。そこにワイルティアの政情も絡み…というわけでジェコブ回。年少ながらませたしっかり者で中々いい性格をしている彼の素性が判明、自身も様々な顔を見せてくれる。ルート達の監視役だったレベッカも絡んで、予定調和だが綺麗に収まり良かった。パン屋経営の話あり、最後はロボット戦もあって濃密に楽しめた。シャイロックの素顔がまた民族問題を物語り実にいい。
読了日:12月2日 著者:SOW
火輪を抱いた少女1 晴れのち地獄火輪を抱いた少女1 晴れのち地獄感想
人体実験で生き残った少女はノエルと名乗り、炎を放つ二又槍を持って帝国を揺るがす内乱に参戦、その行方を左右していく…脳天気な世間知らずだが滅法強く、軍事に関する頭脳もあるノエルの活躍と栄達が痛快。ただ「幸せ」を求める彼女は仲間と約束を大切にするけれど、敵には容赦ない。欲を掻いた者が勝手に彼女を敵に回して滅びていく。彼女が一番憎むのはその名の下に理不尽な扱いを受けた皇帝であり、彼女の存在そのものが体制への問いである。全てが作者らしさ。宿敵が実験の成功例でかつての仲間というのがポイントか。次巻が待ち遠しい。
読了日:12月3日 著者:七沢またり
トリコ 37 (ジャンプコミックス)トリコ 37 (ジャンプコミックス)感想
ブルーグリルの街で行われている「魂の取引」、チャコのためそれに関わることになる小松。この街の実態と異様な仮面の正体が判明する一方で、いよいよ始まる人間界のシェフ5人と十貝五人衆の料理対決。ユダがいい過去話と実力者の貫禄を見せたかと思いきや、後半八王胎動、ジョアvs三虎、アカシア復活、そしてついに次郎の本気と頂上対決へ。多くの真相も一気に見えてくる。こうやって食霊という設定で繋がるわけね。ブルーニトロも真の敵ではなかったか…盛り上がりは十分だが、この展開の中で主人公サイドをどう活かすかだけが気がかりだ。
読了日:12月4日 著者:島袋光年
仮面ライダークウガ(3) (ヒーローズコミックス)仮面ライダークウガ(3) (ヒーローズコミックス)感想
今回は丸1冊メビオ戦。メビオが右目に弾丸を受け復讐を目論み、クウガがトライチェイサーで挑む大筋といくつかの場面は原作を押さえつつ、雄介がメビオ人間態と出会って交流とか、作者陣のメビオ愛を見た。共生の(不)可能性もテーマ的にはありかな。同時に、一条と因縁のある男・駿河徹也が警視庁に帰ってくる。彼がアギトの沢木哲也とどれくらい重なるのかまだよく分からないが、津上翔一の姉・雪菜が登場、彼女が最初のアギトになるのは『アギト』原作通りか。この交錯がどう影響するのか読めないが…こっちの桜子は雄介の戦いを知らないのね。
読了日:12月5日 著者:石ノ森章太郎,井上敏樹,横島一,白倉伸一郎
ワンパンマン 10 アニメDVD同梱版 (ジャンプコミックス)ワンパンマン 10 アニメDVD同梱版 (ジャンプコミックス)感想
ヒーロー狩りを続けるガロウ。相手が武術の使い手という話に興味を持ったサイタマは異種格闘技大会に出場する。そんな中、S球ヒーロー・金属バットはヒーロー協会役員の護衛中にムカデ怪人に襲撃され…色々な動きが未だ交錯せず。圧倒的な強さでない分駆け引きのあるガロウの戦いは王道で、次々格上にインフレするムカデ怪人はパロディ的に面白かったが。表紙のタツマキは番外編のみ、難儀な我が儘さが一周回って可愛く見えてくる。同梱アニメは髪の毛があった頃のサイタマの話。怪人と人間の分岐点という問題は本編とリンクしてもいるのかも。
読了日:12月5日 著者:村田雄介
Durée et simultanéité (4e édition)Durée et simultanéité (4e édition)感想
ベルクソン『持続と同時性』。アインシュタインの相対性理論についてその哲学的意味を論じ、「唯一の時間」の確保を論じる。現代ならば検証できる物理的間違いも含み、著作中にも収録されなかった一冊だが、興味深いは数多く含んでいる。本書は物理学の射程を極度に幾何学的認識に絞っている感があって、ベルクソンの他著作における科学論の中での位置付けや整合性が一番気になるところ。積年の誤解を解き、この著作の哲学的射程の解明を目指したDuringによる註と解説、それに本書の成立から評価まで一挙に読める巻末の資料も素晴らしい。
読了日:12月7日 著者:HenriBergson
薔薇十字叢書 ようかい菓子舗京極堂 (講談社X文庫ホワイトハート)薔薇十字叢書 ようかい菓子舗京極堂 (講談社X文庫ホワイトハート)感想
ある相談事で京極堂を訪れた呉美由紀は、和菓子屋の再建を目指しす青年・粟池と出会う。古本屋の店先で妖怪菓子を売る粟池と、手伝いに通う美由紀。タイトルからの予想通りの心温まる日常話(軽微な事件あり)だったが、そういう話としてはまあ割と良かった。原作なら蘊蓄と分析を期待する場面でもそれはなかったがそこはあえて求めまい。ただ気に入りキャラの美由紀に関しては、エキセントリックにキャラが立ってるタイプじゃないんで違う文脈に置かれると違和感があるともないとも言えない微妙な感じ。まあ彼女の魅力は出ていたんで良しとしよう。
読了日:12月10日 著者:葵居ゆゆ
日常(10) 特装版 (カドカワコミックス・エース)日常(10) 特装版 (カドカワコミックス・エース)感想
初っ端から顔芸、椅子取りゲームの名の下のデスゲーム、謎の怪盗ポテトとの追いかけっこでなのがハイスペックぶりを発揮と今回も予測不能のハイテンションだがなんと最終巻。前巻の最後に引き続きたまに入る将来編が上手く効いて、随所に彼女達の進路に繋がるエピソードがあるのが見える。いつも通りの(シュールな)日常のまま、自ずから変化していく様を見事に描いてくれた。将来編の麻衣の変化と美緒との関係が感慨深い。ゆっこのスタイルは衝撃だったが。付録小冊子はボツ話集。中には展開に影響するのもあって、構成を考えてるのがよく分かる。
読了日:12月14日 著者:あらゐけいいち
だがしかし 4 (少年サンデーコミックス)だがしかし 4 (少年サンデーコミックス)感想
まだまだある駄菓子、4巻になってもなお森永ミルクキャラメル等の有名どころも。超・怖い話ガムとかよっちゃんイカとか、お菓子自体はほとんど食べてない回もあるが。時々駄菓子屋で扱う玩具の回もあり、ついに店内備え付けゲーム機まで登場するとは。ほたるはいつも通りの突っ走り具合、駄菓子初見者としてのリアクション担当のサヤ師も可愛い。まだ夏休みは続いているが補習で学校に行く回もあり、将来のこと、ひいてはこんな日々の終わりも終盤でさらっと示唆する構成が上手い。なおユダヤ教のカルパスは野菜。
読了日:12月19日 著者:コトヤマ
里山産業論  「食の戦略」が六次産業を超える (角川新書)里山産業論 「食の戦略」が六次産業を超える (角川新書)感想
「町おこし」「地域創生」を謳うものの箱モノ頼り、消費者層に対する見当違い、特産物の良さも説明できないといった日本の「失敗例」から始まり、続いてイタリアとフランスにおける「食の戦略」を紹介。そして後半では日本の優れた実践を見る。郷土の食べ物の良さを伝えられるよう感覚の言語化を磨くワークショップ、健康をも考えた食育の推進、優れたガイドを作る出版活動……食というのは各自の生に根差したことだからこそ、上からの推進、大規模化、効率化では常に取り逃すものがある。地域農業推進者必携の書。
読了日:12月21日 著者:金丸弘美
しゅうまつがやってくる! ―ラララ終末論。 I―しゅうまつがやってくる! ―ラララ終末論。 I―感想
文崎双葉は通学路で5分だけ一緒になる男の子に恋していた。しかしある日突然、男の子は姿を見せなくなってしまう。引っ越していったお隣さん、電化製品の異常…不穏さを見せていく世界の中で、何も知らされない少女の想い。日常の愛しさ、彼がいなくなった焦燥、後悔…繊細な心理描写は流石。楽曲のノベライズとしては、歌詞だけでなく動画の情報まで細かく拾い、後続シリーズの要素まで鏤めているのはよく分かる。ただ世界設定の多くは謎のまま。次巻以降で視点を変えて回収する方向性かと思われるが、はてさて…まあ続きは楽しみ。
読了日:12月21日 著者:入間人間
桜玉吉絶叫四コマ作品集 さらばゲイツちゃん (ビームコミックス)桜玉吉絶叫四コマ作品集 さらばゲイツちゃん (ビームコミックス)感想
日常の些細なことで「ゲイツちゃん」がキレてキーキー言うだけの4コマ漫画、長期連載も『週刊アスキー』のデジタル化に伴い最終回。終盤は主役キャラが説明もなく作者に交代、タイトルも「ゲイツちゃんの作者」に変わってしまう野放図さ。ネタはほとんどが実話と思われるあるあるネタで、日常生活の引っ掛かりや苛立ちを捉えるセンスは流石、絵のデフォルメ表現も絶妙。ただし主役とタイトル変更に伴い歯止めなく文章での直接的な語りが増加していくが…。最後には問題ありすぎる没ネタ3編も収録。作者近況の哀愁も感じつつ笑わせてもらった。
読了日:12月23日 著者:桜玉吉
UQ HOLDER!(9) (講談社コミックス)UQ HOLDER!(9) (講談社コミックス)感想
ダーナから与えられる次の課題。過去のエヴァンジェリンとの約束を果たすべく短期クリアを目指す刀太だが、立ちはだかるは祖父・ネギと同等という強敵。闇の魔法で雷天大壮が久々に登場、雷の上位精霊というのも聞き覚えのある存在で懐かしい限り。まあまだ刀太にはまだ使いこなせていないもう一つの力・魔法無効化があるのだが…。そして前巻に続きエヴァンジェリンの過去編、五百年の時を超えて伝わるもののあった締めが真に心憎い。最後は1巻の彼女や見覚えのある前作キャラの子孫が集結。次巻は一気に武道会本戦ではなくラブコメ寄せか?
読了日:12月24日 著者:赤松健
誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~ 4 (アリアンローズ)誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~ 4 (アリアンローズ)感想
旦那様が戦地任務から帰還、祝賀会が開かれる。そして遅ればせの新婚旅行を兼ねてフィサリス家の領地に夫婦で行くことに…。あっさりした扱いながら暴漢に襲われて旦那様に助けられるなんてイベントもあり、ヴィオラも旦那様を意識するようになってきた様子はあるものの、やはり亭主元気で留守がいいを引きずり、旦那様がいなくても平気でしたと無自覚にばっさり、旦那様が更正して真面目にやろうとすると使用人一同とも共に呆然、というノリが楽しい。領地の治安の件でもヴィオラの生活の知恵が頼りにされてるし、内のことは奥様の領分なのか。
読了日:12月24日 著者:徒然花
目玉焼きの黄身 いつつぶす? 6 (ビームコミックス)目玉焼きの黄身 いつつぶす? 6 (ビームコミックス)感想
今回はカップ麺のフタを全部取るかどうかの後半、牛丼の紅ショウガ、サンマのハラワタ、餃子のタレ、そしてレンゲにラーメンと具を全部乗せてのミニラーメン作り。ストーリー的には劇団から主役の誘いを受け、現在働いているスーツアクター現場との間で悩む二郎。食の些細な悩みと仕事や生活のことが呼応する構成には毎回関心させられ、二郎のオーバーリアクションに大笑い。新キャラとしては演出家の焼野原が登場、また独自の食へのこだわりで二郎を掻き乱す。近藤さんに代わって服部が導き手のポジションに。しかし二郎は大成しそうに見えない…。
読了日:12月26日 著者:おおひなたごう
Commentaire des essais et conférences de BergsonCommentaire des essais et conférences de Bergson感想
ベルクソンの『精神のエネルギー』及び『思想と動くもの』という二つの論集に収録されている論文・講演を年代順に註釈。時には当該論文よりも別の主著の註釈に紙面を割いていることもあるが…。優れた指摘も多いが、何と言っても特徴は「直観の一義性・伝達可能性」、その条件としての「空間」という著者独自のベルクソン解釈が前面に出ていること。あらゆる論文・講演をこの問題系に結び付けるのには一種の執念を感じる。ベルクソンが沈黙の直観を推奨するわけではなく、伝達において空間化が積極的意義を持つというのは近年目立つ論点だが重要。
読了日:12月27日 著者:AlainPanero
異世界妖怪サモナー ~ぜんぶ妖怪のせい~ (2) (角川スニーカー文庫)異世界妖怪サモナー ~ぜんぶ妖怪のせい~ (2) (角川スニーカー文庫)感想
巨大妖怪・手洗鬼が城ごと魔王を潰してしまう。冒険者の新規採用も打ち切りになり無職生活が続く琥珀達。そんな中、ライカのお見合い話が来て逃避行に、だが妖怪? の起こした事件で琥珀が指名手配に。魔王を実際に倒してしまえば不都合が…というネタ自体は新しくないがうっかりで倒してしまうのは前代未聞。個別に経験される、故に辻褄を合わせる必要のない妖怪と、一つの世界設定に従わねばならないファンタジー世界のキャラの差異、それに妖怪のくだらなさが考証に基づいて描かれ、各要素がストーリーにも繋がっていて、今回も楽しかった。
読了日:12月31日 著者:東亮太

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プロフィール

T.Y.

Author:T.Y.
愛知県立芸術大学美術学部芸術学専攻卒業。
2012年4月より京都大学大学院。

当ブログはリンクフリーです。

引用もフリーです(出典明記していただけるとより有難いですが)。

コメントは返信しないことも多いですが、基本的にちゃんと読んでいます。

実名での仕事
7ページだけですが、拙稿が掲載されています。
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